モルガンと行く冬木聖杯戦争   作:座右の銘は天衣無縫

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今回普通に難産だったわ
モチベーション低くて〜とかじゃなく普通に難産

あと全く関係ないけど一時期累計ランキングからこの作品消えてて超ビビった


5話

 

「やってきたわね。」

 

遠坂が大聖杯の探索を終え、言峰に事情を説明した翌日。

教会に行った後にルフェイ邸へと行ってもよかったが、向こうには実質3騎のサーヴァントがいる。

もしも戦闘になったら勝つどころか逃げることすら難しいだろうという判断で翌日に持ち越したのだ。

 

そして遠坂とアーチャー、士郎とセイバーの4人でルフェイ邸へと来たのだった。

何処となく重苦しい雰囲気を感じた遠坂は、それに負けじとルフェイ邸を睨みつけた後にインターフォンを押した。

すると、インターフォンからは返事がない代わりに門が勝手に開いた。

 

「……勝手に開いた?」

 

「入って来いということでしょう。

敷地内では最大限の警戒を。

何が仕掛けられているのか分かりません。」

 

そう言って初めに中に入ったのはセイバー。

次に士郎が続き、遠坂がその後ろに、霊体化したアーチャーが殿を務める。

 

4人が入ると同時に門はゆっくりとしまった。

手入れのされた庭、パラソル付きのテーブルとイスのセットが置かれている。

一見するだけではただの雰囲気の良い洋館だ。

 

だが、その実、敷地には大量の結界が張られている。

感知、迎撃、味方への支援、敵の能力低下。

そういった効果を持つ結界が今は起動していないだけで何重にもあるのだ。

勿論、サーヴァントであるセイバーとアーチャーはそれに気付く。

 

自分達は敵の胃袋へと誘導されているのだとはっきりと意識している。

それでも歩みを止めないのはこれが必要な事であると分かっているし、昼間はこちらから手を出さない限りは向こうも手を出しはしないだろうという確信にも近い予想があるからだ。

 

そして洋館の玄関へとつく。

玄関の扉も勝手に開いた。

 

「ガァッ!」

 

「うわっ!?」

 

扉が開くと同時に、向こう側にいたのであろう鴉が一声鳴いた。

 

「……貴方が案内役ですか?」

 

「ガァ」

 

セイバーが前回の聖杯戦争でモルガンが鴉を使い魔にしていたことを思い出してそう問い掛ければ言葉が分かるのか鴉は一声鳴くとテシテシと音を立てながら歩き出した。

 

「ついて来いって事ね。」

 

ご丁寧にも人数分のスリッパが用意されていたのを無視して、靴を脱いで玄関を上がった。

少し歩いて鴉は1つの空いていた扉の中に飛び込んでいった。

 

後を追ってその扉の中を覗くと下へ向かって石の階段が続いている。

それを降りて行くとすぐに片側の壁が消えて更に下が見下ろせるようになった。

そこから下を見ると、モルガン、カイ、桜、エルメロイ2世、ライダーの5人が椅子に座ってテーブルを囲んで待っている。

 

モルガンはチラリとも視線を向けず、カイはジッと此方を見つめ、桜はこちらを見るとペコリと一礼し、エルメロイ2世は視線を一度だけ向けるとすぐに目の前に視線を戻し、ライダーは

 

「おう!

ようやく来たか!

そんな所に突っ立っとらんで早くこっちへ来い!」

 

と気さくに声を掛けてきた。

そのライダーが話しかけて来たお陰で少しだけ警戒心が薄まった4人は階段を下り、士郎と遠坂は用意してたのであろうイスに座り、サーヴァント2人はその後ろに立った。

 

「……さて、何から聞きたい?」

 

いきなり本題について斬り込んできたのはモルガンだった。

優雅にもカップに入れられた紅茶を飲みながらそう聞いて来た。

 

「大聖杯よ、アレは一体何なの?」

 

「呪いそのものだ。

悪であれと望まれ悪である事を望み、結果的に本物に近づいてしまったものだ。

この館にあった資料によればだが、嘗ての第三次聖杯戦争でアインツベルンは必勝の策としてアンリマユという神霊を召喚しようとした。

だが、当たり前だが神霊なんぞがそう簡単に召喚できるわけがない。

 

結果として召喚されたのは何処とも分からぬ場所でアンリマユとして殺された青年。

結果としてアインツベルンはいの一番に敗退した。

だが、そのアンリマユは悪であれという願いそのものの具現でもあった。

故に願いを叶える聖杯と最悪にも最高に相性が良かったのだろう。

 

アンリマユの呪いが大聖杯を汚染した。

そしてアレはサーヴァントの魂という最高のリソースを得る事で完全な形で顕現しようとしている。

それだけだ。」

 

「これが、その資料の写しだ。」

 

妖精眼で観るのすら一苦労だったとモルガンがボヤくのを横目に、カイがテーブルの上を滑らして来た紙の束を遠坂は受け取ると猛然と読み始める。

1枚目は恐らく間桐の実質的な当主だった間桐蔵硯の日記だろう。

そして2枚目以降はその蔵硯本人が大聖杯を調査した結果。

士郎もその紙束に目を通すが、専門的な言葉が多くて半分も分かっていない。

 

「アレが一部顕現したのが前回の聖杯戦争の最後。

冬木の大火災だ。

分かるな?

完全に顕現されたら世界が滅ぶ。

いくら私でもそんな終わり方は御免だ。」

 

「そこで手を組もうって話だ。

予想ではあるが、俺たちはモルガンとキャスターで浄化が可能だと判断している。

だが、時間がかかる。

その間に襲われても他の陣営が敗退しても困る。

それに何より邪魔してくる奴らがいる。」

 

「邪魔?

一体誰が邪魔すると言うのですか。

あなた方の言ってる事が事実ならそれこそ世界が滅ぶことを望む者でもいない限りは……」

 

「言峰綺礼、そして第四次聖杯戦争のアーチャー、ギルガメッシュ。」

 

セイバーの言葉にモルガンが答えを被せる。

それを聞いたセイバーは驚きのあまり言葉に詰まり、次の瞬間には激昂した。

 

「嘘を言うな!

あのコトミネとかいう男はまだしも、あのアーチャーがまだ現世にいるだと!?

サーヴァントを維持するのにどれだけの魔力が必要だと」

 

「奴も受肉したのだ。

貴様が宝具を聖杯に対して放った後。

聖杯の開けた孔から呪いの泥が零れ落ちてきた。

それまでは聖杯が泥を受け止めていたから何も無かったように見えていただけだ。

 

泥はあらゆるものを飲み込んだ。

物には火をつけ、人には呪いを与えた。

その呪いに打ち勝てたものは後天的に魔術回路が発現していた。

指向性はどうあれ、高濃度の魔力ではあったのだ。

ギルガメッシュはその泥に呑まれ、そして呪いに打ち勝った。

その結果が受肉だ。

更には衛宮切嗣によって心臓に穴を開けられて死んだ筈の言峰綺礼も生き返った。」

 

ついでとばかりに告げられた切嗣の令呪の真意にやはり自分は一切何も知らなかったのだと心にダメージを受けたセイバーは、今は後悔する時では無いとそれを無視してモルガンに問を投げる。

 

「……っ、それが本当だとして何故奴らはその呪いを顕現させようとする?」

 

「どちらも単純だ。

言峰綺礼は神職からは最も程遠い人間だ。

地獄をこの世に作り、それに苦しむ者の姿を見て己の人生における答えを得たい、とそう望んでいる。

ギルガメッシュは増え過ぎた人間の選定を行うつもりだ。

アンリマユの呪いという試練をこの世に与え、生き残った優秀な者だけが残れば良いとそう考えている。

何故ならこの星は余す所なく奴の庭と傲慢だが至極当然にもそう考えているからだな。」

 

「…………信じられない。」

 

「なら勝手にしろ愚妹。

手伝ってくれなぞとは言ってない邪魔だけはするなと言っている。」

 

迷いを見せながらも、それでもやはりモルガンを信じきれないセイバーにモルガンはただそう返す。

勝ち筋を増やすにはセイバーのアヴァロンが欲しいが必要不可欠では無い。

だったら邪魔だけはせずに居てくれれば良い。

上手くギルガメッシュとぶつかってくれるように誘導するから。

 

「……なぁ、お主達。

姉妹のことなんで黙ってようとは思ったんだが、いくらなんでも2人揃って不器用が過ぎんか?

言いたい事があるのならハッキリとぶつけよ。

それでも蟠りがあるならば殴り合え。

事は全てそれで片付くものだろう。」

 

そこにポリポリと頭を掻きながら話に入って来たのはライダー、イスカンダルだ。

 

「ほう、ならばその馬鹿げた考えに反論してやろう。

単純明快だ。

そんな事している暇もリソースも余裕も無い。

アレを相手にするというのに私が勝つと分かってる愚妹となんぞ遊んでいられるか。」

 

「そればかりは私も同意見だ。

業腹だが、モルガンと戦えば最終的に私が勝つにしても此方もただでは済まない。

聖杯戦争がどれだけ続くかわからないのに余計な消耗は下策だ。」

 

なんだかんだで思考回路が似ているのだろう。

姉妹揃って睨み合いながらも冷静に判断して余計な戦闘だけは避けようとしている。

 

「じゃあ、リソースを削らなければ良いんだね?」

 

だが、その瞬間場違いな程明るい声がその場に響いた。

不思議なことに声はセイバーにそっくりだ。

 

「ならばボクが夢の中で場を整えてあげよう。

夢の中だから死んでも仮初、心置きなく戦えるだろう?」

 

「……マーリン、貴様は出てくるなと言った筈だぞ。」

 

「は?

マーリン!?

……態々女性に化けた上に私の声に似せるとは嫌がらせですか。」

 

「ああ、それは済まないね此方の世界のアーサー王。

だが、ボクのこの姿と声は生まれつきでね。

ボクは君の知るマーリンではない。

ちょっとこの世界のマーリンから話を聞いて面白そうだからやってきた並行世界の夢のお姉さんさ。」

 

「……ああ、このイラッとくる感じは間違いなくマーリンです。

ですが……並行世界の?」

 

そのセイバーの疑問からマーリンの1人語りが始まった。

 

「今から数年前のこと。

モルガンは今回の聖杯戦争のために凄腕のキャスターのサーヴァントを欲しがった。

そこでこの世界のボクがモルガンの夢枕に立ってこう言ったのさ『力を貸そうか?』と。

勿論、そのマーリンはけちょんけちょんにされて夢から追い出された。

だけど彼は諦めなかった。

1週間くらい夢に出続けてモルガンは漸く話だけは聞くことにした。

『勿論僕だって痛い目見たく無いさ。

だから君に塔に入れられなかった僕を派遣するよ。

なぁに、その位は簡単さ。

だって僕は君の魔術の師匠だものね。』

かなりイラッと来たんだろうねマーリンはまたけちょんけちょんにされた。

けどモルガンはその提案を受けたのさ。

 

そして呼ばれたのがボク。

アーサー王が男でマーリンは女、そんな並行世界のボクさ。

何でか君と声は似てるんだけどね。」

 

「魔術の腕はこの世界のマーリン以上で剣の腕は大した事はない。

だが性格は確実にこの世界のマーリン以下だ。」

 

それを聞いたセイバーが憐憫の目をモルガンに向けた。

あのマーリン以下の性格のマーリンと一緒にいたのか、と。

 

「じゃ、早速夢の世界へご案内しよう。

ついでにもう一組の蟠りがある姉妹も別の夢に、ね。

夢の中は素直になりやすいからね、本音をぶつけ合うと良いよ。

ボクはそれを見て楽しみながら上質な感情を嗜むからさ!」

 

そう言ってマーリンが杖を振るった瞬間、セイバーとモルガン、そして桜と凛は強烈な眠気に襲われ、レジストする事すら出来ずに夢の世界に引き摺り込まれた。

 

「あ、後この場に残った皆にも君たちの様子は見せてあげようと思ってるけど良いよね。」

 

夢に落ちる瞬間にそんなことを聞かれたが答えられるはずも無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッ、と目が覚めた。

何だかとんでもないことにとんでもない理由で巻き込まれたような……

そう考えた遠坂はすぐに気の所為だと頭を振るった。

ここは…………夕暮れの学校だ。

人は誰も居らず静まり返っている。

 

寝てたのだろうか?

まあ良い、取り敢えず帰らなくては。

そう考えて遠坂は教室を出た。

やはり廊下にも1人も居ない。

随分と遅くまで寝てしまったのだろうか。

 

そう考えて足を早める。

階段を降りて校庭に出る。

 

「…………桜?」

 

校庭に1人ポツンと佇んでいたのは己の妹だった。

声に反応したのだろう、桜はゆっくりと振り返った。

 

「……姉さ、いえ、遠坂先輩。」

 

その途中で言い換えたのが心に刺さる。

だが、いつもの事だ。

その筈なのにどうしてか今日は思ってる事が口に出た。

 

「桜……今更だけど遠坂に戻って来ない?

父様は死んで母様も今は病院。

間桐だって無くなった。

あの時の養子縁組だってもう効力はない筈よ。」

 

「……本当に今更ですね。

前にも言いましたが私は桜・ルフェイです。」

 

「でも血を分けた姉妹よ!」

 

「だから何だって言うんですか!?

私が間桐で一体何をされてたか知りもしないくせに!

私があんなに辛い目にあって来た間も姉さんはあの人達に大切にして貰ってたんでしょう!?

その癖、間桐が居なくなったら今度は助けて貰った母さんと父さんを裏切って遠坂に戻れなんて随分と虫のいい話じゃないですか!」

 

ザワザワと桜の影が揺れる。

影の一部が地面から空間へと這い出てくる。

それを見て遠坂も魔術回路を励起させる。

 

「たしかに何があったかは知らない!

けど桜は何も話してくれないじゃない!

それなのに分かれなんて無理な話でしょう!?

それに辛い事があったなら頼ってくれれば良かった!

そうすれば父様だってきっと桜の事を助けてくれてた!」

 

「もしもの話になんて意味なんかありません!

あの人たちは私を捨てて父さんと母さんは助けてくれた!

それが! それだけが私にとっての事実です!」

 

「そんな事ない!

2人ともあなたを捨ててなんかいなかった!

父様があなたを間桐に預けたのはあなたが魔術師として成長するためであり、あなたを守るためでもあった!

母様はあなたを間桐に行かせるのを最後の最後まで悩んでたし、行かせた後もこれで良いのかってずっと悩んでた!

 

……それに!

あなただって今も私があげたリボンを付けてるじゃない!」

 

「ッ!!

うるさい!!」

 

影が鞭のように振られる。

それを遠坂は横に跳んで避ける。

自分がついさっきまでいたところに鈍い音を立てて影が叩き付けられる。

 

「私だって信じたかった!!

なのにあの人達は助けようとするどころか知ろうともしなかった!!

姉さんがあの人達と一緒に笑ってる間、私はずっと1人で蟲に犯されてた!」

 

「ッ!?」

 

「魔術の修練でも何でもなく、次の間桐を、私を胎盤として産ませた仔が優秀である様にと。

分かりますか?

毎日毎日、怖気の走るような蟲が体の外も中も這い回り、私の体を作り替えていく事の恐怖が。

それを雁夜おじさんは聖杯戦争中にあの人に伝えたそうです。

無論、魔術の知識なんて無いから蟲に犯されている事だけでしたが。

そしたらなんて言ったと思います?

『魔術の修練なら仕方ない

それに口を出す権利は私には無い』ですよ。

 

実の親はおかしいとも思いすらせずに私を捨てたんです。

そしてその地獄から助け出してくれたのが父さんと母さんでした。

だから…………だから私の家族をあなたには……あなた達だけには否定なんかさせない!!

それでもまだ同じような事を言うのなら、あなたは姉でも先輩でもなく、ただの敵です。」

 

態々そう言ったのはそれでもと言って欲しいという気持ちの現れか。

それとも互いの立場を明確にする事で自分の迷いを切るためか。

恐らくは自分でも分かっていないのだろう。

 

「……ええ、ごちゃごちゃ話し合うのは性に合わないわ。

取り敢えず暴れるだけ暴れて冷静になりましょうか、お互いにね!!」

 

そう言って遠坂はポケットに入れていた宝石を取り出して指に挟む。

ただ今は体を動かしたかった。

それが命をかけた様なものでも、ただがむしゃらに。

そうしなければ自分の心の整理がつきそうになかった。

お互いに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢の空間に戦いの音が鳴り響く。

剣と剣を、魔力と魔力をぶつけ合いながら高速で移動していくのはモルガンとセイバー。

その戦いは2人を取り巻く夢の世界にも影響を及ぼしていた。

マーリンの作った世界は対象となる2人が共通して知る何処かを空間に写し出すもの。

だが、逆に言えば互いが知ってさえいれば世界を塗り替える様に環境を変化させることも可能だ。

 

だからこそ、最初に気づいたモルガンがそれを利用して環境を自分に有利な場所へと変えた。

だが、セイバーもすぐさま対応してくる。

それにより、2人の戦いの場はどんどん移り変わっていく。

ブリテンの何処かの森から冬木のアインツベルン城。

キャメロット、湖の上、冬木市市街、山岳、草原。

2人はとうにここが夢の世界だと気付いていた。

 

にも関わらず、と言うべきか、だからこそ、と言うべきか、2人は戦いながら対話という本来ならありえない行動を取っていた。

 

「愚妹、貴様今の聖杯にかける願いが何か言ってみろ……!」

 

「妖精眼を持つ貴様には分かっているだろう!

王の選定のやり直し、前回の聖杯戦争で思い知った。

私が王である限り、ブリテンの滅びは変えられない。

ならば、王の座を退く。

私よりも王に相応しい人物はいる筈だ。

それこそブリテンの王となるべくブリテン島に選ばれた貴様もその1人だ。」

 

「巫山戯るなよ貴様。

どれだけ筋書きが変わろうが、行き着く先は誰であろうと同じだ。

ローマに攻め滅ぼされるか、サクソン共に国内をズタズタにされるか、内戦で自滅するか、私やヴォーティガーンが神秘の代理者として滅ぼすかだ。」

 

「それでもあのカムランの丘での最後よりはマシな筈だ!」

 

「現実を見ろ愚妹!

何故マーリンとウーサーは貴様を選んだ!?

そうでなければあの島は島の上にある全てを巻き添えに滅びていたからだ……!

 

……ああ、認めたくはないが認めてやろう。

愚妹、貴様は人理の明日を背負う人の王としては最高の王だ。

ギルガメッシュの様な苛烈な裁定者ではなく、人理のために人と共に歩める王だ。」

 

「何を……」

 

「悔しいが……あの時、貴様と対峙して認めざるを得なかった。

 

騎士王アルトリア・ペンドラゴン。

貴様の仇敵ではなく、姉として、そして湖の精霊の別側面として予言してやろう。

近い未来、貴様は貴様の答えを得る。

だからこそ今は存分に悩め。

遥かな過去、そして未来にそれはある。」

 

そう言うと言うべきことは終わったとばかりにモルガンは戦闘を止めて夢に干渉し始める。

 

「待てモルガン!

それは一体どういう……」

 

「今は絶対に分からんだろう。

チ、夢だからか余計な事まで話してしまったやもしれんな。

マーリンめ覚えてろよ、両方ともだ。」

 

夢の世界がひび割れていく。

セイバーは直感で今こそ何もかもを聞くべきだと判断するが、一瞬遅い。

なにかを言おうとすると同時に白い光に包まれて夢は砕け散った。




うい、というわけでキャスター枠はプーリンでした
以下召喚できた仕組み説明

FGO2部6章ネタバレ一部あるので注意






人理焼却でもマーリンはバビロニアで言ってた通り死んでない

人理焼却の影響はアヴァロンまで届かない
&2部6章でマーリンはアヴァロンを使う事で自力で別の汎人類史になったブリテン異聞帯に来れた

地球表面のテクスチャと地球内部は全くの別物であると分かる上に、人理焼却、人理漂白でもブリテン時代にテクスチャの表側にいたマーリンに一切の影響が出ていない事から完全に隔絶した世界であると分かる

つまり、テクスチャ上では第二魔法を使う事でしか観測すらできない並行世界も、ブリテン異聞帯に来れたのを見るとどうにも薄くながら並行世界に繋がってるっぽいアヴァロンからなら手出しが可能?

なら、アヴァロンを通して自分自身を触媒にすればプロトマーリンにマーリンがオファーを出す事も可能なのでは?
という理論

なおプロトマーリンは目の前で面白そうな物語を見れるからと快諾
マーリンはアルトリアに悪いと思ってるし、モルガンにも悪いと思ってる上に流石に自分が行くとモルガンがキレるのが目に見えてるのでこういう手段を取った

因みに公式情報としてプロトマーリンはブリテンの滅びに関してアーサーに悪いとすら思ってないからマーリンよりも質悪いぞ!
マーリンは感情がないとは言え、少しは悪いと思ってるらしいからな!

え?
モルガンが素直?
マーリンの仕掛けた夢だからか仕方ないね

桜&凛はもうちっとだけ続くんじゃ
ブリテン組がさっさと終わったのはどちらも(中途半端にとはいえ)レジストに成功して夢だと分かっていたから

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