奴さんキラ対策万全なんだ!
「まさかまたここに戻ってくることになるとはな……」
「グレイトォ……って気分じゃねぇな……」
「…………俺たちの………」
「始まりの場所…………だね」
エターナル級二番艦エタニティから出てきた四機のMS
彼らは全員この四年間で起こった戦争を生き残ってきた英傑たちである
彼らがいるのはその英傑たちが自らの愛機と出会った場所のなれの果て
ヘリオポリスである
「ここに本当にあるんだろうな?」
「ターミナルからの確かな情報だよ。このヘリオポリス跡地に出した偵察隊も消息を絶っているし……」
ファントムデュエルを纏ったイザークがストライクフリーダムを纏ったキラに確認する
このヘリオポリス跡地で多数のMSの反応をつかんだのが三日前
偵察隊を編成し、派遣したのが二日前
だが派遣した偵察隊はだれ一人帰ってこなかった
「にしても、なんでこんなところを選んだかねぇ?敵さんは」
「ここは人々に忘れられて久しいからな。
現に俺たちもここのことはノーマークだったしな」
ファントムバスターを纏うディアッカの問いにインフィイニットジャスティスを纏ったアスランが答える
前々大戦、この場所は中立地域でありながら地球連合の圧力に耐えられず、五機の『G』と呼ばれるMSを開発していた
『ストライク』
『イージス』
『ブリッツ』
『デュエル』
『バスター』
この五機は、当時のMSの全てを凌駕するスペックを持っており、ストライクに撃破されたブリッツとストライクと相討ちになったイージス以外の三機は前々大戦の最後まで戦い抜いた
そして当時の五機の『G』の内四機のパイロットたちである彼らは、今またこの始まりの場所へと帰ってきていた
「各員気を引き締めろ!どうやらお出ましのようだぞ……!」
イザークの言葉で他の三人は会話をやめて前を見据える
ヘリオポリスより出てきたのは十機のMS
いずれもアスランにとって因縁深い機体であった
「デスティニー………!」
「量産は完了しているということか!」
「各機散開!相手のスペックは未知数だ!いつでも味方をフォローできる位置につけ!」
イザークの号令で四人は近づきすぎず、離れすぎずの位置に付く
それと同時に十機のデスティニーが同時に牙をむく
ある機体はビームライフルを乱射し、またある機体はブーメランを投擲する
それを躱し、あるいは盾で受けながらそれぞれの間合いに入るべく全身を始める四人
「僕が敵機の隊列を崩す!みんなはその隙に!」
言うが早いかキラがドラグーンを展開し、すべての火器を敵機に向けて放つ
ドラグーンフルバースト
圧倒的なビームの嵐を回避するべく、十機の運命はそれぞれ回避行動をとる
その隙を見逃す彼らではなく、アスランとイザークは一気に接近する
「いけぇぇぇ!!」
「このっ!!」
一機撃破、一機行動不能
「相変わらず甘い戦い方だな!貴様らは!」
「そんな戦い方じゃ、いつか足元掬われるぜっと!」
ファントムバスターからの支援射撃を受け、一機のデスティニーが体勢を崩す
そこへイザークが容赦なくビームサーベルを突き刺す
キラからの遠距離射撃もあり、瞬く間に十機の運命は鎮圧された
「にしても手ごたえなさすぎだろ……ホントにこんなやつらに偵察隊は負けたのか?」
「待て、ディアッカ。どうやら本命が来たみたいだ」
レーダーに新たなMS反応
そちらに目を向けると新たに四機のデスティニーがいた
素体は今までの量産機と同じ
だが量産機にはなかったユニットが背部につけられている
「あれは………エールストライカー!?」
「忌々しいものを背負いよって!!」
「おいおい!まるでバスターじゃないか!」
「高軌道戦用のエール、遠距離戦用のバスター、他は見たことがないな」
「ちょっと待って………あった!ノワールストライカー?I.W.S.Pの改良型か!」
「最後のは何だ!?」
「オオトリ装備………これもI.W.S.Pの発展型だよ!僕も一度使ったことがある!」
「こいつはまた………シルエットシステムは伊達じゃないってか?」
「来るぞ!」
バスター装備が二挺のライフルを連結させて撃ってきたのを合図に戦闘が始まる
「俺はエール装備をやる!四年前の憂さ晴らしをしてやる!」
「まだ根に持ってたのかよ………バスター装備は俺が抑える!他は頼んだぞ!」
「了解!ノワール装備は俺がやる!キラはオオトリ装備を!」
「わかった!」
普通なら一機ずつ全員で落としていくのがセオリーだが、それは普通の場合である
彼らはいずれも歴戦のパイロットたちであり、またそれぞれが自分の実力に少なからず自信を持っていた
「貴様を見ていると傷の痛みを思い出すんだよ!!」
イザークがエール装備と切り結ぶ
ミラージュコロイド技術の普及でビーム同士が干渉し合うようになり、今まではなかったビームサーベルの鍔迫り合いが起こる
「でぇい!!」
力任せに相手を押し返す
体勢が崩れたところを肩に装着されている《シヴァⅡ》で打ち抜く
実弾武装ゆえにVPSに阻まれ撃墜とまではいかないが、確実にダメージを与える
「さっさと堕ちろぉ!!」
「まったくイザークの奴………熱くなりすぎだっつの」
ビームを撃つ
避けられる
撃たれる
避ける
やることはどちらも同じ、相手の動きを読み、相手が動くであろう場所にビームを打ち込む
傍から見ればただの撃ち合い
だが、当人たちは一度のミスが命取りになる詰将棋をしているのである
「グレイトォ………俺についてこれるなんてやるじゃないか……!」
ディアッカは確かな昂揚感の中にいた
今までの戦いはこちらが遠距離から圧倒するか、それとも一方的に数で蹂躙するかしかなかった
一対一………それも自らと同じ完全砲戦特化の相手との戦い
(そうだ…!俺はこんな戦いがしてみたかった!)
今までの敵はディアッカと戦うときはすぐに距離を詰めようとしてきた
だがこの敵は違う
自分の得意な距離を捨てず、ディアッカと同じ土俵で心行くまで戦ってくれる
「グゥレイトォ!!最高だぜお前!!」
(乗せられているな……!あいつら!)
この流れはよくない
早くこのノワール装備を倒して他の援護に回らなければならない
だが敵の実力もエース級
迂闊に飛び込むことはできない
「くそっ!」
アスランは焦る
このままでは取り返しのつかないことが起こるのではないか
そんな予感が彼の心を支配する
「邪魔をするな!」
「くっ!強い!」
実際に使ったことがあるので相手の性能も装備も理解できる
だが攻めあぐねる
この感覚は覚えがある
(彼女と………シンと戦った時と同じ!?)
こちらの攻撃が悉く躱される
相手はこちらが武装しか狙わないことを熟知しているのだ
《そんな戦い方じゃ、いつか足元掬われるぜっと!》
今しがたディアッカに言われたことを思い出す
キラは一度ディアッカの言う通り足元を掬われている
(それでも………殺したくないんだ!)
だから無駄だとわかっていても武装を狙い続ける
「当たれぇぇ!!!!」
「これでっ!!」
脚部に装備されたビームサーベルがノワール装備の武装を切り落とす
両手を落とされ、なおも装備されたレールガンで抵抗するノワール装備に蹴りを入れる
その衝撃でパイロットは気絶
命に別状がないのを確認してから仲間たちの現状を確認する
(苦戦しているのは………キラか!)
イザークは押しており、ディアッカは余裕を見せているので大丈夫だと判断し、一番苦戦しているキラの援護に回る
「大丈夫か!?キラ!」
「アスラン!?ごめん!助かった!」
後ろからオオトリ装備の腕を切り落とす
オオトリ装備にスキができ、その隙にドラグーンですべての武装を無力化する
見ればイザークとディアッカのほうも戦闘を終えていた
「よし、このまま突入するぞ」
「りょ~かい」
「ふん!」
「行こう!」
そうして彼らはヘリオポリス内部へと機体を進めていった
ファントムデュエル、ファントムバスター
どちらもザフトが鹵獲したデュエルとバスターを改良したもの
基本武装は変わらないが、装甲はVPSになっており、武装もすべてグレードアップしている
本作のオリジナル機体である
今回のデスティニー!
エールシルエット装備の『エールデスティニー』
バスターシルエット装備の『デスティニーバスター』
ノワールシルエット装備の『デスティニーノワール』
オオトリシルエット装備の『デスティニーオオトリ』
最初に出てきた十機の量産型はシルエット未装備です。
つまり皆さんMGを組み立てた時に一度はやったことがあるであろう背中に何も背負っていない状態のデスティニーです!
ちょっと戦闘描写が少なかったかな?
因みに四人しかいないのは偵察隊が悉くやられているので半端な兵士では四人の足手まといになるからです。
ついに姿を現した量産型デスティニー『コンクルーダーズ』
はたしてヘリオポリスの奥には何があるのか?
そしてシンは本当に生きているのか?
次回!運命の翼の少女 PHASE-5 「消えぬ傷跡」
真実を知るために 飛べ! アスラン!
これからPHASEシリーズには次回のPHASEシリーズの予告を入れていきます!
この次もPHASEシリーズっていうわけじゃないからね!