桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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将棋国際化に向けた月光体制の世界戦略に於ける最大のターゲット・マーケットが米国であるのは周知ではあったが、これまで門外不出と云えた『名人戦』までも海外進出を決行するとは大半の棋士他将棋関係者でも予想だにしなかった…

そんな中、『名人戦』に出場する「名人」の僕と、僕以来のストレートで名人挑戦に至った歩夢君…神鍋歩夢帝位(八段)は、そんな混沌たる空気を他所に念願のタイトル戦での激突に改めて思いを新たにしたのだった…

って訳で本編スタート!!


名人戦第1局・inNYカーネギーホール

名人戦…

 

これまで国内の名刹、名門旅館、名門ホテル等でしか行われなかった伝統の対局…

 

今回は国際化に向けた世界戦略の一環として、通常の公爵邸別邸ではなく、態々NY・カーネギーホールを借り切っての対局となった。

 

 

今局に関わる主な関係者…

 

 

立会人→後藤正宗九段

副立会人→ニ海堂晴信棋帝

記録係→幸田柾近四段

 

 

現地大盤解説

解説→九頭竜八一竜王・空銀子四段(W解説)

聞き手→岳滅鬼翼女流二段

 

 

連盟会長・月光聖市十七世名人

会長付職員・男鹿ささり女流初段

 

 

現役兼任観戦記者

鵠(供御飯万智クイーン山城桜花)

雛鶴あい女流名跡

桐山カタリーナ山城桜花

等…

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 

 

〜Side神鍋歩夢〜

 

 

将棋に目覚めて早くも14年…

 

小学2年になって間もないゴールデンウィーク…

その日の昼から放映された小学生名人戦決勝…

 

対峙していたのはキングゼロ(桐山零)と風林火山(ニ海堂晴信)であり、その初手からして未知にして魅力溢れる一手で以降、風林火山が投了する迄の2時間余りの間、只ひたすらに二人の棋譜を追い続ける程に周りが見えなくなっていた…

 

 

そこから本格的に将棋に打ち込み、一定の自信が付いた事からキングゼロから3年遅れながらも小学5年にして小学生名人戦に参加を果たした…

 

が、東日本大会迄は我に充足感を与える相手が存在せず、何とも消化不良のまま決勝大会に進んだ…

 

その決勝大会準決勝…

 

我に立ち塞がったのは、この後生涯のライバルと見定めたドラゲキン…九頭竜八一であった。

 

キングゼロの弟と知ったのは当のキングゼロがプロ四段昇段のインタビューにて、「素質は僕以上」と指名したのがドラゲキンとシュネーヴィットヒェン(空銀子)だったからだが、実際に対局するとその資質に加え、キングゼロとはまた一味異なるアプローチの多彩さが嫌にも目を引いたのが切っ掛けだ。

 

そうなると、早くにキングゼロに追い付き追い越せの異様な空気が我の内面に襲い掛かって来た…

 

入品迄はソコソコのペースで初段入りしたのだが、以後の初段・二段時代は苦しみに苦しみ、結局三段リーグに足を踏み入れたのは高校に入ると同時だった…

 

その時点でキングゼロは既に現役名人であり、焦燥が増幅されたのは言うを待たない…

 

そしてデビュー期に於いてはプロ目前の猛者相手に勝ち越したものの、11勝止まりで先行き不透明な感覚に陥ったものであった…

 

 

そして2期目…、終生のライバル・ドラゲキンが追い付いてきた。

そこでは1期目の経験を最大限に活かし、16勝2敗の成績で晴れてプロ四段になったものの、結果として14勝4敗に落ち着いて次点止まりだったドラゲキンとの同時昇段とは成らなかった…

 

 

その後は…順位戦では概ね順調に昇級を重ね、B級2組最終局のみキングゼロやドラゲキンのマスターでもある清滝九段にいいようにしてやられたが、A級昇級迄の順位戦での黒星はそれが唯一となった…

 

A級では、事前研究・気迫・指し回し・終盤…と、何もかもこれまでとは段違いで、幾度メンタルが折れかけたか…

だが、『名人』たるを望むのは我とて同様。

キングゼロの待ち構える舞台に乗り込む為の最後の関門と定め、兎に角も勝ち切り続け、結果…8勝1敗で前期挑戦者・風林火山とのプレーオフとなった…

 

リーグ戦で唯一敗れたのがその風林火山なのだが、研究で得た幾筋もの変化を巧みに活用出来れば光明はあると信じ、プレーオフに臨んだ…

 

そのプレーオフ…、

お互い研究の成果をぶつけ合う定跡外しの力戦となり、共に持ち時間を殆ど消化し尽くした末に千日手指し直しになった。

その後の指し直し局は、元々体力に不安のある風林火山と夜戦を不得手とする我…

若い我らでは信じ難いレベルの消耗戦となり、再開から3時間後…名人挑戦を掴んだのは、我であった。

 

この消耗戦をキングゼロはどう見たか…

 

経過はどうあれ、名人挑戦者として我のこれまでの全てをぶつけ、『名人』を勝ち取るのみだ。

 

 

 

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そして始まった第1局初日…

 

初日の対局は『名人戦』では史上初の公開対局となり、僕らはステージに用意された対局場に向かった…

 

先手は振り駒により歩夢君となり、いよいよ対局開始。

 

初日は静かな立ち上がりに終始し、細切れに時間を使い、お互い持ち時間9時間中、4時間程度の消化となって封じ手の時間に…

その封じ手は僕が書き、結局51手で翌日に持ち越された。

 

2日目…僕の封じ手が開封されると周りからどよめきが起こり、激戦、波瀾が予感された雰囲気となった…

 

その予感に違わず午前中から激しい駒の動きに交換、展開に依ってはノータイムで次の手を指し、益々どちらが優勢か全く見えなくなって来た…

 

夕食休憩後、最後の踏ん張り処に突入し、残す持ち時間は両者1時間を切っていた…

 

攻勢は歩夢君…

僕は守りつつ逆襲の準備を整えて歩夢君の攻めが切れるのを待ち、耐え続けた…

やがて歩夢君の攻めが切れ、此処から僕の最後の攻めが始まった。もうこれで攻め切れなかったら僕の負けが確定なので、ありったけの駒を投入、敵陣にある駒も総動員し、詰めに掛かった。

 

最後の攻めを懸命に歩夢君も凌ぐが、陣を崩す事に成功した事で結局午後9時過ぎに歩夢君が投了、カーネギー対局は僕が制した。

 

 

 

 




今年最後の投稿…

これからの展開がどうなるか…私自身も現在の処、未定状態ですので更なる変化もあるかも知れません。


って訳で閲覧者の皆様、来年も宜しく!!

桐山君の最終決戦のお相手は?

  • 西の魔王・九頭竜八一
  • 浪速の白雪姫・空銀子
  • 神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
  • 神の子or悪魔の子・宗谷冬司
  • 風林火山・ニ海堂晴信
  • 盤上の探検者・土橋健司
  • 盤上の格闘家・隈倉健吾
  • 猖獗の大魔神・氷室将介
  • 新世代の申し子・椚創多
  • ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
  • その他
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