[IS]運命の翼の少女   作:名無しのごんべい

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まだチートじゃない(震え声)。

久しぶりのみじ回です。


第三十六話 「運命あるいは飛翔」

頭の中で、種がはじけた気がした。

それも今までのような爆発するようなはじけ方ではなく、静かに、内側から何かが生まれるように割れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体は動く。

 

意識もはっきりしている。

 

目の前には二機のデスティニー。

 

相対するは私。

 

素早く機体をチェックしていくがどこにも損傷はない。

全てあのメサイアでの戦いの前の状態……いや、それ以上の状態になっている。

 

(シードデスティニー……ね)

 

見たところ機体の外観に大した変化はない。

せいぜい装甲が以前の顔だけ出していた全身装甲(フルスキン)ではなくISのような要所だけをカバーする装甲になっているくらいかな。

 

「なんだよそれ…………なんだよ!!」

 

ジャスティス型が叫びながら突っ込んでくる。

まぁ倒したと思った敵がいきなり無傷で現れたらそりゃ混乱するよね(私もそうだったし)。

 

後ろ腰にマウントされている長銃身のビームライフル、《多目的複合ビームライフルZ》を引き抜き、ジャスティス型に発砲。

長い銃身からくる安定感のおかげで精密度が増した射撃は確実にジャスティス型をとらえる。

 

ビームシールドで襲い来るビームを防御するジャスティス型。

その隙にビームライフルをサーベルモードに移行。

 

長い銃身から発生したサーベルは長大なリーチを持ち、相手の近接武器の範囲外からの近接攻撃を可能とした。

 

「なんだよそれ!!デスティニーにそんな武装ねえよ!!」

 

後退したジャスティス型がフラッシュエッジⅡを抜いたのを確認し、私もライフルを再び後ろ腰にマウントし新たな武装を選択する。

 

《フラッシュエッジⅢドラグーンビームブーメラン》。

 

相手と同時にエッジを投げつける。

当然どちらも弧を描いて飛んでくるエッジを回避、ジャスティス型は戻ってきたエッジを受け取ろうとする。

 

(今だ!)

 

そこで私はエッジに指示を飛ばす。

私の命令を受けたエッジは空中で方向転換、ジャスティス型の手元に戻るはずだったエッジを切り裂く。

 

「はぁ!?」

 

そこで再び指示を飛ばす。

今度はジャスティス型に襲い掛かろうと方向転換をするエッジ。

 

「私を忘れてもらっては困るな」

 

そこでアラート。

即座にエッジへの指示を注視し、回避する。

 

命令が無くなったエッジは再び私の肩にマウントされた。

 

絶え間なく砲撃してくるフリーダム型。

私はちょうどフリーダム型を見上げるような位置に移動してから右腰にマウントされているもう一丁のビームライフルを取る。

 

《ビームマグナム》。

 

両手でしっかりと構えて狙う。

 

「行け!」

 

発砲。

 

夜空に轟音が響き渡り、撃った反動で私の体が後ろにぶれる。

それ一発でスキュラとほぼ同じ太さのビームが放たれるが、それをフリーダム型は避ける。

 

紙一重で。

 

フリーダム型の右翼にビームの余波がかすり、そのせいで翼が爆散する。

 

「かすっただけで…だと!?」

 

「何なんだよお前は!!」

 

遠距離は不利と見たのかフリーダム型とジャスティス型の両方が私に接近してくる。

そんなジャスティス型に向けて持っていた盾を投げつける。

 

《アンチビームシールド複合兵装》。

 

以前まではビームシールドのおかげでまったく使うことがなかったこの盾も、強化が施されていた。

ジャスティス型が投げた盾を回避した瞬間、腕を引く。

 

左腕とワイヤーでつながっていた盾は腕が引かれたことによって進む方向を変え、ジャスティス型に直撃。

 

そのまま私が操作すると、シールドに搭載されていた《7.92㎜CIWS》をフルオートで吐き出す。

盾の中にある分装弾数が少ないが、それでも足止めにはなった。

 

迫るフリーダム型も、翼が欠けているせいかスピードが出ていない。

振り下ろされるビームサーベルを持つ手を右膝での膝蹴りで蹴り上げる。

そのまま膝に収納されている《レイブレード 高出力ビームサーベル》を取り出し、フリーダム型の右腕を斬り飛ばす。

 

「!そんなところにも武装が!?」

 

シールドを回収し、今度は左膝に収納されているもう一本のレイブレードを取り出し、そのままフリーダム型に斬りかかる。

 

「ふざけんなよ!」

 

そこでジャスティス型に阻まれる。

その隙にフリーダム型が腰についているレールガン《クスィフィアス》で牽制射撃。

 

迫りくる弾丸を切り払いながら後退する。

 

「とっとと堕ちろよ!!」

 

ジャスティス型が翼の欠けたリフターを射出し、こちらにビームライフルを乱射してくる。

 

私は後ろに下がりレイブレードをしまいながら、背中のウェポンラックの左部分に装備されている武装を展開する。

 

《アポロン長距離射程複合ビーム砲》。

 

照射モードで展開し、リフターと一直線に並んでいるジャスティス型に狙いを定める。

 

「落ちろ!!」

 

トリガーを引く。

 

放たれたビームはリフターを飲み込み、ジャスティス型をも喰らいつくそうとする。

右へと回避行動をとったジャスティス型に合わせて、銃身を右にずらしていく。

ずらされる銃身に合わせてビームもジャスティス型を追って曲がっていく。

 

「クソ!クソ!クソクソクソクソクソ!!!クソォオ!!!」

 

そうしてビームはジャスティス型を飲み込んだ。

 

爆発。

 

「マティアス!!貴様よくも!!」

 

フリーダム型が残った左翼に収納されているビーム砲《バラエーナ》と腰の《クスィフィアス》を乱射しながらこちらに近付いてくる。

それをシールドで防御しつつ、背中の右側のウェポンラックに装備された大剣を引き抜く。

 

《アロンダイトⅡ》。

 

ヴォワチュール・リュミエールを全開稼働させる。

翼型の推進ユニットから虹色の粒子が広がり、まるで巨大な蝶が羽を広げているかのような姿になる。

 

アロンダイトⅡを肩に担ぎ、次の瞬間にはその場に残像を残してフリーダム型の目の前に出現する。

 

「シン・アスカァァァァアアアア!!!」

 

そのまま私はアロンダイトⅡを振り下ろした。

 

 

 

 

 

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向こうで何回か爆音が聞こえる。

あたしはこのでかいので手いっぱいだから状況が全く分からない。

 

「ちょっとラウラ!何が起こってるの!?進は大丈夫なんでしょうね!?」

 

「……ああ、あいつのほうは戦闘が終わった。進は無事だ」

 

それを聞いて安堵する。

これで進が合流すれば七対三。

戦況は一気に有利になる。

 

そう思っていたら進から通信が入る。

 

『みんな、今すぐ退避して。後は私がやる』

 

「はぁ!?何言ってんのよ!せっかく有利になるのになんでわざわざ一人でやんのよ!」

 

『ごめん、鈴。だけど、こいつらは私がやらなくちゃいけないんだ。

それにみんなももうエネルギーがないでしょ?だからあとは私に任せて』

 

進に言われてエネルギーを確認する。

確かにもう全体の10%も残っていない。

これ以上戦えば目の前のデカブツを倒すよりも早くこちらのエネルギーが尽きるだろう。

 

燃費のいいあたしの機体でこうなのだから他のみんなは本当にギリギリだろう。

 

『大丈夫、すぐに終わらせる』

 

その声とともに飛来したビームがデカブツに命中。

今までと同じようにあのシールドにはじかれると思っていたのに、進の放ったビームはシールドを貫通してデカブツの肩に命中した。

 

「……貫通した」

 

「馬鹿な……タンホイザーすら防ぐ陽電子リフレクターだぞ?」

 

「面での攻撃より点で攻撃した方が貫通力が上がるのは当たり前よ」

 

いつの間にか進がすぐ近くまで来ていた。

 

「さがってて、みんな。すぐに終わらせるから」

 

そう言った進に相手のビット兵器が殺到する。

進は慌てることなく背中の左側のウェポンラックに装備された砲を展開する。

 

発砲。

 

ビームがショットガンのようにばらまかれ、それにあたったビットが爆散する。

ビーム砲をしまった進は大きな翼から虹色の粒子を吐き出し、残像を残しながらビットを搭載したレアと呼ばれた女の子に接近。

 

進の右手が虹色に光りながらレアの乗ったMSの胴体と接触する。

 

爆発。

 

爆炎を上げながらレアは落ちていった。

 

「レア!おのれ!」

 

グレイと呼ばれていた男が残ったビットを使い進を取り囲むが、当たらない。

 

今の進にはかすりもしなかった。

 

進の手にはいつの間にか長い銃身のライフルが一丁。

一筋のビームが、グレイのお腹を突き抜けた。

 

落ちていく男を見ずに、進はデカブツをにらむ。

 

ライフルをしまい、またもや残像を残しながらデカブツに接近。

そのまま右手をデカブツの腹に突き入れる。

 

「ふっとべぇえええ!!!」

 

爆音。

 

デカブツは内部から爆散しながら倒れていく。

 

「進……」

 

誰かが呟く。

それはあたしだったのかもしれないし、他の誰かだったのかもしれない。

 

だけど、戦いに勝ったと言うのに、命の危機を脱したと言うのに、悲しそうな、辛そうな目で倒れていくデカブツを見つめる進に、誰も声をかけることはできなかった。

 





一番書きたかったデスティニー復活&戦闘。
この分だと前回にねじ込んでもよかったかもしれませんね。

作者の魔改造によってただでさえ寄せ集めだの全部乗せだの言われてるデスティニーがなんかすごいことになってきた!

ここでちょこっと先に武装紹介。

《多目的複合ビームライフルZ》
Zガンダムが使ってるあのライフルです。
ただのビームライフルでは味気がないので名前をねつ造。
ビームライフルにもサ-ベルにもジャベリンにもなる優れものです。

《フラッシュエッジⅢドラグーンビームブーメラン》
オリジナルです!
フラッシュエッジシリーズの完成系をイメージしました!
ドラグーンシステムを用いた遠隔操作が可能です!
その気になれば投げるモーションなしで飛ばせます!

《ビームマグナム》
言わずと知れたユニコーンの主武装です。
威力は本編にも書いた通り。
陽電子リフレクターを貫通したのは本編でも書きましたが、面で攻撃するから受け止められるんであって、点で高威力を出したら貫通するんじゃないかなぁ……と。
間違ってたらすいません。

《アポロン長距離射程複合ビーム砲》
オリジナル武器です!
名無し砲の後期発展型をイメージしてます!
連射、照射、拡散の三形態に砲身が変形します!
手で持たなくても打てます!

《アロンダイトⅡ》
お れ ま せ ん。


シードデスティニーにはまだ見せていない機能などもありますので設定などは本編ですべてのシステムと武装を使ってからです!
ここわかんないなんてのがあったら気軽に感想の方でご質問ください!(露骨な感想数稼ぎ)


以下、次回予告!脳内BGMはvestige-ヴェスティージ- で!



敵を討つ。それは進にとって当たり前のこと。
けれど平和に生きていた少年少女にとっては納得できないこと。
戸惑う進の前で、一夏は一つの誓いを立てる。

次回![IS]運命の翼の少女 第三十七話「飛翔あるいは誓約」
新たなる誓いの下、救い出せ!一夏!
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