桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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………、あまりに突き抜けた大天才にして『神』とまで比喩される『名人』をも遥かに凌駕した『絶対神』、又は『神を超えた神』とまで恐れられた桐山君………


そんな桐山君の前世がひょんな所から知られるお話………




って訳で番外篇スタート!!


番外篇③前世を知った人・供御飯万智

    

 

 

 

 《愛媛・道後温泉・某旅館》

 

 

 

 

 

………、なんで僕は語らずべき話を此処まで万智さんに話してしまったのだろうか………

僕の出自自体はまだしも、あまりに踏み込み過ぎたのだが…… 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………、それは竜王戦で八一君に敗れた翌日、一旦大阪の自宅に戻り、年末年始の正月休みでの冬司の京都への里帰り準備を済ませて京都の供御飯邸に冬司を送り届けた際に万智さんから、

 

「それじゃ後はこなたと年末西国周遊旅行どすな❤」

 

と言われ、そう言えば氷室先生と邂逅した際に年内に10日程日程が開けば1回旅行でもしようか……って話してたか……

 

 

 

 

……ってか、竜王戦に全傾力向けてたから年明けの指し初め式まで丸々予定が空いてたの完全に忘れてた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……けど、万智さんの予定は?と問えば、女流名跡戦リーグ戦も年内は終了、次は指し初め式の後って事で完全に予定空白丸被りだったから、年末年始じゃあちこち立て込むと思い、急いで旅先を探そうとしたが、

 

 

「もう予約は済んでるどす❤、どうせギリギリまで対局モードから抜けられんと思ったから其処は……どすな❤」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…どうやら僕の身柄はとうの昔にガッチリ確保されていたようだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そんな訳で訪れた旅行初日の宿が道後温泉の名門旅館であり、この旅館の温泉にまつわる歴史と云うのが……

 

 

 

 

 

 

かの聖徳太子が船旅を経て訪れた湯治の湯であり、この地で半月だか1月だか過ごして碑文まで残したって超ド級の履歴持ってるって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日……、

 

 

 

 

 

 

 

早朝京都を出て伊丹まで行き、そこから松山行きの飛行機に乗り、午前10時過ぎには四国・松山の地に足を踏み入れていた。

 

 

 

そして現地の郷土料理店で名物の鯛茶漬けランチを食した後、正午からは松山城から正岡子規記念博物館から砥部焼陶芸館etc……と廻りに廻り、予約済の道後温泉の宿に到着したのは結局午後4時を回った頃であった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてチェックインから宿の最上級の部屋に案内され、荷物を置くと、一旦別れて男女別の大浴場でそれぞれ旅塵を洗い流し、サッパリして浴衣に着替えて部屋に戻ると、早くも豪華絢爛な夕食準備が整いつつあった………

 

 

 

 

 

其処で用意されていたのは………

 

 

 

 

 

 

 

瀬戸内や豊後水道で水揚げされた魚介類の舟盛から焼き魚から、肉も伊予牛だのふれ愛・媛ポークだのが並び、陶板焼だったりミニユッケだったりハーフトンカツだったりと食べ切れるか一気に自信無くなるレベルの大容量な膳であり、更には県内の地酒数種類が四合瓶で何本も並べられて………

その上、前菜・オードブルの類も十種以上盛付だったり……、これ2人で完食なんてどう見繕っても困難としか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けど万智さんは、

 

「膳もお酒もたんとあるどすからじっくり腰を据えて呑み明かせるどすな❤」

 

って事も無げに答えてくれて……

 

 

 

 

それに対し僕が、

 

「多分僕の腹が保たないかもだけど……」

 

と返すと、

 

「その時はその時どすな❤」

 

って……いいのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで午後6時過ぎから2人だけの小宴会が始まり、僕の懸念も何のその、開始1時間が過ぎると料理全体の8割方が消費されており、何本も並べられた四合瓶の地酒も半分以上(8本)が空になっており、後は残った前菜・オードブルに羹の膳や香の物とかを肴に2人で色々語り合いながら更に地酒を3本空けていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一旦宴をお開きにして、また軽く今度は部屋内の露天風呂で別々に(この段階ではまだ混浴はムリ……)汗を流し、旅館内のラウンジで飲み直す事にした。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

チョコレートとピーナッツ、アーモンドの軽い菓子類を肴にウイスキー(スコッチ・バーボン・カナディアン問わず)のロック・ハイボール・水割りを交互に呑みながらまた色々と語り合い、午後10時半を回った処で部屋に戻った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋を出ている間に既に2組の布団が敷かれており、後は寝るだけ……と思ったのも束の間、万智さんが、

 

「これからお待ちかねの初夜どすな❤」

 

………、

 

 

 

 

「え?いやいや、それはまだ暫く…」

 

 

と返しかけた次の瞬間、万智さんの唇が僕の唇に重なり、後は流されるまま、自然と………(R18じゃないんでこれ以上は……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………、そんな訳で気付いたら1つの布団に2人が肌を重ねており……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば零はん、無意識にこなた以外の女子の名前呟いてたどすが、だ・れ・ど・す・か??(氷点下の凍った微笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………、はぁ……、

 

 

「どう呟いてたの?僕自身覚えてないんだけど……」

 

 

と返すや、

 

 

 

「……、『ひなちゃん……』と寂しそうに呟いていたどすな……』

 

 

 

 

 

 

 

 

との答えで、もうこうなればリスクだらけ覚悟で僕の前世だけは正直に告げなきゃと腹を決めざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の人生はこれが2度目で、前世は環境は違えど同じく将棋棋士であり、前世の最後の頃には名人を獲得しており、その時に結婚を約束していたのが君が聞いた『ひなちゃん』であり、けどその直後に僕が交通事故で死んだから結局前世では結婚出来ないままに終わった訳で……。で、転生した今の人生でも中学時代までは上京する度に以前あった筈の下町地域を探し回ったんだけど結局は見つからず、同じ日本で西暦でも似通った時代背景ながらも大きく異なる世界に放り込まれたんだなぁ……って実感したんだ……。…それでも尚異人としか言えない僕に変わらず思慕を向けてくる貴女に応えなきゃ……って事でプロポーズしたんだけど、どうやら前世を忘れ切るってのは僕じゃムリなのか……。否、前世あればこそ今の位置を勝ち取れたのは否定出来ない……、けど、今のままじゃ万智さんと生涯共に歩く資格は僕には………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「資格?十分過ぎる程どす!!前世と今の世とのギャップ、比較に苦しみながら20年の余も戦い続け、永世名人を勝ち取った零はんが賞賛こそされど批判を喰らう謂れは誰が何と言おうがこなたが許さんどす!!それに零はんの孤独感はこなたも桂香さんもお燎ですらも少なからず感じ取っているどすからな❤」

 

 

 

 

 

 

「……え?3人共薄々は感付いてた訳?僕がある意味常識の外からの人間って事……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そりゃそうどす❤、お燎なんかは零はんが上京する度に既成事実作ろうと矢鱈に絡んで来たどすやろ?アレは完全な誘いどしたからな❤、後、零はんが知らない事実を今一つ……、今の世の初めてがこなたと思ってるやろけど、実はそうじゃないんどすな(苦笑)。こなたは零はんが初めてどすが、零はんの初めては桂香さんどす❤。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?いやいや、僕に本気で迫って来た事無い筈だし、そもそもが弟への姉的感情が少々過ぎてるってだけと思ってたし、それに言いたくは無いけど八一君の桂香さんへの思慕を見るとね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……零はん、貴方、八一君を批判する資格ないどすな。桂香さん、本気で零はんのお嫁さん目指していたどすからな……。これはこなたもお燎もばかりやない、銀子ちゃんも『私は八一、お兄ちゃんは桂香さんと結ばれればこれ以上の幸せは無い!!』って偶々3人だけの席で公言してた程どすからな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え??まぁ確かに従姉弟での結婚自体はねぇ……。けど、僕は感覚的ですら全く覚えが無いんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そりゃそうどす❤、零はん、名人奪って大阪に帰宅した当日の事、覚えてはります?あの時、自宅が丸ごと不夜の宴会場と化していて蔵王先生に殆どが撃沈されて空き部屋全て簡易宿泊所にされて主役でありながら世話役に終始せざるを得ず、いい加減疲れて2階でグッタリしとったどすやろ?で、そんな零はん捕まえて添い寝しようとこなたが引っ張ろうとした処で桂香さんが『万智ちゃん、零君は私が見るから貴女はゆっくりお休みなさい』って強制的にこなたから零はんを引き剥がして零はんの自室に引っ張り込んだどす。で、一旦は引き下がったどすけどやっぱり気になって部屋をこっそり覗くと……、桂香さん、殆ど強制的に行為に及んでたどす……。流石にこなたでも合意せざる合体は憚るどすからな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ〜っ?!全く記憶どころか異常感覚すら無かったけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、翌日の帰り際に桂香さんに『零はんとの秘密、最高どしたか?』ってボソっと囁いたらもう丸分かりレベルで顔も上半身の大半も真っ赤っ赤で……。けど、これはどうにかこなた以外からは隠し通せた訳やけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………けどそれって、直接だからヘタすれば……、もしそうなったら桂香さん、どう言い訳したんだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それはこなたにだけ話してくれたどす❤、そうなれば父親不明の子として女流諦めて1人で育て上げるつもりだったそうどす。まぁ、これまでの交流関係もあるからこなたも可能な協力はするつもりどしたがな❤」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

「流石にその行為自体は拙過ぎだけど、そうなれば僕の責任も出ては来るからそこはちゃんと話して欲しかったな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それが出来れば普通に告白して……からの流れに持って行けたどすがな。でも零はんが姉以上の感情を持たなかったから強引に事に及ぶしか無かった……。零はんも恋愛関係での洞察力、もっと磨かなければならんどすな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けど、それはそれとして僕、何の準備もしてなかったんだけど、いざ重大な事態になった場合、万智さん、覚悟は出来てるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは無問題(モーマンタイ)どす❤、そうなれば最優先は出産どすからな❤」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ〜っ?!、大学どうするの?辞めるとか言う訳?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その時は状況に合わせて決めるどす❤、何にせよ、こなたの最優先は零はんどすからな❤」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ホント、今2人だけで良かった……。これで冬司だの神宮寺さんやらがいたら尚の事、騒ぎが増幅しかねなかったし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………、…零はん、冬司と神宮寺はんが云々とは……、あの2人とも前世から何らかの関係あるどすか??(比類無き氷の微笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………、やっぱり話すしか無い?……(暫く沈黙)……、じゃ話すけど、腹くくってね。……冬司も神宮寺さんも僕と同じ時代の前世を生きた大棋士で、2人とも僕の遥か先輩であり、宗谷さん(冬司)は15程度年長で、神宮寺さんに至っては宗谷さんの更に30以上年長の大御所であり、僕がプロの入口に突っ込んだ頃には宗谷さんは神とも悪魔とも形容される大名人であり、神宮寺さんは永世名人となりながらも宗谷さんに敗退したのを機に引退してその頃には連盟会長として運営の中心に立っていた訳で……。で、僕が前世の師匠から独立した際に反対する師匠を押し切って身元保証人になってくれたのが神宮寺さん……当時は神宮寺会長だった訳で……。そう云う恩義から転生した今でも基本的に神宮寺さんには頭上がらない訳なんだよね……。一方で宗谷さんはと言うと……、強さもだけど、負けず嫌いものめり込みも群を抜いており、絶対王者たる格を誰もが認めざるを得ない至高の存在だった訳で……。けど反面、その天然具合も超絶で、誰もが彼の一挙手一投足に振り回される有様で……、それでとある機会で邂逅してから彼の世話役として僕が事実上任命される程には親しく付き合う関係になって……。けど、結局2人が健在の内に僕が交通事故で先立ってしまい、転生後は大きく関係性も変わった訳で……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん、冬司が零はん依存症なんは前世からの名残な訳どすか……。けど、そうなると冬司の今後は誰が適任どすやろ?何時までも零はん頼りな訳にもいかんやろし……。神宮寺はんの抑えはここ最近の関係性から桂香さんが最適任やろけど(微笑)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天衣か夜叉神家自体に頼むか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……天ちゃんどすか?……、意外かもやけど、天ちゃんなら冬司を抑えられる余地は十分どすな❤」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けどあの子、率直素直に物事表現したがらないからな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは徐々にでええん違いますか?それを見守るのもお師匠の役回りとこなたは考えとるどす❤」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前世じゃ弟子を取る自体無かったし、今になって師匠としての難しさを体感する事になるとはね……。けど、それを包括した上で僕の存在意義もまた問われるとなると……、益々今の世が面白くなって来たな……(微笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……そんな訳で思わぬ処から僕の前世を知らせる事となり、更にはまさかの僕自身記憶外の●体関係まで叩き付けられる事態になるとは………

 

 

 

 

 

でも、一番心配しなくてはならないのは素のまま行為した事で後がどういう事になるのかなんだよな………

 

 

 

 





…、因みに二海堂君についての事実を万智さんが知るのは二海堂君が桐山君の名人に挑戦する頃でして……





後、八一君と銀子ちゃん、清滝師匠等は最後まで知らされない設定で今後も通す予定です。





って訳で今回は此処まで!!
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