ありふれない天龍姫と魔王の異世界無双 作:ゆきほたる
□noside
ハイベリアを撃退及び。ハジメと、ハウリア族の族長がカム・ハウリアとの交渉が終わり。総勢四十人の兎人族をぞろぞろと引き連れて、時折襲い来る魔物は尽く撃ち殺され、あるいは頸を切り裂かれて絶命する。
それもそうだろう。ハジメ、香織が銃器で撃ち、双葉が常に対空して空からの襲撃も一断ちあるいは‘ダーク・リパルサー’での一撃で、消滅させられていくのだから。
時折、休憩がてらに双葉は地上に降りて。ハジメと香織が代わりに周囲の警戒を行う。そんな時、双葉はふと思い出したかのように、隣を歩くシアに尋ねた。
「そういえば、シアはなんで単独で行動してたの?」
一人でこの峡谷を彷徨くのは自殺行為だと双葉は思う。自分たちにとっては歯牙にも掛けない雑魚だが、世間的に見れば、ここの魔物たちには強力な個体が多い。
「え? あ、はい。私は‘未来視’と言う固有魔法を覚えていまして仮定した未来が見えます。もしこれを選択したら、その先どうなるか? みたいな……あと、危険が迫っているときは勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど……」
シアの説明する‘未来視’は、彼女の説明通り、任意で発動する場合は、仮定した選択の結果としての未来が見えるというものだ。これには莫大な魔力を消費する。一回で枯渇寸前になるほどである。また、自動で発動する場合もあり、シアにとって危険と思える状況が急迫している場合に発動する。これも多大な魔力を消費するが、任意発動程ではなく三分の一程消費するらしい。
「なるほど。その固有魔法に縋る思いであたし達が来ることを予知したのね」
「あの時はそれしか頼れる物がなかったと言いましょうかぁ、その……」
双葉はシアの言葉を手で遮り、苦笑しながら諭すような物言いで。
「みなまで言わずともいいわ。まぁ、今回はあたし達の目的があり、シア達を助けるのはその目的に対して‘メリット’が。偶然にも、あなた達に案内してもらうって言う‘対価’があるから引き受けたってことは忘れないでね?」
「は、はい! ──ぴぎぃ!?」
双葉は言いながら、シアの頭上に迫っていた魔物の頭を空中回し蹴り。蹴飛ばして。そのまま流れるような動作でガングニールを投擲、頭部を貫いて絶命させると
「こ、怖かった……あれ? 双葉さんも魔力を直接操れるんですか?」
自分の頭の上を剛槍が飛翔し、通り過ぎて行った恐怖に震えながらも。今度はシアが双葉に尋ねる。
「ん? 藪から棒にどうしたの?」
「いえ……今、武器を引き寄せるのに魔力を操作されたような気がしまして」
「……あー。そうね、あたしはもともと‘魔力操作’を覚えてるけど、ハジメと香織、ユエも直接魔力を操ったり、固有魔法を使えるわよ?」
双葉は隠すことなく、シアに応える。すると、彼女は目を見開いて驚愕を顕に。しばらく呆然としていたシアだったが、突然。何かを堪える様な素振り、そして。何故か泣きべそをかき始めた。
「……ああ、シアにとっては同じような人がいない孤独を味わってたのね」
「はい……一人じゃなかったんだなっと思ったら……何だか嬉しくなってしまって……」
「そっか」
双葉はただ無言でシアの頭を撫でてやる。埃やらなにやら、ざらざらした感触で色々台無しだが、それでも。双葉はシアが落ち着くまで撫でていた。
「……すみません、お見苦しいところを……ですぅ」
「泣きたきゃ、泣きゃあいいのよ。感情を押し込めるのはあまり良くない。けどね? もっと孤独を味わった人もいることは忘れないで」
「……ユエさんの事ですか?」
「そう言うことよ」
双葉はユエの境遇をシアに話す。シアは家族の愛情を受けて育っているが、ユエは利用される人生であったと。自分たちと出逢わなければ今もなお、孤独の中で朽ちることも許されない壮絶な仕打ちを受け続けていただろう、と。
それを聞き、シアはさらに泣く。それは純粋に‘他人のことを思う’涙で、そこには打算や同情心は全く感じられないものだった。シアがわかりやすいだけなのだろう、と双葉は納得した。
双葉は語りながらユエを見やる。彼女は今、ハジメの隣を歩き、朗らかな笑みを。幸せそうに目を細めていたり、香織を揶揄ったりと忙しそうにコロコロと表情を変えている。
双葉の真似をしていたのが懐かしい……この数ヶ月でユエの表情は多彩に彩られるようになってきていた。
「……あんたとは、長い付き合いになる気がするわ」
「……ふぇ?」
双葉はそう零し、その言葉の真意を汲み取れず、シアはただ首をかしげることしかできなかった。
──────
気がつけばライセン大峡谷の凶悪な魔物が為すすべなく絶命していく光景に、兎人族達は唖然として、次いで、それを成し遂げている人物たちに対して畏敬の念を向けていた。
もっとも、小さな子供達は総じて、そのつぶらな瞳をキラキラさせて圧倒的な力を振るうハジメをヒーローだとでも言うように見つめている。
そんな無垢なる視線を受けたハジメは居心地が悪そうに、頬を掻きながら警戒を続けている。
余談だが、双葉に関しては天使様や使徒様だのと、そんな扱いする者も出かけていたが、不機嫌に双葉は「使徒とかそういう神聖な者に例えるのはちょっとやめてほしい」と鶴の一言で。それ以降は‘双葉さま’と、ハウリア達は親愛と畏敬を込めて呼ぶようになっていた。
「慣れない……まぢで、様扱いはやめてほしい」
「仕方ないですよぉ、双葉さん。圧倒的な力に、圧倒的武威。私たち非力な亜人からすれば羨望の眼差しで迎えねば失礼に値しますし」
シアの言葉に苦虫を百匹口に放り込まれ、噛み潰したような顔の双葉を見てユエがくすりと笑った。
そうこうしている内に、一行は遂にライセン大峡谷から脱出できる場所にたどり着いた。ハジメは陸上での‘遠見’で。双葉は
「んー……ん?」
双葉は上空より眺めていると、何者かたち……およそ三十人ほどがたむろしているのを見つける。彼女の目が全員がカーキ色の軍服らしき衣服を纏っており、剣や槍、盾を携えているのを捉えた。
「あれが帝国兵かな?」
「グルォアアア!!」
「煩い、死ね!」
「ギャオンッ!?」
情報の共有のために地上へ降りる際に襲ってきたハイベリアの首をバキィッ! と蹴り折り。尻尾を掴んでジャイアントスイングよろしく振り回しながら…… 峡谷の方へ投げ捨てた反動を利用して急降下する。
「ハジメ、やっぱ帝国兵っぽい団体さんが居座ってるみたいね」
「ん、ありがとよ、双葉。なるほどな……だとしたら、正面突破しかないか?」
「うーん、そうだなぁ……奴隷文化がまだ根付いてる中世の世界観は現代日本育ちの私たちには合わないし、不快だけど……相手の出方次第で決めよっか」
「そうだな」
「な、なにを決められるのですか?」
不安げにシアが話し合っていたハジメと香織に尋ねる。万一、ハジメ達が帝国側に着いた場合。今度こそ死より辛い奴隷生活が待っている。そんな考えが一瞬シアの脳裏をよぎる。しかしそれは杞憂だ。ハジメの代わりに答えた双葉の返答は
「ん? 何をって──帝国兵が敵なら‘殺す’ってことよ」
澱みなく、躊躇いのかけらも感じさせないほどに。極自然な口調で滑らかに‘殺す’と口にした双葉に、シアは焦りを見せる。
「え!? 仮にも同族の方々ですよ、魔物じゃないんですよ!?」
「んー、シアちゃん。勘違いしてほしくないんだけど……」
香織はチラリとハジメを見る。そして、彼女が言わんとしたいことを以心伝心か。読み取った彼は諭すように言葉を切り出す。
「いいか? 俺たちは、お前等が樹海探索に便利だから雇った。んで、それまで死なれちゃ困るから守っているだけ。断じて、お前等に同情してとか、義侠心に駆られて助けているわけじゃない。まして、今後ずっと守ってやるつもりなんて毛頭ない。忘れたわけじゃないだろう?」
「うっ、はい……覚えてます……」
「だから、樹海案内の仕事が終わるまでは守る。自分のためにな。それを邪魔するヤツは魔物だろうが人間族だろうが関係ない……ってことだよ」
「な、なるほど……」
「はっはっは、分かりやすくていいですな。樹海の案内はお任せくだされ」
シアはその言葉にどこか納得はできないが、‘ハジメらしい’とは思えるようになっていた。そして、その話を聞き、カムは快活に笑った。下手に正義感を持ち出されるよりもギブ&テイクな関係の方が信用に値したのだろう。その表情に含むところは全くなかった。
「とりあえず、階段を登ろっか。ここで止まるのも意味ないし」
ライセン大峡谷を抜けるべく、出口の階段を登ったその先には……
「おいおい、マジかよ。生き残ってやがったのか。隊長の命令だから仕方なく残ってただけなんだがなぁ~こりゃあ、いい土産ができそうだ」
双葉の報告通り、三十人ほどの帝国兵がたむろしており、ハジメ達を見るなり驚いた表情を見せたが、直ぐに喜色を浮かべ、品定めでもするように兎人族を見渡した。
「小隊長! 白髪の兎人もいますよ! 隊長が欲しがってましたよね?」
「おお、ますますツイテルな。年寄りは別にいいが、あれは絶対殺すなよ?」
「小隊長ぉ~、女も結構いますし、ちょっとくらい味見してもいいっすよねぇ? こちとら、何もないとこで三日も待たされたんだ。役得の一つや二つ大目に見てくださいよぉ~」
「ったく。全部はやめとけ。二、三人なら好きにしろ」
「ひゃっほ~、流石、小隊長! 話がわかる!」
兎人族達を完全に獲物としてしか見ていないのか戦闘態勢をとる事もなく、帝国兵達は下卑た笑みを浮かべ舐めるような視線を兎人族の女性達に向けている。
兎人族達は、その視線にただ怯えて震えるばかりで、その様子を見て双葉は小さくため息を吐きながら、ハジメの隣に移動した。
帝国兵達が好き勝手に騒いでいると、兎人族にニヤついた笑みを浮かべていた小隊長と呼ばれた男が、ようやくハジメの存在に気がついた。
「あぁ? お前誰だ? 兎人族……じゃあねぇよな?」
帝国兵の態度から素通りは無理だろうなと思いながら、ハジメが会話に応じる。
「ああ、人間だ」
「はぁ~? なんで人間が兎人族と一緒にいるんだ? しかも峡谷から。あぁ、もしかして奴隷商か? 情報掴んで追っかけたとか? そいつぁまた商売魂がたくましいねぇ。まぁ、いいや。そいつら皆、国で引き取るから置いていけ」
どうせ従うだろう、と小隊長とやらはタカを括る。そして、その視線は小僧の隣に立っている可憐な容姿をした美女に自然と向く。その背には
返答次第では難癖をつけて、この女で愉しむのも一興かなどと、ハジメの出方をニヤニヤと観察するが、彼の、理想とする答えは返ってくることはなかった。
「えっと、あたし等は奴隷商じゃないんだけど。まぁ、兎人族に関しては諦めてくれるとこっちは助かるのよね」
「そう言うことだ……断る」
「……今、何て言った?」
「双葉の、俺の言葉が聞こえなかったのか? 断ると言ったんだ。あんたらには一人として渡すつもりはない。こいつの言う通りに、‘諦めて’。さっさと国に帰ることをオススメする」
双葉がやんわりと勝手に納得した自分の考えをを否定され、
「……小僧、口の利き方には気をつけろ。俺達が誰かわからないほど頭が悪いのか?」
「十全に理解している。あんたらに頭が悪いとは誰も言われたくないだろうな」
ハジメの言葉にスっと表情を消す小隊長。周囲の兵士達も剣呑な雰囲気でハジメを睨んでいる。その時、ハジメの後ろから出てきたユエと香織に気がつき、彼らは再び下碑た笑みを浮かべた。
「あぁ~なるほど、よぉ~くわかった。てめぇが唯の世間知らず糞ガキだってことがな。ちょいと世の中の厳しさってヤツを教えてやる──女戦士の姉ちゃん、そんなクソガキより、俺と愉しいことをしねぇか? くっくっく、なにより。侍らしてる嬢ちゃん達はえらい別嬪じゃねぇか。てめぇの四肢を切り落とした後、目の前で犯して、奴隷商に売っぱらってやるよ」
その言葉にハジメは眉をピクリと動かし、ユエは誰でも分かるほど嫌悪感を丸出しにしている。香織は如何にも三下だなぁとのんびり考えていて、双葉はスッと無表情になる。
目の前の男が存在すること自体が許せないと言わんばかり、ユエが右手を掲げようとしたが、それを制止するハジメ。訝しそうなユエを尻目にハジメが最後の言葉をかける。
「こっちは敵対の意思はない。だが、あんたはどうする? その剣を抜くか?」
「あぁ!? まだ状況が理解できてねぇのか! てめぇは、震えながら許しを乞えばいいんだよ!」
小隊長は剣を鞘走る。しかし、それは悪手だった。
「──先に抜いたのはそちらだよ。あなた達を‘敵’として排除させてもらうわ」
「何を訳の分からないことを……?」
ヒュパンッ! 空を裂く感覚が小隊長の眼の前を通りすがる。その瞬間、彼の視界は宙を舞う。
一瞬何が、と眼球を動かして。彼の最後の視界が捉えたのは赤い血を首から吹き出し、膝を突く。頭のない自らの体だった。
「小隊ぉ……ひっ!?」
それをしたのは双葉。その右手は手刀に。淡く光を蓄え、リィィィンと高く澄んだ音を鳴らす。
「これ以上の犠牲は、あなた方が望まないのでならば出ないでしょう。それとも、彼の仇を討たんと。あたしに剣を向けますか? ──愚かにも、自分たちの上官と同じ末路を辿りたいのであらば。黄泉への旅路、ご案内させていただきましょう」
抜けば、構えれば。小隊長と同じ末路を辿ると大仰な台詞を持って、双葉は彼らに宣言する。帝国兵達は自身の上官が何もできず殺されたのを見て。すぐに距離を取ってから前衛は剣を抜き。後衛は魔法の詠唱を開始する、が。
後衛の足元にコロン、と。自身達の足元に転がってきたものを見て一瞬訳が分からず詠唱が途絶え、次の瞬間。理不尽な閃光に視界を、四肢を砕かれる。
ドカンッ! と派手な爆発音と共に多くの兵士が陽光の下に骸を晒した。訳もわからず後衛が半壊した様を見て、後衛に近い位置にいた兵士の足もズタズタにされて立ち上がることもできないようだ。
まさに阿鼻叫喚。大きな血溜りからは鉄の焼けるような不快臭がするが、双葉はそんな物を気にしない。‘空力’で足場を作り、兵士たちの頭上を飛び越えて、彼らの背後に回り込む。
「あたし達の力を知られた以上。あんた達を帰すわけにはいかない……呪うなら、最初の一言で諦めて撤退しなかった……あたし達を侮って、自分たちこそが捕食者であるなんて思い上がった事を後悔しなさい──そも、この‘死の峡谷’から出てくる人間が普通な訳がないでしょう?」
ちなみにこの爆発の原因は、ハジメが投げた物。燃焼粉を詰め込んだ‘手榴弾’が爆発したからだ。しかもご丁寧に金属片が仕込まれた‘破片手榴弾’だ。地球のものと比べても威力が段違いの自慢の逸品。燃焼石という異世界の不思議鉱物がなければ、ここまでの威力のものは作れなかっただろう。
双葉はガングニールを片手で軽々と振るい、近くにいた兵士を纏めて五人ほど薙ぎ払う。ピンボールを弾く様に軽く振ったがその威力は魔物すら一撃で死に至らしめる。そんな物をヒト相手に振るえば……身体を木っ端微塵に砕かれ絶命する。
血飛沫を上げる間も無く、血煙に返され、残ったのは血溜まりにばちゃりと倒れる脚のみ。
その凄惨な光景を前に生き残りの兵士たちは浮足立ち、パニックに陥る。さらに、そこへ追い討ちをかける様に
ドパンッ!
双葉に目が行っていた一人が後頭部を撃ち抜かれ死亡する。何事か、と兵士が振り向くと他の仲間と同様に頭部を撃ち抜かれて崩れ落ちた。血飛沫が舞い、それを頭から被った生き残りの一人の兵士が、力を失ったように、その場にへたり込む。無理もない。ほんの一瞬で、仲間が殲滅されたのである。
白銀の腕を赤く血染め、剛槍が仲間を薙ぎ払い。どこか、物憂げな目をした女と目があった。気がつけば、無傷で生き残っているのは自分だけだと彼は気がついた。
他の兵士は死んでるか、或いは重症者、瀕死に陥った者だ。
「うん、やっぱり、人間相手だったら〝纏雷〟はいらないな。通常弾と炸薬だけで十分だ。燃焼石ってホント便利だわ」
兵士がビクッと体を震わせて怯えをたっぷり含んだ瞳をハジメに向けた。ハジメはドンナーで肩をトントンと叩きながら、ゆっくりと兵士に歩み寄る。黒いコートを靡かせて死を振り撒き歩み寄るその姿は、さながら死神だ。少なくとも生き残りの兵士には、そうとしか見えなかった。
「ひぃ、く、来るなぁ! い、嫌だ。し、死にたくない。だ、誰か! 助けてくれ!」
命乞いをしながら這いずるように後退る兵士。その顔は恐怖に歪み、股間からは液体が漏れてしまっている。ハジメは、冷めた目でそれを見下ろし、おもむろに銃口を兵士の背後に向けると連続して発砲した。
「ひぃ!」
「あのまま、ほっときゃ死ぬだろうが。こいつはせめてもの慈悲だ……」
兵士が身を竦めるが、その体に衝撃はない。ハジメが撃ったのは、手榴弾で重傷を負っていた背後の兵士達だからだ。
それに気が付いたのか、生き残りの兵士が恐る恐る背後を振り返り、今度こそ隊が全滅したことを眼前の惨状を持って悟った。
「──さて、少し教えてもらいたいこともあるし、ちょっといいか?」
面前に薄らと笑みを貼り付けたハジメが呆然としている兵士の額に、ゴリッと銃口が押し当てられる。再び、ビクッと体を震わせた兵士は、醜く歪んだ顔で再び命乞いを始めた。
「た、頼む! 殺さないでくれ! な、何でもするから! 頼む!」
「そうか? なら、他の兎人族がどうなったか教えてもらおうか。結構な数が居たはずなんだが……全部、帝国に移送済みか?」
ハジメが質問したのは、百人以上居たはずの兎人族の移送にはそれなりに時間がかかるだろうから、まだ近くにいて道中でかち合うようなら序でに助けてもいいと思ったからだ。帝国まで移送済みなら、わざわざ助けに行くつもりは毛頭なかったが。
「……は、話せば殺さないか?」
「お前、自分が条件を付けられる立場にあると思ってんの? 生殺与奪はこっちにあるんだが?」
「ま、待ってくれ! 話す! 話すから! ……多分、全部移送済みだと思う。人数は絞ったから……」
全員運ぶのは不可能。故に仕分けた、殺したと言う事なのだろう。
「‘人数を絞った’、ねぇ。それは、つまり老人など売れそうにない兎人族は殺したと?」
「全員運べないんだから、仕方ねぇじゃねえか!」
「もういい、黙れ」
静かな怒気を放つ双葉への返答。喚く様な兵士の言い訳にハジメは静かに殺意を怒りの炉に焚べる。
兵士の言葉は悲痛な表情を浮かべる兎人族達のハジメは、その様子をチラッとだけ見やり、彼らの代わりに執行……とは言わないが。報いを受けさせるべきと
「待て! 待ってくれ! 他にも何でも話すから! 帝国のでも何でも! だから!」
ハジメの殺意に気がついた兵士が再び必死に命乞いする。しかし、その返答は……
ドパンッ!
一発の銃声だった。
──
to be continued .
双葉の進化先、バランスブレイクはどちらを優先する?
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赤龍帝の鎧ベース。これしか勝たん
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白龍皇の鎧ベース。銀の腕だし映える
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二天統一ベース。オリジナル亜種禁手化
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禁手化を状況的に使い分けろ!