ありふれない天龍姫と魔王の異世界無双   作:ゆきほたる

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大樹の真実とシアの旅立ち

 ■双葉side

 

 深い霧の中、あたしたちは大樹に向かって歩みを進めていた。先頭をカムに任せ、他のハウリア達は周囲に散らばって索敵をしている。

 なお、彼らが相手取った熊人族と虎人族たちに関しては……うん。拳法()で徹底的に叩きのめし、ズタズタにされた彼らは矜持を求めるよう、虚な目にしていた様を見たあたしとハジメは流石にドン引き。いやまぁ好きにやれとは言ったけど、マインドクラッシュするほどまでやるとは……誰が思うか! 

 

 治療するように指示を出していたからまぁ……武人としての誇りは失っただろうけど、再起はできるでしょ。うん、流血沙汰にはなってなかったからヨシ! 

 とりあえず、ハジメが仕上げに脅してたけどあたしは何も見てない。そんなあたしの隣をシアがズーンと気落ちしながら歩いている……原因は言わずもがな。

 

「父様たちが死んだ……笑顔で慈愛とか言いながら相手を殴れるなんて……あんなの父様じゃないですぅ!」

 

 カムたちの豹変に心を痛めたためであり、若干あたしが責められている……のはまぁ仕方ない……ただ。ズルズル引きずるシアの性分だが、そろそろ立ち直ってくれないと若干ハジメがイラついてる。

 このままほっといたらキレそうなんだけどなぁ……ドンナーを今にも抜きそうになってるし、相当我慢してる? 

 

「いやまぁ、そこは散々謝ったじゃん? あそこまでなるとはこの双葉の目を持ってしても……」

「まぁまぁ、シアちゃん。人は変わるモノだし、ね? 今までのハウリア族だとこの樹海で生き残るには……うん」

「わかってます、わかってるんですよぉぉぉ!! 納得しようと、言い聞かせたくても……心がぁぁ! ハジメさん、一発殴らせてください! 亡くなった父様の仇です!」

 

 あたしと香織はシアが撃たれないように気を回すが、やっぱシアは納得できないご様子。うーんどうしたものか……あ。ハジメがドンナーに手をかけた。

 

「ピーチクパーチク、うるせえ! カムを勝手に殺すな!」

「え、ちょっ!? まっt──きゃふん!?」

 

 ドパンッ! 

 

 ハジメが怒鳴り、シアは静止を呼びかけようとするが不利を悟って逃げ出そうとするも……無慈悲な銃声が鳴り、背を向けたシアに非殺生弾のゴム弾が突き刺さる。なんか……尻に当たるよう多角撃ちしてるみたいだけど。

 そして撃たれ痙攣しながら気絶したシアを、あたしがおぶる羽目になったのは言うまでもなく。現在、気絶から回復したシアは尻をスリスリとさすりながら恨みがましい視線をハジメに向けていた。

 

「そんな目で見るなよ、鬱陶しい。自業自得だろ」

「鬱陶しいって、あんまりですよぉ。女の子のお尻を銃撃するなんて非常識にも程がありますよ。しかも、あんな無駄に高い技術まで使って」

「そういう、お前こそ、割かし本気で俺の頭ぶっ叩く気だったろうが」

「うっ、香織さんとユエさんの教育の賜物です……」

「えへん!」

「……シアはワシが育てた」

「……つっこまないからな」

 

 褒めて? とでも言うようにハジメを見る香織とユエに、ハジメは視線を逸らしてスルーしていた。

 そんなこんなで和気あいあいと? 雑談しながら進むこと十五分ほどで、あたしたちは遂に大樹の下へたどり着いた。

 そしてその大樹を見たあたしたちの第一声は。

 

「なんだこりゃ」

「枯れてるね……」

「……予想外」

「すごく、おっきいです……」

「「絶対つっこまんからな」」

 

 香織のボケをスルーしながら、所感を述べたあたしたちの大樹に対してのイメージは。勝手な想像だが、フェアベルゲンで見た木々のスケールが大きいバージョンを想像していたのである。

 

 しかし、実際の大樹は……見事に枯れていたのだ。

 

 大きさに関しては想像通り途轍もなく、直径は目算では測りづらいほど大きいが直径五十メートル以上。そしてなにより、明らかに周囲の木々とは異なる異様で、周りの木々が青々とした葉を盛大に広げているのにもかかわらず、大樹は枯れ木なのである……

 

「この大樹は、フェアベルゲン建国前から枯れている……しかし、今日まで朽ちることはなく、枯れたまま変化なく。誰かを待つようにここに佇んでいます」

「挑戦者を待つ、ってことかな?」

「そこまでは我々にもわかりかねる。ただ、周囲の霧の性質と大樹の枯れながらも朽ちないという点からいつしか神聖視されるようになり……しかし、それだけなので言ってみれば観光名所みたいなものとして扱われている」

「要するに、よくわからない代物なんですよねぇ」

 

 あたしのつぶやきを拾い、カムさんが解説してくれる。シアも分からないものだとつぶやいた。それを聞きながらハジメは大樹の根元まで歩み寄ると。

 そこには、アルフレリックさんの言っていた通り石板が建てられていたんだけど……

 

「これは……」

「オルクスの扉の……文様みたいだね」

「……ん、一致する」

 

 その石版には七角形とその頂点の位置に七つの文様が刻まれていて、オルクスの部屋の扉に刻まれていたものと全く同じものだった。

 ハジメが確認のため、オルクスの指輪を取り出すと……指輪の文様と石版に刻まれた文様の一つはやはり同じものだった。

 

「やっぱり、ここが大迷宮の入口みたいだな……だが……こっからどうすりゃいいんだ?」

 

 ハジメは大樹に近寄ってその幹をペシペシと叩いてみたりするが、当然変化などあるはずもなく、カムさんに何か知らないか聞くが返答はNOだ。

 アルフレリックさんの口伝は聞いているけど、入口に関する口伝はなかった。隠していた可能性もないわけではないから……ふと、石板を観察していたユエが声を上げる。

 

「……これ見て」

「ん? 何かあったか?」

「これは……仕掛けっぽいよ?」

「でかした、ユエ」

「……えへん」

 

 ユエが注視しているのは、石板の裏側だった。そこには、表の七つの文様に対応する様に小さな窪みが開いていたのである。

 

「これは……」

「……ここに入れろってことかな?」

「……試してみる?」

 

 ユエに促されたハジメが、手に持っているオルクスの指輪を表のオルクスの文様に対応している窪みに嵌めてみる。すると……

 

「うおっ!? なんだこれ?」

「石板が淡く輝きだしたね」

「綺麗な光だなぁ、フローライトが光るみたいだね」

 

 何事かと、周囲を見張っていたハウリア族も集まってきて……しばらく、輝く石板に見惚れていると次第に光が収まり……代わりに何やら文字が浮き出始めて、そこにはこう書かれている。

 

 ‘四つの証’

 ‘再生の力’

 ‘紡がれた絆の道標’

 ‘全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう’

 

「……どういう意味だ?」

「……四つの証は……たぶん、他の迷宮の証?」

「……再生の力と紡がれた絆の道標は?」

 

 頭を捻るハジメにシアがそれっぽい答えを出す。

 

「う~ん、紡がれた絆の道標は、あれじゃないですか? 亜人の案内人を得られるかどうか。亜人は基本的に樹海から出ませんし、ハジメさん達みたいに、亜人に樹海を案内して貰える事なんて例外中の例外ですし」

「……なるほど……シアにしてはいい着眼点だ」

「それっぽいね」

「それとなく私をディスるのはやめませんか!?」

「……あとは再生……私?」

 

 ユエが自分の固有魔法‘自動再生’を連想し自分を指差す。試しにと、薄く指を切って自動再生を発動しながら石板や大樹に触ってみるが……特に変化はない。

 

「むぅ……違うみたい」

「……ん~、枯れ木に……再生の力……最低四つの証……もしかして、四つの証、つまり七大迷宮の半分を攻略した上で、再生に関する神代魔法を手に入れて来いってことじゃないか?」

「ああ、神代魔法なら可能性はゼロじゃないってことか」

 

 ‘四つの証’は他にある迷宮の攻略時に得られる証を。

 ‘再生の力’は再生に関する神代魔法の取得。

 ‘紡がれた絆の道標’は亜人との絆を……いや、これは違うかもしれない。

 

「‘紡がれた絆の道標’はおそらく、心から信じ合える仲間だと思う」

「……その心は?」

「紡がれた絆ってのは多分、迷宮を攻略するにあたって必要なファクターじゃん?」

「なるほどな、ちくしょう。今すぐ攻略は無理ってことか……面倒くさいが他の迷宮から当たるしかないな……」

「ん……」

「仕方ないね。がんばろっか」

 

 ここまで来て後回しにしなければならないことに歯噛みするハジメ。どことなく香織とユエも残念そうだが、あたしも確かに同じ気持ちだった。

 まぁ、大迷宮への入り方が見当もつかない以上は。ここでぐだぐだと悩んでいても仕方ないか、という訳で気持ちを切り替えて先に三つの証を手に入れることにする。

 

 ハジメがハウリア族に集合をかける。

 

「いま聞いた通り、俺達は、先に他の大迷宮の攻略を目指すことにする。大樹の下へ案内するまで守るという約束もこれで完了した。お前達なら、もうフェアベルゲンの庇護がなくても、この樹海で十分に生きていけるだろう。そういうわけで、ここでお別れだ」

 

 そして、チラリとシアを見る。その瞳には、別れの言葉を残すなら、今しておけという意図が含まれているのをシアは正確に読み取った。いずれ戻ってくるとしても、三つもの大迷宮の攻略となれば、それなりに時間がかかるだろう。当分は家族とも会えなくなる。

 

 シアは頷き、カムさん達に話しかけようと一歩前に出る。しかし……彼は

 

「父様。私は……」

「ああ、わかっている。だが、今生の別れでもないだろう? 胸を張って前に進め、シア」

「……はい! 父様……今まで本当にありがとうございました!」

 

 シアをその腕に抱きとめ、カムさんは慈愛の微笑みを持ってして大事な我が子を抱きしめる。そして、彼はシアを抱きながら。

 

「……師父ハジメ」

「あ~、何だ?」

「我が娘、シアをどうかよろしくお願いいたします。甘やかせてしまいまして、我が子ながら出来は保証し兼ねます。ですが……誰よりも努力する子です。長所としては少し、誉めれたもんじゃありませんが……何卒、よろしくお願いします」

「父様、評価を落とさないでくださいよ!?」

「出来がいいならそれだけ自慢でもしてるさ。だが、おっちょこちょいかつ、鈍臭く。独断が過ぎるお前を褒めれるかどうかは……どうだ?」

「うぐっ!? 手痛い評価ですぅ〜っ!」

 

 戯れるシアに苦笑するカムさん……なーんだ、本質は変わってないなぁ。

 

「双葉さま。師父ハジメ……そして香織さん、ユエさん……あなた方の旅に良き幸運が訪れますよう、この樹海で祈っておきましょう」

「おう。まぁなんだ……お前等はここで鍛錬してろ。次に俺たちが樹海に来た時に、使えるようだったら部下として考えなくもない」

「……それはどのような意味でしょうか?」

 

 ハジメが何やら言い出した……いや、なるほど。部下ねぇ……

 

「今のお前らは弱い、ああ。弱過ぎるから、連れて行くのは無理だ」

「たしかにそうでしょうな。我々が束になっても師父に勝てる気がしません」

「だが、その精神力は本物だ。双葉に鍛え上げられたそのバグった精神力は、な。だから……それに見合うスペックになってたなら、連れて行ってやることもやぶさかじゃねぇ」

「……そのお言葉に偽りはありませんか?」

「ないない」

「嘘だったら、人間族の町の中心で師父の名前を連呼しつつ、新興宗教の教祖のごとく祭り上げますからな?」

「お、お前等、タチ悪いな……」

「そりゃ、師父の弟子を自負してますからな」

 

 カムさんの言葉にハウリア族がドッと笑う。こりゃ二連敗かよとハジメも言い負かされたことに苦笑で答えていた。気がつけば──香織もユエ、シアも笑顔になっていた。

 強くなった彼らが次に会う時はもっと強くなっていれば……期待しておこうと思う私も前を向くよう。

 

「まぁ、そんじゃ行きますか」

「だな」

 

 あたしはハジメと頷き合うのだった。

 

 □noside

 

 樹海の境界でカム達の見送りを受けた双葉達一行は再び魔力駆動二輪に乗り込んで平原を疾走していた。シュタイフ・ブルードの位置取りは、運転をハジメ、後部にユエの順番。シュタイフ・ローツはサイドカーに香織を乗せて。双葉が運転しており。後部にはシアを乗せている。

 

 肩越しにシアが双葉に質問する。

 

「双葉さん。そう言えば聞いていませんでしたが目的地は何処ですか?」

「えっとねー、まずは近場の街に行く予定だよ。帝国兵の持ってた地図に書いてあったからね……ハジメから聞いてないの?」

「聞いてませんよ!?」

「あら、ハジメ。ちゃんと教えてあげないとダメじゃん」

「あん? ……ナチュラルに忘れてたわ、すまん」

「……私は知ってた」

「ぬぁんですってぇ〜!? ひゃんっ!?」

「どうどう、シア。落ち着いて、ね?」

「流れるように、おっぱい触らないでください、イヤらしい手つきで揉まないでくださいよ!?」

「シア、暴れないで!? 制御してるのあたしなんだから……香織もいい加減にしなさいよ!?」

 

 ハジメは素で忘れていたようで、その後ろでは若干イラつかされるドヤ顔を披露したユエに、抗議の声を上げるシア。サイドカーで香織がどうどう、と彼女を嗜めながらセクハラする。

 やがてシアが抗議して抵抗なのか暴れてしまい、制御が乱れるからやめろと双葉が喚く。向こうは賑やかだなーと、ハジメとユエはジト目でその様を眺めていた。

 

 それから、落ち着いた一行は。ハジメと双葉は並走できるようにしてスピードを調整すると、ゆっくりと平原を走る。

 

「わ、私だって仲間なんですから、そういうことは教えて下さいよ! コミュニケーションは大事ですよ!」

「……報連相は大事」

「悪かったって。次の目的地はライセン大峡谷だ」

「ライセン大峡谷?」

 

 ハジメの告げた目的地に疑問の表情を浮かべるシア。現在、確認されている七大迷宮は、【ハルツィナ樹海】を除けば、【グリューエン大砂漠の大火山】と【シュネー雪原の氷雪洞窟】である。確実を期すなら、次の目的地はそのどちらかにするべきでは? と思ったのだ。その疑問を察したのかハジメが意図を話す。

 

「一応、ライセンも七大迷宮があると言われているからな。シュネー雪原は魔人国の領土だから面倒な事になりそうだし、取り敢えず大火山を目指すのがベターなんだが、どうせ西大陸に行くなら東西に伸びるライセンを通りながら行けば、途中で迷宮が見つかるかもしれないだろ?」

「つ、ついででライセン大峡谷を渡るのですか……」

 

 ライセン大峡谷は地獄にして処刑場というのが一般的な認識であり、つい最近、一族が全滅しかけた場所でもあるため、そんな場所を唯の街道と一緒くたに考えている事にシアは内心動揺、双葉の腰に回した手を締めてしまう。

 たわわを押し付けられ、シアの早る鼓動に気がついた双葉は。そんな彼女を嗜めるように双葉が落ち着いた声音で

 

「大丈夫だよ、シア。少しは自分の力に自信を持ちなよ。今のあなたなら谷底の魔物もその辺の魔物も一捻りできるじゃん?」

「双葉の言う通りだ。ライセンは、放出された魔力を分解する場所だぞ? 身体強化に特化したお前なら何の影響も受けずに十全に動けるんだ。むしろ独壇場だろうが」

「……師として情けない」

「うぅ~、面目ないですぅ」

 

 ハジメとユエにも呆れた視線を向けられ目を泳がせるシア。それを見かねた双葉が助け舟をと話題を逸らした。

 

「出来れば、食料とか調味料関係をもっと充実させたいし、今後のためにも素材を換金しておきたいから町がいいな」

「干し魚や干し肉には飽きたのか? つか、お前……なんで味噌を隠してたんだよ」

「いや、そ、それはだね。まだ完成してないから……」

「……言い訳無用……アレはアレで完成された味」

「そだねー。双葉って食にはほんっとにこだわるから、そこはちっさい頃から変わんないよね」

「うっさいわよ!? もう味噌汁出さないわよ!?」

「「「それは勘弁してください」」」

 

 双葉を揶揄う三人はその一言でノックアウトされていた……双葉としてはいい加減、まともな料理を作り、食べたいと思っていたところだ。ハジメ達も同じ気持ちであり。今後、町で買い物なり宿泊なりするなら金銭が必要になる。

 素材だけなら腐る程持っているので換金してお金に替えておきたかった。それにもう一つ、ライセン大峡谷に入る前に落ち着いた場所で、やっておきたいこともあったのだ。

 

「はぁ~そうですか……よかったです」

 

 なお、双葉の言葉に、何故か安堵の表情を見せるシア。それを見たハジメが訝しそうに「どうした?」と聞き返す。

 

「いやぁ~、双葉さんとハジメさんのことだから、ライセン大峡谷でも魔物の肉をバリボリ食べて満足しちゃうんじゃないかと思ってまして……ユエさんはハジメさんか、双葉さんの血があれば問題ありませんし……どうやって私用の食料を調達してもらえるように説得するか考えていたんですよぉ~」

「あたしをなんだと思ってるの、シア」

「当たり前だろうが!? 誰が好き好んで魔物なんか喰うか! ……お前、俺達を何だと思ってるんだ……」

「杞憂でよかったです。双葉さんもまともな料理食べるんですね! プレデターとキチガイドラゴンという名の新種の魔物?」

「シア、口は災いの元だよ???」

「OK、お前、町に着くまで車体に括りつけて引きずってやる」

「ちょ、やめぇ、どっから出したんですかっ、その首輪! 何双葉さんにパスして!? ホントやめてぇ~そんなの付けないでぇ~、香織さんも、ユエさん見てないで助けてぇ!」

「「……自業自得」」

 

 ある意味、非常に仲の良い様子で騒ぎながら草原を進む一行。

 

 数時間ほど走り、そろそろ日が暮れるという頃、前方に町が見えてきた。ハジメ達奈落に落ちた者達の頬が綻ぶ、それは、奈落から出て空を見上げた時のような。

 ‘戻ってきた’という気持ちが、湧き出したからだ。ユエもどこかワクワクした様子。

 

「あのぉ~、いい雰囲気のところ申し訳ないですが、この首輪、取ってくれませんか? 何故か、自分では外せないのですが……あの、聞いてます? 皆さん? ちょっと、無視しないで下さいよぉ~、泣きますよ! それは、もう鬱陶しいくらい泣きますよぉ!」

 

 シアは結局、街に着くまで首輪を外してもらえることはなかった。

 

 ──

 

 to be continued .

 


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