いやはや令和の天才だの異次元超特急だのって異名は伊達じゃないって改めて感じた次第です…
って訳で本編スタート!!
さて、波瀾の前夜祭を終え、弟子2人は先に部屋に戻らせ、僕は今回記録係を担当する鏡洲新四段と少し話し込んだ。
先頃まで行われていた三段リーグ戦を16勝2敗の2位で通過し、同成績で順位が鏡洲さんより上位だった坂梨澄人新四段(今期順位は坂梨さんが3位で鏡洲さんは5位)と共に年齢制限が迫る中、漸くプロの入り口に到達した。因みに鏡洲さんは本来の年齢制限の26歳を超えていた為、勝ち越し延長を続けた末、28歳で辿り着いた悲願である。一方坂梨さんは年齢制限まで2年を切った中、24歳で到達した事となった。
そんな昇段の祝いを交わしたり僕の玉座戦10連覇の祝いを交わされたりしつつ、取り敢えず無難に第1局の展望を予想し合ってみた。
鏡洲さん「どっちが先手になろうと慎重に様子見に行くんじゃないか?」
僕「「名人」の大舞台慣れに対して八一君がどこまで平常心で戦えるかが問題と思っています。」
鏡洲さん「となると、八一次第で一方的になるか激戦模様になるかって事か…」
色々検討したけど結局八一君次第って事で落ち着いた。
そして部屋に戻り、そろそろ2人がベッドに入る頃合いだったので僕も一緒に就寝し、翌日に備える事とした。
あ、先程話題に上った玉座戦だけど、挑戦者は前棋帝の篠窪七段で3勝1敗(●○○○)で一週間前に何とか防衛出来ました。これで年内四冠は維持って事で…
さて日が昇り、いよいよ竜王戦第1局が始まる。
8時44分、まずは竜王の八一君が颯爽と登場。本来、タイトルホルダーが先に入る事はまず無いのだが、気合いが入っているのか、はたまた「名人」に対するプレッシャーからなのか、傍目からは僕でも窺い知れない。
そして8時50分、今度は「名人」が入場。何時ものように淡々と下座に座り、対局を待つ風情だ。
そして八一君が駒袋から駒を取り出し、その内の歩を5枚、記録係の鏡洲さんが取り、振り駒を行った。
結果、「歩」が4枚出たので八一君が先手となった。
そして始まった竜王戦。
八一君から指し始め、続けて「名人」の手番、何と「名人」が選んだのは、八一君の代名詞とも言える「一手損角換わり」だった。
これは僕も意表を突かれた心情だったので、これが主武器と云える八一君だと、これだけでかなりのダメージになりそうな気がした。
それでも初日は何とか喰らい付いてほぼ互角に持って行き、「名人」の封じ手で初日が終了した。
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~side八一~
マジか…、第1局初日から「名人」め、俺の十八番の「一手損角換わり」を持ち出すって…流石に予想の外だったからそりゃ戸惑うぜ。けど、そこからはどうにか五分の形勢に持っていったとは思うんだが、な~んかモヤっとした気持ちが晴れないのは何故なんだか…
ってフラっと夜のワイキキを歩いてると後ろから拳骨が飛んで来た。
感触で誰かは直ぐに判った。
「姉弟子、いいんですか?年頃の女の子が1人で夜の外歩きなんて」
「前も周りもお構い無しでフラフラ歩いてるバカ八一の方が余程心配の種よ」
「そんなもんですかね」
「どうせ「名人」の奇襲に悩みっ放しなんでしょ」
「それは否定しませんが、あまり遅くなるとみんな心配するでしょうからボチボチ戻りましょう。」
根本的な解決とは程遠いが、姉弟子の激で少しは気が楽になったと肯定的に捉えようと思う事にした。
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2日目、封じ手の手が発表されると、現地の誰もが驚愕した。
そしてそこからは「名人」の攻勢が炸裂し、八一君も懸命に防戦からの逆襲を目論んで戦うも結局夕方になり、八一君は持ち時間1時間を残して投了した。
この奇襲と完敗は八一君、かなり引き摺りそうな悪い予感がする…
案の定、2局目・3局目とも悪手の「名人」圧巻の…で、あっという間に「名人」が永世七冠・通算100期にリーチをかけた。
八一君はもう後がない崖っぷちに追い込まれた。
そして事態は最悪の方向へ動こうとしていた…
そういえば竜王戦開始時点での現タイトルホルダーを出してなかったので、取り敢えず出しときます。
竜王→九頭竜八一(1期)前期獲得
名人→桐山零(4期)今期獲得
帝位→於鬼頭曜(2期)今期連覇
玉座→桐山零(10期)今期10連覇
盤王→桐山零(9期)前期9連覇
玉将→生石充(4期)前期3連覇
棋帝→桐山零(8期)今期獲得
って訳でまた次回!!