桐山君は清滝家の長男坊?【本編完結済】   作:紫電海勝巳

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なんだかんだで王座戦は中尉に隙なしが挑むとなり、王位戦はその隙なしがまさかのコロナで対局延期の騒ぎに……

一方で棋士編入試験は女流二強の一角たる「出雲のイナズマ」が緒戦敗北とやや厳しい船出となり、果たしてどうなるものやら………

って具合に現実路線でも波瀾が波打つ展開な訳ですが………


って訳で本編スタート!!





運命の竜王戦第7局・龍王の湯(前編)

 

 

12月22日……、

 

最終局の舞台となる『笑顔の宿・龍王の湯』………

 

 

 

 

 

 

僕は前日東京泊まり(二海堂邸宿泊)からの午前の新幹線で天童に向かい、天童駅到着後、軽く昼食を摂ってから『龍王の湯』に足を踏み入れた……。

 

 

 

 

 

 

 

一方の八一君は……、当日朝一番の伊丹発山形行の飛行機で現地に向かい、空港から直接ハイヤーで現地入りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

到着するなり熱烈な大歓迎を受け、詳細な説明後、それぞれ別個に茶室に案内され、茶の湯のもてなしを受けた……。

 

 

お茶はまぁ普通にほろ苦かったが対比的にお茶請けとして出された羊羹はその甘さが引き立ち、最高の味わいだった……

 

 

 

 

 

 

 

そして検分となり、暖房やら光源の位置取りに明るさ調整等細かい調整を整えた上で準備万端、前夜祭に向かう事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして前夜祭………

 

 

 

 

 

 

 

先ずは挑戦者の僕が挨拶に立った。

 

 

「改めまして、今期竜王挑戦者の桐山零です。正直最初のペースで押し通せれば今回は竜王獲得挨拶となる筈でしたが流石に九頭竜竜王、此処まで粘り通し、竜王最終決戦の場たるこの龍王の湯での決着戦に持ち込んだ事、感服の一言です。

ですが、此処まで持ち込まれたからには何としても勝ちをもぎ取る気持ち・覚悟で臨む所存であります。

御来場の皆々様には最高の2日間をお届けし、私が勝つ姿を是非にお見届け致したく存じ上げます。」

 

 

と、最終戦への意気込みを語ると次に竜王の八一君が挨拶に立った。

 

 

「こんばんわ、第37期竜王の九頭竜八一です。今期竜王戦では手

始めから兄弟子……桐山零名人にペースを握られ続け、此処まで来れないんじゃないかとすら脳裏をよぎった程には追い込まれた次第でしたが、それでもどうにか巻き返した結果、この最終戦の舞台である龍王の湯に辿り着いたのは偏に会場を準備し整えた皆様方の想いを無にしたくないからであり、又、全国の将棋ファンの方々に失望させたくない一心からでもありました。

まぁ大多数の方々は兄弟子の八冠完全制覇に目を向けているとは思っていますが、個人的には私も竜王10連覇への大一番ですので大多数の方々には失望して貰う対局としたいと存じます。

日本全国注目の大一番、最高の棋譜を最高の結果で是非に示して見せます。

この2日間の対局、私のこれまでの棋歴全てを擲ち臨む所存でありますので期待して頂ければ幸いです。」

 

 

との意気込みを語り、この瞬間、会場を揺るがす程の地鳴りの如くに万雷の拍手歓声が鳴り響いた!!

 

 

その後は恒例の挨拶回りを恙無く済ませ、僕も八一君も早目に会場から引き揚げて、それぞれ明日に向け、自室へ引っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

……さて部屋に入ったのはいいのだが、なんで万智が迎えに待機してるの?

 

貴女、今日からの3日間は観戦記者『鵠』としてのお仕事優先でしたよね……

 

「前夜祭から引き揚げた時点でこなたの『鵠』としての今日の仕事はお仕舞どす♥

そんな訳で今夜は零はんの癒しに費やすどすからお覚悟どす♥」

 

 

……とかなんとかで強引に膝枕に寝かせられて翌朝5時前迄眠り込んで起きた時には一つの布団に同衾してたって……

普通に夫婦ですよ?子どもも3人いますよ?ですがね……、

将棋界最大級の大一番を前に緊張感も何も吹っ飛ばすレベルの御乱行…、対局前からなんかドッと疲労が先回りして襲い掛かった気分で……

 

 

 

 

 

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 〜side八一〜

 

 

 

 

はぁ……、何とか決意表明して挨拶回りを済ませて早目に自室に引き揚げたけど…あの〜、なんであいが待ち構えているの?

 

しかも挨拶回りで碌に腹に入ってないのを見越して十分な夕食(酒付き)を用意してるとか……

 

けど食べなきゃ先も何も進まないから兎も角勧められるままに食べ、合間に酒も入れ、気付いたら布団の中……、

 

で、それを漸く自覚するや、布団に同衾してたのは………あい!?

 

なんで?いやいや、流石にこれは………

 

 

 

 

 

………、あいがもぞもぞと動き出した……

 

 

 

「ししょー……ん、厶、ん厶?……!!、八一さん?!あ、あの〜……、私との一夜、迷惑じゃなかったでしょうか?本当なら今の段階で……と云うのは不本意だったとは思いましたが……、ですけどあまりに愛おしくてならなかったものだから………」

 

 

……って、え?!

 

 

まさか俺、婚約者ではあるけど現役JKに手を出した!?

 

 

 

早速あいに瞬間土下座…………

 

 

 

「申し訳ない……、如何に無意識とは云え、学生に手を出したのは間違い無く俺の過ちだ。出来る限りは償う。本当に申し訳無かった!!」

 

 

 

って全身全霊で詫びたのだが……

 

 

 

あい曰く、

 

「ならば今後一生私と銀香に一心不乱に尽くして下さい。尚、シャルちゃんとは師弟関係以上の関わりは許しません!!勿論、他の女子なんか私が一定レベルで認めた方以外との交流も許しません!!判りましたね、や・い・ち・さん???!!!」

 

 

 

 

って悋気全開(少々余地あり)の答えでもう抗う話じゃないのは明白だったんで大人しく従うしか無かった。

 

 

 

 

 

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12月23日………、

 

 

 

竜王戦第7局初日に入った………

 

 

 

 








 





竜王戦第7局初日……




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〜side桂香〜           
    
 



朝食バイキング会場……



銀香ちゃんを伴ったあいちゃんの姿がどうにも無垢のJKには見えなかった………


これはどう考えても……としか思えず、思わずあいちゃんに問い質しに行きかけてしまったのだが、そんな私の不穏な空気にいち早く気付いた崇徳が私の肩を摑み、宥めて来た。

「問題ねぇ。あの九頭竜がそんな程度で容易く崩れる手合じゃねぇのは長年姉貴分のお前なら十分に承知してるだろ。ってか、桐山にしても供御飯の嬢ちゃんと寝てんの過半数は知ってんだからどの道五分五分だ。心配するまでもねぇ」




崇徳の言葉を聞いてもなんか不安な空気がまだまだ纏い続け、私としてはなんとなくスッキリしないまま運命の対局に突入する事となった………


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