桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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さてさて今期A級順位戦ですが、来るべき物が来た…って感じであの伝説の鬼畜眼鏡氏が遂にA級陥落決定と相成りましたね…
一方でB級1組はと言えば、最強の瀬戸物がトップキープも、名人挑戦以外はさしたる実績の無い出直し組と捏造棋士2号が1差なので最終戦では勝たなきゃA級行けないみたいなプレッシャーが醸成されてるみたいな空気が…

兎も角、時代の転換点に足を踏み込んだ情勢であるのは明らかな訳で…

って訳で本編スタート!!


竜王戦挑戦者決定戦

竜王戦挑戦者決定戦…

 

今期此処迄勝ち上がったのは僕、桐山零と、妹弟子である空銀子四段だった…

 

 

僕からすれば銀子ちゃんの実力とブランクを鑑みれば、本来6組突破自体奇跡に思えたのだが此処から先が凄まじく、1回戦から神宮寺さん相手にその僅かなミスに付け込んだ展開ではあったが見事に勝ち切り、以後も鏡洲さんに師匠と恩返しを続け、迎えた準々決勝の相手は後藤さんだった…

 

其処で硬い守りからの逆襲カウンターを得意とする後藤さん相手に激しい攻防入れ替わりの末、勝ってしまったって…

銀子ちゃん、大概にも程があるんだけど…

 

 

そんな訳で準決勝は何と銀子ちゃんは知らないだろうけど、銀子ちゃんの実の父親である於鬼頭さんとの顔合せとなった。

結果…、於鬼頭さんまでも破り、僕との挑戦者決定戦に駒を進める事となった。

 

 

 

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〜side銀子〜

 

 

いよいよ今日から挑決に入る…

八一が待つ竜王戦まで残り2勝だけど、その最後の壁として立ちはだかるのは、最強にして神をも超越したとまで評される兄弟子・桐山零名人だ。

 

最後の最後になって心が折れかねない相手って…

けど、何が起ころうが越えなくては八一の前に辿り着けない以上、何を削ってでも勝たなきゃ…

 

そう思い詰め、八一とも兄弟子とも長らく顔を合わせないまま研究に取り組んだけど、暫くすると心身共に限界が訪れてしまった…

そんな中、幼少期から長らく私の主治医として何かと気に掛けてくれていた明石圭先生が、とある棋士を研究相手に紹介してくれた。

 

その相手が、何と準決勝で打ち破った於鬼頭先生とは流石に予測も出来なかったけど…

 

そしてパソコンを使い、最新の研究成果をぶつけるも、コンピューターに精通している於鬼頭先生相手じゃ地の実力差が明るみに出るだけで、参考にはなってもこれだけではどうしても兄弟子に敵うとは思えなかった…

 

その於鬼頭先生とのvs的研究会は1週間行われたが、その最終日…、於鬼頭先生、とある女性を伴ってやって来た。

この研究会、明石先生の厚意で先生の自宅の一室を借りて行っていたのだが、最後の2日は明石先生が重症患者の経過観察の為、病院に泊り込みになるとの事で朝から夕方までは於鬼頭先生と2人きりでのvsと研究、夜は1人で夕食と風呂を済ませ寝るだけの生活だった…

尚、於鬼頭先生は近くのビジネスホテルに泊まり、通いでの研究会であった。

 

そして最終日は3人での研究会となったが、その女性…、実は一昨年の暮れの竜王戦で金髪ブスを破った後に起こった体調不良で暫く入院した際に私と同室だったおばさんだった。

確か三瀬だかって言ったか、そんな名字だったような…

けど、素人とは思えない強さで(とは言え、プロにはやや足りないが)明石先生や看護師さんに止められる迄何度も指し続けていたが、丁度いいリハビリにはなったとは思う…

 

そしてその研究会も終わりを迎え、帰り際になって、於鬼頭先生からとんでもない発言・事実が飛び出した!

 

それは…、

私自身、空家の実子でないのは高校受験の際に既に両親から告げられており、それでも私に愛情を注いでくれた両親には感謝しかないのだが、それでも実の両親については少しばかりは気になってはいた。

其処で飛び出した驚愕の事実…

 

何と於鬼頭先生が私の実父で、私を産んだのが隣のおばさん…三瀬法子と言い、元女流棋士にして、あのエターナルクイーン・釈迦堂先生と並び立つ女流の看板棋士って…

しかもこのおばさん、あろう事かプロ棋士にプロ公式戦で勝利した初の女流でもあり、勝った相手が山刀伐先生やら蔵王先生やらブッ飛び過ぎにも程があるとしか…

 

まぁこれまでがこれまでで、このおばさんは私を産み捨てて放浪の末に肝硬変患っていたり、一方で於鬼頭先生は私という子供がいるのを長らく知らなかったり…って始末な訳で、事実ではあってもそう簡単に受け入られるものでもない。

更に八一から師匠、桂香さん、兄弟子、釈迦堂先生、月光会長も既に知っているとか…本人抜きで知らせるか普通?

もし、この場に八一が居れば間違い無く「ブチ殺すぞわれ!」って叫んでいただろう。

それをしなかっただけでも昔よりは落ち着いたものだと我ながら感心してしまう…

 

何にせよ、そんな話を背負った状態で臨む挑決となった…

 

 

 

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第1局、関西将棋会館

 

 

振り駒の結果、先手は僕となった。

 

その第一手はオーソドックスに角道を開けてスタートしたのだが、続く銀子ちゃんの第ニ手が何と八一君の十八番の「後手番一手損角換わり」と来た日には流石に仰天した。

 

其処からは少しずつ時間を使いつつ戦型を決め、構築中に昼食休憩…

 

僕→和牛ハンバーグ定食

 

銀子ちゃん→タンシチュー

 

 

…で、午後に入ると、ノータイム指しはほぼ無く、考慮しては指すの繰り返しで、夕食休憩迄に双方とも持ち時間が2時間を切っていた。

 

夕食休憩時の持ち時間(各5時間)

 

僕→残り1時間20分(3時間40分消費)

 

銀子ちゃん→残り1時間1分(3時間59分消費)

 

 

夕食

 

僕→お茶漬けセット

 

銀子ちゃん→タンシチュー

 

 

そして午後7時からの再開後は、此処からが本番と言わんばかりの駒のぶつかり合いが展開される事となった。

 

まず僕が銀子ちゃんを挑発する様に銀を主体にした攻めを繰り広げると、これを恥辱と取ったか銀子ちゃんの顔がまず真っ赤となり、直ぐに収まるや次には瞳が普段の灰色然とした物から本気の全開モードたる蒼い物にスイッチした。

それでも恥辱って点では、僕も相手の彼氏の十八番を繰り出されてる時点でかなり感じてる訳で…

 

その後のぶつかり合いは一進一退…

 

思えば14年前、当時奨励会入会したての僕にどれだけ負けようがオーバーヒートして倒れて病院に担がれようが飽くなき魂で挑み続けた銀子ちゃん…、その真骨頂を感慨深く思いつつ、こっちも決着への追い込みに掛かった…

 

その次の一手…桂馬を進め、不成桂を指した瞬間、その指に不快な電気が走った…

この症状は敗北時、それに通ずる失着を引き起こした際に出る物で、此処から挽回した事は相手の更なる大チョンボで拾った1回しか無い程、負けに直結する最悪の終戦モードなのだ…

 

そしてその直感は敢え無く的中し、以後は銀子ちゃんの攻勢をどうにか躱しつつも徐々に追い込められ、最後は形作りを以って投了、銀子ちゃんの先勝となった。

 

その後は第2局で僕がタイに持ち込むも、最後の第3局で銀子ちゃんの銀冠を攻略し切れずに再び不快な電気が指を走った瞬間、僕の今期の竜王戦は終了と相成った。

 

結果…、銀子ちゃんが女性棋士初のタイトル戦番勝負出場者となり、同時に昇段規定に拠り、四段から七段に一気にジャンプアップする事となった。




挑戦者決定戦終結後…

京都の僕のマンションに不意に来客が訪れた…

その数、5人…
内訳は、銀子ちゃん、八一君、桂香さん一家(桂香さん、神宮寺さん、将馬君)である。

で、案内されるなり、銀子ちゃん、
「お兄ちゃん、私に何か言う事無いの?」
って直球繰り出して来たよ…
だからって僕もそう簡単には答えるって訳にも行かないので、
「八一君や桂香さんから何を聞いたんだい?」
って聞き返したのだが…、銀子ちゃん曰く、
「直接聞いたのは於鬼頭先生からだけど、八一と桂香さん、神宮寺さんからも裏付けは貰ってる」
成程、将馬君以外3人とも固まってるのが…
だから、
「於鬼頭さんの話は事実。で、僕らが銀子ちゃんに先んじて聞いたのも事実。於鬼頭さん曰く盤上で語り、解って貰おうと考えてたらしいけど、盤上だけでは伝え切れなかったって事で口で伝えたんじゃないかな?」
と答えた。
でも銀子ちゃん、
「それで済むと思ってるの?八一と桂香さん、神宮寺さんからは誠意を貰ってるけど、お兄ちゃんからも誠意が欲しいんだけど」って言い募る…
此処で万智が、
「もうその辺でええどすやろ。少し落ち着いてお茶でも…」
と言い掛けると、
「は?そう言えばアンタもお兄ちゃんと一緒で知ってたわね。この際だからアンタにも誠意見せて…」
とか銀子ちゃん言い出す物だから到頭根負けした僕が、
「分かった、近くに供御飯家御用達の焼肉屋があるから、まずは其処で食べながら話そう」
ってどうにか説得し、リーナと冬司も連れて焼肉屋での晩餐となった…
そんな晩餐中、ド天然な冬司が、
「おばさん(銀子)、自分だけ蚊帳の外だったからって何も零君責める必要あった?其処の竜王〆るだけで十分でしょ」
とかまた混乱招きかねない爆弾発言…
で、銀子ちゃん、
「は?黒い小童(夜叉神天衣)とイチャイチャしてるチビガキが何をしたり顔で…」
ってドス黒いオーラ全開してるし…

何ともカオスなオーラが充満しながらも肉と酒はどんどん消費される焼肉晩餐であった…

桐山君の最終決戦のお相手は?

  • 西の魔王・九頭竜八一
  • 浪速の白雪姫・空銀子
  • 神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
  • 神の子or悪魔の子・宗谷冬司
  • 風林火山・ニ海堂晴信
  • 盤上の探検者・土橋健司
  • 盤上の格闘家・隈倉健吾
  • 猖獗の大魔神・氷室将介
  • 新世代の申し子・椚創多
  • ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
  • その他
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