プロの水にも再び馴染んで快進撃も続き、
絶好調に見える桐山君ですが、
さて、今回は如何に?!
って訳で本編スタート!!
さて、棋士となってから間もなく1年が
経とうとしていたが、成績は未だ黒星知らず
で、デビュー以来どころか、史上最多の
連勝記録をとっくに更新していた。
今は只、プロで再び戦う充実感に浸りながら
一心に指し続けているだけなので
あまり実感はなかったのだが、これで
取材やらトーク番組のゲストに呼ばれるやら
夏休み近くになったところで急激に忙しく
なってしまった。
それでも、まだ義務教育の小学生だったから
幾分抑え目にしてくれていたが、
僕の見た限り、今の連盟会長を筆頭に
理事の大半の姿勢を見る限り、
既得権益の保持保身に血眼になってる印象が
なんとなく強いように思う。
前回だと、トップは神宮寺会長だったけど、
あの人は新規開拓に動き回りながらも
宗谷さん始め棋士たちの環境にもきちんと
目を配ってくれていたから、たまに辟易する
事はあっても、現役からの支持は高かった
よな。
弟子でもない僕の新居の保証人も引き受けて
くれた程だし。
それを思うと、今の会長理事たちは、なんか
僕を便利道具として酷使しようという意図が
言葉や態度の端々に見受けられるんだよな
体力や学校に影響しない限りでなら出来る
協力はするつもりではあるが…
そんな僕の漠然とした不安を感じ取った人が
夏休み前日となる終業式の夜、不意に清滝家を
訪問してきた。
師匠の兄弟子で、十七世名人資格者の月光先生
である。
僕ら子どもと桂香さんは驚いてたが、師匠は
「月光さん、こんな遅くにご足労済まんな」
と、平然と居間へ通した。
で、銀子ちゃんと八一君は2階の子ども部屋へ
行かせ、師匠と月光先生だけの話と思いきや、
僕と桂香さんにも参加するよう師匠から
言われ、その場に座った。
口火は月光先生からで、
「零君、近頃盤外の仕事が嵩みがちと聞いて
いるが、体調は大丈夫なのかな?」
と聞かれたので、現状そこまで負担には
まだなっていなかったので、
「今のところは支障のない範囲で引き受けて
いますので、まだ変調はありません。」
と答えた。
月光先生は、「ふむ…」と呟いた後、暫く
無言で考え込む様子だったが、やがて
師匠に目を向け、
「清滝さん、是非ともご協力願いたいのですが
、貴方は全国津々浦々で普及に励んで
いらっしゃる。その人脈を私、否、我々
全ての現役棋士・特に零君のような将来性
高い若手を守る為に使って貰いたいのです。」
これに師匠はこれまた暫く沈黙していたが、
やがて、「ええやろ。零ばかりやない、
銀子も八一もやがては将棋界を背負わなくては
ならん才能や。この子たちを守り育てるのは
儂ら先達の使命でもあるからな。その話、
確かに引き受けた。」
どうやら師匠も月光先生と意思は同じだった
らしい。只、この時の僕は2人の意図の
心底を掴み切れていなかった。
尤も、半年後には全貌を知らされるのだが
そして夏休みに入った。
これまでの戦績は序列順に…、
竜王戦は本戦2回戦となる4組優勝者との対局
だったが、無難に勝ち進み、3回戦に進んだ。
3回戦は1組5位の生石八段と対局となった。
生石八段はA級3期目の若手強豪で、なにより
「捌きのマエストロ(巨匠)」の異名で知られ
、「振り飛車党総帥」の二つ名でも有名だ。
順位戦はC級2組で開幕2連勝を記録。
帝位戦はこれから予選トーナメントに突入。
玉座戦は2次予選も突破し、本戦進出。
1回戦は前回挑戦者決定戦に進んだ
於鬼頭七段と対局し、その人間離れした
指し回しに難儀したが、僅かな一穴を突破口に
して、その守りを崩して辛勝した。
2回戦は…は?滑川七段!?
実家が葬儀社の暗黒ワールドなあの人?
パラレル転生は認識してたつもりでも、
流石にあの人は想定外だった…
でも対局はしっかり務めなくてはならない。
兎に角粘っこい棋風は変わらず、悪戦苦闘
となったが、どうにか詰ませて準決勝進出。
これで最低玉座戦は来期本戦シードは確定。
準決勝は…師匠・清滝八段との初手合が決定した。
盤王戦は本戦進出し、初戦突破。次は
ベスト16で、相手は田中太一郎七段。
同門関係ではないが、亡き父とは修行仲間で、
僕にとっては奨励会時代の父を知る数少ない
貴重な先輩である。
色々な意味で次の対局が楽しみだ。
玉将戦は2次予選に進出。3勝を挙げると
挑戦者決定リーグ戦に進出する。
棋帝戦は1次予選がスタート。
順調に勝ち進んでいる。
公共放送杯は本戦2回戦進出となった。
大河戦はブロックトーナメントを全勝。
ブロック決勝ではA級の大ベテランであの
柳原さん…って、神宮寺会長と同世代の
タイトルホルダーで名人経験者なんだけど、
軽くひらひらとかわす棋風が持ち味だ。
本局でもその棋風を全面に活かした指し回し
を披露したが、こちらから攻めかかり、
一筋縄ではいかないながらも何とか陣を
崩し、どうにか押しきった。
ここからは決勝トーナメントである。
毎朝杯将棋トーナメントは、これから
1次予選がスタートするが、
持ち時間の短い対局なので、1日2局となる。
何しろ持ち時間40分である。
年齢及び段位制限のある新人戦は
(年齢は開始時満26歳以下、
段位は開始時六段以下)
順調に準決勝に勝ち上がった。
準決勝は竜王戦でも当たった山崎五段である。
それにしても、段々多忙になりだし、
体力大丈夫かな?とは思い始めていた。
だからって、小学生の基礎体力で急に
体力トレーニングって言ってもなかなか
身になるにはかなり時間が掛かりそうだし
暫くは体調をコントロールしながら
指すしかないのかな…
前回でも色々指摘されたが、食と体力は
宿命的課題と化してるな、僕は。
って訳で、またまたライオンキャラ
ぶち込みました。
私としても完全に事前想定外だった
まさかの柳原朔太郎先生でしたが…
会話シーンは特には入れませんでしたが
入れると必ず神宮寺会長絡みが確定するので
あえて入れませんでした。
さて、月光先生と清滝師匠のお話は、
少し経過してからのお話になります。
今回はこの辺で