如何にロリショタに弱い八一君でも冬司君は別の生き物に感じられるようで…
って訳で本編スタート!!
今年も秋の一大イベント・竜王戦の季節が来た。
今期の七番勝負は…
竜王・九頭竜八一竜王(九段・3連覇中)
vs
挑戦者・宗谷冬司七段(竜王挑戦により昇段)
となり、史上初の年齢1桁の挑戦者にタイトルホルダーも10代だから合計でも30歳以下となる前代未聞の番勝負となった。
で、第1局は通常の能楽堂ではなく、何とフランス・パリでの開催となった。
今回の主な渡航者は…
竜王・八一君
挑戦者・冬司
立会人→「名人」
副立会人→鏡洲飛馬六段
記録係→坂梨澄人四段
現地大盤解説
解説→神鍋歩夢帝位
聞き手→月夜見坂燎女流四段
他関係者
月光聖市連盟会長
男鹿ささり連盟職員(女流初段)
桐山零名人
ニ海堂晴信棋帝
空銀子四段
等…
となり、関西チームは新大阪から東京、その後成田行きに乗り換え、成田空港で現地集合の関東チームと合流。
そこからパリ直行便に乗り、半日近い旅路で現地入りとなった。
これ迄海外開催では何度か対局したり観戦したりしていたのだがパリもまた異なる趣があり、感動ものだった。
そしてシャンゼリゼ通りだの凱旋門だのと名所を歩き回っていたのだが、そこで耳にしたのは何故か「ウマ娘レース」の最高峰の1つである『凱旋門賞』での日本のウマ娘の活躍だったのは流石に驚いた。
なんでも「ディープインパクト」さんって日本どころか世界でも規格外のウマ娘がその世界の度肝を抜く圧巻の爆発を見せ付けたとか…
僕の存在が無かったら間違い無く東京のトレセン学園に行っていた筈のリーナがどう思ったのか帰国したら聞いてみようと思った。
閑話休題…
さて、前夜祭も恙無く終わり、いよいよ明日から第1局の開幕となる。
その第1局初日…
振り駒で先手は冬司と決まった。
1手目はオーソドックスに指した冬司、続く八一君の2手目は得意の「後手番一手損角換わり」を選択。
初日はやや守りに手数を割き、静かに推移した。
封じ手は八一君となり、初日を終えた。
そして2日目…
その封じ手からが開戦となり、たちまち激しい駒のやり取りが始まった。
次第に熱を帯びる八一君…
それに対し淡々と指し続ける冬司…
さながら炎と氷の対比であり、それでもお互い中々均衡を破れず我慢の時が続いた…
そして夕刻に入る頃、冬司の1手が失着となった。
これは観戦していた僕もそれが指された瞬間、不快な痺れが身体を走った感覚に襲われ、「疲労が来たか…」と思わざるを得なかった。
以前の竜王初挑戦での僕の失着と極めて近かったからだ。
以降は八一君が着実にリードを広げ、結局110手を以て冬司が投了、緒戦は八一君が取った。
その後は第2局と第4局で2勝を返したものの、結局第6局・4勝2敗で八一君が4連覇、冬司は初挑戦初タイトルは成らなかった。
竜王戦第1局から数日前に遡る玉座戦第3局前々日の事…
此処まで僕が連勝し早くもリーチを掛けていたのだが、対局前にも関わらず師匠が僕を呼び出して自然と酒盛りとなっていた。
「零、対局直前のこんな時に態々呼び出して済まんが何としても此処で一杯傾けたくてな…」
って師匠から切り出した…
僕も
「まぁ時が時だから勘弁してくれって言いたいですけど、此処だからこそ話したい事もあるんですよね。」
って軽く応対した。
「ああ、幾つか話さなならんのがあるんやが、1つ目が里奈ちゃんとの結婚や。元々女房が死んで儂が男手1つで桂香を育てたんは零も知っとるな。で、その桂香が高校の時分にお前を引き取り、その後も銀子、八一と続け様に入門させて桂香にはさせんでもいい面倒を掛けまくった訳やが…、ってお前を引き取ったんは桂香も同意の上や。あんな獣どもの玩具なんざ一揮も妹も望む訳あらへんからな。けど桂香からすれば遊びたい年頃で子ども達の親代りになっとった訳で色々思う所もあった筈や。そこは儂も申し訳無いと今でも思っとる。そこで里奈ちゃんや。元々銀子が病弱なんはお前も熟知しとるな。で、銀子に何かあると儂は桂香より先に里奈ちゃんに相談したもんや。彼女に結婚歴も無くましてや子どもも居ない中でな…。」
って一息に話すと感情を抑え切れ無かったのか、一呼吸置いてからグラス一杯なみなみの日本酒を一気にあおり、溜息をついた。
その相談の電話・ケータイは僕もそれなりに目にしていたのでそれ自体はそこ迄奇異には感じていなかったし、桂香さんも理解していたようなのでそこ迄桂香さんに気後れする必要はないとは思ったのだが…
「で、お前がプロ・タイトルホルダー・名人と駆け上がり、八一もプロ1年で竜王、銀子は銀子で女王やら女子初の三段になったりで益々里奈ちゃんへの相談頻度が増えた訳や。尤も儂も里奈ちゃんから神鍋君での相談事や岳滅鬼君についての今後なんかの相談も受けた訳やが。で、お前は万智ちゃんと一緒になり、銀子も今は療養中やが八一と一緒は確定しとる。桂香も既に崇徳君と一緒になって皆纏った訳や。それで何とはなしに里奈ちゃんに今後どうする気や?と問うたんやが、向こうも神鍋君が既にA級タイトルホルダーになっとって十分に一人前になっとるし、岳滅鬼君も女流からプロへの再起を図って新たな充実期に入っとる。そんなこんなで里奈ちゃんもデザイナー以外じゃなんのかんのと手が空いてるんで逆に相談持ち掛けられたんや。」
成程…
「子どもが巣立った親がその穴をどうにかして埋めるみたいな心境からですか。」
と、僕もグラスなみなみの日本酒をあおり、師匠に返した。
「ま、それは否定出来んな。実際零も八一も儂を遥かに超えて複数のタイトルを取って零に至っては十九世名人や。それに病弱な銀子も八一との結婚が確定しとるし、その八一も3〜4年後にはお前の名人に挑む未来が見えとる。ま、儂もまだまだ名人を諦めた訳やないが現実を無視する訳にもいかん。まだ健司もおるが儂も里奈ちゃんも取り敢えず一区切りついたようなもんや。それで別居婚で差し支えないならって事でお互い納得尽くで籍入れた訳や。」
あれだけ若作りな釈迦堂さんも歩夢君の成長には思う所があったって事か…
子どもが手を離れた親…20年先には僕も同じ立場になると思うと聞き流せない話ではあるな…
そして会場入り前日にも関わらず僕らは閉店間際までひたすら酒を酌み交わしていた。
肝心の対局はと言うと、結論・僕の3連勝で玉座12連覇となった。
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玉将戦本戦リーグ戦
今期出場者
1位→神鍋歩夢帝位(前玉将)
2位→九頭竜八一竜王
3位→ニ海堂晴信棋帝
4位→山刀伐尽八段
5位(予選通過者)椚創多六段
5位(同)神宮寺崇徳五段
5位(同)宗谷冬司七段
の組合せとなり、山刀伐さん以外全員20代以下の若手だらけの新世代リーグ戦となった。
結果…
挑戦者→神宮寺崇徳六段(タイトル挑戦により昇段)
2位→宗谷冬司七段
3位→九頭竜八一竜王
4位→ニ海堂晴信棋帝
5位→神鍋歩夢帝位(陥落)
6位→椚創多六段(陥落)
7位→山刀伐尽八段(陥落)
となり、僕に挑むのは神宮寺さんとなった。
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盤王戦ベスト4…
九頭竜八一竜王
山刀伐尽八段
神宮寺崇徳六段
宗谷冬司七段
準決勝
○山刀伐−九頭竜●
○宗谷−神宮寺●
決勝
○宗谷−山刀伐●
敗者復活1回戦
○神宮寺−九頭竜●
敗者復活2回戦
○神宮寺−山刀伐●
挑戦者決定戦
第1局
○神宮寺−宗谷●
第2局
○宗谷−神宮寺●
結果…
冬司が竜王戦に続き、2度目のタイトル挑戦を決めた。
今回の人生では初の顔合せとなる。
前回では名人戦、獅子王戦等10回以上も戦ったが、今回は年齢立場から逆転しての戦いとなり、どうなるものやら皆目不明である…
桐山君の最終決戦のお相手は?
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西の魔王・九頭竜八一
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浪速の白雪姫・空銀子
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神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
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神の子or悪魔の子・宗谷冬司
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風林火山・ニ海堂晴信
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盤上の探検者・土橋健司
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盤上の格闘家・隈倉健吾
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猖獗の大魔神・氷室将介
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新世代の申し子・椚創多
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ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
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その他