あつい。体があつい。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
「先生!!のどかは大丈夫ちゃうんか!?」
「そのはずなんですが・・・我々も理解が及ばないものが多く・・・」
「くっ・・・」
喉の奥から熱い何かが込み上げてくる。
「ごぼっ・・・」
「ああ!のどか!」
「とにかく!早く生体ポッドへ!!!」
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
のどかが危篤状態となった。一時は生体ポッドでの調整で安心したかと思ったが、そうでは無かったらしい。
「のどか・・・」
「はやてちゃん・・・のどかちゃんは・・・」
「ああ。シャマル・・・危ない状態や・・・」
今日はシャマルがのどかのお見舞いに来ていた。面会に行こうとしたらのどかの部屋が慌ただしくなっており、すぐに処置されることとなったのだった。
「くそ・・・くそっ・・・やっと・・・やっと生きられるんちゃうんか・・・!助け出したのに・・・!ここまでなんか・・・!!!」
「はやてちゃん・・・」
「はやてさん・・・」
「先生・・・」
「のどかさんの容体ですが・・・」
「のどかは・・・どうなんですか・・・?」
「正直に申しますと・・・我々は医療従事者です。クローンの生体研究者ではありません。不可解、理解不能な面が多く、手を出せないというのが現状です・・・」
「そうですか・・・」
「専門の施設に移して再調整、というのがベストですが・・・最悪の場合、護送中に生命力が尽き、死亡するという可能性が高いです。」
「くっ・・・」
「申し訳ありません・・・」
「いや・・・先生は悪くない・・・悪いんはのどかを生み出した違法研究者や・・・」
「設備に関しては、最先端の再生治療設備を導入したばかりです。なのでそこに関しては問題ないと思いますが・・・」
「さよか・・・」
「時間がありません。1秒と待つ毎にのどかさんの命は消え掛かっています。」
「・・・。」
「はやてちゃん・・・」
「シャマル・・・私に考えがある。」
「え?」
「正直、あまり選択したくない手や。でも、背に腹はかえられん。」
「何をする気なの・・・?」
「しばらく、留守にする。」
「・・・わかったわ。」
・・・・・・・・・
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・・・・・・・
・・・・・・
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・・・・
・・・
・・
・
「それで、私のとこに来た。というわけかい?」
「せや。のどかを助けられるなら、私は悪魔にだって魂を売ったる。」
「くくくく・・・そうか。まぁ正しい選択だとは思うがね?」
次元刑務所。そこに収容されている、ジェイル・スカリエッティに私は会いに行った。のどかを助けられる研究者を探すには違法な研究知識に精通していないといけない。生命倫理を無視した研究で得た知識が無いと助けられい・・・そう思ったからだ。
「思うに、その、のどか君?だったか?が起こしているのは酸素の取り込み上限の不完全化、だと思うね。」
「私はそれはよくわからんが・・・」
「まぁなんだ。本来酸素を取り込んで呼吸するところを体の耐久性が足りず、酸素が有毒化している状態だよ。」
「さよか。何とか出来るか?」
「容易いことさ。研究所じゃなくても出来る。」
「それならやってもらおうか。」
「くくくく・・・なら私は対価をもらおうかな?」
「刑期短縮なら受けられへんで。」
「そんなものはいい・・・私が望むのはとあるデバイスの行方だ。」
「デバイス?」
「ああ。私が作ったものでね。だが不完全過ぎて何の再現も出来ずに終わったガラクタだ。それを適当に流したんだが・・・今になって気になってね。」
「ええわ。それ探したらええんやな。」
「ああ。頼むよ。」
「手がかりは?」
「名前はウォーサンダー・・・闇の書の、コピーさ。」
「お前・・・!!」
「くくくく・・・言っただろう?不完全で、再現出来なかったと。ただの本型デバイスだよ。」
「・・・ええやろ。」
「では、仮釈放かな?」
「ああ・・・頼むで。」
「では行こう。」
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・・・・・・・
・・・・・・
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・・・・
・・・
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・
のどかが入院してる病院にスカリエッティがやってきた。フェイトちゃんと私で見張りを付け、爆弾付きの首輪も付けた。逃しはしない。だがそれよりものどかだ。生体ポッドに浮かぶのどかは容体を聞くと、生体ポッドから出しては1時間も生きられないという有様だった。
「ふむふむ・・・大分適当にやったようだね。」
「さよか。」
「黙って作業しなさい。」
「怖い怖い。わかっているよ。」
生体ポッドのガラスがスモークになり、作業が始まった。ディスプレイのキーボードを叩く音だけが響き、2時間・・・3時間と経過する。
「いやはや・・・まいったね・・・」
「なんや。」
「これを作った研究者は杜撰も良いところだよ。初めて作ったのか?体の組成がなってない。リンカーコアも未定着。筋組織も不安定。よく生きてたね。」
「・・・。」
「ふむ・・・普通の人間として生きられるレベルにすればいいんだったかな?」
「せや。人間として生きられればそれでええ。」
「そうか・・・それはまいったな。」
「今度はなんや。」
「体の耐久性が無さすぎる。このままでは組織の補強にすら耐えられない。戦闘機人化すればいいが・・・」
「勝手な事は許さん。」
「はいはい・・・」
様々な機器が生体ポッドに作業に入る。のどかの様子が見えないのは不安だが・・・
「・・・水を一杯もらえるかい。」
「ほら。」
「どうも。」
スカリエッティが水を一杯飲み干し、作業を再開する。
「ふぅ・・・助手が欲しいところだね。」
「お前1人だけや。」
「わかっているとも・・・とりあえず、体の補強はなんとかなりそうだ。その他必要な物資をまとめたよ。補充してくれ。」
「ん。フェイトちゃん。」
「わかった。」
「作業的には・・・一週間は掛かる。引き継ぎ用のデータも作っておくよ。」
「さよか。」
「ふむ・・・」
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
五日後。
「ふふ・・・ふふふふ・・・くくく・・・」
「なにが面白いんや。」
「いや・・・何・・・こうも徹夜続きだとね・・・」
「黙って作業しろ。」
「まさか休み無しだとは思わなかったよ。」
「牢から出してもらえるだけありがたいと思うんやな。」
「そういう事に・・・」
話をしていたら突然警報が鳴り響いた。
「なんや!?」
「ふむ・・・」
「はやて!私警備室に行ってくる!」
「頼む!」
「なるほど・・・ここにあったのか。」
「なんや!!」
「八神はやて、ウォーサンダーの所在は探さなくて良くなったよ。」
「なんやて・・・?」
「ここに、ある。」
のどかの生体ポッドのスモークが解かれ、のどかの体が顕になると赤く光り輝く本がポッドの中に浮いていた。
「おそらく。これが生きていたのはデバイスと融合していたおかげだね。」
「・・・。」
「はやて!内部から異常な魔力が・・・これは?!」
「フェイトちゃん・・・大丈夫や。」
「・・・わかった。」
フェイトちゃんが通信で伝えると警報が止む。私たちはポッドの中に浮かぶ本を眺めながら微動だにできずにいた。
「ウォーサンダー・・・闇の書のコピー・・・といっても月とスッポンだがね。」
「どういう事なんや?」
「1から作られたんだよ。ウォーサンダーは。再現しようと頑張ったんだが・・・出来たのは過給機付き半永久仮称エグザミアエンジンを搭載したただのストレージデバイス。まぁ私がめんどくさくなったんだけどね。」
「・・・。」
「興味も湧かなかった。それがどこぞの闇に流れ・・・八神はやてのクローンに搭載された。運命的じゃないか。」
「はっ倒すぞ。」
「怖い怖い・・・まぁ仮称エグザミアエンジンがあるなら・・・作業は短く済む筈だ。」
「なら早くやってもらおうか。」
「わかったよ・・・人使いが荒いねぇ・・・」
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
1週間後。
「呼吸・・・正常。心拍・・・正常。代謝その他循環器・・・正常。」
「その他反応・・・正常。」
「はやてさん。大丈夫だと思いますよ。」
「そうですか先生・・・!」
疲れ切って椅子でぐったりとするスカリエッティを尻目に病院の先生とのどかの状態を確認する。数値上は安定し、大丈夫な様に見えた。
「ふぅ・・・なかなか堪えたね・・・」
「さよか。もう戻ってええでスカリエッティ。」
「雑だな・・・まぁ、ウォーサンダーの所在も知れたし、大人しく戻る事にしよう。」
「フェイトちゃん。」
「うん。」
スカリエッティをフェイトちゃんに任せ、のどかについて先生と詰める。まずは、ポッドから出してみようとの事だった。
「処置や検査は我々の方で進めます。そうですね・・・急いでやりますので三日後には。」
「わかりました・・・ありがとうございます。」
「いえ・・・我々は力不足で・・・」
「今回は仕方ないですよ。」
「そう言っていただけると・・・」
危機は脱した・・・とは思う。スカリエッティが何か仕込んでない限りは。それも調べる為の時間が必要だ。
「のどか・・・」
のどかは・・・生まれてきて良かったと、言ってくれる人生にしてあげたい。幸せになってほしい。その思いだけがある。それも生きていなければ始まらない。
・・・・・・・・・
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・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「うぅ〜ん・・・」
朝?目が覚めた。なんか大分寝てた気がする。お腹空いた。
「お・・・およ?」
起きると・・・病室、なんだが。
「なんやこれ。」
ベッドの周りにはプレゼント包装された箱、箱、箱。箱が山ほど。なんやこれ。
「????」
とりあえずお腹空いたのでナースコールポチ。すぐに看護婦さんが飛んできて、ご飯を用意してくれた。
「もぐもぐ・・・」
ちょうどお昼だったらしい。お昼ご飯はハンバーグとお野菜のスープ。お米が欲しいがパン。まぁいい。このプレゼントはウチのか?ウチのなのか?
「おはや〜」
「はやてちゃん。」
お昼ご飯を食べてバルキリーで遊んでたらはやてちゃんがやってきた。椅子に座り、またプレゼント箱を持っていた。
「あ、これなぁ。私のお友達がのどかが入院しとる言うたらくれたんや。」
「この他のも全部ウチの?」
「せやで。このプレゼント、ぜーんぶのどかの物や!」
ぱぁっと心が晴れやかになった。じゃあ早速開けて良いかと聞くとはやてちゃんは一個ずつ開けてくれた。おもちゃの剣。なにやら戦艦のフィギュア。その他車のラジコンなどたくさんのおもちゃが出てきた。わぁい!
「わぁーーーー!」
「ふふふ。みんなのどかがおもちゃ好きや言うたら買ってきてくれたんよ。今度挨拶に行こうな?」
「うん!」
病室の中で、おもちゃで遊ぶ。ラジコンを走らせ、戦艦を並べ、剣を振る。楽しい。おもちゃ良い!もうおもちゃ屋さんみたいな量ある!
「・・・なぁはやてちゃん。」
「んー?なんや?」
「ウチ、いつ退院なん?」
「せやなー・・・一応、まだあと一月は入院や。」
「そっか・・・」
「でももう大丈夫や。来月、退院出来る。そしたらいっぱいお出かけとかして遊ぼうな。」
「うん!」
そしてピリリリとはやてちゃんに通信が来たと思ったら、はやてちゃんはメールの文面を見て、唇を噛んでいた。