[IS]運命の翼の少女   作:名無しのごんべい

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まさかオリキャラがこんなことになるとはだれも思うまい!


第三十二話 「現実あるいは決意」

右手に持った《雪片・甲》を振り下ろす。

 

それを目の前の男は盾で受け止める。

その体勢のまま左手の《雪片・乙》を振り上げようとして、白式のセンサーがアラートを示す。

 

咄嗟に男を蹴り飛ばして回避。

 

さっきまで俺がいたところを無数のビームが通り過ぎていく。

 

(くっ!やりずらい!!)

 

迂闊に足を止めれば周りにいる無人機(ハイパーセンサーのおかげで中に人がいないのは確認済みだ)にハチの巣にされる。

それでも無人機の数は最初に出てきたときよりだいぶ減っている。

 

(進がやったんだよな……)

 

三十はいた無人機もあと十機ほどしかいない。

あの数の機体相手にたった一人でここまで戦った進の技量の高さに改めて驚愕する。

 

 

 

『こことは違う世界で、その女は何百という人を殺している』

 

 

 

 

目の前の男が言った言葉が脳裏によぎる。

 

(……だからどうした!!)

 

雑念を振り払い、雪羅の砲塔を無人機に向ける。

 

発砲。

 

直線状にいた二機が荷電粒子ビームに巻き込まれて爆発する。

 

今までのように足を止めて砲撃しなくていい分、こちらの被弾率が格段に減った。

 

無人機のうち一機が斬りかかってくる。

それを両手の雪片で受け止め、雪羅をクローモードにして無人機の後ろに飛ばす。

 

そのまま後ろからクローを突き立てる。

 

クローが貫通して無人機は動かなくなる。

 

(これは……練習が必要だな!)

 

クローを飛ばすにはかなりの集中力が必要みたいだ。

それに飛ばしてからの動きが遅い。

無人機だから当たったけど、もし有人だったら簡単によけられる。

 

「なかなか面白い武装だな」

 

その声と同時にミサイルが飛んでくる。

 

その数4。

 

雪羅が変形し、大きな盾になる。

 

「ふむ、その武装だけで斬撃、射撃、防御全てできる自立ユニットと言ったところか。特性としてはデストロイのシュトゥルムファウストに似ているな」

 

爆炎を突き破って男が接近してくる。

《雪片・甲》を構えて襲い掛かる斬撃を防ぐ。

 

「先ほどのお返しだ」

 

《雪片・乙》で斬り付けようとした瞬間、腹部に蹴りを入れられる。

 

「ぐっ!!」

 

体勢が崩れたところにまたしてもビームの雨が降り注ぐ。

雪羅を零落白夜のシールドモードで起動し、ビームをすべて無効化する。

 

体勢を立て直し、男と無人機を見上げる。

 

「威勢よく出てきたと思えばこの程度とはな……。

その程度の実力で私の邪魔をするとは」

 

確かに、今の俺の実力じゃこの男には勝てない。

 

数合斬り合っただけで分かる。

いま俺がこうやって生きているのは白式の性能のおかげだと。

 

(だからどうした!!)

 

さっき決めたじゃないか!

進を守るって!

あの男がどれだけ強くても、それで俺がここをどく理由にはならない!

 

今、俺の後ろには進がいる。

命を賭して守るべき存在がいる。

 

「だから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺に力をよこせ!!白式!!

 

進を守る力を!!」

 

 

 

操縦者(ハンドラ―)の要請を確認》

 

《《雪片・真打》を起動します》

 

 

 

《雪片・甲》と《雪片・乙》が変形する。

 

目の前に表示されるマニュアルに従って両手に持つ雪片を合わせる。

 

展開と変形を繰り返し、そこに雪羅もいくつものパーツに分解された状態で雪片と合体する。

 

 

《展開完了》

 

操縦者(ハンドラ―)の健闘を期待します》

 

 

「ああ、任せろ。白式」

 

今まで使っていた《雪片・弐型》と変わらない大きさ。

だけど弐型よりはるかに重く、力強い印象を受ける。

 

「奇怪な武装だな。何もさせるな。やれ」

 

目の前の男が無人機に命令を飛ばし、無人機の持つ銃口が火を噴く。

 

「おおおおおおおおおお!!!!」

 

雪片を真一文字に一閃。

その斬撃の後を描くように雪のような白い粒子が舞い、粒子が高質化する。

 

高質化し、盾となった粒子にビームが阻まれる。

 

「なに!?」

 

驚く男を無視し、零落白夜を起動。

雪片が展開し、ビーム刃が姿を現す。

 

「守ってみせる!絶対に!!」

 

なおも雪片にエネルギーを送る。

ビーム刃がどんどん巨大化し、百メートルは優に超える刃が出来上がる。

 

「なんだ!?それはなんだ!?」

 

「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

振り下ろす。

零落白夜で創られた刃は、すべての無人機を飲み込み、高台を超え、空を割った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……ハァ」

 

「お、おのれ…………」

 

機体の各所から火花を飛ばしながら、男は呻く。

一応直撃しないように少しずらして振り下ろしたが、余波だけでもかなりのダメージを負ったようだ。

 

「くっ!機体のダメージが……。

おい小僧!名は何という?」

 

「一夏……織斑一夏」

 

「織斑一夏……私の名はカズキ・ヤマモト二尉だ。

今日のところは引く。だが、この決着はいずれつけさせてもらうぞ!」

 

そう言ってカズキと名乗った男は空にあいた穴の中に入って行った。

 

カズキが入ってすぐに穴は閉じ、空は元の夜の暗闇を取り戻した。

 

「……終わった……のか?」

 

白式を解除し、しばらく呆然とする。

 

あたりを見回し、絶句する。

 

一面が焼け野原だった。

あの静かで、神社に来る人たちの憩いの場になるはずだったこの高台は、今は何もない。

 

「これが…………本物の戦場?」

 

戦った後に何も残らない。

こんなものが、本当の戦い?

 

「そうだ!進!」

 

我に返り、進のもとに駆け寄る。

出血がひどい。

 

「「「「「一夏(さん)!!」」」」」

 

「いっくん!」

 

「みんな!束さん!!進が!!」

 

「っこれは!」

 

「ひどい……」

 

「すぐ病院に!」

 

進をISから降ろそうとして、

 

「ISが外れない!?」

 

どういうことだ!?

 

「多分、インパルスのコアがあーちゃんを守ろうとしてるんだと思う。

今、インパルスは必死に戦ってるんだよ。あーちゃんを守るために、自分の身を犠牲にして展開し続けてる」

 

だけど…このままじゃ病院に連れて行けない……。

 

どうすれば…!?

 

「いっくんはそのままでいいからあーちゃんを学園まで連れて行って!あそこは下手な医療機関よりも設備が整ってるから!

白式を起動して最高速でかっ飛ばして!」

 

「はい!!」

 

言われた通り、白式を起動。

 

進を抱えてIS学園に向かって飛ぶ。

 

「頼む……!無事でいてくれ!死なないでくれ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

進!!」

 

 

 

 

 

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歩けない……。

 

「もう……無理だよ……」

 

足元の亡者たちが私にすり寄ってくる。

が、抵抗する気はない。

 

そんな気も起きない。

 

「トダカさん……」

 

私にとって恩人だった。

家を、

故郷を、

家族を奪われた私に、生きるすべを教えてくれた。

 

どんなに私がきつく当たっても、いやな顔一つせず私に接してくれた。

 

プラントに行くのを薦めてくれたのもあの人だし、私が軍人になると言った時も私ならだれかを守れると勇気づけてくれた。

 

ずっと感謝してた。

 

ザフトに入ってからも、あの人だけには手紙を送り続けた。

最近年齢が原因で退役を考えているとも言っていた。

 

だから、戦争が始まり、あの人に手紙を出せなくなった時も安心していた。

 

トダカさんは退役を考えていると言っていた。だから戦場で会うこともない。とっくに軍をやめているはずだ。

 

そう思っていた。

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

膝を抱えて座り込む。

今まで必死に走ってきた。

走れなくなっても歩いてきた。

歩けなくなっても這ってきた。

 

ずっと我武者羅に前に進んできた。

 

そうすれば何時か、戦争のない平和な世界になると信じて。

 

だけど、もう限界だ。

 

もう走れない。

もう歩けない。

もう進めない。

 

「誰か…………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たすけて……」

 

 

私の声は闇の中に吸い込まれていった。

 

 

 

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「千冬姉、進は?」

 

「まだ目覚めない。飛鳥が目覚めない限りISを解除できん。

そしてISが解除されなければ飛鳥の治療もできん」

 

千冬姉から告げられたのは絶望的な言葉だった。

 

あの襲撃から一夜明け、千冬姉も束さんもあらゆる手を尽くしたが進のISは進を守るようにすべてを拒絶していた。

 

「一夏。お前ももう寝ろ。昨夜の襲撃からずっと飛鳥につきっきりだろう?」

 

「千冬姉こそ、休んだ方がいいんじゃないか?学園内なのに俺のこと名前で呼んでるよ」

 

「む……」

 

千冬姉も事後処理や進のISの調査で一睡もしていないだろう。

普段は学園内では俺のことを名字で呼ぶのに、いつもの素が出てしまっている。

 

「俺は大丈夫だけど、千冬姉が倒れたりなんかしたら一大事だろ?せめて仮眠くらいとってくれ」

 

俺の言葉に、千冬姉は押し黙る。

そして少しして、

 

「分かった。私も少し仮眠をとってくる。

一夏、お前も少し寝ておけ。

これは教師ではなく姉としての命令だ」

 

「……わかった」

 

そうして俺は千冬姉と一緒に治療室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!いた!おーーーい!!ちーちゃん!いっくん!」

 

仮眠をとろうと保健室に向かう途中、束さんが廊下の向こうからやってきた。

 

「うるさいぞ束。どうした?」

 

「うん!あーちゃんを起こす目途が付いたから呼びに来た!」

 

「……え?」

 

今なんて?

 

「いろいろシュミレーションしてみたんだけどね?やっぱり相互意識干渉(クロッシングアクセス)を使ってあーちゃんの心と直接会話するしかないかなぁって」

 

相互意識干渉(クロッシングアクセス)?」

 

「お前がかつてラウラとしたものだ」

 

「………ああ!あのVTシステムの時の!」

 

あの時はなかなか大変だった。

 

「そう!IS同士の情報交換ネットワークの影響により、操縦者同士の波長が合うと発生する現象。潜在意識下での会話や意思の疎通が可能になると言うすごいシステム!詳しい説明は省くね」

 

「正直説明されてもわからないと思うからそれでいいです」

 

「うん。それを使ってみんなであーちゃんの心と接触してもらうの」

 

「それで、進は目を覚ますんですか!?」

 

「いけるはずだよ。あーちゃんが拒まなければ」

 

「それなら大丈夫です!

あいつが嫌がっても連れて帰ります!」

 

俺の言葉に目を丸くする二人。

 

「…?な、なんだよ?千冬姉」

 

「いや、一夏。お前変わったな」

 

「へ?」

 

「うん。前より男前になってるねぇ~。

あーちゃんのことがなければ束さん惚れてたよ。絶対」

 

なんかスゲー照れる。

絶対俺の顔今真っ赤だ。

 

「さて!私は今から箒ちゃんたちのISを仕上げてくるよ。

多分二時間くらいかかると思うからその間二人は休んでて!」

 

「わかった。行くぞ一夏」

 

「ああ。お願いします!束さん!」

 

「ほい!任されました!」

 

束さんに頭を下げて保健室に向かう。

 

(待ってろよ、進。絶対助けてやる!)

 

俺は改めて決意した。

 

 




というわけで!オリキャラのカズキ二尉が一夏君とのライバルフラグを立てました!

階級も名前も境遇もオリジナルです!原作を探してもいませんよ!

そして一夏君の新必殺技!
作者のイメージとしてはVVVの一号機のハラキリブレードが一番近いです。
雪片・真打の粒子の高質化も一号機をイメージしてください!

分からない人はトランザムライザーを想像してください!

クロッシングアクセスの設定ってあってますよね?間違ってたら独自設定ということで見逃してください!!お願いします!何でもしますから!

ちなみにカズキ二尉がデストロイのことを知っている理由は…………おっとあぶない。ご想像にお任せします。

新しい白式の設定は原作のISが全て強化した状態で出てきてから設定紹介で上げます!気になると思うけどもう少し待ってね!

そしてISのSSで一度はみなさん言わせる言葉。

一夏「俺に力を貸せ!白式!」

だけど言わせねぇよ!?

うちの一夏君はどんどん男前になっていきますね。
作者もびっくりです。
これがキャラが勝手に動くって言うんでしょうね。

操縦者とかいてハンドラ―と読む。
これの元ネタが分かった人は作者と結婚しましょう!
ヒントは機械仕掛けの魔人です!二巡目の世界です!悪魔です!裏切り者の禿の名前と教組の名字です!

↑の作品で小説書こうかな……。



以下、次回予告!脳内BGMはvestige-ヴェスティージ- で!




眠り続ける進をおこすため、相互意識干渉(クロッシングアクセス)で進の意識に飛び込む一夏たち!
そこで見たものは、「シン・アスカ」の壮絶な人生だった。
その時、彼らは……。
次回!
[IS]運命の翼の少女!第三十三話 「決意あるいは一生」
過去に囚われた少女を救い出せ!一夏!
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