ヒロアカ短編集   作:残月

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組手仲間(拳藤一佳)

 

 

 

 

俺の名は速藤健脚。普通の高校に通う別段ヒーロー志望と言う訳ではない普通の高校生だ。そんな俺の個性は『健脚』その名の通り足が強い。ぶっちゃけて言ってしまえば健康な足ってだけだ。

 

俺の趣味は空手。特に特出した個性でもないから体を鍛えるのは単なる趣味である。今日も通っている道場で体を動かしていた。

 

 

「おーっす。あ、来てたんだ健脚」

「ヒーロー志望のお前と違って暇なんだよ」

 

 

そんな風に思っていると雄英高校に通っている友人の拳藤一佳が道場に顔を出した。一佳との友達付き合いは中学の頃からで気の合う友人だ。別々の高校に進学したが、こうして時折道場での付き合いがあるのだ。雄英に通いながら道場に来るのは大変だろうに。無理すんなよな。

しかし、雄英の制服似合うな一佳。

 

 

「だったら、健脚も雄英に来ればよかったのに。健脚ならヒーローになれるよ」

「ヒーローなんか柄じゃないっての」

 

 

荷物を置いて更衣室へと歩いていく一佳。その途中で雄英に来るべきだったと言われるが俺はヒーローなんか柄じゃない。のんびりダラダラ過ごしたいんだから。と言うか、一佳も上着を脱ぎながら更衣室へと向かって行ったが男の目の前で上着を脱ぐとか止めなさい。

 

 

「前から思ってたけど……男扱いされてねーよなぁ……」

 

 

自分で言っといてなんだが、凹むわぁ。ハァー……と溜息を溢しながら道場の床に座り込む。確かにそこそこ長い付き合いで気の合う奴だけど、此処まで男扱いされないと男としてのプライドってものが傷付く。

 

 

「お待たせ……何、しゃがんでるの?」

「……いや、なんでもない」

 

 

考え事をしていたら道着に着替え終えた一佳が立っていた。俺の顔を覗き込む様に立っていたので距離が近くて驚いていたがポーカーフェイスを貫いて立ち上がる。

 

 

「……ま、いっか。ウォーミングアップが終わったら組手してね」

「はいよ」

 

 

一瞬の間があったが一佳は俺から離れてウォーミングアップを始めた。一佳のウォーミングアップが終わるまで俺は道場に来ていた他の奴と軽く組手をして待つ事にした。

 

 

「お待たせ!じゃ、やろっか」

「おおよ。悪い、次は一佳とやるわ」

「おう、あんまり彼女とイチャつくなよ」

 

 

他の奴と組手を終えた後で丁度、一佳のウォーミングアップも終わったらしく俺の所に来た。今組手をしていた奴に断りを入れると茶化された。否定する間も無く、ソイツは他の奴との組手をしに離れてしまう。一佳は今、茶化された事をどう思ったのだろう。視線を一佳に移したが一佳はキョトンとした顔で特に気にした様子が無かった。

 

 

「どうしたの?やろうよ」

「そーね……」

 

 

イチャつくも何も……一佳は俺の事は単なる組手仲間としか思ってないんだろうなぁ……そんな虚しい気持ちを抱えながら一佳との組手をする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆side拳藤一佳◇◆

 

 

 

 

アタシの中学からの友達で健脚って奴がいる。中学の頃に友達になったけど話も合う奴で高校も一緒なんだろうと思っていたけど健脚は雄英高校には進学しなかった。

アタシはヒーロー志望だったけど健脚は元々の性格もあってか、ヒーローは合わないと言っていた。確かに健脚はやる時はやるけど基本ダラけ側だった。真面目なヒーローばかりでもないのだから構わない気もするけど。

 

別々の高校に進学したからアタシと健脚の接点は極端に減ってしまった。だからアタシは学校が終わってから健脚が通っている空手道場に顔を出す様になった。学校終わりに道場に通うのは少し大変だったけど健脚と会えるなら、と頑張っていたけど健脚はアタシの気持ちなんか分からないみたいで「また来たのかよ」みたいな感じだった。同じクラスの女子に相談したら「もっと大胆に迫って意識させてみたら?」と言われたので今日は健脚の前でさり気無く上着を抜いて見せたのだがリアクションが薄かった。コイツ、アタシにどれだけ興味ないの?

 

更衣室で深い溜息を溢した後に道場に戻ると健脚は道場の床に座り込んでいた。どうしたんだろうと顔を覗き込むと少し真面目な顔で考え事をしていたみたいで少しドキッとした。

この後、健脚と組手の約束をしてからアタシはウォーミングアップをする事にした。アタシはウォーミングアップをしながら健脚と他の人の組手を見ていた。

 

相変わらず健脚の足技はスゴい。雄英の進学してヒーロー学や訓練を受けているアタシでさえスゴい技のキレだと感じてしまう。健脚は否定してたけど健脚はヒーローになれると割と本気で思う。

 

アタシがウォーミングアップを終えて健脚と組手をしようと思ったら健脚の相手をしていた人から「彼女とイチャつくなよ」なんて言われていた。

 

え、彼女って!?もしかして道場だとアタシは健脚の彼女認定されてるの?嬉しいけど健脚はどう思ってんだろう?って言うか健脚はアタシが彼女って事を否定しなかったんだけど!?

頭の中でグルグルと考えが巡ってパニックになっていると健脚がアタシの顔をジッと見ていた。あ、この顔は何も考えてない顔だ。アタシは瞬時に察してしまった事に頭が冷えた気がした。

 

 

健脚はアタシの事は……単なる組手仲間にしか思ってないんだろうなぁ。

 




『速藤健脚』

個性『健脚』を持つ高校生。拳藤一佳とは中学の同級生で仲が良い。
基本的にはグータラな性格で体を鍛えるのが趣味。



拳藤一佳に惚れているが、すれ違いの結果お互いに両片思いとなっている。

次回のキャラは?

  • 発明に必要な事?(発目明)
  • 逃げる私、追う彼(爆豪勝己)
  • 手のかかる幼馴染(轟焦凍)
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