って訳で本編スタート!!
秋に入り、タイトル戦が続けざまに予定を埋め尽くし出した…
9月スタートの玉座戦、10月スタートの竜王戦、相手は何れも関西を代表する強豪の生石充九段と九頭竜八一竜王が僕の前に座る事となった。
玉座戦は生石さんの絡み酒に辟易しながらも3連勝で防衛、11連覇を果たした。
で、気分良く迎えた竜王戦…
第1局の会場は東京にある協賛企業所有の能楽堂である。
主な関係者は、
立会人→氷室将介十六世名人
副立会人→大原鉄太七段
記録係→隈倉健吾三段
現地大盤解説
解説→山刀伐尽八段
聞き手→鹿路庭珠代女流二段
専門チャンネル解説
解説→神鍋歩夢玉将
聞き手→雛鶴あい女流初段
ゲスト解説→宗谷冬司四段
なんかとんでもない濃い顔触れだらけなのは僕の気のせいなんだろうか…
前夜祭…
開始前に隈倉三段が僕に挨拶してきた。
隈倉健吾…と言えば、健司君(土橋さん)と同様、冬司(宗谷さん)の同年代のライバルで甘味と酒が何よりの大好物なのが有名な前世の強豪だった人だよな…
周りに人がいたのでそこには言及出来なかったけど、彼の眼光を見る限り、転生してるのは濃厚だろうな。
プロフィール上、山刀伐八段が師匠なのでニ海堂も多少は交流有りそうだから今度アイツに聞いて見るか…
そして対局者挨拶となり、まずは挑戦者の僕から壇上に立った。
「この度、竜王戦挑戦者となった桐山零です。過去に1度竜王タイトルを手にしましたが直ぐに失い、この場に立つのは4年振りです。今回は去年、あの「名人」を降し、竜王連覇した九頭竜竜王が相手ですのでこれ迄以上に気が引き締まる思いです。ですが、竜王と云えども僕からすれば可愛い、そして苛つかせる弟でもあります。故に今回は兄として弟に色々な意味で厳しさを教えなくてはならないと決意し、この場に臨んでいる次第であります。」
と軽い挑発も織り込んだ挨拶をするや、会場中に割れんばかりの拍手が響き渡った。
次に八一君の挨拶となったが、
「竜王の九頭竜八一です。今回は悲願叶って兄弟子、桐山零名人とのタイトル戦初手合となりましたが正直な所、私からすれば兄弟子の高みにはまだまだ及んでいない実感しかありません。ですが、竜王である以上、突破しなくてはならない存在であるのは間違いありませんので、全身全霊を賭け、3連覇を勝ち取って見せます。」って決意の籠った目で宣言された。
なんか凄い盛り上がりのまま関係者挨拶に回ったけど、皆さん興奮が持続してるらしく、僕も八一君も凄まじい位の激励を受けるハメとなった。
そして一通りの挨拶回りを終えると、明日の対局に向け、早々に部屋に戻ったのだが、そこには当たり前のように万智さんが迎えてくれてた。
「あの〜、僕、対局前夜なんだけど、何故貴女が普通に待機してるの?」
「そんなつれない事言わんといておくれやす。妻として主人を迎えるのは至極当然ですやろ(満面の笑み)」
「相手は『西の魔王』、八一君なのにそんな悠長に構えてられないんだけど…」
「『絶対神』が定着しとる零はんがそこまで余裕を無くす…確かに竜王はんは今後の将棋界を担う逸材どすけど、其処まで警戒心MAXとは穏やかではないどすな…」
「僕も万智さんって言う生涯の伴侶を摑まえたけど、八一君も12年越しにやっと自分の本心を自覚して銀子ちゃんに告白して両想いが成就したんだからその愛の力は努々侮れないってのはね…」
「こなたの愛が銀子ちゃんに負けるなんて絶対許容出来へんけど、12年越しじゃあ侮れない言うんは否定出来んどすな…。けど銀子ちゃんの愛よりこなたの愛が遥かに大きいのは誰にも否定させんどす!!」
なんか銀子ちゃんにやたら対抗意識満載なんだけど…
そんなこんなもありながら翌日、第1局が始まった。
振り駒の結果、先手は僕となり、後手の八一君は当然の如くエース戦法の「後手番一手損角換わり」を採用してきた。
午前中はお互い様子見でそこそこ駒を動かすだけに終始した。
昼食メニュー
八一君→江戸前握りセット、江戸前お造り、ウーロン茶
僕→ビーフシチューセット、アイスティー
午後からも様子見は変わらず、そこそこ駒を動かすだけで初日は終了した。封じ手は僕が書く事となったが八一君だ、完全な想定外は期待出来ない…
2日目…、僕の封じ手を見て八一君、午前中は一度も駒に触らず長考に沈んだ…
昼食メニュー
八一君→洋食セット、江戸前蕎麦、アイスコーヒー
僕→江戸前天ざる蕎麦セット、アイスティー
午後に入ると八一君、意を決し攻勢に入った。
此処からは駒の乱舞が繰り広げられ、取ったり取られたり防御も崩されたり持ち直したり…のループで終わりの見えない激戦に突入した。
そしてお互い1分将棋に入ると、八一君に疲労が見え出し、此処しか勝機を見い出せないと決意し、僕から最後の攻勢に出た。
八一君も必死に防戦に努めたけど、疲労がピークの状態では僕の攻勢を止めるには至らず、僕が先勝した。
専門チャンネル…
解説の神鍋歩夢玉将と聞き手の雛鶴あい女流初段のハイテンションモードが炸裂した神放送として「伝説の神中継」に選出された第31期竜王戦第1局は、他にゲスト解説として桐山名人の弟子にして史上初の年齢1ケタプロとなった宗谷冬司四段が、両対局者への辛辣なダメ出しを吐き続けた「史上最大の悪魔解説」としても記録と記憶に残る解説映像となったとか…
桐山君の最終決戦のお相手は?
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西の魔王・九頭竜八一
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浪速の白雪姫・空銀子
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神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
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神の子or悪魔の子・宗谷冬司
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風林火山・ニ海堂晴信
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盤上の探検者・土橋健司
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盤上の格闘家・隈倉健吾
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猖獗の大魔神・氷室将介
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新世代の申し子・椚創多
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ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
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その他