トレセン学園はトレーナーも魔境(荒木荘風味) 作:銀能神
「君がディオ・ブランドーだね?」
「えっ、誰その人……ボクはトウカイテイオーだよ!」
トレセン学園のとある一室、そこにトウカイテイオーとその男は居た。
「あはは! ごめんごめん、昔を思い出してしまってね、少しふざけてしまった。許してくれトウカイテイオー君」
「もぉーボクの方が間違えちゃったんじゃないかってびっくりしたじゃないかー!」
男は若々しい容姿で全身から溢れ出るパワーの様なものに満ち溢れていた。
トウカイテイオーはそれを見て目的の人物とは違うのではないかと考える。
「それでそれで、君がボクをジョナサン・ジョースターっていうトレーナーの元まで連れていってくれる人?」
そんな様子を見て男はキョトンとした顔をした後、笑いを押さえきれなかったように少し吹き出した。
「ぼくがそのジョナサン・ジョースターだ」
「えっ」
あり得なかった。
トウカイテイオーが皇帝シンボリルドルフから聞いた言葉には確かに御年100を越えた超の付くベテラントレーナーだという話だったので正直ボケて無いかな? とかここから病院に車で移動するのかな? とかそういうことも考えてたのだ。
だが目の前の人物はそれを自分の事だと言う。
(どれだけ多く見積もっても40くらいにしか見えないんだけど……)
思わず叫び出したい気分であった。
「う、うそ……だよね?」
「うん? ……あぁ! 成る程、見た目の事を言っているんだね。これはぼくが凄いんじゃなくて波紋法という技術が凄いんだ。長くなるから割愛させてもらうけど、この技術は長生きや健康に凄く効果があってね」
長生きとか健康法とかのレベルではない若々しさ何ですけどという言葉を何とか飲み込んでトウカイテイオーは一先ず落ち着くことにした。
「あははは! 初対面の人は皆驚くからね。さて、中に入って紅茶を淹れるからゆっくりと話をしよう。大丈夫昼休みまでに終わる……とは言い切れないがぼくは大体ここに居るからね、また会いに来てくれれば良い」
「じゃあ、お、おじゃましまーす」
▲▼▲▼▲▼▲
「えっ!? そのトレーナーにカイチョーの方から逆スカウトしたの!??」
「へぇ、そのトレーナーぶちギレながらカイチョーをサウジアラビアカップに送り出したんだ……」
「へー、一冠目の時そんなに落ち着いてたんだね。まるで勝つのが当然って感じで……でもサウジアラビアカップにはぶちギレたんだ……」
「やっぱジャパンカップの時は大喧嘩とかしたんだね、最終的には送り出したみたいだけど」
「そんな裏エピソード聞いたこと無かったなぁ……カイチョーは全然話してくれなかったし」
「うん、ルドルフ君にとっても幾つか黒歴史的なものもあったし恥ずかしかったんじゃないかな?」
途中からいつの間にかシンボリルドルフのトレーナーの話というよりシンボリルドルフの裏エピソードの様なものに変わっていっていたがトウカイテイオーむしろ楽しんで話を聞いていた。
そして、 昼休み終了前の合図を知らせる予鈴が鳴り響く。
「あっ!」
「もうこんな時間か……」
「えぇー! まだまだ聞いてたいのに!」
そう愚痴りながらトウカイテイオーは急いで次の授業へと向かう準備をする。
それを暖かい目で見ていたジョナサンは思うところがあり、それを口に出した。
「トウカイテイオー、君はルドルフ君の事が本当に大好きなんだね」
「うん! トウゼンだよ! だってカイチョーはねぇ───」
「君は憧れだけでいいのかい?」
「えっ?」
トウカイテイオーの動きが止まる。
そんなことを言われたのは初めてだったから、何を言われているのかわからずに振り返る。
そこにはまるで何事も無かったかのようににこやかに微笑むだけのジョナサンが居る。
「ねぇ、今なんて──」
「もう間に合わなくなってしまうよ?」
「え、あっ!」
確かに、この場でまた話し込んでしまうと完璧に遅刻してしまうと、トウカイテイオーは走り出す。
途中走るなという注意をされた気がするがトウカイテイオーの頭の中はあの時聞こえた言葉が永遠とリフレインしていた。
「あっ、そう言えばもうすぐ選抜レースだ……」
豆知識『トレーナー2』
トレーナーの中には見た目と内実の年齢が途轍もなくかけ離れている場合がある。
その場合の多くがトレーナーが波紋法という特殊な呼吸法を納めている。
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