桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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いゃあ〜一体全体なんなんでしょ?あまりに異次元過ぎて最早…みたいなマンガもラノベも二次創作もビックリな四冠達成とか…こうなると年度五冠も現実味帯びて来てるんだが…

まぁそんな現実文庫になろうともこの物語はまだまだ終わらせる気はないので長い目で…

って訳で本編スタート!!


賢王戦第1局・in台湾台北

賢王戦第1局

 

台湾・台北市 「鄭成功記念飯店」

 

立会人・辻井武史九段

副立会人・関崎勉八段

記録係・坂梨澄人四段

 

現地大盤解説

解説・ニ海堂晴信棋帝

聞き手・鹿路庭珠代女流二段

 

 

第1局2日前に関空発・台北行きの便で対局関係メンバーが揃って空路台湾入りした。

タイトル戦番勝負での海外開催は、あの竜王戦以来1年半振りとなる。

しかも今回は僕と創多でお互い小学生棋士の履歴を持っている事から「新旧天才少年対決」とか、なんだか煽り立てる空気がのっけから満載な感じで、外野だけが異様に盛り上がっているのがホント違和感だらけなんだけど…

 

 

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〜side椚〜

 

プロ2年目…、予定よりも少し早く訪れたタイトル初挑戦。

タイトル戦昇格初年度の賢王戦決勝七番勝負で、相手は現役最強の『絶対神』・桐山零名人…零さんが僕の前に立ちはだかる。

…思えば4年前、小学3年になりたての頃に偶々将棋ファンだった従兄に引き摺られるように連れて行かれた関西将棋会館で初めて出会った棋士が高校卒業したばかりの現役名人だった零さんと、その当時は奨励会三段で悪戦苦闘を重ねていた鏡洲さんだったのは今でも鮮明に記憶している。って言うか、生涯忘れようの無いレベルで頭にも身体にも染み着いている自覚があるから忘れる自体が有り得ない。

そしてその直後に顔を合わせた八一さんにも強烈なインパクトを受けたのは、その当時にはあまり知られてなかったと思っていたんだけど、実際には零さんにも鏡洲さんにも八一さんにも…どころか、その現場に立ち合って無かった月光会長にすらも知られていたのは今でも少し恥ずかしく思う…

 

けど、小学生のうちにプロ棋士となり、零さん・八一さん・鏡洲さんを追いかける立場になると、皆が皆踏み越えなきゃならない強敵だと言うのが嫌でも実感せざるを得なかった。

 

そして始まった第4期賢王戦四段予選決勝…相手は鏡洲さんだった。

奨励会時代では若干僕が優位ではあったけど、プロの水の染み具合では到底及ばないのでどうなるものかと幾分神経質になりながら臨んだのだが、両者秒読みの激戦をどうにか制し、本戦に駒を進められた。

 

本戦も厳しい組み合わせとなり、1回戦は一般棋戦時代の第1期優勝者の山刀伐八段と組まれ、その膨大な研究量に裏打ちされた縦横無尽なスタイルに絶望的に苦しみながらも唯一の勝機を逃さず摑み取り、どうにか打ち破る事が出来た。

続く2回戦も初代永世竜王資格者の佐伯九段が相手で、その完璧な指し回しになかなか打開策が打ち出せずにいたけど、こっちも決定的な隙を与えなかった結果、千日手指し直しに導き先手を奪うと、このアドバンテージを活かし切り、兎も角も押し切った。

3回戦・準々決勝で当たったのは「立てば不吉、座れば不気味、歩く姿は疫病神」ってなんとも暗いイメージだらけの滑川臨也八段だった…

大概の事には動揺しない自信があった僕にしても流石に滑川さんの異様さには思わず仰け反ってしまう程に驚愕してしまったのは例え言い訳と非難されようがあの時はどうにもなりはしなかったとしか今でも言いようがない。

何しろ風貌からして根暗イメージそのままだったし、更に服装も喪服そのものでしか無かったものだから一瞬仰け反るのは仕方無いのは認めて貰いたいと今でも思う…

対局そのものは終始僕が優勢で勝ち上がったけど、感想戦でも全開なあの不気味ワールドは正直勘弁して欲しい…

 

で、挑戦目前の準決勝は八一さんが立ちはだかった。

流石に現役竜王、あのコンピューター依存棋士の於鬼頭先生を叩きのめして帝位を強奪しただけの力量は十分感じられる。

けど此処まで来て、はい負けましたなんて到底許される訳ないのは如何に名誉に無頓着な僕でも流石に理解出来る訳で。

 

その準決勝は関西将棋会館で行われたが、夕食休憩がまた凄かった。

八一さんは会館1階のレストラン『トゥエルブ』にサービスランチとタンシチューを注文したけど、一方の僕は近場のミートバルの『ない藤』から、「和牛ハンバーグランチ」だった。それにしても八一さん、よく食べるな…

 

その後の展開は一進一退…

2人ともAI活用度がかなり高いのでどうにも似たりよったりな状態となり、そのうち秒読みに入った。

そこで八一さんが珍しくらしくないミスを犯し、そこを逃さなかった僕が辛うじて勝ち、番勝負に進出となった。

 

もう一方の準決勝は零さんが歩夢さんを破り番勝負に駒を進め、台湾での開幕戦に臨む事となった。

 

 

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検分…

 

照明やら窓の戸締りやら細かい注文はあったにしろ、大体通常運転みたいな感じで特に大きな問題は無かった。

が、この後が大事でこの場で振り駒が行われる。

 

振り駒の結果、先手と第1・2局の持ち時間の選択権は僕が摑んだ。

そして勝った際に既に決めていた持ち時間を指定した。

 

『持ち時間・1時間』

 

いきなりの番勝負史上初の1日2局対局をぶつける奇襲を敢行したのだ。

これには創多も「本気ですか?」みたいに目を丸くして驚愕の色が垣間見えた。

折角新方式が御目見得となったんだから陽の目を見せなきゃね(笑)

とは言え、創多からしたら順位戦並みの長時間対局の方が地力を発揮し易いのでいきなり不利に立たされた感覚なんだろう、少し難しい顔になっていた。

まぁこれも盤外戦術とまでは言わないけど一種の駆け引きであり、天才的頭脳に依存しがちな創多にはいい勉強になり、将来の糧になると僕は信じてる。

 

 

 

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翌日…

 

本来なら朝の9時開始のところだが、今回は1時間を2局行うので午前中は準備だけで第1局開始は午後2時からとなる。

そして第1局終了後、夕食を経て第2局は午後7時からとなる。

 

そして自室での軽い昼食後、心身を対局に馴染ませる為に対局30分前に対局場に入った。

そこには記録係の坂梨さんだけが準備と確認の為に既におり、その動きを尻目に早速瞑想に入る事にした…

 

10分後…ここで創多入場。

僕がとっくに入場したと知り、急いで支度を整えて来たのが傍目にも分かる慌て振りであった。

まぁ今回限りではあるが(次以降は確実に対策立てられるだろうから)、何時も冷静で相手を下に見る癖のある創多を振り回すのは大人気ないとは思いながらも何時もとは違う創多が見れたのはなかなか新鮮ではあった(笑)

我ながら結構鬼畜な一面もあるもんだと改めて感じた次第だ。

 

そして午後2時…僕の先手で賢王戦七番勝負が開幕した。

 

尚、創多が選択した第3・4局の持ち時間は5時間である。よって、残る第5・6局は3時間となった。

 

そして只でさえ早指しに近い短時間勝負の上に番勝負初のチェスクロックでの対局だから秒単位で正確に持ち時間が削られるのがなんとも難しいところだ…

これまではストップウォッチだったから1分を超えなきゃノータイム指しとなり、時間消費を節約出来たのだがこれではそうは行かない。

タイトル戦でこんな事になるとはつい2〜3年前までは到底考えられなかった事だ。だからこそ将棋の進化と世代交代もまた実感させられる事でもあるのだが。

 

けど、タイトル戦でも早指しの一般棋戦でも一通りの結果を出した自負はある。その上、1時間対局は僕が指定したのだから尚更に負けられない思いが強くある。

なるほど創多は天才にしてAIを自分の中に見事なまでに吸収してる絶妙な指し回しだ。けど、考慮時間が長く取れる順位戦のようには行かず、この短時間ではやや端折って指さざるを得ないのは盤面を見ても明らかだ。

こうなると若いのは若いけどプロ歴13年目で更に云えば前回の人生での記憶も鮮明な実質30年近いキャリアを持つ僕が優位に立ったのは必然である。何しろ大局観と云うキャリアに裏打ちされた武器は今の創多には未だ持ち得ない物だからだ。

 

そしてやがてお互い秒読みに入り僕が詰みを無くすと間もなく創多が投了、幸先良く開幕戦を飾った。

 

で、夕食後の第2局も続けざまに勝ち、台湾対局は僕の2連勝で幕となった。




フィッシャー団体トーナメントが開幕し、2ヶ月に及ぶリーグ戦の結果…

『宗桂リーグ』
1位→チーム・コンツェルン(リーダー・ニ海堂)+16
2位→チーム・ネオユニヴァース(同・神鍋)+15
3位→チーム・フィットネス(同・後藤)+7
4位→チーム・匠(同・「名人」)−1
5位→チーム・AI(同・於鬼頭)−7
6位→チーム・天空撃墜(同・釈迦堂)−18

『宗歩リーグ』
1位→チーム・サタンファミリー(リーダー・桐山)+14
2位→チーム・リアルレジェンド(同・月光)+9
3位タイ→チーム・昇竜波(同・九頭竜)+7
3位タイ→チーム・下克上(同・山刀伐)+7
5位→チーム・巌流(同・篠窪)−7
6位→チーム・マエストロ(同・生石)−16

3位決定プレーオフ
昇竜波(九頭竜)vs下克上(山刀伐)のリーダー同士の一発勝負の一騎打ち!

勝者は…山刀伐八段、よって決勝トーナメント進出はチーム・下克上となった。

◎決勝トーナメント組み合わせ

1回戦
宗桂2位・ネオユニヴァース(神鍋)vs宗歩3位・下克上(山刀伐)

宗歩2位・リアルレジェンド(月光)vs宗桂3位・フィットネス(後藤)

準決勝
宗歩1位・サタンファミリー(桐山)vs神鍋・山刀伐の勝者

宗桂1位・コンツェルン(ニ海堂)vs月光・後藤の勝者

と決まった。

決勝トーナメントでは対局方式が変わり、最大9局を戦い、5勝先行決着となる。
また出場棋士も1局毎に自由選択となるが、5局目迄に3人全員が最低1局こなさなくてはならないルールが決められた。

これは実力だけじゃなく、戦略も重要となる戦いって事か…

桐山君の最終決戦のお相手は?

  • 西の魔王・九頭竜八一
  • 浪速の白雪姫・空銀子
  • 神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
  • 神の子or悪魔の子・宗谷冬司
  • 風林火山・ニ海堂晴信
  • 盤上の探検者・土橋健司
  • 盤上の格闘家・隈倉健吾
  • 猖獗の大魔神・氷室将介
  • 新世代の申し子・椚創多
  • ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
  • その他
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