私、月読調   作:火野ミライ

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「銀色の髪の少女を誘拐した覆面集団。彼らの手にはガイアメモリ。回収する為、干渉。コックローチ、デビルと2体のドーパントを撃破。クローズドラゴンの案内で廃倉庫の奥に進む。残るメモリは1本… では、第16話どうぞ」





「_____ニャルいないと箇条書きになる………」


私、悪魔の科学者。悩む必要なかった。

ガイアメモリには使用者との相性があり、その数値が高いほどメモリの力を引き出す事が可能。中には相性が良すぎて新たな力を開花させたり、生身でメモリ能力が使用できる【ハイドープ】に至る人もいる。先程のデビルDがそれになるのかは不明だが、メモリとの相性は良かったのだろう(少なくとも先に戦ったコックローチDに比べれば)。

 

もはや前世の記憶なのか、並行宇宙のニャルからの情報なのか忘れたがガイアメモリについて考えをめぐらす。その間にも渡り廊下を進み、向かいの廃倉庫へと。曇ったガラスの向こうでは天候が悪くなり、一面を鉛色の雲が覆いつくす。それは未来(さき)を示すかのように………

 

「止まれ!」

 

クローズDの案内の元、渡り廊下の奥へ進むとそこに居たのは最後の覆面誘拐犯。その背後には被害者の少女が縛られ、横たわっている。

 

「せっかく大金が手に入るチャンスなんだ…… 邪魔されてたまるか!!」

 

もはや取り付く島も無く、覆面を脱ぎ捨てメモリのボタンを押す。【ガイアウィスパー】がそのメモリに込められた記憶の名称を叫ぶ中、覆面Dの下顎に生体コネクタが出現。

 

〈ENERGY!〉

 

プラグの間に奔る電流でEのイニシャルを持つ【エナジーメモリ】を突き刺して、その姿を怪物へと変える。その姿の名は【エナジー・ドーパント】。物語上のラスボス後の後日談に登場したドーパントであり、視聴者含めその存在を忘れられると言った影の薄い存在。

 

その割に本編初の快挙に耐久力が有るのだが、敵(主人公s)が悪かった。能力は良いんだが不遇な奴だ。

 

「死ねぇ!死ねぇ!死ねぇ~~~!!」

 

幼稚な罵声と共に次々と電撃を放ってくるエナジーD。まともに狙いを定めてない電撃なんて脅威ではなく、自身に迫りくる物をアビリティアックスで弾く。うん、理性を失ったデビルDの方が脅威。

 

闇雲に放たれる電撃をかいくぐり接近、すれ違いざまにアビリティアックスによる斬撃を炊き込む。装甲(皮膚?)が回転刃によって削られ周囲に火花が散る。背に掛かるが気にせず振り返り、縦に一閃。大きく後方に吹き飛とんだエナジーD、ろくに受け身を取れずに床を転がる。

 

「ぅが!っう!」

 

エナジーDの脇下を掴み引っ張る事で無理やり立たせて何度も鳩尾に刃をぶつける。その度に奴の装甲から火花が散り、口からはつぶれたカエルの様な声を出す。力なく膝から崩れ落ちようとしたところを再び立ち上がらせ、喉元を力の限り切り裂く。

 

先程までの煩さは鳴りを潜め、過呼吸手前状態のエナジーD。その背の向こうにはクローズDによって拘束から解き放たれた少女の姿があり、恐怖の表情でこちらを眺めていた。その膝は立つことのままないやせ細った子供の様であり、暗闇の中でもしっかりと視界を確保可能なビルドの複眼は顔を青く染めているのがしっかりと捉える。

 

〈Ready go! 〉

 

……まぁ、だからどうした。

最初から私はヒーローじゃない、悪魔の科学者だ。この肉体を、この頭脳を求めるアメリカやらバルベルデやらの兵士を殺した事だってある。だから、彼女の反応は人として当たり前。むしろ、そんな目を向けられても何も感じない私はやはり、狂っているのだろう。だからそう。

 

「たす……けて、くれ」

 

助けを乞う目の前の肉塊(エナジー・ドーパント)に____

 

〈ボルテックフィニッシュ! イェーイ!〉

 

起き上がる気力もない人間(ソレ)に____

 

「ぎゃああああああああああああ!!!」

 

無慈悲に拳を振りを振り下ろした。

覆面Dのコネクタから排出されたメモリの残骸を回収し、少女に向けて足を進める。当の少女は恐怖のあまり気絶していたが、気にもせずに抱きかかえて近くの窓から外に。なんの問題も無く着地、少女の身体に傷がないのを横目に見ながら少し雑草が生えた土に寝転がす。

 

『あ、雨が降ってきましたね………』

 

ニャルの声を聴き空を見上げると複眼に水滴が付く。付着した水滴を拭う事もせずにベルトからフルボトルを抜き、変身を解除。同時に身体に掛かっていた魔法が解けて目の前で気絶している少女よりも幼い少女の姿に戻る。

 

結局、求めていた物(ガイアメモリ)は覆面Aの持っていた【スイーツメモリ】以外が4/3が欠片。苦労の割に身にあってない。そんなことを頭の隅に浮かべて、すぐに消す。

 

一番の問題は【フィーネ】、こいつの存在がいる限りめんどくさい事が起きる。飛行機事故、F.I.S.、今回の誘拐事件、私が把握している中でもこの3つ。奴が何しようが勝手だが、巻き込まれるようなら潰す。自分の身を守る為なら、桐生戦兎(ヒーロー)の力だって使う。

 

最近の悩みにひと段落が付きこの場を離れようとしたその時、背後から近づく足音に気が付く。異次元収納から咄嗟に取り出したのは、デザートイーグルと呼ばれる拳銃。安全ロックを外し、振り返りざまに構える。

 

「そんな危ない物を初対面の人に向けちゃだめよ」

 

「誰?」

 

銃口を向けられた金髪金瞳の女性はまるで小さな子供を諭すかの声色で語り掛ける。だがその身に纏うのは普通の人ではないと悟るには十分なオーラとでも呼べるもの。少なくともその瞳には好意的なものは含まれておらず、ネズミを観察する科学者の様に冷酷。

 

「名乗るなら自分からしないと。燃えるような恋は出来ないわよ、小悪魔ちゃん♪」

 

その名は神にかなわぬ恋をした哀れな巫女の名。

 

「私はフィーネ」

 

その名は幾度も転生を繰りかえす狂愛の持ち主。

 

「ちょっとお話ししましょうか?」

 

こっちの拒否権なんて最初から聞く耳を持ってない彼女は大人な笑みを浮かべ言う。先の戦闘の疲労も少なからずあり、なにより互いに敵か味方かはっきりさせたい気持ちがありその話に乗る。銃にロックを付けながらしまい、構えを解く。されどいつでも反撃できるように警戒は解かない。

 

その後、様々な会話を繰り広げたが、彼女の目的の為に技術提供をする事となった。その後、互いに不干渉を貫く事を書類無き契約で交わす。それがガーディアン制作の始まり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

机の上に置いたドリンクを飲み一息つく。モニターに映るのはガーディアンの設計図とスペック。対人戦で考えたならば、人の骨を折る事は造作もないスペックになっているがギリギリまでスペックダウンさせてる。これを受け取るフィーネは知る由もないだろう。代わりに私が使う対ノイズプログラムに、開発者である私にリアルタイムで情報が来る隠しプログラムを入れる。

 

フィーネによる一方的にな会話の中でなんとか入手した【ノイズの使役】。どうやっているのかは知らないが、フィーネは可能らしく嫌がらせの意味を込めての対ノイズシステムだ。あ、最高マスター権限(絶対権限)の保持者を私にっと。

 

『息をするようにフィーネに嫌がらせをしていく!』

 

それに答える事無く、着々と作業を進める。 ……………………合体機能もオミットしよ。




お待たせしまた<(_ _)> (なんか投稿するたびに謝ってるきがする)
次回か次々回には例のライブが始まると思います。そして今回は主人公が(ダメな方向に)吹っ切れました。なんか気づいたら初期構想の方によっただが、当初では普通に少女を救出して終わりのはずが……

なんかちぐはぐした思考の持ち主(SAN値0系主人公)なんですけど、瞬瞬必生と言う事でよろしくお願いします。
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