ずっと二人で…………   作:朱色のフリーター

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どうも、朱色のフリーターです。
これから気が向いたら超電磁砲のカップリング小説をあげていきます。文章等拙いところがありますが、その時は指摘していただけると嬉しいです。

それではどうぞ


相手の幸せが 自分自身の幸せより 大事になったとき、 それを愛と呼ぶ 《上涙》

一体どれだけの時間が経過しただろう…………

一時期全世界を敵に回し戦った俺はその後なんだかんだ色々な人の助けによってそのトラブルを乗り切り、何とかいつも通り、平和な日常を取り戻すことが出来た。

 

そして、その中で一生独り身を覚悟していた俺にも、何物にも代え難い大切な人が出来た。全くもって人生とは何が起こるかは分からないものである…………

 

「上条さ〜ん、いい加減起きてくださいよ〜」

 

「うぅ…………後6時間…………」

 

薄ら目を開けてみる、するとそこには少々困り顔で俺を揺すり起こそうとする黒髪の少女の姿があった。

 

「学校遅刻しますよ〜それに今日は布団干す予定だったじゃないですか〜」

 

うぅ……悪いけど今は起きれるタイミングじゃないのだよワトソン君…………出来ればこのまま布団の中で過ごしたい……

 

「うぅ…………頼む……寝かせてくれぇ…………」

 

昨日夜遅くまで浜面の野郎に連れ回されたせいでもうクタクタなんだ…………お願いだ…………

 

「もう……あんまり起きないと……キス……しちゃいますよ〜?」

 

「うーん…………」

 

徐に布団を頭までひっ被る。少女が何か言っているがここは無視しておこう、ここで反応してしまうと強制的に叩き起される……それだけは何としても避けねばならない。

 

「それじゃ…………失礼しま〜す…………」

 

黒髪の少女は布団をめくると中に入っていく。そして、首筋に優しくキスをした。

 

 

「早く起きてくださいよ〜…………ご飯冷めちゃうしほんとに遅れますよ〜?」

 

そんなことを言っている少女を横目に当の俺自身は心臓バクバク状態だった……と、同時に普段は抑えている感情が徐々に現れてくる。

 

「よっ…………と」

 

「ふぁぇっ…………?」

 

そして俺は、傍らの少女を抱き寄せる。少しでも身動きを取れば唇が触れてしまいそうな距離で、俺は少女の耳元で優しく囁く。

 

「その気にさせたのは佐天さんだからな…………」

 

「えっと…………その…………朝ご飯食べてからじゃ……」

 

少女は顔を真っ赤に染めておどおどしながら言葉を紡ぐ。

しかし、俺はもう止まれなかった……今すぐにでも目の前の少女を美味しく頂かなければ(意味深)

 

「無理、もう待てない……それじゃ、頂きます。」

 

「え、ちょっと待っ…………んっ…………」

 

俺は、馬乗りになり、少女の服を脱がしていく。何か言ってる気がしたけど、今の俺には何も聞こえていなかった……

 

 

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〜佐天side〜

 

「上条さん…………何か申し開きはありますか?」

 

あの後、2回も美味しく頂かれたあたしは冷えきった朝食を食べ、新しい服に着替えて絶賛尋問中です。

 

「いえ……何もございません……大変申し訳ありませんでした……!」

 

彼はしきりに謝り倒している。あたし自身そこまで嫌じゃなかったし……まぁ……偶になら……とは思うけど……やっぱりシチュエーションは考えて欲しいかな〜なんて思っちゃったりする。

 

「もう……いろは坂の猿じゃないんですからちゃんと時と場所をわきまえてくださいね?誰もシたくないなんて言ってないんですから」

 

「いやほんともうおっしゃる通りで……」

 

「それより……大学行かなくていいんですか?と言ってももう手遅れかもしれないですけど……」

 

あたしは壁にかけられている時計を見る。時刻は既に11時を指していて、既に遅刻は確定事項だった。

 

「あぁ……今日はもう休む……今から行ったって青ピに絞られるだけだし………不幸だ……」

 

そう言って彼は項垂れる……自業自得とはこの事を言うんだろうか……まぁ、斯く言うあたしも既に高校には遅刻確定だから人のこと言えた義理はないかもしれないけど。

 

「まぁ、そんなに気を落とさないでくださいよ〜私もどうせ遅刻確定なので一緒に休みますから!ね?」

 

「ごめん…………お詫びとしちゃなんだけど……昼は外で食べようぜ?まぁ……上条さんド貧民だからそんなに高いのは無理だけど……あ、自分で言ってて悲しくなってきた……」

 

「あはは…………そうですね、偶には外で食べるのも悪くないかも……そうしましょっか!」

 

「おっし、それなら支度して来る。佐天さんはどうする?その……制服のまま行くの?」

 

「あ、えっと…………どうしよっかな〜…………」

 

制服のままで行ってもいいけど、この制服上条さんの匂いついちゃってるんだよな〜……出来ればシャワー浴びたいけど……でも待たせちゃうし……

 

「あ…………ごめん配慮が足りてなかったです……上条さんはベランダで待ってるんで着替えるなりシャワー浴びるなりして来て大丈夫ですのことよ?」

 

「あ、いや!大丈夫です!なんかすいません……余計な気を使わせてしまって……!」

 

そう言って彼はベランダに出ていった。なんか悪いことしちゃったなぁ……

 

「さて…………それじゃお言葉に甘えて…………支度してきますか!」

 

そう言ってあたしは一人浴室へと入っていく。

 

 

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当麻side

 

「とまぁ、そんなこんなで来たわけですが…………」

 

あの後、2人して支度を済ませ、双方の学校へと欠席の連絡をした。まぁ佐天さんは成績優秀だから何も言われなかったみたいだけど、当のワタクシ自身はと言えば……まぁ、お察しの通りでございます……明日が怖い……

 

「上条さん?何か考え事ですか?」

 

そう言って俺の顔を覗き込んできたのは頭に花飾りをつけた少女。

 

「あ、いや!なんでもない!ただ明日が怖いなって…………」

 

まぁ、隠しても仕方の無いことだ。というか最早隠す必要性もない。だって、バレてるし……悲しき哉…………

 

「あぁ……上条さん健康優良不良少年ですもんね………」

 

「酷い!ワタクシそこまで不良少年じゃないですのことよ!?」

 

「あはは……語尾がすごいことになってますよ〜」

 

2人が揃うと一緒になって俺をいじめてくる……果たして上条さんに人権というものはないのでせうか?無い?あ、さいですか……

 

とまぁ、3人揃って昼食を取り終え、外に出る。モチのロン支払いは全て上条さん持ち……予想外のお客さんによって財布に大ダメージの入った上条さんは絶賛真っ白な灰になって燃え尽きております……

 

「お二人とも……少々食べすぎではございやせんか……?」

 

俺は2人に死んだ魚のような目で問い掛ける。プロポーション抜群の二人ならそこまで食べはしないだろうとタカをくくってしまったのが裏目すぎた……なんでパフェ……?とか言うものを1人で3つも完食できるんですかねぇ……?何処にそんな胃袋をお持ちなのだらうか……

 

「あはは……大丈夫ですか?上条さん?」

 

「あぁ……大丈夫……何とか……」

 

実際の所全然大丈夫じゃない、まぁ……ある程度買い置きはあるからそれで何とか凌ぐしかないか……

 

「あ、佐天さん……私そろそろ行かないとダメみたいです。」

 

隣で花飾りの少女が携帯を見ながら言う。

 

「あぁ……そういや初春さん風紀委員だったっけ?最近忙しいらしいもんな。悪いな付き合わせちゃって。」

 

「あ、いえ!大丈夫です。久しぶりに皆さんの元気そうな姿が見れて良かったです!」

 

そういうと少女はにこやかに微笑む。

 

「おう、それじゃまた近いうちにどっか行こうな!」

 

「はい、それじゃまた〜」

 

そう言って初春さんは駆け出していった。

 

「さてと…………俺達も帰りましょうかね……」

 

そう言って俺は今の時刻を確認しようと携帯を取り出す。その時……!

 

「いやっほぅー!」

 

「あがぁッ!?」

 

俺の後ろから小学生が吉田沙○里さんもびっくりのタックルをかましてきた……その弾みに手の中から飛び出して行った携帯は宙を舞い、道路のど真ん中へと落下……

 

バキメシャッ!!!!

 

「なぁぁああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあ!?!?!?!?」

 

信号が変わり、向かってきた乗用車に俺の携帯はものの見事に踏み潰され、原型を無くしていく。

 

「あちゃー…………」

 

隣では佐天さんが「やはりこうなったか」と言わん顔で手を額に当てて呆れている。

 

 

やがて信号が赤になった瞬間、俺は一目散に自分の《携帯だった物》を拾いに行く。まぁ、お察しの通り……グシャグシャになり内部機械が露出した状態の無惨な姿になった物がそこにはあった……

 

「不幸だぁああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあ!!!!!!」

 

 

「あはは…………大丈夫ですか?上条さん……?」

 

佐天さんが心配してそう聞いてくる。けれど、今の上条さんにその優しさは武器になりますのことよ……

 

「大丈夫に見える…………?はぁ……また機種変3万円コースか……」

 

「あはは……なんというか……ドンマイです。」

 

「慰めになってないでござる……」

 

そう言って俺は無惨な姿になった《携帯だった物》を見つめる。これで3台目なんだよな……またショップの店員さんに笑われる……悲しき哉……

 

「……こんなところで嘆いてても仕方ないし、帰ろっか……」

 

「はい!」

 

そうして俺達二人は帰路へと向かう。

 

 

こんな不幸もあるけれど、少なくとも今俺はすごく幸せだ。料理上手で優しい彼女も出来た、とある人曰く、この右手は神の加護でさえも打ち消してしまうらしい。だから、どれだけ幸せを掴み取っても、全て打ち消されてしまうんじゃないかという不安がない訳でもない……けれど、今掴んでいるこの瞬間この幸せだけは絶対に打ち消させない。

 

「なぁ、佐天さん……」

 

俺は隣で歩く少女にこう問いかける。

 

「佐天さんは今、幸せか?」

 

「当たり前じゃないですか!上条さんといると毎日退屈しませんし!」

 

そう言って彼女は優しく微笑む。夕日に照らされるその姿はなんとも言えないほどにキレイだった。

 

 

 

 

 

〜相手の幸せが

自分自身の幸せより

大事になったとき、

それを愛と呼ぶ〜

 

パリス・ヒルトン


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