私、月読調   作:火野ミライ

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今回は試験的に他キャラ視点。本編の補足的なものなので、飛ばしても大丈夫。


奴、悪魔の科学者。気にくわないアイツを監視中…?

アタシは暁切歌。最近、気にくわない奴がいるデス。そいつの名は【葛城夢真(かつらぎむちか)

アイツはその名前を仕事で必要になったから用意した偽名と言っていたデス。容姿は髪を肩ぐらいまでに延ばし、科学者らしく白衣を着ているのをよく見る。と言うか白衣以外を着ている姿を見た事が無いデス。

 

奴と初めて会ったのはここに入ってきた時。その日はマムを始めとした大人の目を盗み、チョコをゲットし、こっそり食べようと、空き部屋に入った時だったデス。扉をくぐった瞬間、そいつはそこに居たデスよ。

 

最初は身長がアタシより低い事もあって、新しく入った子なのかと思い声をかけようとしたんデスけど、すぐに首から名札がぶら下がっている事に気が付き、研究員だと気が付いたわけデス。

 

すぐさま部屋を出ようと引き返そうとした時、そいつの瞳が目に入ったわけデスよ。その目はアタシが一番見たくない瞳。よく分からない実験につれていかれて、喋ることすら出来なくなった人の様にハイライト?が無い瞳。

 

何もかもに絶望して、生きる気力も意味も失った人の目をしてたんデス。その瞳を見た瞬間、アタシはすぐさま奴に自己紹介してしまった。

 

「アタシ、暁切歌デェス!良ければ、名前を教えて欲しいデスよ?」

 

「…葛城夢真、今日配属された科学者。」

 

帰って来たのは感情のKの字も感じさせない声。こちらを見つめる彼女の瞳には、どこまでも吸い込まれそうな感じがして咄嗟に視線を逸らすアタシ。やがて彼女は興味を失った猫……いや、兎の様に積まれていたダンボールから、よく分からない機材を取り出し机の上に並べて設置していく。

 

「……手伝うデスよ」

 

静かな空気に耐えられなくて近くにあったダンボールを開け、中にあったファイルを手に取りどこの置けばいいのか尋ねようとして、ファイルに書かれた言葉に目が行く。そこには日本語で《試験リンカー実験報告》と書かれていたデス……

 

なんとなく、ホントに何となく気になってファイルを開くとそこには、アタシと同い年か幼い子供が白目をむき、口から泡を吹く写真がデカデカと張られていた。しかも最悪事に写真は1枚だけではなく、何枚もあったデス。

 

「っ!」

 

見ているだけで吐きに襲われ、蹲るアタシ。その様子を黙って見つめていた奴は、どこからかイスを取り出して、アタシを部屋の隅で座らせた。その流れでアタシが開いたファイルを開き見て、棚の中にしまう。

 

「………のデス?

 

一切、驚きもしない奴に疑問の言葉をやっとの思いで投げかけるデスが、彼女には聞こえて無いのかこちらに視線を向ける事は無かったデス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………いる?」

 

次に奴の声を聞いたのはダンボールの中からペットボトルに入った水を取り出した時だったデス。

それを手にした瞬間、思い出したかのようにアタシの方に来てボトルを差し出してきたのデス。

 

「貰うデス」

 

奴からボトルを受け取り、水を飲みこむ。再び何処からか出してきた椅子を置き、アタシの横に座り込む奴。奴もまたボトルを開け、水分補給していた。

 

「「…………」」

 

水を飲む音だけが部屋に響き、お互いに何もしゃべらない。

 

「あれ見て、何で平気なのデス…」

 

やっとの思いで出た言葉はさっきは奴に届かなかった質問。

 

「………………良心的だと思ったから?」

 

しばらくの沈黙の後に放たれた言葉にアタシは只々、驚く事しかできなかったのデス。

 

「な、なんでデスか?」

 

「私がやってるの*1より、マシだと思うし……」

 

声が震えるアタシと違い、相変わらずの淡々とした口調で返してくる奴。その態度を見た瞬間、アタシの中で何かが吹っ切れ、水が床にぶちまけるのを気にせずに奴の胸元を掴み上げたのデス!

 

「それってどう言う事デス!」

 

「……死体が残ってるだけマシ。」

 

奴の背を壁に叩きつけて、睨め付ける。そんなことお構いなしに奴は質問に答えた。表情すら変えずに余裕をかましている奴に顔を近づけてアタシは感情のままに叫んだデス!

 

「死んでいるのにマシも何も無いデス!お前みたいな科学者がいるから、弱い人達が犠牲なって逝くんデス!なんでそんなことも分かんないデスか!!」

 

「科学の発展に、必要な犠牲はある。生きるとは、他を殺す事。」

 

真っ直ぐとアタシの目を見て言い放つ奴。変わらず真顔で言う奴はとても同じ人間に思えなくて、不気味な何かにしかアタシには見えなくて、思わず殴り飛ばす。

 

「悪魔………」

 

「そう私、悪魔の科学者。恨みたければ、恨んでくれて良いよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから後の事はよく覚えて無いデス………

気が付いたらベットの中でした。今のところアイツはシンフォギアと呼ばれる物を解析と変な物を作っているデスよ。よく分からないデスけど、他人を簡単に犠牲にする奴を放っておく訳には行かないですからアタシがちゃんと監視しておかないと!

 

奴が部屋に戻って来る前に部屋の隅の方にある木の机と背もたれが有るイス、アタシの定位置に座る。ここに座ってアタシは奴を観察するデス。普段は机の上にお菓子を置いて、食べながら観察しているんデスよ。ちなみにお菓子は研究者の所から取ってきたのか、奴が机の上に置きっパにしてたのデス。

 

それにしても、全然来ないデスね……

*1
最悪消滅する実験




主人公が使った偽名にもちゃんと意味?と言うか、ビルドネタが有ります。公表するかは未定…… そもそも、分かりやすいか。
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