桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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さて、今回からは、「りゅうおう」原作本編
時期に突入致します。

桐山君の小学校卒業目前の衝撃のクーデター
事件から早や8年経過した将棋界新時代に
彼らがどう活躍し、苦悩し、成長するか、
書いてる私自身もなんか楽しみで
しょうがありません(笑)。

って事で本編スタート!!


第2章 神の子とロリ王と白雪姫
悩める竜王


2017年3月…

 

~side八一〜

 

 

 

俺は去年暮れ、七番勝負のフルセットの末、

棋界最高峰のタイトル、「竜王」を手にした。

 

 

が、タイトルホルダーとしてのプライドと

プレッシャーに苛まれ、以降の対局は、

我ながらどうかと思う位何も出来ず、あっと

いう間に11連敗に至ってしまった。

 

 

 

そんな中行われた記念対局。

相手は師匠・清滝鋼介九段。

非公式戦ではあるが、恩返しのチャンスにして、

不調脱出のまたとない機会でもある。

 

 

 

 

さて、対局開始。

序盤は定跡に沿って手早く進んだ。

そして中盤、開戦模様となるや、師匠から

攻めに入った。

それに対し、俺も薄い守りでギリギリ防ぎ、

攻めが切れると反撃開始。

そこからは、蹂躙しまくって結局、108手で

師匠の投了で決着。

 

 

感想戦の最中、一瞬師匠の雰囲気がなんか

異様におかしくなったと感じるや、

「オ●ッコ~!!」と叫び出し、窓に向かって

走り出した?!

 

 

 

 

一瞬固まってしまった俺だが、すぐに、

「師匠、トイレは外じゃねぇ!!、

中の便器で用を足せ!!」

と叫び返したが、

「クズ竜王は黙っとれ!!」

とまたも返され、

「上位者には従えよ!!」

に対しては、

「儂は名人挑戦者じゃ!!お前みたいな

C級竜王とは格が違うんじゃ~!!」

との不毛なやり取りを繰り返し、

その間も職員のタックルを巧妙にすり抜け、

一気に窓に到着。

 

窓から堂々と放尿し、

「若々しさ解き放つ!!」とか

放言した日には…

 

折角超優秀な兄弟子が作った一門の評価を

よりによって肝心の師匠自らが

見事なまでに失墜させるとはな…

 

ホントこの場に兄弟子が居なくて良かった…

 

 

 

 

 

 

 

そして、後始末にお詫び行脚を済ませ、

お詫び行脚だけ手伝ってくれた姉弟子…空銀子

奨励会二段(女王・女流玉座)と途中まで

帰り道を歩いていた。

 

「なんで今日みたいな将棋指せないの!」

 

やっぱり厳しい批評からですか…

 

「竜王としてどうあるべきか、少なくとも

無様な棋譜は残せないって意識はどうしても

頭にあるんですよね…」

 

けど姉弟子は、

 

「お兄ちゃ…兄弟子とアンタは違う。兄弟子は

実力も棋譜も段違いに美しい人だけど、

アンタは勝ちへの飽くなき執念が最大の武器

じゃない!アンタは兄弟子にならなくてもいい、

アンタはアンタとして最強を目指しなさい!」

 

 

 

へ?姉弟子、俺を認めてる?

まぁ、普段から下僕扱いだの、パシりだの、

散々だけど、プロとしては一応認めてるんだ…

 

 

 

 

で、途中で姉弟子とは別れ、会館にほど近い

アパートに戻った。

 

「ただいま~」

 

誰もいない筈の玄関…しかし、

 

「お帰りなさいませ、お師匠さま!!」

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

そこには、どう考えても小学生幼女1人が

お出迎えしてるんですが…

 

 

 

 

 

「あの~、君は?どうやって入ったの?」

 

 

 

 

徐に聞くと、

 

 

「住所は近所の交番に伺いました。家ですが、

鍵が開いていましたので、勝手ながら

入らせてお待ちしていました。」

 

 

 

 

おいおい、俺が人害無蓄な未成年だからまだ

いいけど、怪しげな大人に捕まったら一体

どうするつもりだったんだ?

 

 

 

 

だが、その幼女は構わず、

 

「私、最強の竜王の弟子になります!!」

 

時間も遅いし、仕方ない。

取り敢えず家に上げて、対局する事とした。

 

 

 

 

序盤中盤は致命的に下手だ。しかし、

読みと時間が重要になる終盤は一転、

鬼か魔王か位のレベルで、俺も油断ならない

戦いとなったが、それでも経験値の差で

何とか勝った。

 

 

 

 

「親御さんとかから許可は?」

 

と聞くと、「今、春休みですから」

とだけ返されたので怪しいとは思ったが、

取り敢えず今夜は泊まらせた。

 

こりゃ、明日は師匠の所に行かなきゃな…

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

翌日…

 

 

 

 

 

 

昨日は八一君と師匠の記念対局だったけど、

生憎僕は盤王戦最終戦だったから、2人の

対局にやきもきしながらも、今期挑戦者の

櫻井岳人八段を辛くも退け、盤王9連覇を

飾る事が出来た。

 

 

そして、記念対局の結末が心配になり、

打ち上げの後、夜行バスで大阪に戻り、

八一君のアパートに向かった。

 

 

 

あれ?いつもなら無施錠なんだけど、

珍しく鍵がかかってる?

取り敢えずブザーを押した。

八一君「誰ですか?」

僕「僕、零です。」

八一君「え?!兄弟子?!」

八一君「ちょっと待って下さい!」

 

なんか慌ただしいんだけど…

まさかのまさかで警察出動?!

 

なんかヤバそうだったから有無を言わさず

鍵を開けたが、八一君も抵抗してなかなか

開けられない。こんな時には僕の非力が

恨めしい…

けど、八一君も集中し切れないのか、少し

力が緩んだ所を一気に引き開けた。

 

 

 

 

 

 

………………………

 

 

 

 

 

八一君、うつ伏せ…

そして、うつ伏せの下の幼女は誰?

 

 

 

 

 

仕方ない、通報するか。

幾ら可愛い弟でも、これは流石に見過ごせない…

 

 

 

次の瞬間、

 

「兄弟子、やめてぇ~!!」

 

八一君が叫び出す。

 

「いやいや、これ、見過ごせないでしょ。」

 

 

「誘拐とか犯罪違いますから、兎に角話を

聞いて下さい!!」

 

 

 

なんか可哀想になってきたんで、取り敢えず

言い訳だけは聞く事にした。

 

 

聞くと、八一君もそれなりに不審がってたが、

才能はやたら高いらしいので、昼にでも

師匠に相談するつもりだったようだ。

 

 

 

 

「才能」と聞き、僕もついつい興味を持った

のは、本能だね、と、一応言い訳しておく。

 

実際、八一君の要望で平手で指したが、

あまりに突出した終盤力には感嘆するしか

なかった。

 

 

 

けど、この場に銀子ちゃんが居なくて

不幸中の幸いだったな…

 

 

 

僕ですら通報と身構えた位だし、銀子ちゃん

だと、八一君の命日になったかも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

昼過ぎ、予め師匠と桂香さんには連絡入れて、

夕方には、野田の師匠宅に到着した。

 

 

 

 

どうやら桂香さんから連絡受けたようで、

銀子ちゃんも到着済みだった。

早速不機嫌オーラ全開だな…

 

 

 

そして、居間に招かれるなり、幼女が、

「九頭竜竜王の弟子入りに来ました

雛鶴あいと申します。」

と早速挨拶。

 

それに対し、師匠は、

「気持ちは分かるが家出はあかんで?」

と、即座に返した。

 

 

僕は「あぁ、やはりな…」と思い、

八一君も合点がいった顔だった。

 

 

 

けど、一番毒を吐いたのは、銀子ちゃんだった。

 

 

 

「小娘、ここはアンタが夢想するような甘い

世界じゃないのよ。親の言う事聞いて今すぐ

実家に帰りなさい!」

 

 

けど、あいちゃんも引かない。

「貴女は師匠より強いんですか?」

「強くもないのに偉そうに言わないで下さい」

 

 

メッチャ気が強いな…

 

 

で引き取るように師匠が、

「金沢の道場でも指せるんやがな…」

と言うや否や、あいちゃんは、

「いやです!師匠に教わりたいんです!」

 

 

 

どれだけ惚れ込んだの…

 

 

 

 

 

けど、師匠もあいちゃんを気に入ったらしく、

「よし、八一、責任持って預かれ!

研修会合格に向けて鍛え上げぇ!」

 

 

 

 

なんか一気に解決方向に…

 

 

 

 

でも、肝心要のとこはどうするのかな?…

 

 

 

 

 

 

けど、師匠は上機嫌で、桂香さんに、

「祝いや!赤飯や!」と叫ぶが、

桂香さんは冷静に、

「今夜はお好み焼きよ」

と一言。

 

 

 

 

 

 

で、6人でテーブル囲んでお好み焼きを

頂いたのだが、そこで桂香さんの

半爆弾発言が炸裂…

 

 

 

「あ~、これで私達もおばさんかぁ~」

 

 

 

 

 

即座に反応したのは、あいちゃん。

銀子ちゃんに、

「おばさん」

と一言。

 

銀子ちゃんも即座に

「は?誰がおばさんだ?小童!!」

と返し、八一君完全に全身蒼白…

 

 

 

 

その後も波乱含みながらも話が弾み、

結局全員お泊まりとなった。




あいちゃん、ここで遂に登場。
銀子ちゃんとの関係は基本的には原作と
一緒という事で…

あと、桐山君や他の主要人物の現状は
次回以降に書きたいと…

って事でまた次回!!
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