続くか分からんから適当にドウゾ
「11時方向より雷撃機接近!」
「回避運動!」
航空力学を無視した丸い機体が次々と魚雷を投下していく。
「きゃあ!?」
「大丈夫か!?」
回避しきれず一人の艦娘が被雷してしまう。
「敵艦隊が接近!」
「撃て!近づけるな!」
同時に深海棲艦が群れをなして艦娘らに襲いかかる。既に損傷していた艦娘らは対処しきれずたちまち混戦に持ち込まれ、敵味方入り乱れての戦闘になった。
「支援艦隊はまだか!?」
「後10分です!」
既に艦隊の半数は大破、残り半数も小中破の損害を被っており、無傷の艦は一隻も居ない状況であり、至急の援護を必要としていた。
「後退する!全艦撤退!殿は私が務める!」
「そんな!?無茶です!」
「これは命令だ!私の身を安ずるなら早く後退しろ!」
「····了解!ご武運を!」
一人残された彼女は鬼神のような働きをした。迫る敵艦を次々と撃沈し、主砲弾が切れれば副砲、高射砲を撃ち、それが切れれば
しかし、何事にも限度がある。既に弾は無く、艦体は被弾痕だらけ、彼女の身体も血が溢れ続け、このままでは命の危機だ。
だが深海棲艦はそんなことお構いなし。それどころか彼女が沈むことを求め攻撃を続ける。
(最早ここまでか···?···)
迫りくる敵を彼女は眺めることしか出来なかった。
ピーピー
その瞬間彼女の
(味方の識別信号?まさか逃げ遅れたのか!?)
しかし彼女は動けない。もはや動くことすら能わない彼女は"味方"の無事な撤退を願うしかない。
「接近中の"味方"艦聞こえるか?早くここから逃げろ!沈むぞ!」
無線で呼びかけるが聞こえてないのか、徐々に此方に近づいてくる。敵もそれに気づいたのか何隻かの敵艦がそれに向かっていくのを確認する。
「聞こえてないのか!?早く逃げろ!」
返ってくるのは雑音だけ。彼女は無線に叫び続けるが、返信は無い。
「この···ぐあぁ!?」
彼女も危険だということを忘れてはいけない。満身創痍の彼女を沈めんと深海棲艦がすぐそばまでやってくる。
そして戦艦ル級に砲口を押し付けられたその時異変が起きた。
ドギューーン!!
聞き慣れない音がした瞬間、電探に映っていた味方へ向かう敵艦が消滅する。
その怪音がする度に青白い線が現れ、逆に深海棲艦は消えていく。撃沈ではない。消滅である。
目の前のル級も思わず"味方"へ顔を向ける。
その瞬間ル級が光に包まれ炎上、そのまま轟沈する。
深海棲艦は撤退を始め、水平線から消えるまでひたすら撃たれつづけた。
戦闘後彼女のもとへその謎の味方が現れる。
(綺麗な奴だ)
これは容姿のことではない。先程の戦闘でその"味方"は数十に上る深海棲艦を"沈めた"はずだ。電探ではかなりの至近距離、実際に深海棲艦も発砲しているのを彼女は確認している。しかし、その味方は全くの無傷。かすり傷一つなく勝利している。
「救援に感謝する。所属は?支援艦隊の先遣隊?それとも別の艦隊か?いずれにしても一人での行動は禁止されているはずだぞ」
詰問しても何も答えない。じっと彼女を見つめるだけ。
しばらく経つと支援艦隊が現れた。先程撤退した艦娘も数人混じっており、彼女の無事を確認すると目に涙を浮かべ、支援艦隊の艦娘も胸を撫で下ろす。
そしていざ、再会すると見慣れない艦娘があるではないか。
驚きつつも前例(
疑念の視線を向けるが、ここに置いていくわけにもいかず、付いて来いとだけ言って、艦隊は帰還を始める。
幸いにもこの指示には素直に従い、最後尾をついて来る。
そして彼女らは帰る。愛しき母港。横須賀へ。
ーーーーーーーー横須賀鎮守府ーーーーーーーーー
「作戦は中止。上層部は想定以上の敵戦力の存在、味方の被害過多による連合艦隊の維持が不可能との判断が下されました。各鎮守府は速やかに艦隊を纏め各鎮守府へ帰還せよ。とのことです」
「うーん、やっぱりキツかったか。···大淀は作戦には反対だったよね?」
「はい。深海棲艦の急激な増加に対して急ごしらえの殲滅作戦は困難であると進言したのですが····」
「俺からも言ったんだけどねー、新任の参謀が押し通したみたいでねー」
「とりあえず損傷した艦の修理と休暇、それと···」
「例の艦かい?」
「はい。明日には艦隊が帰還するらしいので、帰還したら面会をお願いしますね提督。あぁ、それと問題があるようなら深海技術研究所が引き取るらしいですよ」
「面倒だな〜。あいつ等嫌いだから大人しい娘ならいいんだけどな〜?」
びーふじゃーきーおいしいね