なので勢いに任せて書きました。
思いついたネタをやっていくので不定期に更新すると思います。
幾度の夜を繰り返した。
何度も何度も何度も何度も。
同じ夜を繰り返してまた同じ夜を繰り返す。
数えるのも億劫になったある時、好奇心からゲールマンの介錯を断り、戦闘となった。確かに彼は強く、最初の狩人というだけあって手強かった。しかしこちらも数多の夜を超えてきた狩人。ゲールマンを何とか撃破したとき、空から何かが降りてきた。そいつに自分は何もできず、奴の傀儡に落とされてしまった。
それからの夜は奴の正体を暴くこと、そしてあの怪物を狩り、繰り返す獣狩りの夜を終わらせることへとチェンジした。これまでは繰り返される夜に飽き飽きしていたが、明確な目的のあるあの頃は平穏では無かったが充実していたと思う。
その後、ビルゲンワースにて「月の魔物」、「三本の三本目」なるものを知り、ビルゲンワースの中の本や資料をひたすらに読み漁りあの怪物、月の魔物を狩るための準備を着々と進めた。そして、
「すべて、長い夜の夢だったよ…」
ゲールマンを倒し、前回と同じく月から降りてきた月の魔物を見据える。ただし、今回は奴の傀儡にはならない。理屈はわからないがあの三本のへその緒を使用することであの上位者にも対抗できるようになるらしい。
「殺してやる。いや、狩り殺す」
狩りは呆気なかった。この程度だったのか。
こいつのせいであの夜は終わらなかった。こんな奴のためにゲールマンは囚われていたのか。
ゆっくりと意識が薄れていく。今までとは少し違う、安らかで微睡む様な。
「これで、終わりか…」
視界が暗闇に落ちていく最中声が聞こえた。
「狩人様。貴方の目覚めが有意なものでありますように」
「ああ、ありがとう人形ちゃん。俺は…」
目覚めた時はじめに目に入ってきたのは一面の緑。介錯され目覚める聖堂街の広間ではなく、命溢れる草原だった。
「やっと解放された。 あの忌々しい悪夢から… ははっははははは!」
とめどなく涙があふれてきた。初めてあの悪夢に巻き込まれ、心が折れかけた時以上に泣いた気がする。
「はぁ 落ち着いてきた。何をしようか、ううむ…」
やりたいことはたくさんある。例えばヤーナムではありえなかったこの光景を楽しみながらどこか人がいる場所を探してみようか。謎の血を輸血されてからは食事は必要なくなったとはいえ、旨いものを食べたいという欲求が消えたわけではない。
「でもまずは…もうしばらく休もう。あれだけ頑張ったんだ。少しくらいは良いだろう。 しかし、本当に綺麗だな…」
結局この日、狩人は日が沈むまでそこを動かなかった。
ところ変わってモンド城
数々の事件を解決し、一躍モンドの有名人となった栄誉騎士こと蛍は冒険者協会の依頼をこなしつつ、はぐれた兄を探して旅をしていた。
最近では見つからないのではないかという不安に駆られることもあるが決して諦めず、パイモンとともに冒険を続けていた。
「栄誉騎士!探したよ!」
「アンバーどうしたの?」
「あんたが探してるお兄さん見つけたかも!」
「「本当!」か!」
「見慣れない服装で変わった武器に金髪だったよ! あ!待って案内するから置いてかないで!」
「あっ おいらを置いてくなー!」
アンバーは蛍を落ち着かせ、兄らしき人を見かけた所へ案内していた。
最近ヒルチャールの惨殺体がたくさん見つかったとの報告を受けて偵察騎士としてあたりの調査をしていたところ、蛍の兄らしき人物を見つけたらしい。
「本当にこのあたりなの?」
「うん。声をかけようとしたらどこかに行っちゃってて…」
「でもここって最近ヒルチャールの惨殺体がたくさん見つかってるって聞いたぞ… 何か恐ろしい魔物がいるんじゃないのか?」
「栄誉騎士なら大丈夫だよ。 あっ あそこ!ヒルチャールの集落から何か聞こえるよ!誰か襲われてるかもしれない、行こう!」
ヒルチャールの集落に到着したときにはもはや壊滅状態であり、あたり一面にはおそらくヒルチャールだったかもしれないものがあちこちに散乱していた。
「うっ これはひどい」
「地面には何か重いもので叩きつけられたみたいな跡がたくさんついてる… まだ温かいし、これをやった犯人は近くにいると思うよ」
「えっまさかこれをやったやつを追いかけるのか! アンバー! 考え直せよ!」
「でもこれは私の偵察騎士としての使命だから。それにもし悪い人だったらなおさら見つけないと、モンドの平和と安全は私が守らなきゃ」
「私も手伝うよ。この近くにお兄ちゃんがいるかもしれないんでしょ? それにこれでも栄誉騎士だからね、モンドの安全は私にも守らせて」
「旅人~! ありがとう!」
「お おいらも手伝うぞ!でも、危なくなったら逃げるからな!」
「分かってるって! この近くにもう一つヒルチャールの集落があるからそっちも見てみよう」
蛍とアンバー、パイモンはヒルチャールに気づかれないようにこっそりと集落に近づこうとした時、
ドゴオ!!‼ ギャリギャリギャリ‼!
「ヒィ!」
「パイモン、静かに」
すさまじい轟音が聞こえた。
どうやら集落の中から聞こえてきたようであり、先ほどの惨状を生み出した者が確実にいることを示唆していた。
茂みから顔を出したアンバーはあることに気づいた。
「あっあそこに立ってる人、あんたのお兄さんじゃないの?シルエットが少し違ってるけど、服装はさっき見たのと同じだよ!」
それを聞くや否や蛍は茂みを飛び出し、集落の中に立っていた人物に向かって走っていった。それを追いかけアンバーとパイモンも続いた。
近づくにつれてその人物の詳細が見えてきた。
しかしその人物は…
「お兄ちゃ…」
「私はやったんだあーっ!
ヒャハハハハハハハァーッ!」
ただひたすらに血塗れだった。
「…ねえ旅人。この人があんたの
「違う」
正体表したね。
この狩人、頭はアルデオ、そのほかは狩人シリーズ。
変態ですね。 でもたまにやりたくなるよね