「買ったバナナ、青かった」
「同日の夜、パワーアップしたビルドドライバーの性能テストの為にノイズの登場の兆しがみられる倉庫へとやって来た私達」
「実験は良好だったが、空から招かれざる客が」
「原作知っている人からすれば、ニヤニヤタイムんですがね… そんなのお構いなしの彼女が主役の第11話、どうぞ!」
「
「
サイレンの音が響き渡る中、すっと耳に入る二つの歌。仮面の下に映し出されるモニターではフォニックゲインを観測。ヘリが2色の歌が地上へと舞い降りた。
片方は青い髪をした刀持ち、もう一方は赤の髪をした槍持ち。今朝見た人気アイドルの二人組がノイズ、そして私を睨みつける。
《翼!奏! 決して無茶をするな!》
この場にはいない力強い男性の声が聞こえる。十中八九、彼女たちの通信機から。オープンになっててこっちにまで聞こえてる。教える気、無いけど……
彼女たちがやって来たことによってノイズが彼女達の方を向く。シンフォギアは人間と感知されるから。
「奏こっちは任せて」
「分かった」
背中合わせとなり周囲に警戒しながら小言で会話。強化された聴力ではっきりと聞こえてるが。
セレナ以外の装者、お手並み拝見。
待つことにしびれを切らしたノイズ、青い方が熟練された動きで裁き、赤い方が槍を豪快に振り回して撃破。二人組のアイドルをやっているだけあって、コンビネーションもいい感じ。
「はぁぁぁぁああああーーーー!!」
赤い方が力の限り槍を投げ飛ばす。放たれた槍は一直線にノイズを打ち払い、そのまま矛先は私を狙う。迫るそれを片手で受とめ、握りしめ粉砕。生身なら到底不可能な事をビルドのスペックに物を言わせて実行。グローブの装甲を突破したとしても血を流さないし。
変身した私は物理法則に喧嘩を売るがごとく、身長が変化する。その理論は一時的に身体が単細胞レベルで分解、目的の状態へと再構築してその上にスーツを身に纏うから。装着系ライダーのはずなのに肉体変化系ライダーになっているが、科学でなく魔術によるモノなのでそれ以上の説明は出来ない。
魔術の発動条件が【変身】する事なので、スーツの許容ダメージを超えて強制変身解除された際にはちゃんと元の少女へ戻れるので、そこまで気にしてないだけだけど。
『変身中のマスクの下がどうなっているのか? それを知ったらSANチェックは不可避ですよ…』
「はぁぁああああーーーー!!」
いたずらをする子供の様な声を脳内に響き渡らすニャルを遮るかのように赤い装者が槍片手にこっちに来た。ノイズは青い奏者一人に任せたようだ。
《やめるんだ、奏!》
傍受する必要もなく彼女の通信機から音がハッキリ聞こえる。
《未確認との戦闘はよせ!》
『未確認生命体4号だって!』
なんで嬉しそうなの? あと、未確認までしか言ってないから。
赤い奏者、奏と呼ばれた人物が振るう槍を最低限の動きでいなし、ニャルと軽い雑談をする。うん、自衛隊とか殺し屋に比べて軽い。シンフォギアのスペックに物を言わせてる。正直言って、セレナの方が強い。
「……っく!」
苦虫を嚙み潰したよう表情を浮かべ、激しさを増す連撃。…………まじめに相手する必要ない。
彼女の槍とビルドの装甲がぶつかった瞬間に発生する火花に紛れて胸部装甲から人工衛星型のドローンを出撃。1台のドローンが彼女の背中を撃ち抜く。
「っがは!」
「奏!」
相方のピンチに叫ぶ青い奏者(翼って呼ばれてた方)。そんな彼女の叫びもむなしく、奏は膝をつく暇もなく放たれ続けるビームに翻弄される。小さなドローンを撃墜しようと足掻いていた彼女だが、不可能と思ったのか地を駆けて私に槍を振るう。
「っな!」
抵抗もなく切り裂かれた私は霧のように消える。だが彼女が驚いたのは直後に足音を立てて着地した私の姿を見たから。
彼女がこちらに向かってきた瞬間、キュウビの幻影を使いながら移動。彼女たちの目には一歩も動かずにドローンの操作に夢中になっている無謀な姿に見え、切り裂いて倒れたと思った次の瞬間には全く別の方向に出現したように見えただろう。
理解が追い付かず混乱する彼女の腹部に蹴りを入れ吹き飛ばす。倉庫の壁をぶち破って中へ消えた彼女にドローン部隊を差し向ける。彼女を囲むように配置されたドローンは雨のようにビームを放ち続ける。最初のうちは防いでいた彼女だったが多数の方向から放たれビームに耐えきれず、手から槍が落ち、やがて地面へ倒れこむ。
ビームと言っているが殺傷能力は低く、スタンガンより微弱な電流で攻撃するタイプ。ようは死ぬには威力が足りず、気絶するにも威力が足りない火力のビーム。現に今も彼女は意識を保ち続けており、ドローンは彼女の意識がなくなるまで攻撃し続ける。
『戦闘じゃなくて、拷問じゃないですかぁ!』
テレビで見た際、彼女に私に近い何かを持っていると確信した。だから心を折る。私と同じような道に進ませないために。なまじに力や知恵があって普通に戻れない所まで来た私と違って、後ろで彼女のことを心配し駆け寄ろうとノイズを薙ぎ払う彼女がそばにいる彼女の為に。
『
ない。けど彼女の抱えている物はなんとなく察し。
あと今後、会うたびに攻撃されるのメンドイ。これだけして次も襲ってきたら殺す予定だし。
『本音はそっちですか… それに彼女を殺すのはやめてください。読者が泣きます』
生かすのかまわないけど、読者? 本にするのこれ?
『気にしない~♪ 気にしない~♪』
喋るきないと。
「はぁぁぁああああ!!」
後方から雄たけびを上げながら迫りくる影。振り返ることなく横に大きく転がり移動。奇襲になってない奇襲を避ける。
「よくも奏を!!」
怒りのまま刀を振るがその刃は空を切る。別に躱して無い、彼女が誰もいない所に向けて振るっているだけ。本人の視界だと突然分身したように見えているが、はたから見ていると滑稽。幻術、面白い。
「セレナって強かったな…」
私の中で戦う術を失った甘えたがりの少女の株が上がった。実戦形式でのデータ収集していた時、本気でやってないとはいえ彼女はすぐに
それに対して目の前の彼女は相方がやられたことに対する焦りとか怒りで動いているように見える。実際、ノイズとの戦いもだんだん雑になってきてたし。なんなら、数体残ってる。それほど翼と言う少女の中で、奏は大きな存在なんだろう。
仲睦まじい事は良いことだろうが、それが原因で冷静さを失っているのは良くない。
……………他人を信用できずにいる私に比べたら人間らしくていいかもだけど。
『
まさか。
モニター越しに奏が気絶したのを確認すると懐から紫と黄色のフルボトルを取り出し、トランジェルソリッドを活性化。ベルトのボトルと入れ替え。
〈忍者!コミック! Are you ready?〉
「ビルドアップ……」
軽く俯き言葉を呟く。それぞれのハーフボディを生成、装着。
〈忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!イェーイ!〉〈4コマ忍法刀!〉
【ニンニンコミックフォーム】へとフォームチェンジを終え、すぐ取り出したのは剣先がペンになっていて、4コマ漫画が描かれた独特の刀身を持つ武器【4コマ忍法刀】。
〈分身の術〉
サーテフオックスフォームから姿を変えたことによって幻術が解けこちらに迫って来る装者を横目に、4コマ忍法刀のトリガーを一回引く。一番下に描かれた絵の忍術発動装置【一のコマ・分身】が発光、もう一度トリガーを引く。
すると【BOOM!】とポップな文字と煙と共に分身が出現。その内2体をノイズに向かわせ、残りは私と共に装者へ。
「っぐ!」
分身Aと鍔迫り合いになっている彼女の横腹を一閃。シンフォギアの装甲が火花を散らす。体勢を崩したところを分身B、不思議な動きと共に放つ打撃で追い詰める。その隙を補うように分身Aが斬撃を放つ。距離を取り、視線をノイズと戦っている分身へ。
分身Cは【コミックフルボトル】の力で生成した文字を手裏剣の様にノイズへ投げつけ撃破。分身Dは【忍者フルボトル】の力で空中を足早に駆け抜け、すれ違いざまにノイズを切りつけている。
『私は空駆けより影の舞が見たいです!』
次の機会があればね。
ここでふと思った、【今ならノイズボトル、作り出せるんじゃないか】と。忍者側の視覚センサー【レフトアイニンニン】は敵の内部構造をスキャン、活動状態を把握し弱点を探ることが可能。コミック側の視覚センサー【ライトアイコミック】は物体の構造解析機能が備わっている。
左右のセンサーから集計した解析データを【BLDシグナル】で統合して、マスク内部に結果を空中投影。 ……………いける。
4コマ忍法刀を異次元へ放り投げ、エンプティボトルを握りしめる。腰を低く落とし、見定めた1体のノイズめがけて音もなく一気に接近。ディスプレイを砕くように強く、撫でるように優しく、微妙な力加減でボトルを握る拳を振るう。
ノイズのディスプレイが宙を舞う中、フルボトルの成分吸収装置【マテリアルアブゾーバー】により、ノイズのコアを回収。ノイズの肉体はチリとなり、風に運ばれた。手元には外装クリアパーツ【クリアモールドボトル】が浄化前の成分の影響で膨張、ひび割れの様な黒いパーツで割れないように支えられている。
まるでスマッシュの成分を採取した直後の【スマッシュボトル】の様な状態。シールディングキャップをしっかりと閉めて異空間へ収納。先程放り投げた4コマ忍法刀を再び手に。
〈火遁の術………火炎斬り!〉
【ボルテックトリガー】を2回引き、忍術発動装置【二のコマ・火遁】が発光。更に引くことで4コマ忍法刀に炎を纏わせながら刀身を伸ばす。そのまま薙ぎ払い、分身体共々ノイズを焼き払う。その勢いのまま、分身体と戦闘を繰り広げる装者に向けて、周囲の小石から作り出した手裏剣を投げつける。
「なっ………!!」
先程の斬撃のより倉庫の外に置かれていた可燃物に火が灯っている。それによって出来た影。私の手を離れた手裏剣は彼女の頬を掠め、計算通り影に突き刺さった。それにより彼女は指先一つ動かすことが出来ない。
私がやったのは【影縫いの術】。影縫いとも呼ばれるこの技は忍者漫画を始めとした創作物ではお馴染み、対象の影に手裏剣や苦無を突き刺し、動けなくなる暗示をかける忍法。要は疑似的に金縛り状態にしている。
金縛りの原理。まず普通の睡眠は、一度深いノn『ストップ! そういうのは不思議パワーで終わらせましょ』
〈隠れ身の術………〉
分身体を消しながら、4コマ忍法刀のトリガーを4回引く。すると忍法作動装置【四のコマ・隠れ身】が発光。忍法発動待機状態へと移る。鳴り響く音声により、私の行動を読んだ装者がものすごい
〈………ドロン!〉
筆を振るうような待機音を鳴らす4コマ忍法刀のトリガーを引くことで、刀身から後ろで空へと昇る煙が薄く見えるほど、濃い煙があふれ出し、私を覆う。煙が晴れた頃には既に変身を解除した状態で、倉庫から程よく離れた路地。
そのまま表通りに出るが夜遅いが、ノイズ警報が鳴っていたこともあってポツポツ人がいる。たぶん逃げ遅れ。ノイズが全滅したことを知らない彼らは周囲を警戒しながら行動してる。
その様を横目に懐から取り出したノイズの成分(正確にはそのコア)が入ったボトルを見つめる。このまま成分を解析してノイズの真相に迫るもよし、複製してノイズクローンを作るもよし、浄化してビルドなどのライダーシステムの強化に使うもよし、人体に投与してみるのも良いかも。
あぁ~~~~ …………………………いろいろ試したい。
戦闘描写ガ苦手。
前回に引き続き、『名もなき提督』さんが考えた「サーテフオックス」が登場。トリッキーな能力を全然かっこよく表現できなかったよ………
「ニンニンコミック」は流石に(ネタ的を)やりすぎた。