長くなって前後編になっちゃいました!!
ごめんなさい!!
「さて!じゃあ説明するよ」
学園の教室の一つ、昨日の騒ぎで休校になって誰もいない教室で白衣を着て眼鏡をかけた教師モードの束さんが声を上げる。
「今、あーちゃんは結構危険な状態なの。
すごく怪我をしてるんだけど、インパルスがあーちゃんを守るための展開したままの状態でいるから手当てができないの。
だから、みんなにはクロッシングアクセスを使ってあーちゃんの心と直接会話してほしいんだ」
今ここにいるのは、俺、箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、会長の七人。
このメンバーで進の心と接触する。
「ここまで大人数で行く必要はあるんですの?」
「あーちゃんは寂しがり屋だからね。大勢で押しかけた方がいいんじゃないかな?」
「あ、なるほど」
「会長はいつの間に進と仲良く?」
「ここ一か月以上ずっと一緒の部屋で生活してたからね。あなたたちの知らない進のあんなことやこんなことも知ってるわよ?」
何それすっごい気になる。
「はい、ちゅーもーく!みんなのISはクロッシングアクセスが起きやすいように束さんが調整しておいたから、あとはあーちゃんのISに触れてあーちゃんのことを強く思えば行けるよ」
強く思うか……。
「助けないとな……絶対に」
「当たり前だ。まだ進から教わっていないことがたくさんある」
「この夏休み、進さんと一緒にお出かけがあまりできませんでしたからね」
「あいつの戦い方は参考になるしね」
「まだ僕が選んだ服全然来てくれてないからね。起きたらまた一緒に服を選びに行こうかな」
「勝ち逃げは許さん」
「もっと進で遊びたいしね」
うん。なんかいくつか不純な動機があった気がする。
とりあえず、あいつの間違った考えをぶち壊してやらないとな。
「それでね、みんな」
束さんの言葉に、全員が注目する。
「あーちゃんとクロッシングしたらみんな多分驚いちゃうと思う。
今あーちゃんのISはすごく不安定だからクロッシング中にあーちゃんの記憶が流れ込んだりはすると思う。
だけど…………、どんなものを見ても、あーちゃんの友達でいてあげて?」
「「「「「「「当たり前です(わ)!」」」」」」」
俺たちの言葉に束さんはほっと息を吐く。
「じゃあ、いこうか!」
IS学園治療室
ISで大怪我を負い、保健室での処置は不可能とみなされたけが人が運び込まれる場所。
そこのベッドでISを展開したままの進が寝かされていた。
「ISは展開しなくていいよ。あーちゃんに触れるだけで大丈夫」
全員が進に触れる。
「頼んだよ、みんな。
信じてるよ…………あーちゃん」
その声を最後に、俺の意識は途切れた。
「こ、ここは?」
目を開けると、辺り一面真っ暗だった。
「一夏」
声のした方に目を向けるといつものメンバー+会長がいた。
「なんだここは?以前とはずいぶん違うな」
「そうなの、ラウラ?」
「ああ、以前一夏とスロッシングした時はもっと、曖昧な感じだった」
「ああ。こんなにはっきりした感じじゃなかったな」
真っ暗闇の空間の中で俺たちの姿だけが鮮明に見える。
何とも不思議な空間だった。
「よかった……来てくれた」
聞きなれない声が聞こえ、全員が一斉にそちらを向く。
そこにいたのは……、
「……進?」
やけに小さい進だった。
少し短めだがそれでも背中まで延ばされ、二つのおさげにされた長い黒髪。
だけど目は黒色だった。
「ごめんなさい。何とかこんな端っこの方に呼ぶので精いっぱいだったの」
「端っこ?」
「はい。お姉ちゃんは今ふさぎ込んじゃってて誰とも会おうとしないから……」
お姉ちゃん?
「先に自己紹介させてもらいますね。マユ・アスカって言います。お姉ちゃん……シン・アスカの妹です」
「進の?」
「妹?」
ということは…………
「もしかして進が持ってた携帯の持ち主って……」
「はい。元はマユ……私の物です」
その言葉を聞いた瞬間、箒たちが頭を下げる。
「すまなかった!君の携帯を壊してしまったのは私たちのせいだ!」
「本当にすまない!!」
「ごめんなさい!!」
「あ、謝らないでください!いいですよそんなの!顔を上げてください!」
妹……マユちゃんの言葉で顔を上げる三人。
「いいんです。いつかは壊れるものですし。それに今まで壊れなかった方が奇跡ですから」
そこでマユちゃんは一度言葉を切る。
「さあ、行きましょう。お姉ちゃんのもとへ」
「進がどこにいるのか、知ってるのか?」
「はい。ですけど、そこへ行くにはお姉ちゃんの心の中を通らないといけないんです。
そこで多分、皆さんは見たくないものを見ることになると思います。
だから、覚悟をしておいてください」
そう言ってマユちゃんは進んでいく。
慌てて後を追う俺たち。
「見たくないものねぇ…………鬼が出るか蛇が出るか」
『期待』と書かれた扇子を広げていった会長。
この人もいろいろ謎だよな。
しばらく歩くとあたり一面紅葉している並木道にたどり着く。
「ここは…?」
「綺麗……」
「?日本にこんな場所あったかしら?」
「ここは私とお姉ちゃんの故郷です」
マユちゃんが言う。
ということはここはさっきマユちゃんが言ってた……。
『マユー!!待ちなさーい!!』
『ここまでおいで―!!』
後ろから聞こえる声に振り向く。
「マユちゃんと……進!?」
二人が後ろからこっちに向かって走ってくる。
『へへーん!捕まえられるもんなら捕まえて見ろー!!』
『言ったわねー!待ちなさい!!』
「家族みんなで遊びに来たんです。木の根元で寝ていたお姉ちゃんの顔に私がたくさんの落ち葉を乗せて、そこから今の追いかけっこが始まりました」
『捕まえた!!』
『きゃ~~~!!た~す~け~て~!!』
「進みましょう」
そうしてマユちゃんはまた進んでいく。
そのあとを俺たちが歩く。
後ろからは楽しそうな進の笑い声が聞こえてきた。
少し進むと今度はどこかの家の前。
「ここは?」
「私たちの家です」
『結婚記念日おめでとう。お父さん、お母さん』
『おめでとー!!』
目の前にいるのはさっきも見た進とマユちゃん。
それと知らない大人の男女。
『なんだか照れるなー』
『ありがとう。二人とも』
「この二人って……」
「私たちの両親です」
鈴の問いにマユちゃんが答える。
『ほら、家の前に並んで!』
『?どうしたんだい?マユ?』
『記念写真!マユがとってあげる!』
「この日、両親の結婚記念日だったんです。だから私が二人の記念写真を撮ろうとしたんです」
『ありがとう、マユ。あなた?』
『分かってるよ、こうだろう?』
『お~ラブラブだね!』
『マユの弟か妹が生まれる日も近いかもね』
『シン、あまりからかうな』
『じゃあいくよ~!』
「次に行きましょう」
「あ、ああ」
今度はどこかの山道。
「ここは?」
「私のおぼえている最後の記憶です」
「え?」
どういう意味か問いただそうとして、
「あれは……進さんたちですわ」
「何か急いでいるみたいだね」
セシリアとシャルが向こうから走ってくる進に気付く。
『お父さん!』
『進、大丈夫か?』
『うん』
『マユ!頑張ってぇ!!』
「あれって…?」
「私たちは逃げているんです」
「……何から?」
マユちゃんのほうを見て、絶句する。
「戦争から」
そう言ったマユちゃんの後ろから一機のISが低空飛行で迫ってきた。
「なに!?IS!?」
「みて!空にもいっぱいいる!」
「戦っているのか?」
『よし、もうすぐ港だ。そこまで走れるか?』
『う、うん』
『よし!行くぞ!』
そう言って進たちが走り出す。
「いつも思うんです」
マユちゃんが言う。
「この時私がわがままを言わなければ……」
『あ!マユの携帯!!』
『そんなのいいから!』
『いやぁ!!』
「私が携帯を落とさなければ……」
『私がとってくる!!』
『シン!!』
「お姉ちゃんは今も幸せに生活できていたはずなんだって」
進が携帯が落ちていった崖を滑り降りる。
そしてすぐに見つけた進は携帯を拾い、そして戻ろうとして、
爆音が響いた。
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
「な!?何!?」
「近くに着弾したんだ!!」
「おいまてよ!近くって……」
吹き飛ばされ、がけから転がり落ちる進。
そこに近くにいた大人が駆け寄る。
『おい君!大丈夫か!』
そうして大人は進の腕をとって近くにある船に連れて行こうとする。
『さ、もう少しだ!頑張れ!』
だが、進はその人の手を振り払う。
『お父さん……お母さん……マユ……』
そうして進が自分が吹き飛ばされた崖まで戻り、そこで見たものは……。
『っ!!あ、ああ、ぁぁぁぁっぁああああ!』
絶対に曲がらない方向に体が折れ曲がった女。岩に張り付いた男。そして右腕が体から離れ、血まみれの少女
変わり果てた進の家族だった。
「っう!」
誰かが呻く。
みんなが口を手で覆っていた。
進が空を見上げる。
そこには数機の空を舞うIS。
『うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!』
進の叫び声がその場に響き渡った。
「……何よ……これ」
「どういうことだ……なんだこれは?」
「ここ数年、日本が主戦場になったISの戦闘はないわ」
「ならあれは何だ!?なにがどうなっている!?」
「こんな……ひどい」
「どうしてあんなことに…?さっきまであんなに楽しそうに……」
みんな口々に先ほどにことに疑問を漏らす。
IS同士の戦いが日本であったなんて聞いたことがない。
つまりこれは……、
「進が……俺たちの世界に来る前の……進の世界での戦い……か?」
「……はい」
俺の言葉にマユちゃんは頷く。
「進さんの……世界?」
「どういうことだ?一夏」
セシリアと箒が聞いてくる。
「実は進は俺たちの世界の人間じゃない。進は異世界から来たんだ」
「…………異世界?」
「ああ。信じられないだろうけど、世界って言うのは一つだけじゃないみたいでな。進はその異世界の住人なんだよ」
「ふざけている……わけではなさそうだな」
説明が難しいな。
俺もちゃんと把握しているわけじゃないし。
「なら、一夏さんはこのことを知っていたんですの?」
「いや、俺も進の世界のことはあまり聞いたことがないんだ。宇宙開発が進んでるってことくらいしか知らない」
「ステラたちの世界は……戦争……してたんだ」
声が聞こえた方を向く。
そこには金髪の美少年がいた。
「ステラさん……来たんですね」
「シン…泣いてる。ステラ…助ける…無理。だから……みんなに…お願い」
「マユちゃん…この子は?」
「彼はステラ・ルーシェさんです。私と一緒にお姉ちゃんの守護霊やってます」
「……え?守護霊?」
え?なんでいきなり守護霊?
「言ってませんでしたか?私とステラさん。あともう一人守護霊がお姉ちゃんについてるんですよ」
「聞いてないんだが……」
「すいません。とりあえず進みましょう」
「シン…助けて…ください」
二人に導かれて、俺たちはまた暗闇の中を進んでいった。
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「くそ!あんな小僧に邪魔されるとは!」
薄暗い部屋で悪態をつくカズキ二尉
「なんだ……思ったよりオーブの軍人も大したこたぁねぇなぁ」
「言っちゃだめですよ隊長。さすがに分が悪かったですって」
そんなカズキ二尉を挑発する隊長と呼ばれた男と、それをなだめる部下
「ふん!次は負けん」
「どうだか……まぁ、次は連合の連中の番だ。その次が俺たちザフト。あんたの出番が回ってくるのはまだまだ先だからな。」
「わかっている」
そう言ってカズキ二尉は闇の中に消えていった
「大丈夫なんですか?あの人」
「まぁほっときゃいいだろ?所詮俺たちは利害が一致しただけの同志。仲間でも友達でもないんだからな」
「それもそっすね」
彼らは仲間ではない
ただ同じ目的のためにお互いを利用し合うものたち
そうでなければ心の底から憎み合っていた三国の軍人たちが共に戦えるわけがない
「ま、気長にいこうや。最低限の仕事は果たしてくれてるんだしな」
そう、シン・アスカの無力化という仕事は果たしたのだ
後は彼女にとどめを刺すもよし、当初の予定通り世界に宣戦布告するもよし
ここはシン・アスカ以外には絶対に見つからないのだ
その彼女が意識不明の重体になったのなら、勝ったも同然だ
「シン・アスカ……か」
「どうしました?」
「いや、何でもない」
(所詮、《鬼神》も人間だったと言うことだな)
そうして二人も闇の中に消え、室内には静寂だけが残った
というわけでシンちゃん復活会は次回に持ち越しです!
まさかここまで長くなろうとは……。
全部一気に書いちゃうと1万文字超えそうだったので分けました!
後編はちょっと待ってね!
最近この作品をお気に入りにしてくれた方たちや感想を見返しつつにやにやする毎日です!
いや、ほんとうれしい!
UAも四万を超え、お気に入りももうすぐ大台の三百に届き、感想も百までもうちょっと!
ここまで皆さんの評価を受けられるなんて始めた当初は全く思ってなかったです!
現在本編は作者がやりたい場面第二位に差し掛かっています。が、正直ここ書くの辛いです。
ダイジェスト風に原作を振り返っていく感じですから鬱感が半端ないです。
だけどここを超えたら作者が一番書きたい場面まで一気にいけるので頑張ります!
というよりキャラが増えるとせりふ回しに苦労s(ry
因みに治療室はオリジナルです。
今回は次回予告はお休みです!
ではまた後編で!