(仮題)ほなちゃん in ニーゴ   作:藤間

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いじめ描写は書けませんでした
そして何書いてるか分からないかもですけど僕もよく分かってないです


望月穂波の優しさ、あるいは罪

 家に居場所のないわたしにとって学校は唯一の安息の場だった。吹奏楽部を選んだ理由だって拘束時間が長いから学校に残っていられるという邪な理由だ。少しでも遊びに誘われるように、少しでも相談を持ちかけられるように、周りには優しくした。これは生来の性格もあるし、幸運にも虐待に晒され続け矯正された性格はそういった行動を取りやすくなっていた。だから、あんなことになるのはある意味では仕方のないことなのかもしれない。だってわたしは部活に参加しながらも、一緒に遊んでいながらも家に帰るのを遅く出来ることに喜んでいたし、相談に乗りながらもそう思っていた。そんな心持ちでいたから綻びが生まれたし、それは当然の結果だった

 

 

「昨日わたしの悪口言ってたでしょ」

 

 

 わたしにとっての地獄はそんな一言で始まった。昨日、後輩の相談を受けたわたしはいつも通りに同意を返した。それがたまたま同じクラスの部員に関係するものだったからこうなってしまった。勘違いで、貶めるつもりなんてなかったと言っても焼け石に水。わたしはそういう子なんだっていう話はあっという間にクラスと部活に広がった。辛かった。わたしに相談してくれた後輩は、噂が広まった次の日にはわたしを軽蔑する側に回っていた。噂の広がり始めの頃、一歌ちゃんが気にかけてくれたことがあった。味方してくれる人がいる、一人じゃない、そう気遣ってくれた。その言葉に安心して涙を流してしまったけれど、それが良くなかった

 

 

「なんで被害者面なのよ!そっちが加害者側でしょ!」

 

 

 今にして思えば、それは感情に任せた支離滅裂で稚拙な暴論だった。言い返せば良かったのに、部活内で居場所を失いたくなくて、一歌ちゃんに飛び火するのが怖くて、気付いたら肯定を返してしまった。当然そんなことじゃ向こうの怒りは収まらず、わたしの立場はあっという間に悪くなっていった。陰口を叩かれ、教科書が隠され、提出が必要な書類はわたしにだけ配られなかった。その上、少しでも辛い顔を見せればゴミを投げつけられた。そこまで排斥してくるのに、昼休みだけは粘着してきた。都合のいい金ヅルとして。美島さんはサンドイッチとロールケーキで、声が不機嫌なときはキャラメルマキアートを追加。古川さんはおかかのおにぎりに野菜ジュースで、金曜日は必ずカレーパンも追加。上山さんはメロンパンとココアで、体育がある日は日替わりサンドイッチを追加。青山先輩は比較的優しい方で、ブラックコーヒーを二本。反対に水沢先輩は強欲な人で、焼きそばパン、メロンパン、シュークリーム、ミニパフェ、アイスコーヒーを買わなくちゃいけない。授業終わりから五分以内に届けないと殴られた。渡すとき少しでも形が崩れていると殴られた。慎重に扱わないで置くときに少しでも音が鳴ると殴られた。一週間以上失敗しなくても面白くないからと殴られた。殴られた痛みをこらえきれないと更に殴られた。不思議なもので、最初は乗り気じゃなかった青山先輩も最近は躊躇なく殴るようになっている。どうやらわたしをいじめることがいつかバレるかもしれないというスリルを楽しみ始めているらしい。家に居場所はなくて、学校では虐められて、追い詰められる一方だった。どんな経緯でそうなったかは覚えていないけれど、殴り返してやろうと一度だけ手を振り上げたことがあった。その手を振り下ろすことはできなかった。こんなときまでいい子ぶろうとする自分に腹が立った。その憤りを物にぶつけようとして、それすらできない自分に絶望した。アップルパイで発散しようとしても、いつの間にか手は止まってしまう。そんなストレスは咲希ちゃんに当たるという最悪の形で発露した。あのときの咲希ちゃんの顔は忘れられない。忘れてはいけない。志歩ちゃんはあっちから避けるようになったし、一歌ちゃんは強く拒絶すればそれ以上踏み込んでこない。病院にいる咲希ちゃんにはそもそも会うことがない。あれだけ仲の良かった幼馴染の関係はあっという間に消えてなくなった。それを悲しむだけの余裕もなくなって、限界が近くなった頃にまたわたしは運に助けられた。校舎の見回りをする先生がたまたまルートを間違えていて、10分以上続かないいじめがたまたま30分を超えていて、いつもはかけてる鍵がたまたま壊れていて、そんなたまたまが重なった結果、いじめの事実が露見した。風評被害を抑えるためか、処罰はとても重いものだった。退学処分とはならなかったそうだけど、一ヶ月の停学、反省書の提出、退部勧告、内部進学の取り消しに、いじめの事実を内申書に記載。更にはカツアゲした額の二倍の返還命令。正直やりすぎとも思ったけれど何も言わなかった。被害者であるわたしはしばらくカウンセリングに通うことになって毎週水曜日の放課後はそれに費やされることになった。両親はわたしがいじめられたことには関心を示さなかったし、全て学校側に任せるとしか言わなかった。その行動は予想通りでしかなかったけれど、自分達の娘がこんな状況にあるのに一切の気遣いが無い姿を見たことでこの人たちはわたしのことを娘だとは思っていないのだと改めて実感させられた

 

 これが、中学校のわたし




学校は閉鎖的な環境ということで一つ

コメディ書く予定だったのにどうしてこんなことに
というかこんな作品需要あるの?

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