TSして自由なVtuber生活!   作:ae.

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103『【3D配信】新春!オンライブオークション!!【オンライブ公式】part2』

 こうしてようやくオークションが始まった。とても気合の入っていた桜(さくら)ちゃんのオークション開始の宣言も空しく、その後も軽く十分近く騒いでいた先輩たちだったが、桜ちゃんが大きくため息をついたあと満面の笑みを浮かべるとどうしてかみんなすぐに静かになった。特に永遠(とわ)さんをはじめとする一期生の先輩たちの変わり身の早さはすごい。全員が姿勢良く自分の席に座っている。オレがまだ知らない一期生の関係性が垣間見えた気がして少し嬉しかった。

 

『本日一つ目の品は…こちらっ!』

 

 桜ちゃんの言葉に合わせてスタッフさんが商品を運んできてくれた。かけられていた布が取られると中の商品が露わになる。こ、これは…っ!

 

『出品No.1! 夜闇(よやみ)メアちゃんのエクステです!』

『あ、あはは…私のエクステです…』

 

 No.1 出品者:夜闇メア

  部屋に放置されていたエクステ(紫)  

 

 夜闇メアの部屋に放置されていたややピンク寄りの紫色をしたエクステです。いつからあるのかは分かりませんが、数回しか使っていないので状態は結構良いみたい。なんだかほんのり甘い匂いがします。

 

 

..

..初手から攻めてんねぇ!.

..

..ちゃんと数回は使ってるのがとてもいいと思います.

..

..ようこんなん出品したな??.

..

..えっっど….

..

..色がサキュバス.

..

..ほんのり甘い匂いがします(重要).

..

..メアちゃんって意外とズボラなのか…?.

..

..その辺にエクステが落ちてる部屋.

..

..いつからあるのか分からないのは相当部屋散らかってそう.

..

..汚部屋悪魔.

 

『ち、散らかってないです! 私の部屋はちゃんと綺麗です! あと私はサキュバスじゃありません!!』

『ほんとだちょっと甘い匂いする…』

『ちょっ、ちょっと嗅がないで!?』

 

 今、ステージに上がってきてくれたことで香ってきたメアちゃん先輩本人の匂いをやや薄めたような香りがする。たぶん放置されている間についた部屋の匂いそのものの香りなのだろう。

 

..

..ええ….

..

..ノータイムで嗅ぎにいくな.

..

..ほんと美少女でよかったなお前.

..

..解説としてちゃんと仕事してるな宵!.

..

..解説というかリアクション係というか….

..

..ちゃんと確かめててえらい.

..

..嗅いだら減るぞ.

..

..余裕のないメアちゃんいいね….

 

『解説による厳正な匂いの確認も完了したところで! 入札する方はいらっしゃいますか!』

 

 正直欲しい。とても欲しいが…ここは我慢だ。永遠さんと桜ちゃんの出品は確実に落としたいし、三期生のみんなの出品も気になるからな。…でもいい匂いだったなぁ…。

 

『い、一応5とか…』

『じゅ、10で…』

『20だ』

『他にいらっしゃいませんか!? …では誘(いざな)ちゃんが20桜ポイントで落札です!』

 

..

..いざなが落札か.

..

..いざメアいなばトリオすき.

..

..この三人に混ざる宵とかいう箱推しオタク.

..

..20億円相当のエクステ.

..

..落札されて恥ずかしがるメアちゃん見れただけでも20億以上の価値があると言える.

 

 一応少しだけポイントを出してみたがさすがにダメか。それはそれとしてこれさぁ、落札する人で関係性が見えるのすっっごくいいね…因幡(いなば)先輩が勇気を出して入札してるのもとてもいい…。見事落札した幽世(かくりよ)先輩には是非メアちゃん先輩のエクステを付けてみてもらいたいところだ。てかコメントでも言われてたけどピンクっぽい紫色ってエッッじゃない??

 

『続いてはこちらの品です!』

 

 No.2 出品者:夏華向日葵

  限界まで小さくなった鉛筆(箱いっぱい)  

 

 日々絵を描き続けている天才画伯、夏華向日葵の努力の証です。こんなにたくさん入っているけれど、実は何箱もあるうちの一箱なんだとか。

 

 

..

..ひま来た.

..

..マジで限界まで小さくて草.

..

..毎日描いてるもんなぁひま.

..

..実際写実的なイラストは文句なしに上手いんだよね.

..

..量がエグすぎる.

..

..文字通り努力の証なんやなって….

 

『えへへ~すごいでしょ!!』

『はえ~…』

 

 手に持って見てみると本当に限界まで…というか、限界を超えて短い鉛筆だ。これ途中からもうまともに持てないと思うけどどうやって描いてるんだろ…?

 

『気合で描いてるよ! 今度あかりちゃんも描いてあげる!!』

『えっ、あ、どうも…』

 

..

..急にコミュ障発揮するな.

..

..気合で!?.

..

..ひまのワープ距離詰め来たな.

..

..これでも頑張ってるんです宵は.

 

 ナチュラルに心を読まれた上にすごい勢いで距離を詰めてくる夏華(なつか)先輩にビビってやや後ろにのけ反る。明るい茶色の髪色と相まって大型犬…ゴールデンレトリバー? みたいな感じだ。それもすっごい人好きの。まぁ大型犬なんて怖くて動画でしか見たことないけど!

 

『それじゃあ入札する方どうぞ!』

『ふーむ、とりあえず10かな』

『15』

『30っす!』

『30出ました! ツバサちゃんが落札です!』

『うわーー!! 30も!?! ありがとうツバサちゃん!!』

 

 飛風(とびかぜ)先輩に抱き着く夏華先輩と、それを慣れたようにあしらいながら鉛筆を嬉しそうに見る飛風先輩。この手慣れ方…たぶん何度もこういうやり取りが今まであったのだろう。今までこんなてぇてぇモノを見逃していたとは…帰ったら二人がコラボした配信を片っ端から全部見よう…!

 

 No.3 出品者:秋風紅葉

  怖くて付けられなかったピアス  

 

 大人っぽいシンプルなデザインのピアス。人生で一度くらいはピアスにチャレンジしようとした秋風紅葉が、結局怖くて付けられなかったので出品しました。

 

 

『次の品はピアスだよ!』

『私が出品したものだな…ちょっと待て!? なんでわざわざ怖くて付けられなかったなんて書いてあるんだ!?』

 

..

..草.

..

..怖くて付けられなかったのかわいいねぇ.

..

..もうこの反応見たかっただけだろ運営.

..

..初ピアス怖いの分かる.

..

..クソ真面目な人の精一杯のチャレンジって感じですき.

..

..こーよーあざといぞ.

 

『大丈夫です秋風(あきかぜ)さん、オレも怖くてピアスとか絶っっっ対あけられないです!』

 

 隣にいる桜ちゃんだったり、ここにいる人も結構ピアスを付けている人が多いけどオレはたぶん今後も絶対付けることはないと思う。だって小さい穴とはいえ穴あけるんでしょ?? えっ、怖すぎない…?

 

『うう…あかりぃ…私の味方はあかりだけだよぉ…』

『よしよし…』

『は??』

『あかり、あんまり甘やかさない。仄も抑えて』

『普通に欲しいな、15!』

『では20で♡』

『ちなみにこーよー、怖いなら病院であけてもらうのがおすすめ。30』

『30桜ポイントで獣王(ししおう)百々(もも)さんが落札! おめでとうございますっ!』

 

..

..仄ちゃんバチギレしとる….

..

..宵もママが板についてきたな.

..

..よいもみとかいう影の最強コンテンツ.

..

..プライドってもんはないのか.

..

..相変わらず不健全な関係ですね….

..

..甘やしてもらいに行くまでが早すぎる.

..

..こーよーはもうダメだ….

 

『次は…ひっ…!?』

 

 運ばれてきた商品を見るなり桜ちゃんが悲鳴を上げる。他のみんなが座っている席の方からも少なからずぎょっとしたような声が聞こえてきた。これは…

 

『カブトムシ…の標本…?』

『いえーす』

 

 No.4 出品者:永遠遥歌

  一夏の親友  

 

 夏を越え、秋の終わり頃まで生きた永遠遥歌の親友であるカブトムシ。そんな一夏の思い出を標本にしました。まだ生きているのかもしれない。そんな風に思ってしまうくらい迫力のある良い標本です。

 

 

..

..すげぇの出てきたな.

..

..でっか….

..

..ジオラマもちゃんとしてて普通にすごい.

..

..だいぶ長生きしたなぁ.

..

..永遠さんだし音楽系かと思ったらまったく違う方向性で笑った.

..

..ちょっとエモいな??.

..

..オンライブ虫苦手な人多いんか.

..

..いなばがとんでもない勢いで画面外に逃げてて草.

..

..宵は虫大丈夫なんだ….

 

『一応昔カブトムシ飼ってたことあるし…』

 

 最終的にはほぼママがお世話してて、オレは朝学校行く前に様子見るだけになってたけど…てか、そもそもこっちのオレは飼ってたんだろうか…でも拒否反応? 的なものはないし虫は苦手じゃなさそうな気もする。まぁそんなことはどうでもいいとして!

 

『さ、桜ちゃん進行とか…』

『うぅ…』

 

 …は無理そうか…し、仕方ない!

 

『え、えと…誰か入札される方いませんかー…?』

 

 みんな無言で首を振る。こんなに立派な子が誰にも落札されないのは可哀想だし、何より推しの出品だ。全員が無言の中で手を挙げるのは勇気が必要だったが、オレが10桜ポイントで標本を落札した。

 

『どうか大事にしてあげて…白兎(はくと)を』

『あっ…このカブトムシ白兎って名前なんですね…』

 

..

..ええ….

..

..草.

..

..ウサギとかじゃなくてカブトムシにつけていくのか….

..

..因幡より強そう.

..

..いなばVSはくと.

..

..名前負けの逆版.

..

..よかったな白兎….

..

..白兎を大事にしろよ宵.

 

『も、もう仕舞った…? 大丈夫…?』

『大丈夫』

『よかっ…ぎゃっ!?』

 

 復活してきた桜ちゃんに永遠さんが大丈夫と言いながら、次はリアルなクワガタのフィギュアだろうか、扱い的に標本じゃないと思うけど…を手渡した。初めて聞くガチの悲鳴だ。桜ちゃんはゆっくりと座りこむと、どうやら真っ白に燃え尽きてしまったようだった。

 

『ハルがクソガキだってこと、忘れてたよ…』

『そんな大事なことを忘れるなんて、こんなに一緒にいるのにひどい』

『うん…そうだね…ひどいね…本当に…』

 

..

..クソガキ!?.

..

..桜ちゃんからクソガキなんて言葉が出るとは….

..

..いったい今の一瞬で何があったんだ….

..

..ガチ悲鳴助かる.

..

..全てを諦めた桜ちゃんの横顔美しい….

..

..声だけだとなんか名シーン感ある.

..

..司会だった時の永遠さんはまだちゃんと抑えてた方だったんやなって….

 

『燃え尽きた桜に代わって私、偽乃(にせの)桜が司会を務めるよっ! 次の品はこちらっ!』

『ちょっと待っ…いや、いいや頑張って偽物の私…』

『いいのか…』

 

..

..あれ偽乃桜って言うんだ….

..

..やりたい放題すぎる.

..

..偽物に委ねるな.

..

..桜ちゃん諦めないで….

..

..乗っ取り完了.

..

..静かにツッコむ宵で草.

 

 唐突な司会交代…というか乗っ取りにスタッフさんたちは一切動じることなく次の商品を持ってきてくれた。

 

 No.5 出品者:柚月ゆいな

  ゲーミングマウス、キーボードセット  

 

 デバイス好きな柚月ゆいなが布教のために持ち込んだゲーミングマウスとキーボードのセットです。落札者の方には柚月ゆいながおすすめの設定をレクチャーしてくれます。

 

 

『あっ、私が出品したやつだ。これはねー本当におすすめだよ! マウスの方はFPS向けだけどボタン構成とかもシンプルでマクロ用のソフトもUIが親切だから普段使いにも良い! キーボードはタイピング時にフィードバックが伝わってきやすいのが気に入ってるんだよねー』

 

..

..早口オタクに優しいギャル.

..

..オタクに優しいギャルってかオタクのギャルだろ.

..

..ふーん語るじゃん.

..

..デバイスオタクなんだゆいなちゃん.

..

..布教用でこの額のやつ持ってくるのはガチすぎる.

 

『あまりゲームはしないが普段使いにも良いなら是非欲しいのう』

『すげぇ最近出たやつじゃん。ちょっと気になってたんだよなー』

『あっ、すごい確かに押してる感? がある。え、おもしろ。でもなんで光る…あっ、スイマセンスイマセン…』

 

 あんまりキーボードとかマウスとかにこだわりがなくって、会社にPCを支給されたとき付いてきたのを使ってたけどこんなのもあるんだな…。とりあえず後半部はコメント欄が加速したのが見えたので即謝罪をしておいた。まぁ実際ちゃんと意味はあるのだろう! それにかっこいいしな!

 

『でしょでしょ!? 今なら私がおすすめの設定までレクチャーしちゃうおまけ付き! さぁ買った買った!』

『よしまずは10!』

『20じゃ』

『25!』

『では40じゃ』

『あー60!』

 

 まおー様と天空(あまぞら)先輩の激闘の末、お互いが100桜ポイント出したのでじゃんけんでの勝負になった。結果、まおー様が勝利して落札。人生初らしいゲーミングキーボード&マウスと、オタクに優しいギャルのレクチャー権を勝ち取った。ゆいなちゃんと天空先輩の絡みも見てみたい気持ちもあったが、喜んでいるまおー様の幼い笑顔を見れたのでオレとしては満足だ。

 

『それじゃあどんどん行っちゃうよー!』

『もう好きにどんどん行っちゃって…』




続きます。

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