私、月読調   作:火野ミライ

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夢真「少女がアングィスマリシアスと言う蛇との戦闘の末、完全聖遺物【ギャラルホルン】が作動した」
ニャル「待ってくださいよ! そんな一文で纏めないでくださいよ。ほかにもいろいろあるでしょ! …………例えばこんなベストマッチを使ったとかさ」
夢真「___オウルスタンプF、コブラキャッスF、スプラッシュスクイッドFの組み合わせで蛇の軍勢を撃破」
ニャル「ひときわ巨大なアングィスマリシアスを撃破したのもつかの間、襲撃者がギャラルホルンに触れ異世界へのゲートが開いてしまった。抵抗虚しく飲み込まれた私達がたどり着いた世界とは……… 第22話、どうぞ!」


私、葛城夢真。流れ着いた異世界

ひんやりとしたアスファルトの感触で目が覚める。

 

「___どこ?」

 

『恐らく、別の世界でしょう』

 

周囲を見渡す、どうやらどこかの校舎の屋上。それもニャルが言うには別世界らしい。【エニグマ】や【白いパンドラパネル】がない今、元の世界に変える手段がない。

 

『【ディケイド】のカーテンとか与えても良いんですけど、使いこなすまでがめんどくさいんですよねぇ~~ アレ……』

 

今だ流れる血を軽く親指で拭い、右手に双眼鏡を持ち地面の方を観察。どうやら風鳴と知らない赤とオレンジの装者がノイズと戦っている。恐らく赤はフィーネ資料にあった【イチイバル】、オレンジは天羽と同じ【ガングニール】。ただ【天羽々斬】の装甲もライブ以前とは差異がみられる。

 

『ムムム…… まさかこんな形であの二人を目にするとは』

 

イチイバルが【アームドギア】である銃を乱射、上空に浮かぶノイズを撃破。ガングニールは天羽と違い拳でノイズを砕く。風鳴は変わらず刀で切り裂いてる。コンビネーションはなかなかのものだが、疲労がたまってるようだ……

 

『さて、私たちはどう動きます?』

 

最悪、どう動いてもめんどくさい。まぁ、別世界だし適当に動く。

 

『それが良いでしょうね』

 

ニャルの同意を受けながら双眼鏡を黒を基調とした小型の片手銃に持ち変える。銃身は銀で持ち手の方には黄と黒のストライプ、引き金に付近は黄・緑・赤のパイプ。左手には錆鉄の様な色合いの上下パーツ、【クリアモールドボトル】のバットが銀色に反射する。

 

【バットロストボトル】を振り内部の【トランジェルソリッド】を活性化。銀色のキャップを閉め、【トランスームガン】のマガジンの様に飛び出た【フルボトルスロット】に装填。

 

バット!

 

重々しい待機音が鳴る中、腕の力を抜き銃口を足元に向ける。

 

「……蒸血(じょうけつ)〈ミストマッチ!〉

 

【ミストマッチトリガー】を引き、銃口【ブレイジングスチーマー】からスチーム生成ユニット【ミスティックチャージャー】で生成した特殊蒸気【トランジェルスチーム】を噴射。黒煙に包まれる中、特殊パルスでスチームがスーツとアーマーに変化。身体変化の魔法で成人男性ほどの身長になった私に装着される。

 

バット・バッ・バット… ファイヤー!〉

 

蝙蝠を模したゴーグルや胸部が不気味に輝き、頭部の煙突の様な角【セントラルチムニー】と首元や肩のスチームパイプから余剰エネルギーを排出。それが花火のように爆発し黒煙から姿を現す。【ライダーシステム】と似て異なるシステム【トランスチームシステム】によって変身した姿、【ナイトローグ】。

 

背中の翼を展開、飛翔。上空で翼で身を包み回転、自身をドリルに見立て3メートル弱のノイズ向けて降下。図体を貫き着地。ノイズの灰が舞う中、トランスチームガンと【スチームブレード】を手に立ち上がりざまにノイズを撃破。

 

「なんだ!」

 

「新手か…!」

 

イチイバルが銀色の髪を靡かせながらこちらに振り向き、風鳴が刀を向けてくる。

 

「コウ……モリ?」

 

ガングニールは唖然と見つめる。そんな彼女に迫るノイズを裏拳で撃破。トリガーを引き銃口から蒸気をまとった高熱硬化弾【スチームビュレット】を放つ。カエル型の腹部を容易に貫き、真後ろにいた人型の腕部を吹き飛ばす。

 

「味方でしょうか?」

 

「ともかく今はノイズに集中するぞ!」

 

風鳴の言葉を受け、赤と橙の装者が動く。手に持つ武器を巧みに操り、各自が放つ必殺の一撃を受けノイズが散りとなる。一方私、時たま彼女らの死角をフォロー。人じゃない事を悟られないよう、ノイズの動きを計算し装者へ攻撃しそうな個体の射線に入り迎撃。

 

〈スチームブレイク・バット…!

 

バットロストボトルを再びトランスチームガンにセット。銃口に紫のエネルギーが充填される。トリガーを引き発砲、放たれた弾は炸裂弾の如く分裂しノイズを襲う。あちこち小規模な爆発が起き撃破。最後のノイズを橙装者の蹴りによって粉砕された。

 

「さっきまで、【S.O.N.G.(ソング)】の本部で戦っていたはずなのにここって__」

 

「…だな。リディアン音楽院だ。しかもフィーネに滅茶苦茶にされる前の……」

 

拳を下した橙装者が辺りを見渡しながら言葉を溢す。疑問に答えるかのように赤装者が言葉を紡ぐ。私と同じで装者も状況が分かって無いみたいだ。

 

「恐らく私達はギャラルホルンの輝きに飲まれ」

 

「どこかの並行世界に投げ出されたとみて間違えなさそうだな」

 

「いまだノイズが存在する並行世界。でも、いつもみたいに元の世界に変えるための帰還ゲートが見当たりません!」

 

「ゲートが!?」

 

こちらを警戒しながらも思考する装者。正直、彼女の言葉全てが未知の領域。ただフィーネが何かやらかす事だけ覚えた。

 

『ゲートの話は覚えなくて良いんですか?』

 

問題ない。時間があれば並行世界移動装置ぐらい作れる。なによりニャルもいるし。

 

『………………』

 

ニャル? ……固まってる。

装者達はこちらの様子を知るはずもなく語りかけてきた。

 

「__おい、コウモリ野郎! お前の知ってることを話してもらおうか」

 

銃口こそ向けてないが射抜くような鋭い視線をこちらに向けている赤装者。普段だと同じく敵意で返しているがここは勝手の知らぬ並行世界。装者達の方が詳しいようだし、敵対関係は避けたい。

 

「あなた達の方が詳しい」

 

「なら、我々の敵でないと言うならお前自身の事を教えてくれ」

 

風鳴が刃をした向けながら語りかけてくる。と言うか私の知っている風鳴と性格やギアが違う。

 

「わたs「あぁ、そうだ! さっきの交戦で襲撃者のマントの下がチラリと見えたんです」……」

 

「___立花」

 

「このバカ! 話を遮るな」

 

「ごめんなさいぃ~」

 

「続けて」

 

遮られた言葉より重要そうだし。実際、聞くとそうだった。どうやら彼女達の世界にも私を襲った奴、もしくは仲間が襲撃に来たらしい。偶発的に橙装者が見たマントの中身、それは【リディアン音楽院】の物と同じらしい。

 

『どうやら敵は同じみたいですけど、どうしますか?』

 

別にどうもしない。襲い掛かってくるなら倒すだけ。

ニャルと何気ない会話を脳内で広げながら彼女達に難と自信を紹介するかを纏める。そしていざ身の上話をしようとしたその時、どこからともなく黒服にサングラスをした集団が私達を囲む。

 

「動くな、侵入者ども! 発砲許可は下りている!」

 

「もしかしてこの黒服さんたちは____」

 

銃口をこちらに向けてくる男達。そんな彼らの姿に立花と呼ばれた装者、いやこの場にいる装者は知っているようだ。

 

『彼らの名前だけなら夢真だってしってますよ』

 

「我々は特異災害対策機動部二課! 速やかに身に纏った武装を解除するんだ!!」

 

確かに知ってる。

明確なかかわりこそないがフィーネの資料で組織のメンツも目的も。それこそ当人達よりも。

 

こちらに警戒を続ける彼ら。その片手に収まるハンドガンではナイトローグの装甲に傷をつける事は無理。それどころか生身の私ですら相手取る事は不可能。戦うならアメリカ軍の空爆機、バルベルデの物量作戦ぐらい必要。

 

仮に瀕死なったとしてもニャルに肉体の主導権が移り、名状しがたいこの世の生物とは思えないなにかに変貌するから結局無理。

 

『酷い! ちょっと本来の姿に戻って羽虫を追い払ってるだけなのに!!』

 

うん、過剰戦力。装者に任せておこう。

 

「どうにかするわよ!」

 

「来てくれたのか」

 

突如として鳴り響く少女に声。声が聞こえてきた方角に視線を向けると3組の少女がこちらに向かって来ていた。彼女達の登場に歓喜する男達。そして人一倍驚く立花。

 

「みんなお待たせ」

 

「そちらの方々が二課敷地内への侵入者ですか」

 

「へえ、面白そうなの纏ってるじゃない」

 

三者三様の反応。装者が固まる中、中央の子が一歩前進、こちらを指さす。

 

「だけどその輝きは、悪の手先に似合わない…ッ!」

 

『まぁ、宇宙の混沌その物ですし』

 

私、悪魔の科学者。悪の手先と言う訳ではない。

私達の心情を知らない彼女達の身体は眩い光、しかしどこか飢えた獣のように刺々しい輝きに包まれる。その光が弾けると彼女達はシンフォギアに酷似した鎧に身を包んでいた……………………




夢真(調)にとっては異世界どころか、時間すら超えてる事になるんですよねこれ。なので人生のネタバレを盛大にくらう事でしょう。そして申し訳程度のナイトローグ要素。今後ナイトローグが出てくるかは時の運(その時の作者の気分)しだいです。
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