新約 仮面ライダーGHOST   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回の題名はクウガ風。前回倒れたゴーストのその後の話。楽しんでいただければ幸いです。


第四話:友達

 目を覚ますと、知らない天井で。視線を横に向けると、会うのも三度目となる少女がいた。ブレザー姿で、黒髪をポニーテールにしている大和撫子さながらの印象を感じる。水にぬれたタオルを手に首をかしげていたので、俺を看病しようとして物に触れられないから困っているのだろう。しかし幽霊でも疲れるのか。今後は一週間ぶっ通しはやめないとな。

 

 

「…もう大丈夫だ。心配かけたみたいだな。…えっと」

 

「結城鴒です。柳原悠二さん、目を覚ましたみたいで何より」

 

「俺を運んでくれたのか?どうやって?」

 

「私、幽霊に触れられるんです。生身より軽いから簡単でしたよ」

 

 

 そう言って俺の手を握る少女、結城さん。久しぶりの人のぬくもりを感じた。

 

 

「あっ、すみませんいきなり触ったりして。でも……本当に、ありがとうございました。私、幽霊が見えたり人より不運だったりでよく事件に巻き込まれて…でも、今度ばかりは本当に死ぬかと思いました」

 

「気にしないでくれ。あのカルマって怪人は俺が倒さないといけないんだ。結城さんを助けたつもりが助けられた。俺も幽霊になってから戦いづくめで精神的に摩耗していたらしい」

 

「あ、呼び捨てでいいですよ私なんか。私も悠二君、って呼ぶので。…同世代ですよね?」

 

「一応死ぬ前は20歳なんだが…結城は学生だよな?」

 

「え。ご、ごめんなさい!そうは見えなくて…」

 

「よく言われる」

 

 

 俺は実年齢よりちょっと若く見えるらしい。良く知らんけど。さて、精神力は戻ったみたいだしそろそろ行くかな。

 

 

「…そろそろ行くか」

 

「え、もう?」

 

「何せ期限が四十九日だからな。108つの眼魂を手に入れないといけないんだ」

 

「え…?なんで、悠二君が戦わないといけないの?」

 

「俺しか戦えないからだ。今こうしている間にも誰かが犠牲になってるかもしれない。俺はクソみたいな生涯でな。少しでも俺が誇れる俺に、誰かのヒーローになるために人々を助けて見せる」

 

「……なら、もう叶ってるよ」

 

「…なに?」

 

 

 外に行こうとしていた足を止め、振り向く。そこには笑顔の結城がいて。

 

 

「だって悠二くんはもう、二度も私を助けてくれたヒーロー、仮面ライダーだからね!」

 

「…ヒーロー、仮面ライダー……まだ、慣れないなそう呼ばれるのは」

 

「でも私にとっては貴方は仮面ライダーだよ!人知れず仮面を被り人々を助ける正義のヒーローだもの」

 

「そうか。そう言ってくれると助かるよ。……奴から電話はないか。どうしたもんかね」

 

 

 コンドルデンワーを手にぼやく。連絡が入らない、というかエクストリーマーの野郎はカルマが派手なことをやらかさない限り感知しない。だから連絡がない場合はこの間の銀行強盗みたいに悪事の気配を感じたら割り込むようにしているが、カルマに当たったことは二、三回しかない。

 

 

「時間もないってのに全てのカルマの居場所なんかわからないからなあ…」

 

「なら私、手伝えるかも!」

 

「なに?」

 

「私、幽霊が見えてさらに不幸だから、怪しい噂や場所をあらかじめネットで調べて近づかないようにしているの。それでも銀行強盗だったり誘拐だったりに遭遇するんだけど……多分その中には、カルマの仕業の事件もあると思うんだ」

 

「なるほど?」

 

「最近だと…これ!ニュースにもなってた、法で裁けない悪人が次々と暗殺されてる事件。これ、カルマの仕業じゃないかな?」

 

「確かにカルマの仕業っぽいが…法で裁けない悪人を暗殺…正義のカルマ、だと?」

 

 

 そんなのいるのか?今までのカルマは自分の欲望に忠実で、悪辣とした業を叶えようとするために他人の魂を奪おうとする輩ばかりだった。悪人を倒すのが何の業なのか想像つかない。

 

 

「…とりあえず、行ってみるか。次の標的、分かるか?」

 

「有名な悪人から順に暗殺されているから、次に狙われるのは次の総理大臣候補って言われてる政治家の上総紅助(かずさこうすけ)のライバルの金菅光栄(かねすだ こうえい)ってネットでは言われてるね」

 

「助かる。じゃあな」

 

「あ、ちょっと待って」

 

 

 結城の教えてくれた奴の場所へ向かおうとするが、呼び止められて振り返る。そこには真剣な顔をした結城がいた。

 

 

「私もついていっていい?」

 

「はあ?そんなのダメだ。そもそも、自分から巻き込まれるつもりか?」

 

「だって、49日しかないんでしょ?だったら時間をかけてられない。でも私なら、巻き込まれることで誘き出すことができる」

 

「これは俺の問題だ。気にせず平和を享受しろ」

 

「いやだ!だって、悠二君はもう友達だもん!……友達、だよね?」

 

「あ、ああ…多分?」

 

 

 自信満々に言ったかと思えばしどろもどろに問いかけてきたので、頷いておく。といっても俺も引き籠もりで友達もひとりぐらいしかいないから何とも言えないが。

 

 

「友達が困ってるなら力を貸すに決まってるよ!それに…守って、くれるんでしょ?」

 

「そう言われると、強く言えないだろ…」

 

 

 そして俺は守るべき友人を連れて、戦いへと赴いたのだった。

 

 

「…仮面ライダーのバイクの後部座席に乗る勇気はあるか?」

 

「え。私、見えない人の運転するのに乗りたくないんだけど」

 

「このクモランタンを使えば変身しなくても他人から見える様になるらしい。一時間だけだが」

 

「あ、それならちょっと乗ってみたいかも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クモランタンの光で結城以外にも見える様になり、後部座席に帽子と眼鏡で軽く変装した結城を乗せたマシンフーディーを駆って件の政治家がいるというビルへ向かう。そこには、ビルの入り口を囲む様に十数人の警官が屯していた。ここからは見えないが中にも警護する警官でいっぱいなんだろうな。

 

 

「…俺が出る機会なくないか?」

 

「そんなことないよ。…カルマって普通の人でも勝てるの?」

 

「まあ生霊だけど物体には触れられるみたいだしなあ。銃弾の雨を喰らえばさすがに?」

 

 

 遠目から二人でそれを確認していると、背後から気配を感じて殴りかかると、簡単に受け止められる。そこにはスーツを着た生真面目そうな女性が訝しんだ目つきで警察手帳を手に立っていた。

 

 

「公務執行妨害…のところだが、隣の彼女を守るためみたいだから見逃そう。私は警視庁の刑事をしている森川真弓という者だが。こんなところでなにをしている?何やら物騒な話をしていたようだが?」

 

「け、刑事さんでしたか…殺気を感じたのでつい。ごめんなさい」

 

「わ、私達はツーリングしていて…なにがあったのかなあって物見遊山のつもりで……邪魔になったのならごめんなさい」

 

「いや。邪魔ってことではないが……今ここは危険だ。ここだけの話だが、ロビンフッドを名乗る謎の人物から殺害予告状がこのビルにいる政治家に送り付けられてな。我々が警護している」

 

 

 ロビンフッド…!カルマの仕業とみて間違いなさそうだな。すると結城が気になったのか森川刑事に尋ねた。

 

 

「もしかして、悪徳政治家とかが何人も暗殺されているって言う…?」

 

「そこまで噂が広まっているのか。今回も許してしまっては警察の面目が丸潰れだ。それが、一般人にまで被害が及んだとなると事だ。悪いことは言わない、ここから離れた方がいい」

 

「は、はい…!行こう、悠二君」

 

「あ、ああ……お邪魔しました?」

 

 

 とりあえず邪魔になることは確かなので離れることにする。しかしどうするかな。…物々しい警備だが、カルマが相手でしかもこれまで何度も殺されているみたいだしなあ。

 

 

「変身して中に入ってみるか。あ、このコンドルデンワーを預けておく。俺の持ってるコブラケータイに通話できるから、カルマが出たら連絡してくれ。それに、危険が及んだら守ってくれるはずだ」

 

「ありがとう。気を付けてね」

 

 

 結城にコンドルデンワーを預け、俺はオレ眼魂を取りだしてスイッチを入れ、顕現させたベルトのカバーを開けて装填、カバーを閉じる。

 

 

≪アーイ!≫≪バッチリミナー!バッチリミナー!バッチリミナー!≫

 

「おう。変身」

 

≪カイガン!オレ!≫≪レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!≫

 

「よし、行くか」

 

 

 そしてパーカーゴーストが舞い踊る中、ベルトのトリガーを押し込んでパーカーゴーストを身に纏った俺はフードを被ったまま宙に浮かび、警官達の真上を通ってビルに入って行った。謎の正義の味方のカルマ…その正体、見極めてやる。




そんなわけで頼れる(?)協力者を得たゴースト。クモランタンで一時的に姿を現すことも。

新しい名前も続々登場。ネームドキャラがどう関わってくるのか。

お気に召したなら感想などいただけると嬉しいです。
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