[IS]運命の翼の少女   作:名無しのごんべい

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まさかの前後編。
最近シリアスばっかりだったからフラストレーションたまってたのかな?



第三十八話 「誓約あるいは遊園地」前編

デストロイの襲撃と、デスティニーの復活、それと俺と進が結ばれてから二日たった。

夏休みも終盤に差し掛かり、今は学園がある島の端で倒れているデストロイの解体作業が始まっていた。

 

うれしい誤算はデストロイのパイロットが生きていたことだ。

今は治療室で治療を受けている。

 

そのことを進に話した時はてっきり喜ぶと思っていたけど、進は逆に暗い顔をして治療室の方に行ってしまった。

すっごく小声だったけど、その時に進が言った言葉が聞き取れた。

 

『今度は絶対に救ってみせるよ…………見ててね、ステラ』

 

あれはどういう意味だったんだろう?

 

「一夏さん、ちょっとよろしくて?」

 

「セシリア?どうした?」

 

進の言葉の意味を考えているとセシリアから声をかけられた。

 

「進さんが呼んでおりましたわよ?屋上にいるそうですわ」

 

「進が?分かった。すぐ行く」

 

ちょうどいいから進に直接聞いてみるか。

 

セシリアとすれ違った時、セシリアが笑っていたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上に来てみると進が手すりにもたれながら海を眺めていた。

 

(……いつみても……綺麗だ……)

 

長い黒髪が風になびいて、それを手で押さえているしぐさがすごく似合っている。

こうしてみると随分儚げな印象を与えてくれる。

 

「進!」

 

もう少し眺めていたかったが、いつまでも待たせるのも悪いので声をかける。

 

「!!い、一夏!?どうしてここに!?」

 

「??どうしてって、お前が呼んでたってセシリアが言ってたぞ」

 

「……う~~」

 

なんか真っ赤になってる。

すっげー可愛い。

でもどうしたんだろうか?

 

「……一夏」

 

「ん?」

 

「あ~っと、その、えっとね!」

 

「お、おう」

 

なんか妙にもじもじしてるな。

こうしてみると進も最初のころからだいぶ変わったように見える。

最初はずいぶん冷たい印象だった。

少なくともこんな風に顔を真っ赤にしながらもじもじする姿は最初のころでは考えられないな。

今の進を見ているとなんか感動を覚える。

 

「こ、これ!」

 

自分でもよくわからないことを考えていたら進から何かの紙を渡された。

 

「…遊園地のチケット?」

 

「う、うん。一緒にどうかなって……」

 

………………。

 

ファ!?

 

進が!?俺と!?遊園地!?

え?何?ドッキリ!?

 

いやだってあの進だぞ?

休みの日はひたすら自主訓練したり筋トレしたりする進だぞ!?

いや、俺もいつかは誘おうと思ってたけどまさか進から誘われるとは思ってなかった……。

 

「えっと……一夏?」

 

「お、おう!?なんだ!」

 

「返事、は?」

 

「もちろん行きます!」

 

断れる男がいるだろうか?いやいない(反語)。

 

「よかった~。じゃあこれ渡しておくね?じゃあまた!」

 

そうして進は俺にチケットを渡すと走り去ってしまった。

 

…………ムギュ~!

 

「……痛い。夢じゃない」

 

俺今すっごい幸せかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『To  一夏

 

 件名 遊園地

 

 さっき集合時間とか言い忘れたから連絡するね。

 

 時間は今週の土曜日。

 駅前の広場で9時に待ち合わせね。

 

 そういえばこうやってメール送るの初めてだね。

 今は顔文字とかいうのハヤってるらしいけど使ってみた方がいいのかな?

 一夏はどう思う?

 

 PS.こっちの世界の本って面白いのばかりだね。

   一夏のおすすめとかはある?

                       From  進』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土曜日。

集合時間の十分前に駅前に到着。

 

……なるべくおしゃれをしてきたつもりだが大丈夫だよな?

 

よし!

いつでも来い!

 

「一夏~!おまたせ~!」

 

来た!

 

声のした方を振り向く。

薄い水色のワンピースタイプ。

胸の真ん中のところにボタンがあってそれはすべて閉じられている。

肩ひもから服の襟は青色。

 

この前の真っ白なワンピースとはまた違った印象を受けた。

 

「待った?」

 

「いや、今来たところだ」

 

「…フフフ」

 

「ん?どうした?」

 

「いや、なんかテンプレなセリフだなぁって」

 

「ああ、たしかに」

 

よく小説とかドラマでも使い古されたやり取りだ。

そう言うやり取りを経て恋人同士だと言うことを自覚していけるんじゃないだろうか?

 

「あ!進!」

 

「ん?なに?」

 

「え~っと、その服すごく似合ってる」

 

言った瞬間スゲー恥ずかしかった。

だけど進も顔を真っ赤にしながらも笑ってくれた。

 

「ありがと」

 

「おう!よし、行くか!」

 

「うん!」

 

そして俺たちは電車に乗り込んだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あの戦いから一夜明けて。

 

「進!」

 

朝ご飯を食べようと寮の廊下を歩いていたら一夏に呼び止められた。

 

「な、何?一夏」

 

一夏を見た瞬間、昨日のことを思い出す。

そのせいで胸の鼓動が早くなる。

 

(……変われば変わるものなんだね)

 

オーブにいる時は恋愛なんてものはよくわからなかった。

アカデミーでは全く興味がなかった。

ザフトではそんな暇はなかった。

 

恋愛というものには縁がなく、一生独りでこのまま生き続けると思っていたのに、ふたを開けてみればこの異世界で恋人ができた。

今の自分をミネルバのみんなが見たらどう思うだろうか?

 

戦いから逃げた卑怯者?

自分の罪を忘れた愚か者?

 

人殺しである私がこんな幸福を受けるのは間違っていると思う。

だけど、私は受け入れてしまった。

 

いつか報いは受けるだろう。

だけどその時まで、せめてその時まではこの幸福をかみしめたい。

 

「さっき千冬姉に聞いたんだけどな、あのデストロイ…だっけ?あれのパイロット、まだ生きてたらしいぞ!」

 

呼吸が止まる。

 

デストロイのパイロット。

それはおそらくステラと同じ……。

 

「そう……なんだ。分かった、ちょっと行ってくるね」

 

「ん?おう」

 

織斑先生に伝えておかないと、助からないかもしれない。

養護教員の桜井先生にも言っておかなくちゃいけない。

 

絶対に死なせない。

 

「今度は絶対に救ってみせるよ…………見ててね、ステラ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

治療室に入る。

中には織斑先生と山田先生、そして桜井先生がいた。

 

「飛鳥か。どうした?」

 

「そのデストロイのパイロットのことで、お話があります」

 

「この子?」

 

「はい」

 

私は話した。

エクステンデッドのことを。

 

私の世界で連合に作られた対コーディネーター用の強化人間。

普通のナチュラルよりも優れた身体能力とMSのパイロット敵性を持つが、特殊な医療器具と薬剤がないと一月と持たずに絶命してしまう。

かつて私も実際にそのエクステンデッドと交戦したことが何度もあり、その力は驚異的だった。

エクステンデッドの一人を捕虜にしたこともあったが、ミネルバに搭載されている医療機器ではどうにもならず、もう少しで死んでしまうと言ったところで同僚の一人とともに軍規を破り、捕虜にした少年を連合に返還した。

 

「……そうか」

 

私の話を黙って聞いていた織斑先生は、私が話し終わると口を開いた。

 

「わかった。飛鳥、よく報告してくれた。その医療器具と薬剤について何か知っていないか?」

 

「すいません……さすがにその時の資料は取ってないんです」

 

「そうか……わかった。桜井先生」

 

「わかってます。このIS学園養護教員の意地にかけて、この子を救ってみせますわ」

 

「お願いします…!」

 

こんな事で、貴方を守れなかった私が赦されるとは思わない。

だけど、せめてこの子は助けたい。

絶対に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日。

いつものように自室で筋トレしてるとセシリアが訪ねてきた。

 

「進さん。実はわたくしこういうものを手に入れてしまいましたの」

 

そう言ってセシリアが差し出してきたのは二枚の紙切れ。

 

「遊園地のチケット?」

 

「ええ。ですが、これは二人用。

わたくしでは余ってしまいますからね」

 

「私も余っちゃうんだけど…」

 

「一夏さんと行けばいいじゃないですか」

 

「あ、そっか」

 

そうだ、一夏を誘えばいいんだ。

 

「それでお二人でデートしてきなさいな」

 

デート?

……え!?

 

「え!?デート!?なんで!?」

 

「それは、貴方たちお二人は恋仲にあるんですから。二人で遊園地に行くのがデート以外のなんなのですか?」

 

「いや、まあそうだけど……」

 

「ではちゃんと誘うんですのよ?ではごきげんよう」

 

「え?あ!ちょっとセシリア!」

 

そうしてセシリアは出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその翌日。

私は今寮の屋上にいる。

あれから何度か一夏にチケットを渡そうとしたのだが、そのたびにデートと言う言葉が頭にちらついてしまい渡すに渡せなかった。

 

(どうしよう……)

 

まさか天下の《鬼神》ともあろうものが(私はこの呼び方に納得していないが)高々デートでここまで動揺するなんて……。

 

「進!」

 

呼ばれて振り返ると、そこには一夏がいた。

 

「!!い、一夏!?どうしてここに!?」

 

「??どうしてって、お前が呼んでたってセシリアが言ってたぞ」

 

「……う~~」

 

きっといつまでたっても誘わない私の代わりにここに呼んだんだろう。

 

「……一夏」

 

「ん?」

 

「あ~っと、その、えっとね!」

 

「お、おう」

 

やっぱり恥ずかしい……!

だけど私も一夏と遊園地行きたいし……。

 

(えぇい!当たって砕けろ!)

 

そうだ!こんなことあの時ウィンダム三十機をアスランに押し付けられた時よりマシだ!

 

「こ、これ!」

 

「…遊園地のチケット?」

 

「う、うん。一緒にどうかなって……」

 

チケットを差し出した直後、一夏が固まってしまった。

 

「えっと……一夏?」

 

「お、おう!?なんだ!」

 

「返事、は?」

 

「もちろん行きます!」

 

すごい即答で返された。

 

「よかった~。じゃあこれ渡しておくね?じゃあまた!」

 

あまりの恥ずかしさに、私は屋上から思いっきり走り出した。

 

屋上から降りて部屋に戻る途中、セシリアに思いっきりからかわれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『To  進

 件名 RE.遊園地

 

 土曜日9時だな。了解。

 顔文字は好きにしたらいいんじゃないか?

 無理に使う必要もないと思うぞ。

 

 本か……俺は普段あんまり読まないからなぁ。

 セシリアとかシャルとかに聞いてみたらどうだ?

 

                  From 一夏』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして土曜日。

 

よく本に出てくるようなやり取りをして、進に服を褒めてもらって。

遊園地に付いたところで視線を感じた。

 

(……まさか)

 

携帯を出して、電話をかける。

 

PiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPi!!

 

どこかで携帯の鳴る音が聞こえた。

 

『も、もしもし?』

 

「もしもしセシリア?おはよう」

 

『お、おはようですわ』

 

「……はぁ。こっちにおいでよ。どうせ来てるんだったらみんなで一緒に行こう」

 

『え!?いや、それはできませんわ!せっかく進さんと一夏さんを二人っきりにして影から覗いてニヤニヤしようと思っておりましたのに!』

 

「……ふ~ん」

 

『と、鈴さんが言ってましたわ』

 

『……と!あ……はそ……こと……ない…よ!』

 

『うるさいですわよ鈴さん!今通話中です!』

 

「まぁいいけどね。気が変わったらいつでも来てね。待ってるから」

 

『ええ。十分に堪能してから行かせてもらいますわ。と鈴さんが言ってましたわ』

 

「はいはい。じゃあね」

 

電話を切る。

 

「セシリアたちも来てるんだって」

 

「そうなのか?」

 

「うん。物陰から私たちを見守ってるって」

 

「なんだそれ?」

 

ホントなんなんだろうね?

 





というわけで日常回。

こんな話で無駄に話数を取るなんて……なに考えてんだ?作者は?

シンちゃんの著しいキャラ崩壊。
元のキャラクターである「シン・アスカ」の面影がもう戦闘描写くらいしか残っていない今日この頃。

これタグもうオリキャラに変えた方がいいんじゃないかな?
実際シンちゃんを書きすぎてたまに元のシン君のキャラを忘れたりします。

い、いいもん!タグにキャラ崩壊入れてるからいいもん!

いろいろとフラグを立てつつ日常回を描写。

次回は後編。

ついに二人+αが遊園地に突入します!

因みにシンちゃんの今回の私服は黄昏のシンセミアのヒロイン皆神 さくやの私服です。
分からない人はググってみてね!*R-18
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