[IS]運命の翼の少女   作:名無しのごんべい

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ちょっと遅くなった?


PHASE-06「世界を超える時」

 

アスラン・ザラがシン・アスカと合流する三週間ほど前

 

アスランたちコンクルーダーズ調査隊はDSSD本部のトロヤステーションを訪れていた

理由はもちろん、ヴォワチュールリュミエールのプロトユニットのことを開発者本人に聞くためである

 

トロヤステーション内のとある一室

そこにDSSD技術開発センター部長、セレーネ・マクグリフはいた

 

「プロトユニットを使っての空間跳躍を利用した異世界への渡航……結論から言えば、十分可能です」

 

「本当なんですか?」

 

「ええ。プロトユニットは私でもなぜできてしまったのか全く分からないもの……ワープ機能を使えば可能でしょう」

 

今回は本当に驚くことばかりだろう

キラも、人生でここまで驚いたのはヤキン・ドゥーエ戦役のストライクを見つけてからアスランとの一騎打ちの時以来だろう

だが、逆にアスランは冷静だった

 

「ではミズ・セレーネ。そのプロトユニットのデータを見せてもらえないだろうか?」

 

その問いに、セレーネは首を横に振る

 

「ダメです。プロトユニットは明らかに今の人類には過ぎた力です。

データはすべて抹消し、プロトユニットを搭載しているはずの二機のデスティニーが見つかり次第、ユニットを破壊させてもらいます」

 

「だが、その二機はすでに異世界に渡航している可能性が高い。

それを追いかけるためにもユニットが必要なんです」

 

「技術の拡散は流出を呼びます。

貴方たちに教えた技術が、他の者へと伝わるかもしれません。

貴方たちを信用していないわけではありませんが、それでも御教えすることはできません」

 

セレーネはきっぱりと断る

今だにほぼ冬眠状態で宇宙を彷徨ったダメージが残っているが、それを全く感じさせない眼光にキラは怯んだ

だが、アスランは違った

 

「貴方が何と言おうと、俺たちにはそれが必要なんです。

何とかして譲ってもらうことはできませんか?」

 

「…………なぜ、そこまであれを求めるのですか?」

 

「助けたいやつがいます。

そいつは危なっかしくて、まるで昔の俺を見ているようで。

月で俺が殺してしまったとずっと思っていた。

だけど、プロトユニットのことを聞いて、あいつがまだ生きているかもしれないってわかった。

だから、今度こそ助けたいんです。

そのためなら、悪魔にだってこの魂を捧げる」

 

アスランは一時も目をそらさない

目の前には救えなかった少女をもう一度救う術がある

なら、退く理由はアスランにはない

 

長い長い、永遠とも取れる時間を二人は睨み合う

 

やがて折れたのはセレーネだった

 

「……分かりました。

流石にすべての技術を渡すことはできませんが、その一端をお渡しします」

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなやり取りがあったのが二週間と五日前、アスランがシンと合流する二日前

プロトユニットのデッドコピーを取り付けるため、アスランはセレーネと話した日にジャスティスをDSSDに預けていた

そしてジャスティスの整備が完了したとの知らせを受け、表向きには異世界の調査、およびコンクルーダーズの捜索または殲滅の任務を負ったアスランは再びトロヤステーションに来ていた

アスランの一番の目的はシンの捜索

プロトユニットも、そのための手段に過ぎなかった

 

「今回、貴方のジャスティスに取り付けたプロトユニット・レプリカはオリジナルとは性能差がかなりあります。

まず、ヴォワチュールリュミエールとしての機能がありません。

付けて機体の出力が上がるわけではありませんからただのデッドウェイトでしかありません。

そして肝心の空間跳躍……ワープ機能ですが、使えるのは一週間に一度。

オリジナルのように連続転移などは当然無理ですし、使えば機体のエネルギーはほぼ空になります。

まぁあなたの機体は核動力が使われているのであまり気にする必要はありませんね」

 

資料に目を通しつつ、セレーネの説明を聞くアスラン

だが、そこで資料に気になる一文を見つけた

 

「この……「呪いの軽減」って言うのは何なんだ?」

 

「……そのままの意味です」

 

セレーネは悲痛ともとれる表情で説明を始めた

 

「「呪い」とは通称のようなものです。

プロトユニットには原因不明の欠陥がある。

それがその「呪い」です。

なぜそうなるのか、何が原因なのかは一切不明。

ただ、プロトユニットでワープを使った人間は今までで五人。

その五人中三人が原因不明の病で衰弱死しています。

後の残った二人も死にはしませんでしたが、二度と自分一人では歩くことさえできない体になりました」

 

「な……」

 

「あのユニットを使った人は必ず不幸に見舞われる。

だから「呪い」です。

一研究者として、こんな言葉を使うことは屈辱でしかありませんけど。

あ、貴方は安心してください。

その呪いはワープを使えば使うほど病に侵されるようですが、貴方の場合は向こうに行く一回とこちらに戻る一回。

計二回だけですからあまり「呪い」の影響は受けないでしょう」

 

それを聞いて少しホッとするアスラン

いくら戦場に出ているからと言って、自分から好き好んで死にたいわけではないのでその報告は非常にありがたかった

 

そうしてジャスティスの整備について聞いていると、整備室の前に着く

だが、扉の横には銀髪の青年がいた

 

「スウェン!!起きて大丈夫なの?」

 

「問題ない。コーディネイター最強を見に来ただけだ」

 

スウェンと呼ばれた青年はそう言うと、アスランの方を睨む

アスランはなぜ睨まれているのか理解できず、困惑する

 

「……フン」

 

だが、スウェンはつまらなそうに息を吐くと、その場を去ってしまった

 

「彼は?」

 

「ああ、ごめんなさい。彼、元連合でコーディネイターが嫌いみたいだから」

 

元連合

連合の兵士にとっては、まだコーディネイターは忌むべき存在なのだろうか

なぜ、そうやって自分と違う人種の人間をさげすむのか

なぜ世界はもっと単純にならないのか

どうして争いはなくならないのか

 

自分たちは本当に正しいことをしたのか

 

纏うべき機体がなく、待機をし続けたこの二週間と少しの時間ずっとそんなことを考え続けていた

何が正しくて、何が間違っているのか

それを知るにはアスランははまだ若すぎる

 

(いや、俺だけじゃない)

 

そう、若いのはアスランだけではない

キラもその階級とは不釣り合いなほど若い

ラクスもカガリも、一国を背負うには若すぎる

だが、それに誰も気づいていない

気付いている者も、何も言おうとしない

 

なぜなら、彼らは勝者だからだ

 

戦争の勝利者

 

勝者に敗者が意見できる道理はない

 

(だから、誰も俺たちのやることに口を挟まないのか?)

 

ラクスがどれだけ無茶を言っても黙って従い、下に着く

なぜと言われれば、それは彼女が勝者だからだ

 

(なら……)

 

もしかしたら

そんな思考はセレーネの言葉で遮られた

 

「これが貴方の愛機です。

と言っても、外観に変化はないのですけれどね」

 

そう言われて前を見る

そこに鎮座するのは自らの愛機

 

紅い騎士

 

無限の正義の体現者

 

アスランは早速ジャスティスを纏い、OSを起動する

そこには見慣れない新たなプログラムがあった

 

「それがワープです。

そのプログラムを起動すれば、空間跳躍が可能です。

ただ、それは好きなところに跳べるわけではなく、あらかじめ決められた波長のある場所付近に跳ぶように設定してあります。

今回はオリジナルのプロトユニットの近くに跳ぶように設定しました。

帰りはこちらでオリジナルの物と同じ波長のものを用意しますのでそれを追ってください」

 

「分かった」

 

返事をしつつ、プログラムを起動させる

低い音が鳴り、ユニットが稼働を始める

 

「ありがとう。貴女のおかげであいつを助けることができそうだ」

 

「ご武運を祈っておきます」

 

ジャスティスが虹色に発行し始める

目指すはシンがいるはずの世界

 

「アスラン・ザラ。

インフィニットジャスティス、出る!」

 

その声と同時に、アスランの姿は忽然と消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてアスランは運命と再会する

 




はい、というわけで今回はどうやってアスランがIS世界に来たのかという話でした!

今回、アスランが混迷するC.E世界の原因に気付きかけます。
ここで気づいていれば、あとの展開もよくなったのかもしれませんね。

どういうことかって?それはPHASEシリーズの最終話をお楽しみにしてください。

次回は!
「作者おめでとう!就職内定決定記念番外編」だよ!
いつもの番外編以上にカオス&セルフクロス!
正直言ってキャラ崩壊が激しいしただただテンションの弾けた作者が好き勝手やるだけの話ですから正直見ない方がいいです!

じゃぁ書くなって?そいつはできねえぜ!

じゃあなみんな!また見てくれよな!

P.S
最近SAOFFでシノンちゃんに通常コスを着せるかGGOコスを着せるかかなり悩んでます。最終的にはYシャツで落ち着きそうです。
べ、別にYシャツ姿でお姫様抱っこしてパンツを見たいわけじゃないんだからね!
ただ経験値がほしいだけなんだからね!
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