桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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プロ棋士として幸先よくスタートした桐山君
ですが現在のところ、「ライオン」の世界からは
二海堂君だけの登場なんですな…
宗谷さんはまだ暫く予定してませんし
(そのうち登場は確定事項ですが)

ライオンキャラで誰を絡ませるか
絶賛お悩み中…ってもそろそろ1~2人位は
出そうかなと思いつつ、本編スタート!


二足のわらじ

竜王戦6組ランキング戦を幸先よく勝ち上がった

僕は、続けて玉座戦1次予選1回戦に臨んだ。

相手は松永七段…って、あの松永さん?

う~ん、前回のなんともはた迷惑な記憶が

ぐるぐると渦巻くのだが、対局は待っては

くれない。

 

で、対局開始となったが、

やはり松永さんは自由というか、奔放というか

思いのままに駒を動かす棋風だった。

となると、僕も遠慮会釈なしで存分に

指し回し、昼食休憩の時点で既に勝勢に

入った。

 

で、3時のおやつタイムに入る前に呆気なく

松永さんが投了。

が、当然ここで解放される訳はなく、

「飯喰いにいくぞ!」

と感想戦もそこそこに外へ連れ出された。

 

 

 

 

 

行き先は松永さん馴染みの鰻屋さんだった。

松永さんは手早く鰻重と酒、つまみを注文、

しかも僕に「奢れ!」って、

相変わらずのムチャ振り…

前回は軽い奢り位の経済的基盤はあったけど、

今回は新人で、まだプロ2戦目なのに一体全体

どういう思考回路してるんだか…

ただ、プロ入り時に師匠や月光先生の

支援者から頂いた祝儀も少し財布に入ってたし

それで賄う事にした。

だから僕も思い切って特上を注文し、

僕としては珍しく大食散財に踏み切った。

けど、特上はやはり特別美味しかった(笑)

 

 

その後は松永さん馴染みの蕎麦屋に行き、

今度は松永さんの奢りとなったが、

金額がな…

それは兎も角、酒が入った松永さんは

将棋以上に話が奔放過ぎた…

会津だの、子供孫だの、僕としてはなんとも

回答に難儀するしかない話ばかりで

どうにも困惑だらけだったのだが、

ふと、松永さんが真顔で僕を見つめ、

「お前さん、生き急いでないか?」と一言。

「どういう事ですか?」と返すと松永さんは

「お前さんは将棋に愛された男だ。そのうち

タイトルも名人も存分に手にするだろうな。

けど、学生としての僅か数年ってのは

お前さんが考える以上に大切で貴重な物なんだ。

人生は長い。一度立ち止まって考えてみろ。」

 

正直僕は将棋で生きる事しか考えてなかったから

この言葉にはハッキリ驚いた。

ただ、僕はまだ小学生だし、今は措き、

中学生になったら改めて考えて見ようと思った。

 

 

 

 

 

 

正月が過ぎ、今度は玉将戦1次予選と

盤王戦予選に加え、公共放送杯予選も

スケジュールに入り、少し忙しなくなってきた。

 

 

 

 

 

結局年度末の3月一杯までの対局は

兎も角全勝ターン。

竜王戦は6組準決勝進出、

玉座戦も2次予選進出、

玉将戦は1次予選決勝進出、

盤王戦も予選決勝進出、

公共放送杯は予選通過で本戦進出、

若手対象の新人戦はベスト16進出、

大河戦は予選通過し、ブロック戦進出…

 

と、デビュー半年の段階では全勝を

果たしていた。

 

 

 

 

 

春休み、二海堂から招待され、上京した。

今回は銀子ちゃんと八一君を連れての旅だ。

 

 

僕は新6年、銀子ちゃんは幼稚園年長さん、

八一君は新2年と、それぞれ節目の学年だ。

 

 

 

新大阪を発ち、マグネット盤での対局や

目隠し将棋を行いながら3時間そこらで

東京駅に到着。

迎えはわざわざ二海堂本人と、

二海堂家執事の花岡さんが案内してくれて、

特注ロールスロイスで二海堂家に向かった。

 

 

 

二海堂家邸宅に入ると、応接間にいたのは

二海堂の師匠の鬼首九段と、

兄弟子の山刀伐六段だった。

 

 

 

お互い挨拶を済ますと、軽い自己紹介が

あったが、

名目上、鬼首九段が師匠ではあるが、

実質的には保証人的立場であり、

実質的な師匠は山刀伐六段という話だった。

話を聞いた限りでは取り巻く環境は

異なるものの、彼もまた

師匠や兄弟子に恵まれた立ち位置なんだなと

思った。

 

前回も長老クラスの大内先生を師匠に、

師匠に近い年の離れた兄弟子に島田さんと

素晴らしい環境で存分に将棋に取り組めた

歴然とした事実があるだけに

今回も素晴らしき良きライバルとなる

確かな確信が胸に響いた。

 

 

 

 

なんだけど、銀子ちゃんはまだしも、

八一君が何故か山刀伐さんを必要以上に

警戒というか怯えてるというか

何故なのか僕には理解不能だった…

 

 

 

 

 

 

プロ入り以降の小学校生活については

地元の公立小学校に変わらず通っていたが、

幸い校長教頭とも将棋愛好家で

アマチュア大会にも参加するレベルだった

ので対局での欠席とかにも柔軟に対応

してくれて大いに助かった。

 

ただ、担任の不惑位の堅物の先生だけは

どうにも閉口した。

理屈自体は解らなくもないのだけど、

僕は小学生である以上に将棋連盟所属の

プロ将棋棋士という絶対的義務がある

というのを何をしてでも否定し、

小学生という枠内に固定する使命のみに

捉われているとしか言えない程

固定観念があまりに超絶レベルだった。

校長や教頭が幾ら説明し理解を求めても

己の価値観を絶対視し過ぎるので、

本来5年に引き続き6年でも担任に内定

してたものの、校長教頭が根回しして

その担任は担任どころか学校からも

出されて廃校寸前の僻地の学校に転任した。

 

 

 

相当強行手段に及んだと、少しあの担任には

同情心も湧いたが、八一君は

「将棋自体認めない石頭なんて消えて良かった」

なんて公言する始末で

結局堅物石頭先生が去った事で

学校の平穏が確保される結果に繋がったようだ

 

 

 

 

6年に進級し、新たな担任には

アマチュア六段で、元研修会員の

新任の先生が赴任してきた。

この先生は、師匠が蔵王先生で、

僕の師匠、清滝先生や同門の月光先生とは

縁続きに当たり、僕にも何かと好意的だった。

これで、学業を疎かにしない範囲で

将棋に傾注出来る環境が整った!

 




二海堂君のお師匠さんや同門の先輩には
「ライオン」からそのまま持ち込む選択肢は
考えてなかったので、
この構成がいいかな?と思い、
作って見ました。

ライオン繋がりなら後藤さんを当てようかなと
思ってましたが、二海堂君にも
「りゅうおう」絡みで師弟関係構築という事に
しました。

尚、八一君と山刀伐さんの関わりは原則的に
原作を準用という事で…
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