よりによって竜王戦も佳境のこの時に亡霊の如く現れ…
取り敢えず追い払いはしたけど、僕としては本来使いたくはない「人脈」を駆使しなきゃならなそうなのは間違いないか…』
以上、桐山君の心境を踏まえた上で本編スタート!!
連中を県警に引き渡した後、予定通りに前夜祭が行われた。
此処では通常通りに挨拶を行い、僕の心中の闇と泥は大方には気付かれなかったようだ…。
そして早目に切り上げ部屋に戻ると、そこには万智さんが待っていた。顔を見た瞬間、僕の心中を気付かれたと悟った。
それはそうだろう、いつもの何か目論んでいるような顔と目付きじゃないのは誰が見ても明白だったからだ。
取り敢えず部屋に上げると、将棋人生において前回今回通じ初めてタイトル戦での対局前の飲酒を行う事にした。
で、冷蔵庫を開けるや、「珍しいどすな、零はんが進んでお酒出すなんて」と言われたので、僕も「なら万智さんも少し飲みます?」と返したら「それなら少し飲ませて貰いますわぁ」と答えたので一緒に飲む事にした。
「零はん、あのキ●ガイども一体なんなんどすか?よりにもよって対局目前の大事な時に大勢発狂して押し入るなんて常識も何もあったもんじゃないやろ!!(激怒)」
いつになく万智さんエキサイトしてるよ…
「向こうから切り捨てて縁切りした筈なんだけど、今になって何故僕に集ろうとするのか僕も理解不能なんだよね…」
僕も彼らの先程の態度に心底ウンザリしながら渋々答えた。
「道理で零はんが生まれ故郷なのに語りたがらないのが嫌でも理解出来たわぁ…」
「流石に祖父の通夜だけは線香を上げに行ったけど、あの時は一門家族(師匠、桂香さん、銀子ちゃん、八一君)が一緒で香典渡して線香上げただけで早々に引き上げたし…それも5年前の話だからね…。基本的にあっちの情報とか事情なんかは師匠や会長がストッパーになってくれて僕まで伝わる事は殆ど無かったから…」
「それはそうなるやろな…けど、こなたは零はんの妻となる女子どす。なんなら家の人脈総動員してでも零はんを守りますぇ!」
「ありがとう。でも僕の事だからまずは僕自身の繋がりで火の粉は払って見せる。でも、必要となったらまずは万智さんの力を借りるつもりだからその時は宜しく。」
「必要なら今すぐにも力にはなれますぇ…まずはこなたの膝に頭を置いとくれやす。」
「え?それはまだ早…」
「1人で何もかも抱えんでもええんどす。明日の為にも心身休ませなならんのやろ?体調不備では竜王はんの前には座れまへんやないの!そやから黙ってこなたに預けておくれやす。」
「分かりました、お言葉に甘えて少しばかり預けます。」
結局万智さんの膝枕で直ぐに眠りに落ちた…
翌日、目が覚めるといつの間にか布団に入っており、一つの布団に万智さんと一緒に眠っていたようだ…
まぁお互い浴衣に大きな乱れは無かったから男女の云々は無かったものとは思われる…
取り敢えず万智さんを起こすと、「零はん感じながら寝るん幸せやわぁ〜」って起きて早々テンション上がってたよ(笑)
そして第6局が行われた。
僕は前夜祭前の騒動の疲れが無かったかのように心身充実し、縦横無尽と言える程に自在に指し回していった。
一方の八一君はもう落とせない崖っぷちからの巻き返しを図り、気合い充満を前面に出してこれも存分に指し回していた。
初日から激しい攻防で封じ手の頃には早くも終盤戦の様相を呈していた。
2日目…
僕の封じ手が開示されると、報道陣や観戦記者たちから「おっ?この手読めた奴いるか?」って一斉にざわめきが起こった。
けど肝心の八一君は平然としており、「想定内か…」と認めざるを得なかった。
後はお互い残った持ち時間を駆使し、詰むや詰まざるやの激闘に突入し、結果、封じ手で動揺を与えられなかった僕が投了に追い込まれ、お互い3勝3敗となり、決着戦は最後の第7局・旅館ひな鶴での戦いに持ち込まれた。
僕と八一君が竜王戦を戦っている最中、次期竜王戦各ランキング戦の組み合わせが発表された。
或る意味最注目の6組は…
参加64人
今期竜王戦デビュー組の1回戦は…
椚創多四段→赤山正市九段(A級4期)
辛香将司四段→前尾哲也六段
宗谷冬司四段→二ツ塚未来四段
空銀子四段→祭神雷女流帝位
神宮寺崇徳四段→加悦奥大成八段
……
と決まり、創多と辛香さん、アマチュア枠で既に中堅プロまでを圧倒していた神宮寺さんは兎も角、銀子ちゃんと冬司はこれが正式なプロデビュー戦となる。
で、銀子ちゃんと冬司以外の3名の戦績は、
創多→棋帝戦1次予選・帝位戦予選・毎朝杯2次予選・玉座戦1次予選・新人戦・神戸新鋭戦・越後田中杯に出場し、現在デビュー以来無敗中。
辛香さん→棋帝戦1次予選3回戦敗退、帝位戦予選2回戦敗退、毎朝杯1次予選決勝敗退、玉座戦1次予選出場、新人戦出場で現在8勝3敗である。
神宮寺さん→アマチュア名人資格での盤王戦は本戦出場でベスト4進出(予選と本戦3回戦=ベスト16まではアマチュア扱い)、アマチュア玉将資格での大河戦はブロック戦怒涛の11連勝で決勝トーナメント進出(ブロック優勝まではアマチュア扱い)、毎朝アマチュア名人資格での毎朝杯は1次予選決勝で辛香さんを破り2次予選進出(1次予選まではアマチュア扱い)プロ編入後の戦績は盤王戦準々決勝が記録上のデビュー戦で、現在1勝0敗である。
なんか皆さん面白い向きだったり難儀な相手だったりと嫌でも注目浴びるでしょうね…
桐山君の最終決戦のお相手は?
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西の魔王・九頭竜八一
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浪速の白雪姫・空銀子
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神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
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神の子or悪魔の子・宗谷冬司
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風林火山・ニ海堂晴信
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盤上の探検者・土橋健司
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盤上の格闘家・隈倉健吾
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猖獗の大魔神・氷室将介
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新世代の申し子・椚創多
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ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
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その他