で、将棋界に目を向けると、叡王戦は豊島叡王が巻き返し1勝1敗のイーブンとなり、本人達は大変でしょうが我々ファンからすると、益々目が離せない熱戦を期待してしまいます…
って訳で本編スタート!!
竜王戦第4局
場所は石川県和倉温泉「ひな鶴」
旅館内の一室「臥竜鳳凰の間」を対局場とし、「名人」の先手で対局開始となった。
一方僕ら将棋関係者や観戦記者等は旅館内の大広間に詰め、観戦及び検討を行っていた。
この日、僕と検討したのはニ海堂だった。
彼は今期B級1組で好調をキープし、竜王戦でも本戦では初戦で僕に惜敗したが2組優勝していたので次期は1組復帰が決まっていた。
他の棋戦も玉座戦は篠窪さんと挑戦者決定戦で戦い、玉将戦も生石玉将に挑む本戦リーグ戦を戦い、僕、歩夢君と並び5勝1敗でプレーオフに臨んだ。
本来は玉将戦ルールでプレーオフは2人だけなのだが、例外として同一成績3人が並んだ場合は、内、順位下位2人の順位が同一だった場合に限り、その2人でプレーオフ1回戦を行い、その勝者が順位上位のプレーオフシード者とプレーオフ決勝を戦う事になっていた。
そして今回はまさにそのルールが適用されたプレーオフだったのだ。
リーグ戦開始時点の順位は1位(前期挑戦者)に山刀伐さん、2位には前期プレーオフで山刀伐さんに敗れた僕、3位は月光会長で、残留最下位の4位には於鬼頭さんの順となり、2次予選勝ち上がりの同一5位3人が、ニ海堂、歩夢君、関崎八段となっていた。
リーグ戦の結果は5勝1敗が前述の3人で並び、4位には2勝4敗で3人が並んだ中で順位上位の山刀伐さんが残留、同成績ながら順位下位の月光会長と於鬼頭さんは無念のリーグ陥落となってしまった。で、関崎八段はリーグ戦6連敗でこれも陥落と厳しい結果となった。
尚、プレーオフはこの後行われる手筈となっており、1回戦はニ海堂vs歩夢君で、その勝者が僕と決勝戦を戦い、生石玉将への挑戦者が決定する。
閑話休題…
「名人」の先手で始まった第4局初日は「名人」も八一君もお互い定跡を辿り極力消費時間を抑えながら早くも70手に到達していた。
そして午後6時30分に「名人」が封じ手を行い、初日は終了した。
僕は外出する気がなかったので、旅館内の料亭(あいちゃんのお父さんの修行先の大阪の名門料亭の支店)で4人で軽く夕食を摂り、部屋に戻ると、晶さん以外の3人で検討と明日の予想を考えてみた。
そして早目に寝床に就いたのだが…
目が覚めると、僕の布団に誰かが1人他に入っていた。恐る恐る布団をめくると、居たのは供御飯さんだった。しかも何故かパジャマ姿でして…その上、両腕を僕の腰にロックしていて引き剝がせない…
更に僕の胸元にはキ●マークが3箇所も付いており、これどうやって説明すればいいのやら…と途方に暮れていると、冬司が起きてきて供御飯さんの頭をぺしぺし叩いて起こしてた。
で、更に天衣もトイレに起きたタイミングでこの異様な状況に直面し、供御飯さんのお尻を蹴飛ばして「起きなさい、何師匠を誑してるの!この女狐桜花!!」と喚く始末で…
そして2日目…
「名人」の封じ手開封からいよいよ開戦となった。
お互い最善手を繰り出す激闘模様となり、一瞬も目を離せない展開となっていた。
そしてお互い持ち時間を使い切り、1分将棋となった中で、まさかの場面に至った。
八一君…「連続王手の千日手」
「名人」…「打ち歩詰め」
両者に反則が同時に適用される有り得ない場面…
「最後の審判」
まさに誰もが回答不能な究極の状況に突入した。
そして会長判断で両者には暫しの休憩を命じ、会長と正副立会の協議の結果、この対局は千日手扱いの引き分けとし、指し直しとした。
但し、本来は先後交替で八一君が先手に転じる所、状況が状況な為、例外的に「名人」が再び先手を握った。
両者持ち時間1時間で臨んだ指し直し局、切り替えの巧拙が影響し、八一君はたちまち時間を消費し尽くした。
一方「名人」は、まだ10分以上残しており、このアドバンテージをどう活かすかが大きなポイントになっていた。
ここからは両者ノータイム、お互い無呼吸での先の見えない凄惨な殴り合いを繰り広げ、やや「名人」優勢に見えたその時…
「名人」がグラスを持ち、ポットから水を注ぎ、一息に飲み込むと、残り時間を使い、最後の読みに入った。
八一君もこの時間消費をラストチャンスと捉え、唯一心に最後の読みを入れていた。
そして「名人」が動いた。
一気呵成の詰めに挑み、八一君は防戦しつつも「名人」の攻めが切れた所から逆転一気の詰めの準備に取り掛かっていた。
そこから1時間、「名人」の詰めは途切れ、八一君の逆襲が始まり、更に30分後、「名人」が茶碗のお茶を啜り、静かに「負けました。」と告げ、やっと八一君が一矢報いた。
これで流れが大きく転換し、以後、第5局第6局と八一君が連勝し、イーブンに追いついた所で最終第7局が八一君の地元・福井県一乗谷で行われ、将棋界史上初の3連敗4連勝という大逆転で八一君が竜王防衛、2期獲得となり、竜王戦規定により、九段昇段となった。
これが以後も将棋史に残る伝説の竜王戦である。
「名人」の永世七冠と永世竜王を阻んだ八一君は改めてその実力を世に示し、次代のエース候補の地位と評判を揺るぎ無い物にした。
一方玉将戦プレーオフは、1回戦は歩夢君がニ海堂に競り勝ち、決勝は僕と戦ったが、歩夢君の代名詞である1五香からの猛攻を捌き切れなかった事で結果、歩夢君が生石玉将に挑戦する事となった。
まあ負けたのは悔しく、また新たな課題も浮き彫りになったのだが、それとは別に、歩夢君がタイトル戦でどんなパフォーマンスを見せるのかはなかなか楽しみではある。
五輪と番勝負がガチで被ってやたら大変ですが、兎に角チェックしてますわ…
竜王戦も軍曹か二冠か誰が挑戦者になるのか目が離せませんが…
って事でまた次回!!