ずっと二人で…………   作:朱色のフリーター

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遅くなりました…………リアルが立て込んでいました…………





過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである《帝春》

これまでの俺は…………あまりにも残虐だった……

守りたかったもの……それすら守れず、その思いを周りに当てつけて、沢山の人を殺し……そして、沢山の人を痛めつけた……

 

『こんな俺に……何が出来んだよ……!』

 

そう思って、自らの仲間にどうしようもないイライラをぶつけることもあった……

 

そして……俺は……ある少女を手にかけてしまう……

自らの目的を達する為に、その少女の体に……今後一生消えることの無い傷を負わせてしまった……

 

反省しても許されることじゃない……

謝罪をいくら重ねたところで、その傷が消える訳でもない……だけど……!

 

 

《もう……関わらないでください……》

 

夢の中でその少女から言われた言葉……、その言葉を聞いた瞬間、なんとも言えない恐怖感に苛まれた。

今まで、恐怖など微塵も感じたことのなかった俺が……初めて、人に嫌われる事に恐怖感を覚えたのだ……

 

《あれだけのことをしておいて……許して貰えると思ってたんですか?》

 

少女は、甘ったるい言葉でそう問いかける……

 

「なっ……あ………」

 

そして、目の前が暗転……そして制服を来た少女が口を開く

見慣れた……頭に花飾りをつけた少女……

 

《 》

 

聞き取ることすら出来ない声で、語りかける少女。

けれど俺にははっきりと……まるで手に取るようにその言葉を飲み込むことが出来た……

 

貴方に……この痛みが分かりますか(・・・・・・・・・・・・・・・)?》

 

 

 

「うぁぁぁぁッ!!!!!!」

 

瞬間、急いではね起きる。

言葉に出来ないほどの恐怖感を感じ、近くにあった水のペットボトルを一息に飲み干す。ソファの上にかけてあった服はクシャクシャになっていて、どれだけ魘されていたかが垣間見える

 

(クソッ……またか……!)

 

瞼を閉じれば、未だにあの空間へ飲み込まれそうだった。

 

「垣根……お前大丈夫かァ?」

 

横に目をやると目の前の書類を片している上司……一方通行の姿が見える。

 

「あぁ…………悪いな、取り乱しちまって……」

 

「しゃーねェだろ……取り敢えず今日は上がっていいぜ……

あとは俺がやっておくからよォ……」

 

「悪ぃ……そうさせてもらう……」

 

そう言って俺はソファの下におちたジャケットを羽織るとそのまま部屋を出て、エレベーターへと乗る。

 

(ダメだよな……こんなんじゃ……よ……)

 

俺はそうつぶやくと外に出た瞬間に空へと飛んでいく

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ただいま……今帰った」

 

自宅である高層マンションの最上階へと降り立った俺はそのまま何事も無かったかのように玄関を開け中へ入っていく。

 

「あ、垣根さん!お疲れ様です!」

 

そう言って出迎えてくれたのは、かつて俺がこの手にかけてしまった……頭に花飾りをつけた少女だった。

 

「あぁ…………ただいま……。」

 

「大丈夫ですか?顔色悪いですけど…………」

 

「あぁ…………大丈夫…………悪いけど少し寝かせてもらう……飯は後で貰うよ……」

 

そう言って俺は1人自室へと向かっていく。後ろでは少女がなにか言っている気がするが、今の俺には何も聞こえなかった。

 

 

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初春side

 

私がまだ中学生だった頃、ある人に……一生消える事の無い傷をつけられた、勿論、今ではその事をとやかく言うつもりは無い。けれど……その時の青年の顔は……あまりにも……やつれきっていて……多分……忘れることはないと思う。

 

「垣根さん…………大丈夫かなぁ……?」

 

そう言って私は部屋の時計へと目をやる、時刻は既に15時

を回っていて、太陽も既に傾き始めている時刻だった……

 

『♪〜〜〜〜〜』

 

ふと、机の上に置いてあった携帯が鳴る

 

「誰からだろ……」

 

電話の主を確認すると、それは彼の職場の上司である一方通行さんからだった

 

「はい、初春です。どうしましたか?」

 

《悪ィなァ……こんな時間帯に連絡しちまって。》

 

「いえ、大丈夫ですよ。それよりも……何かあったんですか?一方さんから連絡してくるなんてほとんどないですよね?」

 

《あァ、垣根の事なんだけどよォ……》

 

「はい、垣根さんがどうかしましたか? 」

 

そういえば……今日はいつにも増して元気がなかったように見えた、その事が関係しているのだろうか……?

 

《多分……仮眠中に過去の事を夢に見てたと思うンだよだからよォ……お前のほうで何とかしてやってくれねェか?》

 

「あ、えっと……具体的にはどんな感じだったんですか?」

 

《多分……お前のことだろォよ。寝言でずっと『初春……初春』って言ってたしなァ……なにか心当たりでもあるンじゃねェの?》

 

「あ…………」

 

心当たりは多分にある……きっとあの出来事だろう。あの出来事が、今も尚、あの人のことを苦しめているのだ……あれから10年の月日がたった今でも、あの人が私にした事を未だに悔いて、それが心に巣食っているに違いない……

 

「わかりました……一方さんも忙しいところごめんなさい……」

 

《いや、大丈夫だ。やっぱ心配だったしなァ……取り敢えず状況報告だけでもしとこうと思ってな。まァ、そンなとこだ。んじゃァ後は頼ンだぜ》

 

そう言って一方は電話を切った。

 

「はぁ………………」

 

私は……もう大丈夫なのに……

 

きっと垣根さんは、どれだけ私が大丈夫だと言っても、心の奥底ではきっと、あの時の罪を背負って……これも生きていくのだろう……あの人はそういう人だ。人に頼れずになんでも自分だけで抱え込んで、そしてパンクする……

 

「………………よしっ」

 

無論私自身もこのままなのは嫌だ……まだ垣根さんのこと何もしれてないのに……このまま別れるなんて絶対に嫌だ。だから……

 

 

私は、そう決意すると彼が寝ているであろう自室へと歩を進めた。

 

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垣根side

 

「はぁ…………ほんと……弱いよな……俺って……」

 

天井を見上げて俺はそう零す

未だに、過去の罪に囚われて……前に進めずに居る。

そんな自分自身が凄く鬱陶しいのに。

だけどどうしてもその状態から脱却できずにいる。

 

「いやまぁ……あのクソッタレな奴のせいとは言わねぇけど……な。」

 

 

我ながら自分の弱さに反吐が出る。昔の事を出す訳じゃないが、あの頃は何一つ怖いものなんてない、俺が最強だ。とか何とか宣ってたんだっけな……まぁ、蓋を開けてみればこのザマだ……結局、俺は1人じゃなんも出来やしなかったんだ……

 

「ダメだな…………こうやってると陰気くせぇ事ばっか考えちまう…………」

 

俺は自室のソファから立ち上がると、リビングへ向かおうと部屋のドアを開けた。

 

「あっ………………」

 

「ちょ………………」

 

ドアを開けた目の前には、頭に花飾りを載せた見慣れた少女が立っていた。俺の顔を見て驚いた彼女は反射的に顔を逸らす。そうして俺も何故か居た堪れなくなって顔を逸らす。

 

(心配…………かけたんだろーな…………)

 

内心ではそう思うが俺はいつまでたっても素直になれない男だ…………

 

「んだよ…………なんか用か?」

 

俺はあくまで平常心を装ってそう問いかける。

 

「あ、あの…………ちょっとお話…………しませんか?」

 

そうして少女の口から帰ってきたのは思いもよらない言葉だった。

 

「あぁ?…………後でもいいだろ……んな事はよ…………」

 

俺はぶっきらぼうにそう返す。そう……まるで触れられたくない真実から目を背けるかのように。とにかく、今は話したくない、その一心で俺は言葉を紡いだ。

 

「大体よ…………?俺はお前を傷つけたんだぜ?それなのになんで一緒に居んだよ?お前だって本当は俺の事なんざ嫌いなんだろ?あの事……まだ許す気なんざねぇんだろうがよ……!それなのになんで…………なんで関わってくるんだよ……ほうっておけばいいだろ?そうした方がお前の為になる…………っ!」

 

 

パンッ

 

そう言葉を捲し立てたところで帰ってきたのは無言の平手打ちだった。

 

「垣根さんのバカッ!そんなこと思ってたら最初からあなたと一緒になんていません!わたしは…………!垣根さんの事が好きだから…………!垣根さんの事……もっと知りたいから……!だから、一緒にいるんです!」

 

彼女は、嗚咽混じりに俺にそう訴える。きっとこの言葉は、彼女の本心なのだろう。その涙は、彼女の叫びなのだろう。けれど、だからこそ…………!

 

「そんなの関係ねぇだろ!?俺はお前に一生消えることの無い傷を負わせたんだぞ!?お前が俺を好きとか嫌いとか……関係ねぇんだよ!」

 

俺は心の叫びに任せてそう捲し立てる。

 

「関係なくない!!」

 

「…………え?」

 

彼女のその一言に、俺は驚いた。

 

「まだ分からないんですか!わたしは、この傷も!この時間も!垣根さんといられる時間全てが!大好きなんです!!いい加減わかってくださいよ!!この鈍感ホスト!!!!!!!!!!!」

 

「な………………っ」

 

止めてくれ………………もうやめてくれ…………そこまで言われたら…………

 

「ごめん………………」

 

「ふぇっ…………???」

 

俺は、そう零すと彼女をそっと抱き締める。そんなこと言われたら…………もう後戻り出来ねぇじゃねぇかよ…………!この先……ずっと依存しちまうじゃねぇか…………!

 

「あ、えっと…………その…………垣根…………さん?」

 

俺の胸の中で彼女はそう問いかけてくるが、今の俺には何ひとつとして聞こえなかった。今はただ…………彼女を胸に抱いていたかった。

 

「ごめん………………痛かったよな…………ごめんなぁ…………」

 

俺は泣きながら彼女の肩を撫でる。謝罪で許されるものなんかじゃないのはわかってる。

 

「えっと………………垣根さん…………?きゃっ!」

 

俺はそのまま彼女をソファへと押し倒し、馬乗りの姿勢になる。

 

「えっと…………その………………///」

 

「俺はズルいか?」

 

俺は彼女の耳の近くでそう問いかける。

 

「えっ…………?」

 

「お前に…………飾利にあんなことしておいて……嫌われてようが恨まれてようが…………強引に閉じ込めてしまえばいいって…………繋ぎ止めておけるって…………本気で思ってんだよ…………」

 

「垣根さん………………」

 

「畜生………………飾利は優しすぎんだよクソが…………その優しさに…………甘えちまうじゃねぇか…………」

 

俺は彼女を抱きしめながら、そう零す。

 

「優しくなんてないですよ…………」

 

そういって彼女はそっと俺の事を抱き締め返してきた。女性特有の甘い香りが俺の鼻を通り抜ける。なんとも言えないような感覚に戸惑いさえ俺は覚える。

 

「わたしは、私の意思でここにいるんですから……」

 

そういって彼女は俺の首筋にそっと口づけをする。その姿に俺は、もはや何も言い返すことなどできるはずもなく。ただ…………ただ強く抱き締めることしか出来なかった。

 

 

〜数年後〜

 

懐かしい夢を見た…………あれが全ての発端だったな…………

今となっちゃもう笑い話にしかならねぇけど…………

 

「はぁあ………よく寝た………………」

 

俺はベッドから起き上がるとそのまま洗面所へと向かう。

その道中で最愛の妻を起こしに行くことも忘れてはならない。

 

「おーい飾利〜…………朝だぞ?」

 

俺は彼女の体を優しく揺する。3、4回譲ったところで可愛らしい声とともに彼女は目を覚ます。

 

「あ………………垣根さん……おはようございま…………ふぁぁぁ…………」

 

「眠そーだなおい………はよ起きねぇと遅刻すんぞ?」

 

「そうですね…………それじゃ私先にリビング行ってますね。」

 

そう言って彼女はリビングへと歩いていく。

 

「さて…………顔洗ってくっかな…………」

 

 

〜リビングにて〜

 

「ちょっと父さん!俺のおかず取らないでくれよー!自分のおかずあるだろ?」

 

隣で俺と同じ金髪の少年がそう文句を言ってくる。

 

「うるっせぇな春人…………タコさんウインナーくらいで文句言うな、減るわけじゃねぇんだから。」

 

「いや物理的に減ってるじゃんかよ!そんなんだからいつまでたっても第2位のままなんだぜ!?」

 

「んだとゴラ…………よぉしわかった。お前今月の小遣いナシな?」

 

「それは勘弁してくださいお願いします」

 

「ほらほら、早く食べないと遅れますよ〜?」

 

「「やっべ!」」

 

俺は時計を確認しつつ残りを大急ぎで胃の中に掻っ込む

そして、流しに自分の食器をナイスシュートするとその足で玄関へとダッシュする。

 

 

「悪ぃ、先出るからな!」

 

俺は自らの能力で背中に純白の羽を出すと空へと飛び上がる。

 

「あ、ひでぇ!待てよ父さん! 」

 

後ろで春人がなんか言ってるがそんなもの知らん。自らの遅刻と子供の遅刻、最優先事項は自分の遅刻だ。

 

「母さん!俺もいってきます!」

 

五分ほどして春人が玄関を飛び出していくのを確認。それを見届けた俺も自らの職場へと飛んでいく。

 

 

 

 

 

〜こんなふうに毎日ドタバタな日だけど……願わくばこの平和な毎日が末永く何時までも続くように〜

 

「しゃ!今日も頑張りますか……!」

 

俺は心の中でそう願いつつ、自らの職場へと向かった。

 

 

 

 

 

〜過去から学び、

今日のために生き、

未来に対して希望をもつ。

大切なことは、

何も疑問を持たない状態に陥らないことである〜

 

アインシュタイン

 

 

 

 

 

 

 

 

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