桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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さてさて、この先の八一君との竜王戦の行方と決着についてなかなか結論が出てこない始末で……



って訳で今回は箸休め的に天衣ちゃんのお誕生日会の開催のお話にしました。


って訳で本編スタート!!


天衣の誕生日

 

 

12月10日……、

 

 

 

この日は僕の最初の弟子にして女性棋士初のA級棋士でもある夜叉神天衣の18歳の誕生日である……

 

 

この日僕は家族(万智と娘3人)を伴い、朝早い便の新幹線で新神戸まで乗り、降りたところで夜叉神家が手配したリンカーン・コンチネンタル(護衛付き)に乗せられて着いた先は……、

 

 

 

天衣の現住居であるタワーマンションではなく、弘天さんの住む夜叉神邸であった。

 

天衣の護衛を束ねる夜叉神家末端幹部でもある灘國雄さん(故・天祐さんの護衛でもあり、晶さんの直属上司でもある)曰く、ここ10日程弘天さんの体調が優れず、今回は天衣宅には行かず天衣の方が夜叉神邸に戻り、誕生日会を行う運びになったそうだ……

 

 

 

 

 

 

で、相も変わらずその筋の方々からの陣太鼓に包まれての歓迎が繰り広げられ僕は……、

 

(初めてとかの人ならお漏らししても仕方無いよな……)

 

とか娘達の反応を気にしてたのだが……、

 

どうやら母親である万智の血が強いからか恐怖感は感じられず、寧ろ興味津々の様子を示す有様で……

 

 

 

 

で…屋敷に入り、弘天さん・天衣・冬司の出迎えを受け、応接間で軽くお茶を頂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今回の誕生日会は昼夜2回のロングランで行われるのをこの場で告げられたので、日帰りの予定でスケジュールを組んでいた僕は思わず抗議の声を上げていた……

 

 

……けどそれは僕だけ知らされて無かったようで万智には予め伝えられてたらしく、娘もそれぞれお泊りの支度を調えての旅程だったようだ……、道理で荷物が余分に多かった筈だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

そして誕生日会第一部となる午餐会開催……

 

 

 

此処は弘天さん、天衣、冬司、僕ら一家の8人で内祝い的に祝賀となり、本来なら僕からあるプレゼントを天衣に渡す予定だったのだが、こんな予定外の事態にさせられたお返しに此処では敢えて口にはせず、後のお楽しみに引き延ばす事とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして午餐の後、暫しの自由時間にて天衣・冬司に万智と4人で軽くvsを行い、次の対局に備えていた……

 

(僕は公共放送杯3回戦のvs坂梨さん、天衣は盤王戦挑決のvs健司君、冬司はA級順位戦のvs健吾君、万智は女流名跡戦リーグ戦のvs香子さんが次戦の相手)

 

 

その間、娘達は夜叉神グループ直営幼稚園の保母さんと一緒にお遊戯やら工作やらに熱中し、飽きる事なく遊んでいたとの事で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて本番の晩餐会が近づき、招待客の面々がチラチラ入場し、その一員の中に師匠、桂香さん、神宮寺さんと将馬君、生石さんと飛鳥ちゃんに健司君、蔵王先生に八一君一家も顔を出していた。

 

更に東京からも二海堂と珠代さん一家と山刀伐さんやら挙げ句には後藤さんと雷さん、健吾君までもがはるばる参加する大規模な宴になるのは確定事項なお話となってしまったようだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

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天衣と冬司の関係は現時点での男女関係は知らずも、少なくとも将来の伴侶に至る流れなのは関西全体と関東の一部は委細承知の事項である。

 

 

最近では先回話題に上げた歩夢君と翼さんもあるけど、それ以外にも業界内では若きカップルのお話も東西少なからずあるようで……

 

 

 

 

 

①→関東では、後藤さんの弟子にして事実上の養女でもある祭神雷さんが最近交際して入籍間近って噂も浮上しているのだが、そのお相手が7歳年下の健吾君との事で実際僕が後藤さんと健吾君に確かめた処、存外すんなり認めていた。

 

で……これとは別に後藤さん、つい最近になって前世の記憶を思い出したらしく、竜王戦第4局終了後に京都に乗り込んで僕を締め上げて来たので僕も頭に血が昇ってその首を締め返す騒ぎとなり結果……、娘3人の悲鳴を聞いた万智によってその持っていたバーナーの炎でお互い締めてた手を放す仕儀となり、改めての話し合いによって何とか和解し、其処からは何故か万智の主導で義兄弟の盃を交すまでに至った……(勿論兄は後藤さん、弟は僕である)

 

 

 

 

 

②→一方で関西では、前世でも男女交際の欠片も見受けられ無かった健司君に驚きの春が……

 

 

お相手は生石さんの一人娘の飛鳥ちゃん……、っても健司君とは10歳離れててしかも飛鳥ちゃんが年長……

 

 

生石さん、よくもこの組み合わせに文句も言わず認めた物で……

 

 

 

 

そんな僕の素朴な感想に生石さんからは……

 

「最初から無条件に認めた訳じゃねぇ、そもそもが健司と結婚しても飛鳥じゃ30いっちまうだろうが。それじゃ飛鳥も健司も幸せにゃ程遠く寧ろ嫌な結末も有り得る訳だしな……、だから健司には同年代の波長の合う女を選べって諦めさせて飛鳥にも健司じゃなくても近い年代に波長の合う男居ない訳でも無いだろってそれぞれに説得してたんだが……、俺の考え以上にアイツらの絆・繋がりが存外強くてな……、結局健司にゃ銭湯経営に必須の資格取る事で結婚認める話に落ち着いたって訳だ」

 

との回答を貰い、生石さんの後ろで桂香さんもにこやかに親指立てており、その事から桂香さんもこの件一枚噛んでるな…と感じた次第だ……

 

 

 

③→鏡洲さん同様遅咲きの苦労人棋士である坂梨さんも最近春が訪れたようで……

 

 

お相手は天衣とプロ同期の峠なゆた七段であり、年齢的にもベストな組み合わせとは個人的には思ってる。

 

で、この2人の切掛については雷さんが一枚噛んでたようで、新人時代の棋帝戦1次予選で雷さんが緒戦で坂梨さん、2回戦で峠さんを打ち破り、「アンタら、まだまだ足りないよぉ〜!せめてれぃのとこのチビどもまでになんなきゃアタシには追い付かないさぁ〜!まぁ喰い応えはあったけどさぁ〜!」って挑発とも激励とも取れる台詞を吐き散らかしたのが始まりらしく……

 

 

この一件については元々雷さん嫌いの燎さんも兄弟子の坂梨さんの春を後押しした事で幾分かは見直した様子でその評価も少しばかり丸くはなっていた……

 

 

 

 

 

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……で、いよいよ本番の晩餐会が始まった………

 

 

 

司会進行は大阪の全国系列の人気女子アナウンサーであり、どうやらルックスばかりかスタイルも視聴者からベタ惚れレベルの物のようで八一君、早速釘付けになっており、あいちゃんに首根っこ引っ張られて会場の隅で速攻ヤキが入ったようだ……

 

 

それから祝辞となったが何故か僕が挨拶する運びとなっており、少々困惑しながらもどうにか全う出来た……

 

 

で、乾杯の音頭はこれも何故か神宮寺さんが指名され、彼も勢いのまま声高に乾杯を発声、一気に祝宴へと雪崩込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな破壊的な酒宴の最中、第一弾のサプライズとして天衣の弟子で先の10月1日付で女流2級として正式に女流棋士となった生野錫さん(中学3年・15歳)から花束とプレゼント目録が天衣に渡された。

 

この祝宴自体に参加はしていたのだが、それにしてもこんなサプライズは天衣も予想していなかったようで……

 

 

 

 

 

……そして続けざまに更なる2つ目のサプライズとして僕から天衣に亡き天祐さんが遺していた将棋関連の遺品をプレゼントした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大分以前、天衣の10歳の誕生日の時に鏡洲さん始め、万智や八一君、月光先生や山刀伐さんに協力を頼み、天祐さんの直筆を集めて貰い、それを起こした駒一式を贈った事があるのだが、その直後に弘天さんから天祐さんが亡くなった際に処分したとされていた将棋遺品の一式を渡され、これまで僕が預かっていた物である。

 

弘天さん曰く、天衣には天祐さんに囚われ過ぎて欲しくないとの思いからだったそうだが天衣の方は逆に将棋にのめり込み続け、結局弘天さんも倉庫の奥に蔵ったまま真実は天衣には告げず、僕が駒を贈ったのを機にその存在を僕にだけ告げ、極秘裏に僕が預かる事となった物である。

 

そして他は兎も角、この一件だけは万智にも誰にも話しておらず、当に究極のサプライズとなった訳であった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この大量の遺品を目にした天衣の顔は驚愕と感激と感涙が綯い交ぜとなっており、この日一番のプレゼントになったのは間違い無かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、酒宴は長らく続いたのだが、泣いたのを恥ずかしく思ったのか天衣、何故か酒に手を伸ばし、ブランデーをボトル1本空ける呑みっぷりを見せ付けてくれていた………

 

気が付けば中学生の冬司に健司君も何時の間にかビールを呷っていたし、最早カオス状態と化したとんでもない混沌酒宴に陥っていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

潰された面々多数……、最後まで生き延びたのは蔵王先生と神宮寺さん、酒と水分交互に呑み分けていた僕と万智、桂香さん程度なもので後は後藤さんですらグロッキーになって寝室に引き揚げた程には撃沈連発の有様で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、天衣からは

 

「なんで今まで隠していたのよ?お父様の遺品なら相続権は私なんだから幾らなんでも私に内緒なんて有り得ないでしょ?」

 

と至極真っ当な抗議を頂きました………

 

 

 

 

万智からも

 

「こなたに隠し事とは零はんもなかなかな神経どすなぁ……」

 

と皮肉めいたお説教を貰う始末で………

 




竜王戦も第6局を終え序盤は僕の3連勝で推移したもののその後は八一君が3連勝を返し、結局決着は最終第7局に持ち込まれる運びとなってしまった………



その第7局の会場なのだが………










山形県天童市の「笑顔の宿・龍王の湯」であり、竜王戦恒例の開催施設として世間的にも認知されてる場所である。



米沢牛、山形ラーメン、サクランボ、ササニシキ……他絶品グルメが目白押しのこの会場……、対局もだが食でも注目待ったなしの大一番となるのは完全に疑いない……!!
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