誰もが異様な雰囲気である事を自覚しつつ、前夜祭に臨む…
って訳で本編スタート!!
京都市・先斗町に位置するとある名門料亭…
此処が今回の決戦場となる。
そして会場に着くや早速検分が行われる運びとなる筈が…
相も変わらず氷室先生が恒例の迷子からの遅刻をやらかし、午後1時30分からの予定が1時間ずれ込み、結局終わったのは午後3時30分を過ぎていた…
そして着替えの後、午後6時から前夜祭が始まった…
元々一番勝負である為、氷室先生は直接対局を希望していたのだが、僕としては関係者全てに迷惑掛け通しである為、せめてもの慰労・労いの意味も含め、名人の権限で前夜祭を執り行う事を会長経由で承知して貰った経緯があった…
その対局者挨拶…
先ずは氷室先生からであったが、
「先ずは桐山、俺の申し出を快く受けてくれた事、感謝する。俺の人生最後の対局がお前で掛け値無しで有難い。この命の磨り潰し合い、とことん楽しもうぜ!」
ってまたとんでもない発言してくれたもので…
次に紹介された僕はと言えば…、
「伝説の大棋士である氷室先生の挑戦を受ける事、誠に光栄であります。ですが僕も永らく名人を預かっている以上、どれだけ傷付こうが切り刻まれようが貴方に名人を明け渡す事、到底出来よう筈も御座いませんので、その心持ちで臨んで戴きたく存じます。」
と一応事も無げに返しておいた。
実際、確信的直感に過ぎないのだが僕から見た氷室先生は、その人生で残された命の灯火を全て注ぎ込んで『名人』に返り咲く事だけしか考えてない様に見えた…
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〜side氷室将介〜
桐山のガキめ…、俺の状態を余す処無く観察し切り、絶対負けはしない決意表明ってか…
全く何処までも面白ぇガキなもんだ。
しかも俺が名人と結婚を続け様にこなした年頃で奴は既に永世名人資格を勝ち取り且つ、結婚・父親になってるってか…
こりゃあ、あの世でじっちゃん(御神三吉九段)も仰け反ってるだろうぜ…!!
じっちゃんって言えば「負けて得る物等無い」が身体中に浸透してた人生…少なくともその後半生はそれに支配され縛られたのが丸分かりだったが…、
一方で刈田の野郎は…
奴は俺を産んだ母親と通じて俺の物理的父親になったコレはコレでぶっ壊れた人間性な訳だが…
そんな野郎の信条はと言うと…、
「負けて得る物も有る」
って、じっちゃんとは掛け離れた考えの持ち主だった…
実際、非公式の野試合で滝川の野郎に砂を喰わされた惨敗の後、俺の心境はと言うと…、
「負けて得る物は有った。それは、勝ちへの思いが更に増した事だ」
って物だったので、じっちゃんの信条はある意味で負け犬の遠吠えに過ぎない戯れ言であったのが嫌でも俺の身に沁み渡ったのが何ともな…
が、今度の桐山との命のやり取りは俺自身が望み、桐山も受けて立った誰にも邪魔させない魂の死戦だ。
あの世からじっちゃんが迷い込もうが撥ね付けてやるぜ!!逃げた爺ぃなんざ用はねぇ!!
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思った程には波瀾も起きず、形上は恙無く前夜祭を終える事が出来た…
が、本番は明日からの無限の地獄であり、精神的重みが早速身体を支配しているのだが、それもこれも背負いつつ僕はこの戦いに傾注するだけだ。
専門チャンネル…
解説はどうにか確保出来たのだが…聞き手が確定しておらず、結局4月2日に漸く発表出来た…
メンバー…
初日前半・鹿路庭珠代女流四段
同、後半・登龍花蓮四段
2日目前半・神鍋馬莉愛四段
同、後半・花立薊女流六段
3日目前半・夜叉神天衣棋帝
同、後半・清滝桂香女流玉将
となり、スクランブル体制での解説業務であるのは誰が見ても明らかであった。
それでもどうやら対局が出来る程には人員は整ったようだ…
他にサポート要員として、
記録係要員→坂梨澄人七段
同 →土橋健司七段
解説要員→関崎勉九段
聞き手要員→祭神雷七段(解説要員も兼務)
同 →雛鶴あい五段(解説要員も兼務)
が待機する運びとなった。
桐山君の最終決戦のお相手は?
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西の魔王・九頭竜八一
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浪速の白雪姫・空銀子
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神戸のシンデレラ・夜叉神天衣
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神の子or悪魔の子・宗谷冬司
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風林火山・ニ海堂晴信
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盤上の探検者・土橋健司
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盤上の格闘家・隈倉健吾
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猖獗の大魔神・氷室将介
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新世代の申し子・椚創多
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ゴッドコルドレン・神鍋歩夢
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その他