果たして魔王に挑むのは……?
と言う訳で本編スタート!!
…………、あの八冠達成から早15年………
2040年3月末、今年も順位戦を終え、年度明けの名人戦を残すのみとなり、束の間の休息を味わう事となった……。
僕は現在43歳、来月で44歳になる訳ではあるが、前期名人戦で冬司に敗れて冬司の永世名人資格取得を許し、これで僕の後の永世名人資格者は神宮寺さんに続き2人目となった。
そんな訳で僕が十九世、神宮寺さんが二十世、冬司が二十一世の永世名人資格者に列している。
一方で竜王戦では、去年迄の15年で僕と八一君との番勝負が実に12回を数え、八冠達成以降、僕が後藤さん・3期連続八一君・創多と5連続防衛で6連覇として永世竜王資格を取得すると、翌年には天衣に僕の今世初にして現在迄唯一のストレート負けを喰らって竜王を奪われたのだが、次の年に八一君が天衣からヌケヌケで竜王通算10期を果たすと、以降は去年迄8年連続僕vs八一君の年末恒例行事となる等、八一君が初めて竜王を獲って以来、僕と八一君の両方が欠けるのは24年もの間無かった程である。
因みに僕も八一君も竜王を失冠しても1組では最低本戦トーナメントには進むケースが多く、八一君は本戦進出自体皆勤状態で僕も本戦進出は逃しても1組残留だけは決める等、兎に角竜王戦では一定の戦果は挙げていた。
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〜2039年度順位戦A級・タイトル戦主要結果〜
名人戦→○宗谷冬司(4−3・持将棋1)桐山零●
※宗谷挑戦者が獲得、二十一世名人資格取得・通算5期獲得
賢王戦→○椚創多(4−1)中静そよ●
※椚賢王が防衛、3連覇・通算5期獲得
棋帝戦→○夜叉神天衣(3−2)土橋健司●
※夜叉神挑戦者が獲得、通算5期獲得で永世棋帝資格取得
帝位戦→○神鍋歩夢(4−2)九頭竜八一●
※神鍋帝位が防衛、連続5期獲得で永世帝位資格取得、通算では8期獲得
玉座戦→○神宮寺崇徳(3−1)隈倉健吾●
※神宮寺挑戦者が獲得、初の玉座
竜王戦→○桐山零(4−3・持将棋2)九頭竜八一●
※桐山竜王が防衛、2連覇・通算12期獲得
玉将戦→○九頭竜八一(4−3)神宮寺将馬●
※九頭竜挑戦者が獲得、通算2期獲得
盤王戦→○神宮寺将馬(3−2・持将棋1)神宮寺崇徳●
※神宮寺将馬盤王が防衛、連続5期獲得で永世盤王資格取得
……、そんな訳で二冠以上保持者不在で全タイトル分散の戦国時代と化していた………。
2039年度・第98期順位戦A級
1位・名人挑戦者→神宮寺将馬盤王(8勝1敗)
2位・桐山零竜王(7勝2敗)
3位・神宮寺崇徳玉座(5勝4敗)
4位・九頭竜八一玉将(5勝4敗)
5位・夜叉神天衣棋帝(4勝5敗)
6位・隈倉健吾九段(4勝5敗)
7位・土橋健司九段(4勝5敗)
8位・神鍋歩夢帝位(3勝6敗)
9位・椚創多賢王(3勝6敗)=陥落
10位・神鍋馬莉愛八段(2勝7敗)=陥落
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〜全棋士参加棋戦・上位選抜棋戦〜
◎賞金王シリーズ(タイトルホルダー及び賞金上位+前年優勝者の12名が出場)
優勝賞金・800万円 準優勝賞金・250万円
優勝→隈倉健吾九段
準優勝→土橋健司九段
◎大河戦
優勝賞金600万円 準優勝賞金200万円
優勝→土橋健司九段
準優勝→辛香将司八段
◎毎朝杯将棋オープントーナメント
優勝賞金1500万円 準優勝賞金600万円
優勝→桐山カタリーナ八段
準優勝→椚創多賢王
◎公共放送杯
優勝賞金600万円 準優勝賞金200万円
優勝→雛鶴銀香六段
準優勝→神宮寺将馬盤王
との結果となり、若手も中堅もベテランも関係無しで実力一本で勝敗・優劣が明るみとなる僕としては望ましい経過となり、僕自身は一般棋戦ではなかなか思った結果を出せなかった訳ではあるのだが、それだけ若手中堅の力が僕らに迫るレベルに至ったのは歓迎すべき事だとは実感している。
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〜side祭神雷〜
……、あ〜〜〜っ!!健吾と付き合ってから結婚して15年になるけどさぁ〜、これだけ周りからアタシの未来絵図聞かれるなんてさぁ〜っ、何言えばいいってのさぁ〜〜〜っ!!
そりゃあアタシもさぁ〜この15年でA級4期務めたさぁ〜〜!
けどさぁ〜、勝ち越した事無くて1回残留が精々の女がさぁ〜、事もあろうに復帰即名人目指せとか流石に無理ゲー過ぎるんだけどぉ〜〜っ!
まぁタイトルは帝位取った事はあってもさぁ〜、名人戦は別物ってのは幾らアタシでも重々承知な訳でさぁ〜っ!
っても零に鍛えられた黒服のチビ(もうチビじゃないかwww)もA級何期も務めて名人挑戦してるし、先々代会長の『名人』(十八世名人)の弟子に潜り込んだ大喰らいのパッツンパッツン女だって今はB1でてんやわんやしてるけどさぁ〜、アイツだってタイトル取ってA級居た事あるしさぁ〜、ホンっト、アタシに掛かるプレッシャーハンパないんだけどぉ〜!!
けど、半年前に息子の『隈倉雷吾』が健吾同様、小学生(6年)で四段に上がったし、年子の娘の『隈倉吾妻』も同時に小学5年で女流2級になって、冗談抜きでアタシもウカウカ出来なくなっているのは百も承知なんだけどさぁ〜っ!
まぁ〜、零とも八一とも健吾達とも思う存分遊び尽くせるのは望むとこだけどぉ〜〜っwwwwww
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さて、順位戦での他の主な結果はと言えば……、
◎次期A級昇級者
・祭神雷八段(B級1組11勝1敗)
・山刀伐尽九段(B級1組9勝3敗)
となり、祭神さんは4期振りの復帰で、山刀伐さんに至っては史上初の還暦過ぎでのA級復帰の快挙を果たしていた。
で、他は……、
八一君と銀子ちゃんの娘である銀香ちゃんがC級1組で全勝し、B級2組に昇級して七段昇段していた。
(四段→五段はC級1組昇級、五段→六段は最終戦前=9回戦=で無敗キープにより、B級2組昇級確定した為、六段→七段は公共放送杯優勝=六段での全棋士参加一般棋戦優勝=により。)
更に言えば、女流でも僕の三女の万彩が女流名跡挑戦が決まって女流二段に昇段、健司君と飛鳥ちゃんの1人娘である飛燕ちゃんが正月付けで女流2級として女流入りする等、色々と地殻変動も盛んになって来ている流れとなっている。
……そしてこの日、桜を愛でながら一献傾けようと大阪・高槻の新・関西将棋会館近くの公園に多数の棋士と関係者が集い、大規模な花見(酒宴)が執り行われたのだが……
お馴染み関西棋士・女流棋士の面々はもとより、遠く関東からも多数の棋士・女流棋士等も参加する大掛かりな花見と化していた。
そんな中、八一君・銀香ちゃんと共に参加していたあいちゃんなのだが、彼女は女将修行再開に伴い、本来なら現役引退する筈だったのだが、女将さんで母親の亜希奈さんの温情で即引退では無く、フリークラス宣言を行う事によって最短での順位戦陥落年数+15年に限り、現役続行となっていた。
但し、出場棋戦は竜王戦限定であり、他棋戦は基本的に棄権する運びではあった。
因みに順位戦でもB級2組昇級と同時に即フリークラス宣言となっており、満20歳での宣言と共に異例も異例、前代未聞の騒ぎとなったのは今では何とも懐かしく思うのは僕だけでは無いと思う……
一方、この15年で表舞台を去った棋士もおり、最後迄名人の夢を諦めず追い続けた師匠・清滝鋼介九段も今期順位戦C級2組で遂に3個目の降級点を付けてしまい、折角公共放送杯の予選を通過しながらも引退が確定、残すは公共放送杯本戦トーナメントと竜王戦4組だけとなってしまった。
但し、竜王戦は他棋戦と異なり、4組以上は維持出来ていれば竜王戦限定で現役続行が出来、6組陥落か5組2年残留を以って完全に引退となるシステムである。
師匠も70を過ぎて何処まで戦い抜けるのか、それとも戦い抜く前に力尽きるのか心配でもあり、楽しみでもある。
又、前世からの因縁がありながらも(本人は長らく記憶が封じられていたが)今の世界では東西に分かれながらも親しく交流し、気が付いたら兄弟分となっていた後藤正宗九段も年度明けの4月に正式に永世竜王を名乗る運びとなり、現在はA級からは陥落し、B級1組で今期はどうにか残留と、なかなか厳しくなって来ている模様であるが、本人自身は至って意気軒昂の姿勢は変わっておらず、前世で奥さん(美砂子さん)を喪った時期の荒れっぷりが影も形もないのは本当に良かったと思っている。
一方で四段昇段でのプロ入りまで長らく苦戦が続いた鏡洲飛馬九段はデビューが28歳とかなり遅くなったにも関わらず、昇級・昇段を重ねて順位戦もA級を3期勤め、竜王戦も1組4期、現在はB級1組・竜王戦も2組で順位戦は指し分けで竜王戦は残留以上を早くも決める等、まだまだ油断出来ない実力者であるのは言うを待たない。
そして、椚創多賢王(九段)とリーナこと桐山カタリーナ八段の夫婦は16年前に移転していた関西将棋会館のあるこの高槻市に結婚するや移住し、今や関西将棋界の新たな顔となっており、地元始め三都地域での将棋行事の大半に参加する程には多忙の日々だそうな………
一方で長女のウマ娘であるクリスティーナちゃん(通称・クリス)はと云えば、彼女は母親がついぞ進まなかった東京の中央トレセン学園に入学し、今年の夏にはデビュー予定で既に指導者(トレーナー)とも契約し、この指導者が率いる『チーム・カノープス』に加入したとか……
その後に生まれた長男の哲君となると、去年夏の奨励会試験に見事合格し6級で入会、順調に歩を進め、現在は3級で戦っている。
尚、姉のクリスちゃんの3歳下である為、この春で小学5年となる10才児なので早くも『関西将棋界の新星候補』とか何とか一部では何かと話題のタネになっているようで……
……、で、天衣と冬司はと云えば、13年前に子どもが生まれ、翌年の冬司の18歳の誕生日当日に入籍し、冬司の方が婿入りして夜叉神姓に変わった訳で……
2人の間の子どもは2人おり、最初に生まれた子が女の子で名前が『天希』(あき)と名付けられ、次の子は男の子で名前は『天道』(たかみち)と命名されていた。
因みに天希ちゃんはこの春で中学生となり、天道君は4歳下で今度小学3年となるが、天希ちゃんは既に一昨年に母親である天衣の門下で奨励会入りしており、現在は初段として修行中である。
一方の天道君は、将棋の資質については才能不足と自他共に認めている為早々に見切りを付け、未だに健在である弘天さんの下で事業関係の見習いを早速学校の合間に学ぶ等、実業家としての夜叉神家の後継者教育を受け始めているようだ……
……で、桂香さんと神宮寺さんの一家はと言うと……
神宮寺さんは現在玉座でA級、竜王戦も1組をキープと紛れもない超一流棋士であり、更に言えば去年の春から42歳の若さで将棋連盟会長を担っている最強のプレイングマネージャーと化していた………
これは、先々代の『名人』こと十八世名人が就任9年余りで急逝してしまい、急遽次の会長となった先代が一度隠居していた月光聖市十七世名人であり、その月光先生が、
「私も心身共にそうは長くは務められませんので、今の内に次代会長候補の育成に取り掛かりますのでそのつもりで」
とか言い出して、関西選出理事として指名されたのが神宮寺さんと鏡洲さんであり、別組織である棋士会幹部も関西選出副会長に創多が選ばれる等、関西の実力派の中堅から壮年クラスが連盟運営の中枢に深く首を突っ込まなくてはならない事態となってしまった経緯がある。
で、そこから5年行かずに今度は月光先生が不治の病に倒れ、任期満了と共に完全勇退し、その直後の理事会で今や不動の専務理事に鎮座していた山刀伐さんが、
「バリバリの現役一流ではあるけど君以上の牽引力を持った逸材なんて早急には見つからないから曲げて次期会長を頼みたい」
と頼み込み、紆余曲折ありながらも結局引き受けたそうだ。
一方の桂香さんは5年前に『クイーン名跡』資格を取得し、女流での第一人者の1人として多くの後輩達を睥睨しており、更に云えば10年前から女流棋士会の会長職を釈迦堂さんから引き継いでおり、連盟理事会にも非常勤理事に名を連ねる等、新たな女流の顔の1人としてその存在感が大きくなっていた。
勿論、父親で師匠でもある清滝先生の一人娘であったり、将棋界の顔となっている僕とは従姉弟だったりと良人である神宮寺さんも含め、縁者関係の影響も無きにしもあらずではあるのだが、それでもその実力と山刀伐さんと比肩する程の超絶な研究量は最早女流の域を超え、一部のトップ棋士からも尊敬される程度にはその存在感は圧倒的となっていた。
長男の将馬君は先述の通り盤王5連覇を果たして永世盤王資格を取得し、順位戦でもA級を制して4月から初の名人戦に挑む事となる。
20歳の若武者が若き歴戦の名人相手にどう戦うか観物ではある。
長女の歩香ちゃんになると4年前の4月に研修会の成績により、女流2級として話題満載のデビューとなった。
そりゃそうなる訳で、父親が現役名人(当時)で母親も女流名跡(当時)に加え、7歳上の兄が新世代最強ホープの将馬君と来た日には………
一部の実力も研究も不十分な半端女流からは、
「両親と兄の21光?あ、母親の従弟の桐山先生もいるし祖父も清滝先生だから35光かwwwwwwwww」
とか当初は散々揶揄されていたようだが、流石はあの一家最強のバイタリティー&メンタルの持ち主である。そんな半端女流なんて強豪アマの足下にも及ばない証明をまざまざと強烈に示し、平然とマイナビ本戦に乗り込んだのは関西では早くも語り草となっている程である。
そして、今回の花見を見られずに物故した人物も当然ながら存在する訳で………
1人は二海堂で、前世よりは長寿だったものの、結局名人は前世同様取れず仕舞いに終わり、それでも棋帝だけは永世資格を取得したので、密かに安堵した矢先に急逝する事態となってしまった。
それでも前世では叶わなかった結婚もした上に、3人も子どもを儲ける等、少なくとも僕らの考える以上に火の燃え盛った生涯だったとは信じたい………
更には於鬼頭さんも一昨年に物故していた。
奥さんの三瀬さんが10年前に物故すると、その後は全国津々浦々を回って指導将棋に専念していたのだが、そんな中で3年前に出会った当時小学3年の少年と対峙した際、定跡も何も蹴り飛ばした指し回しを存分に披露された挙げ句、無秩序な攻めに無造作に崩され、忽ち投了の憂き目に遭った。
その少年の名は……、
『氷室桂介』
であり、祖母と2人暮らしとの事であったらしい……
で、その地である高知市のとあるマンションを訪ねると、其処に居たのは何と故・氷室将介十六世名人の奥様で、話を聞くと、
「氷室とは結婚後、息子1人だけ儲けたが、その子が何故かカツオ漁船の漁師になって、何時の間にか結婚・子どもも生まれた矢先に転覆事故で海中に沈み、しかもそれを知った嫁が精神を病んで彼女の実家に強制送還せざるを得ず、結局私が孫を引き取ってこの高知に移住して今、桂介を育てている」
との事であり、ならばと於鬼頭さんが桂介君が望むなら引き取って弟子として育成すると申し出たのだが、当の桂介君が、
「アンタ、顔色悪いぜ。そんなじゃ俺の師匠になったとこで何年も保たねぇだろ。そうなったら誰頼りゃいいんだ?」
と返した事で流石に於鬼頭さんも考え込み、奥様(御祖母様)と改めて相談した結果、僕に連絡が入り、リーナから暫くは取って居なかった弟子を約20年振りに取る事と相成った訳で……。
そしてそれに安堵したのか、暫く小康状態だった於鬼頭さんの体調が急激に悪化し、桂介君との出会いから1年せずに三瀬さんの元に旅立ってしまった。
そんな訳で引き受けた4人目の弟子である氷室桂介君だが、当然ながら氷室先生の唯一の孫にして、伝説の棋士の1人でもある御神三吉先生の玄孫な訳で(刈田先生の曾孫でもあるのだが、これは公表不能である)、周りからは、
「何でまた桐山先生が引き受けたのか何とも解せぬ」
とか言われたけど、素質・実力・理解力が伴っていれば僕自身は特には気にしてはいないし、冬司程の将棋100%人生でもなければ何とかなるとは思ってる。
只、それを言ったら万智に、
「それなら零はんも桂介君も冬司となんら変わらんどすなぁ」
とか言われて、
「僕、そんなに世間的常識から逸脱してる?」
と返すと、
「冬司や『名人』よりは常識的どすけど、盤面に目を向けると忽ち他に何も見えなくなるのは常識外れの一種どすなぁ」
と更に返され、此処で僕の降参となった。
等々、15年の間に色々変化・進化・進展を経て、今日の花見となった訳だ………!
それにしても東西多数の関係者が参加した事で酒肴の消費量がまたハンパ無く、『名人』や於鬼頭さん、二海堂が物故しているにも関わらず、何故かとうの昔に齢100歳を超えてた蔵王先生がまた変わらずに酒が進んでおり、誰もが「なんだ?なんでまたあれだけ酒が強い?あの人もう100歳過ぎてるだろ?」なんて驚愕の目で見ていた。
勿論神宮寺会長も豪快に酒が進み、清滝師匠は……お約束の通り、蔵王先生に潰されていた。とは言え、師匠ももう70過ぎてるんだからもう少し自重するべきかと……
他も呑むわ指すわと、完全に将棋花見の一日であった。
そして夕方、京都の自宅に戻ると早速桂介君とvsを行い、感想戦も込みで4時間弱相対していた。
その桂介君だが、3年前の夏に奨励会入りした後、順調に出世して三段リーグも1期抜けを果たし、去年の4月からプロ入りしていた。
そして順位戦もこの春から小学6年でC級1組に入り、五段として迎える事になっていた。
……思えば両親と妹を喪い、孤児状態と化していた僕が師匠と桂香さんに引き取られ、月光先生を実質的な後見人と出来たのは本当に運が良かったとしか言いようが無い。
更に僕同様、前世からの転生組も多かった事、前世では存在しなかったライバル達も僕の棋力を極限まで引き上げてくれ、素晴らしい将棋人生なのは間違い無い。
又、この世界には川本家は存在しては無かったけど、それでも万智と出会い、縁を結べたのは僕の今回の人生では比類ない程大きかったと思う。
これから先、何時まで指せるか分からないけど、命ある限り、最後まで僕の将棋・人生を指し貫こうと思う!!
そんな訳で今回を以ちまして本編を完結とさせていただきます。
遅筆だったり、文章がイマイチ拙かったりと色々と御意見を頂戴いたしましたが、何とか年内完結に持ち込めました事、感謝の一言であります。
尚、一応完結ではありますが、何か思い付けば適当に書こうかと思っております。
書けるかどうかは不透明ではありますが……
と云う訳で1年半、有難うございました!!