「こちらのことは頼んだ。みんなと"、俺"にもよろしくな」
そう言い、消滅していく右手で拳をつくり前方に突き出す。
「ああ、任せてくれ…!」
内戦の時から敵としてまた頼もしい味方として共に走り続けてきた捜査官である彼ロイドも同じように拳をつくり拳を合わせる。
こうして、エリュシオンによって別の因果から呼び出されたリィンは再び姿を消した。
———
リィンが再び目を覚ますとそこは何もない空間だった。リィンのみが存在している空間でリィンはもう一度彼らに想いを馳せる。ロイドの所属する支援課、遊撃士であるエステル達。———そしてⅦ組のことを。
先程ユーシスにいいと言ってしまったがやはり彼女フィーに別れを告げることが出来なかった事だけがリィンの心残りだった。そんなことを考えていた時だった。目の前に謎の鏡が現れたのは。何かを考える間もなくリィンの体はその鏡に吸い寄せられていった。必死に抵抗を始めるが吸い込む力は凄まじくリィンの体は瞬く間に鏡の中へと消え去っていった。
———
場所は変わってここはハルケギニア大陸に存在する国トリステイン。そこに存在するトリステイン魔法学校では二年生への進級がかかった召喚の儀式『サモン・サーヴァント』が行われていた。進級のためには使い魔の召喚が必須であり召喚できなければもれなく留年となってしまう。そんな儀式もすでに後1人の生徒を残すのみとなっており最後の少女ルイズは真剣な面持ちで杖を構え呪文を唱える。そして杖を向けた先で爆発が起こる。
「おい、ルイズ!これで何度目の爆発だよ!!」
「ゼロのルイズじゃ召喚なんてできるわけないだろ!!」
この同級生の言う通り何もこの爆発が初めてなことではない。ゼロのルイズその名の通り彼女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはラ・ヴァリエール家という代々優秀なメイジを輩出してきた大貴族の娘でありながら使う魔法の全てが爆発に変わってしまうと言う魔法の成功確率『ゼロ』であるためつけられた二つ名なのである。
「ミス・ヴァリエール、これ以上は…。」
召喚の儀式を監督している教師であるジャン・コルベールがルイズの肩に手を置き声をかける。もうすでに予定の時間を大幅にすぎておりこれ以上の時間をかけると次の授業に支障が出てしまう。ルイズ自身もそれは分かっていた。それでも諦めたくなかった。ここで諦めたら何かが終わってしまうような気がした。
「お願いですミスタ・コルベール!!もう一度だけやらせてください!!」
ジャン・コルベールは彼女の努力を知っていた。誰よりも魔法を勉強し練習を欠かさず行なっている姿を知っていた。
「…分かりました。後一回だけですぞ。」
「はい!ありがとうございます!」
コルベールに礼を言い。ルイズは最後の一回にこれまでよりも深く集中する。周りからは嘲笑の声が聞こえてくるがそれがかえってルイズを熱くさせていく。そして杖を構え大きく息を吸い呪文を唱え始める。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール! 宇宙の果てにいる、我が僕よ! 神聖で、美しく、強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに答えなさいっ!!!」
チュドォォォーン!!
ルイズの唱えた呪文は先程よりも大きな爆発を生んだ。その大きさは爆発の余波による砂煙で周囲が見えなくなるほどである。周りの生徒からはふざけるななどと言った言葉が飛んでくるがルイズはそんな言葉を気にしている余裕はなかった。ルイズは両手を合わせて祈る。
(お願い。召喚されていて。)
果たしてその祈りは届いた。砂煙がは少しずつ晴れてくると周囲の生徒がざわつき始める。それは———
「おい!なにかいるぞ!」
砂煙の中に一つの影があったからだ。それを聞いて周りが再びざわつき始めるがルイズの耳にはそんな喧騒は届いていなかった。
(…成功したの…私の魔法が?)
そして砂煙が晴れた先には———
「…人間?」
そこにいたのは黒の衣装を身につけ、黒い髪に赤い目そして腰に刀を携えた青年。
かつて自分の身を犠牲に世界を救った『剣聖』。リィン・シュバルツァーがハルゲギニアに降り立った。
眠い中で少し急ぎ気味に書いている為何書いてるかよくわからないくりつつあります。とりあえず今日中に書き終えたかったのです。