目指すは孫悟空   作:黒沢

6 / 10
すいません、お待たせしました。


擬似超サイヤ人

 界王拳……。

 体から赤いオーラが出て、極限までに戦闘力を高める技。

 

 俺はこの技を数えられない程練習してきた。最初のうちは全く使えず、体力の消耗だけが激しい欠陥的な変身技となっていたが、徐々に体を慣らしていくことで俺は界王拳を会得することができた。会得するまでに二ヶ月程度掛かったが……。

 この技を使えるのはかなり大きいはずだ。

 

 何故この世界にDr.ウィローが居るのかは分からない。だが、俺が今やるべきことは目の前の敵を倒すことだ。

 

 

 

 

「4倍だ……!」

 

 出し惜しみをしたら確実に負ける……。俺は赤いオーラを纏いながら、空を飛びウィローの背後を取り背中と思われる部分に渾身の蹴りを入れる。すると、ウィローは怯んだところで俺の尻尾を掴み、何度も何度も回転させ空中へと投げ飛ばした。

 

 俺を投げ飛ばしたウィローに接近し、自分の拳に界王拳の気を集中させていた。

 

「でりゃあああっ!」

 

 本気の拳をウィローの体に当てると、ウィローの体からオイルのような物が漏れ始めていた。よし、俺の攻撃は効いている……。このままなら行ける……!俺はそのままウィローの体を突き抜けようとしたが……。

 体がかなり硬く突き抜けることができなかった。

 

「なら、こうだ……!」

 

 気弾を何度も何度も打ち続けてから、再びウィローへと近づき拳を入れようとしたが……。

 怯んでいたウィローに体を掴まれる。

 

「その力、実に見事なものだ……。是非、手に入れたいものだ……!」

 

 俺の体に光線が放たれ、俺はそのまま地面に落下すると……。

 ウィローの体の周りが赤くなっていた。そして、俺に突撃を仕掛けてきた。俺は即座に対応する為に界王拳を今度は一気に10倍へと変化させておようとするが……。あまりの速さに対応できず、そのまま攻撃を受けてしまった。

 

「くっ……!」

 

 動こうとしようとするが、立ち上がれずにいた。体の周りをみると既に界王拳は解除されているようだった。駄目だ、このままじゃ……。このままじゃ勝てない……。界王拳の倍率を更に上げて全力のかめはめ波で対抗するしかない。

 

「どうした小僧よ……!先ほどの攻撃は中々に良かったぞ……!」

 

 ウィローは俺に近づいて、何回もパンチを入れていた。

 立ち上がろうとしていたが、体に力が入らず立ち上がれなかった。動け……。動いてくれ……。動かねえと……。

 

「どうやら此処までのようだな……。安心しろ、お前の死後私が大事に体を使ってやろう」

 

 緑谷に使ったエネルギー波を俺に当てようとしてくる。

 くそっ、動け……!動けよ……!俺の体……!こんなところで死ぬわけにはいかないんだよ……!

 

 

 動いてくれよ……!!

 

 

 

 

 

 

 ††††††

 

「さらばだ……!」

 

 ウィローの拳が命中しそうになっていた……。

 誰もが最早これまでかと覚悟を決めていた。

 

 

 

 

 そのときであった……。

 ウィローの拳を力強く握り締める竜河。ウィローは膝蹴りをしようとするが竜河がビクともしていなかった。続いて、口から光線を放つが全く効いておらず無傷の状態であった。

 

「なんだ、いったい……?」

 

 ウィローは動揺していると、彼の体からは金色のオーラに纏われる。そして、彼の目は白目となっていた。彼はウィローの手を粉々にして破壊したのだ。

 

「ば、馬鹿な……!何処からこんな力が……!」

 

 ウィローは驚きを隠せないでいた。

 目の前で起きている事態に全く理解ができなかったのだ。そして、理解できないうちに全く見えない速さでウィローの脳部辺りに拳を入れると、ウィローは倒れていた。

 

 さて、竜河 龍司の此処までの戦闘力の上昇……。

 普通の人なら異常だと感じるであろう。だが、彼はサイヤ人である。彼らに限界などはない。

 

 今が彼がなっている形態……。

 それは、かつて孫悟空がスラッグ戦においてなった形態……。

 

 

 

 

 擬似超サイヤ人なのだ……。

 

 擬似超サイヤ人……。

 それはかつて一瞬だけであったが、スラッグを圧倒したあの形態である。

 

「おのれ……!此処までやるとは……!こうなれば予定変更だ……!私の全エネルギーで地球諸共吹き飛ばしてくれるわ……!」

 

 ウィローは体中からエネルギーを放出していた。その威力は凄まじく圧倒的な力そのものであった……。市民たちが逃げ惑う中、ただ一人その場にいた竜河であったが……。なんと擬似超サイヤ人の力が消えてしまうのであった。

 しかし、それでも諦めることはなく抵抗しようとする竜河……。

 

「かめはめ波……!」

 

 赤い光のようなものを集中させているウィローに対してかめはめ波を放つ……。

 無論ただのかめはめ波ではない……。

 

「界王拳……」

 

 

 

 

「10倍だ……!」

 

 かめはめ波に更に界王拳10倍を上乗せしてウィローの赤黒いエネルギー波に対抗する。ウィローの最後の技と竜河の10倍かめはめ波が同時に激突し合う。もし、竜河がこの戦いに負けることがあるようのならばこの星は恐怖の世界に吞まれることになるであろう。

 

「でりゃあああああっ……!」

 

 大声と共に声を張り上げる竜河……。

 すると、かめはめ波が若干有利となっていた。

 

「ば、馬鹿な……!この私が押されているだと……!?馬鹿な、こんなことが……!こんなことがあって……!」

 

 自分が押されているという状況を全く理解できずにウィローはそのまま界王拳込みのかめはめ波を受けた……。そして、竜河が空を見上げるとそこにはウィローの姿はなくウィローの体だったと思われる一部の破片が落ちて来ていた為、彼は勝利を確信していた。

 そして、そのまま界王拳10倍の反動で倒れていった。周りを見ると、ヒーローたちは彼がこの戦いに勝利したということに安堵の溜め息をついていた。ようやくこの町にも平和が訪れるそう思っていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

「まだだ……。まだ私は負けたわけではない……!」

 

 誰もが彼の勝利と思い込んでいたそのとき竜河の背後になんと倒されたはずのウィローが居たのだ。ウィローは脳を守っているガラスが今にも破壊されそうになっており、右腕は酷い損傷しており今にも倒れそうになっていたが、それでも倒れることはなかった。

 

「こうなれば私諸共、塵になってもらうぞ……!」

 

 ウィローは片手で掴み、彼諸共自爆しようとしていた。

 その現場を誰も助けに入ることができず、最早これまでと考えていたそのとき……。

 

 

 

 

「騒がしいと思ったら、こういうことか……!」

 

 ヒーローらしいその姿……。

 鍛え上げられたような筋肉……。

 

「もう大丈夫……!」

 

 その姿とその言葉はまさしく象徴という姿に相応しかった……。

 

「その姿……。まさかお前がオールマイト……!?」

 

「その通り、私がオールマイト……!キミの悪事も此処までだ……!」

 

「そうか……!ならば体をもらうぞ……!オールマイト……!」

 

 ウィローは掴んでいた竜河の体を放し、オールマイトへと攻撃を開始しようとしていた。そして、攻撃を開始されそうになっていたオールマイトはウィローに対して拳で攻撃をしようとする。ウィローとオールマイトの拳がぶつかり合い、そこに衝撃波のようなものが何度も何度も起きていた。

 

「この感覚……!まさしく現代社会最強のヒーローに相応しい拳……!私の体になってもらうぞ……!オールマイト……!」

 

「キミの体になるつもりはないよ……!今此処で私がキミを倒すからね……!」

 

 ウィローはようやく念願のオールマイトと出会うことができたという喜びを実感していた。今まで色んな個性の持ち主たちを洗脳しては町を襲撃させてヒーローたちを集わせていたが、オールマイトと会うことはなかった。しかし、今こうしてウィローはオールマイトと出会えて歓喜していたのだ。

 そんなウィローは背後に気をつけていなかった……。

 

「ええい、猪口才な……!!」

 

 龍河が最後の力を振り絞りエネルギー波を放ったのだ。その攻撃がウィローの背中を破壊することに成功し、そしてその瞬間気を取られていたウィローに若干の隙ができる。そのままオールマイトは拳を一気にウィローの顔面へとブチ当てたのだ。

 

「ぐぁぁぁぁぁっ……!この私が……!」

 

 ウィローは一気に体制を崩し、そのまま倒れた。

 そして、機能停止となったのか体が動かなくなっていたのだ。その姿を見てオールマイトを勝利のポーズを決めると、ヒーロー達から拍手喝采を受けていた。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。