桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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原作では八一君が16歳で挑んだ竜王戦、
今回は更に最年少化し、桐山君を小学生挑戦者
として戦わせようと書いて見ました。
第1局開始時点で、12歳6ヶ月は流石に
ぶっ飛び過ぎとは私自身も思っていますが、
どうせ創作な上に桐山君からして人生
2回目なんだから、こんな展開もアリかと
気ままに書いて見ました。

そんな訳で本編スタート!


竜王戦

竜王戦…

 

 

 

過去には1950年代から80年代後半まで

「十段戦」として名人戦に次ぐ2つ目にして

序列2位のタイトル戦だった歴史ある棋戦

であった。

 

 

 

しかし、当時の将棋界は、囲碁界に比べ、

一段軽く扱われる風土があり、それを

打破する為、最高賞金棋戦の創設を考えた結果、

名人の権威が揺らぐとの反対意見を抑え、

名目上序列1位の最高賞金棋戦となる

「竜王戦」が、「十段戦」に替わるタイトル戦

として昭和末期に新たに誕生した。

 

尚、「名人」の権威を重んじる意見を汲み、

賞金順では「名人戦」は序列2位だが、

実際には「同格」として、所謂「大二冠」的

立ち位置に落ち着いた。

 

 

 

 

今期、その「竜王」に挑む訳だが、

その「竜王」は、首藤崇竜王であり、

現役A級棋士としても活躍している今が当に

脂が乗った盛りの強豪である。

 

 

 

そして今回の第1局は海外開催となり、

ドイツ・ベルリンでの開催となった。

 

 

 

前回の人生でも、同一システムだった

「獅子王戦」で、海外渡航と対局は

経験済みだが、あの時はロンドンとか、

パリ、ハワイ、サンフランシスコであり、

ドイツは過去現在通じて初体験となる。

 

 

 

で、渡航メンバーであるが、

首藤竜王は奥方帯同(子供はいないらしい)で、

僕は1人で行くつもりだったのだが、

「小学生1人じゃ危険過ぎだから」って理由で

師匠、桂香さん、まではいいのだが、何故か

「幼児2人残せない」って事で銀子ちゃんと

八一君も同行する事となった。これは最早

家族旅行状態としか言えないんだけど…

 

 

 

後は連盟会長と、立会人の虎丸竹千代九段に、

副立会人の山刀伐六段、記録係として今回は

二海堂が一緒に渡航し、臨む事となった。

 

 

 

ドイツ・ベルリンとなると、やはり見るべきは

「ベルリンの壁」跡地であり、大使館への挨拶

を済ますと、現地でその息吹を体感し、

そこから対局場所兼宿泊施設(ホテル)に入った。

 

 

 

前夜祭、僕も竜王も月並みながらもお互い

気合い満々のコメントを発し、激しい対局を

予感させた。

 

 

 

竜王戦は、2日制持ち時間8時間の長期戦であり、

これまで以上に戦略や時間配分と、何より

体力にも気を配らねばならない難解な戦いと

予め考えていた。

 

が、最大の課題である体力問題がここで

一気に浮き彫りになるとは、この時点では

考えが及ばなかった。

 

 

 

初日、首藤竜王の先手でスタートした竜王戦、

角交換から始まり、守りの陣を築く事に終始し、

お互い持ち時間の半分近くを使い、2日目に

移る事となった。

 

封じ手は後手の僕で初体験(今回の人生では)

ではあったが、普通に時間を掛けず、淡々と

書き記した。

 

 

2日目、昼食休憩後から激しく動き出した。

開戦は首藤竜王からで、僕も直ちに応じ、

激しい駒のやり取り・取り合いとなり、

3時のおやつ直後までは互角と言えた。

しかし、午後5時を過ぎたところで突然

倦怠感に襲われ、あろう事か10手余り先に

指す筈の手をうっかり指してしまい、

たちまち首藤竜王優勢になってしまった。

この失着を取り返さんと必死に動いたが、

結局、161手で僕の投了となった。

 

 

 

感想戦でも、やはり失着場面を質され、

正直に答えるしかなかった。

 

 

 

竜王は「いい戦いだったが、あの場面だけは

悔やまれるとしかね…」と総括していた。

 

 

 

幾ら一朝一夕にクリア出来ないとは云え、

体力問題はどうにかしないと最高の将棋が

出来ない現実に焦燥感が募った。

 

 

 

その後は、

 

 

第2局、京都・仁和寺で初勝利。

 

第3局、鹿児島・指宿温泉で敗北。

 

第4局、石川・和倉温泉で2勝目。

 

第5局、愛媛・道後温泉で敗北。

 

第6局、愛知・熱田神宮で3勝目。

 

最終第7局、山形・天童で、千日手指し直しの末

、敗北し、史上最年少二冠を逃す。

 

 

 

 

結局、最後まで体力面での課題を克服し切れず

弱味を晒す事となってしまった。

 

 

 

しかし、この敗北も己の血肉とし、財産に

きっとして見せる。

このまま終わる訳じゃないのだから。

 

 

 

◎竜王戦終了時点での各棋戦実績

 

 

・竜王戦→首藤竜王に挑戦、敗退

 

・順位戦→開幕7連勝

 

・帝位戦→予選決勝進出

 

・玉座戦→「名人」に挑戦、獲得

 

・盤王戦→挑戦者決定変則2番勝負進出

 

・玉将戦→挑戦者決定リーグ戦進出、

6戦4勝2敗で3位となり、リーグ残留。

 

・棋帝戦→2次予選進出

 

・公共放送杯→本戦3回戦敗退

 

・大河戦→決勝トーナメント2回戦敗退

 

・毎朝杯→決勝トーナメント進出

 

・新人戦→優勝・段位制限を超えた為、

次回以降の参加不能により、「卒業」

 

 

 

なんか、労働基準法違反になりかねない

レベルの超過密日程な対局数になりそうな

感じが…

 

 

 

因みに連勝は、「55」に至り、初敗北は、

大河戦決勝トーナメント2回戦で、相手は

師匠・清滝八段で、玉座戦のリベンジを

果たされた格好となった。

 

 

 

けど、幾らリベンジ果たした喜びの余りとは

云え、僕までおかしな踊りに巻き込もうって

のは流石に不味いでしょ。




そういえば、連勝も気が付けば止まって
いましたが、誰をストッパーにしようか
考えた結果、師匠に担って貰う事にしました。

ま、八一君なら破廉恥騒動発展必至でしたが、
桐山君なので、幾分抑え目に暴れさせた次第で


当然の如く、帰宅後には桂香さんからのヤキが
入った師匠でありました(後日談)。

って訳で、また次回(笑)
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