モルガンと行く冬木聖杯戦争   作:座右の銘は天衣無縫

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お久しぶりです

遅くなりましたが、評価者数1000人ありがとうございます!
投稿の遅いこんな作品ですが、漸く終盤に入ってきました
完結までよろしくお願いします

テレビでヘブンズフィールやってて見終わったら書きたい欲が湧いてきたので何とか書き終えられました
やっぱり原作は最高だぜ!

あとティアマト実装おめでとう&ありがとう!
石配りも十分あったので無事引けましたね
その前のホワイトデーイベは爆死でしたが


12話

「あれ?

もう来たの?

まあ、良いけどね。

お城に比べたら狭いけど居心地良いからゆっくりしていって。」

 

「貴様の家じゃないだろうがアインツベルン。

で、策の案が出来たから相談しに来たと。

殊勝な心掛けだな、入れ。」

 

ルフェイ邸に2日連続で訪れた士郎達を迎えたのはこの家の主人、ではなく客人のイリヤだった

まるでこの家の主の様な言い草に後から現れたモルガンがツッコミを入れながら士郎達の思考を読んで要件を把握した

士郎達は促されて玄関を上がり、ここ数日同様地下へと降りる

 

そしてモルガンとイリヤだけが席に座り、他は見当たらない

 

「それでどの様な策だ?」

 

「待って。

他は?

全員が揃ってないのにやるの?」

 

「ならば逆に問おうか、その必要があるか?

どんな策を考えてきたかは知らないが、現時点ではそれは初期案でしかない。

今の時点で修正の必要が無いと言い切れるほど自信があるのなら、今は体を休めたり準備を整えている他の者達の時間を割いても構わないがな。」

 

モルガンのその言葉に唸る遠坂の姿を見ているととことん相性が悪いのだと分からされる

 

「時間は有限だ。

聞かせろ。」

 

「分かってるわよ!」

 

キレながら大声で遠坂が返事をして、一息ついて気持ちを落ち着かせてから話し始める

誰が誰を相手するのか

その程度の話ではあるが、モルガンは最後まで聞いてから1つだけ質問をした

 

「まあ、策と言える程のものでは無いが良かろう。

ただし、先に確認せねばならない事がある。

アーチャーが本当にヴォーティガーンを抑え切れるかどうかだ。」

 

モルガンが妖精眼で見る限りでは遠坂はアーチャーの実力を不安視しつつも信じているが、それでは論外だ

確たる証拠がいる

 

「それは私自身が言おう。

これでも防戦は得意でね、可能ではあるだろう。」

 

……嘘では無い

その根拠を探るべく更に心の深層まで読む

アーチャーの奥の手は…………固有結界……!

サーヴァントとは言え現代の魔術師にとっては奥義と言っても過言ではないソレを操るか

それに固有結界ならば相手を一瞬で隔離する事が出来る

2人の固有結界持ちがいるのならば、取り巻きの妨害には十分だ

 

「……良いだろう。

だが流石に貴様1人では無理がある。

愚妹も連れて行け、役には立つはずだ。」

 

「じゃあ、あの金ピカは私のバーサーカーと貴方、キャスターの3人で相手するの?」

 

「可能ならバーサーカー1人で抑えて貰いたい。

応援が来る可能性は著しく低い。

最悪使い潰させて貰うぞ。

浄化さえ完了してしまえばあとはどうにでも出来る。」

 

なにせ消耗戦になれば冬木の地の地脈の殆どを抑えたモルガンの方が有利だ

対して相手は冬木の聖杯から泥がなくなれば、その泥で生きながらえているだけの言峰綺礼は今度こそ絶命し、マスターのいなくなったランサーは敗退を選ぶかこちら側につくかのどちらかしか選ばないだろう

残ったギルガメッシュをマスターとする事も恐らく無い

ヴォーティガーンは……あれは恐らく大聖杯に備わった裁定者ルーラーのシステムを悪用しての召喚だろう

マスターはおらず、魔力も大聖杯そのものから供給され潤沢と見てまず間違いない

和解は……十中八九、不可能だろう

 

私以上に島の自滅願望をその身に抱いていた男だ

その上、その生涯において一度も一瞬たりとも島の呪いから離される事なく、死ぬその瞬間まで人理に染まるブリテンを否定し続けていた

つまり仮に私のように複数の時期において全盛期と判断されたとしても、その性質が怪物から外れる事は決して無い

英雄を屠り、英雄によって倒されるべき悪

それは変わらない

 

故に奴に限っては敵として召喚されたのなら和解の道はなく、殺すか殺されるかしかない

 

「……問題はもう一つ。

どうやって倒すかだ。

ギルガメッシュとヴォーティガーン。

この2人は必ず最上級の宝具を所持しているはずだ。

約束された勝利の剣エクスカリバー』ですら火力不足の可能性が高い。

確実に倒すのに十分であると判断できる『偽・霊脈閉塞型兵装ロンゴミニアド』は1基のみ。

それについては…………」

 

「それはボクに考えがあるよ。」

 

地下空間にセイバーとそっくりな、しかし明らかに言葉の重みが軽いおちゃらけたような声が響く

 

「キャスター!?

やられて治療中じゃなかったのか!?」

 

「丁寧なフリをありがとう、衛宮士郎君。

もちろんやられたとも。

これは幻術で投影させただけのハリボテ。

本体は未だに重傷だよ。

取り敢えず昨晩にこの街の住人の夢から感情を食べさせて貰って少しは回復したからこうやって幻術で会議に参加させてもらってるだけさ。」

 

「御託は良い。

早く話せ。」

 

「気が早いなぁ。

それじゃあちょっとお耳を拝借。」

 

そう言ってイタズラっぽく微笑むとモルガンの耳に手を当てて何かを囁いている

モルガンは最初はそれに嫌そうに眉間に皺を寄せながら聞いていたが、途中から目を見開き、マーリンが離れると同時に顎に手を当てて考え込みはじめた

 

「…………理論上は可能だが検証の必要がある、か。」

 

「一体何を……?」

 

「……貴様らが気にすることではない。

話は終わりだ。

やるべき事も増えた、悪いが今はこれ以上時間を割けん。」

 

セイバーが明らかに何かを隠しているモルガンに顔を顰めながらもこれ以上聞いても無駄だと判断し、士郎に声を掛けて階段へと歩き出す

その後ろからイリヤが駆け寄り、士郎の手を引いて階段を駆け上がっていき、士郎は手を引かれて少し体勢を崩しながら地上階へと上がっていった

それを見送った遠坂はまだ椅子に座ったまま何かを考えているモルガンに話しかけた

 

「……最後に一つだけ聞かせて。

お父様を殺してお母様を廃人にしたのはあなた?」

 

「……いつの間にか死んでいた男をどう殺せと?

貴様の母に関しても同じ答えだ、知らんな。

まあ、大方の予想は付くが。」

 

その答えを聞いた遠坂は目を閉じて少し考えた後、その言葉に嘘がないと判断した

そもそも年を重ねて成長していくごとに言峰綺礼の言うことに信用がおけないという事を学んできたのだ

目の前の不倶戴天の敵だと思っていた相手と今も教会にいるであろう確実に敵になった男

どちらの言葉が信用できるか、正直悩みに悩んだが、最終的にモルガンの方を選んだのだ

 

「……そ。

それが分かったなら十分だわ。

それと…………遠坂家当主としてこれまでの非礼について謝罪します。」

 

僅かな葛藤の後に出した最後の謝罪だけ少し小声かつ早口だった

自分の向けていた敵意やらが全く見当違いという事が分かっても苦手意識や自分の中でのわだかまりまで解消出来たわけでは無いのだ

 

「構わん。

所詮は子供のやった事。

実害のない事だ、大人として目を瞑っておいてやる。

話は終わりだな?

桜は今自室にいる。」

 

「!

私は何も言ってないけど?」

 

「考えているだけで十分だ、そんな事もまだ分からんか?

相変わらず才はあるのに残念な娘だな。」

 

「う、うううっさいわね!?

残念で悪かったわね、この性悪!」

 

「褒め言葉として受け取っておく。」

 

薄く笑いながらそう受け流すモルガンに対し、遠坂は目の前の人物が苦手なタイプそのものであることを改めて痛感するのだった

 

 

 

一方その頃

イリヤに手を引かれるままに士郎がついていった先はイリヤに貸し出されている客間の一つ

大きさはつい先日、士郎達が少しの間滞在した時の部屋と変わらず、間取りもほぼ同じ部屋だった

 

扉を開けたところでイリヤは士郎の手を離し、ポスン、とベッドに少し勢いをつけて座り込んだ

 

「どうぞ、座って?」

 

「ああ、お邪魔します。」

 

イリヤに促されるままに士郎が部屋へと入り、その後にセイバーが続く

 

「それで話ってなぁに?」

 

「その……イリヤは爺さん、つまり切嗣の娘、なんだよな?

しっかりと血を分けた。」

 

「ええ、そうよ。

けどキリツグが父親とは認めてないわ。

だってキリツグは私との約束を全部破ったんだもの。」

 

「約束?」

 

「……それも聞いてないの?

……呆れた。

ホントに隠し事とか嘘ばっかり。

キリツグもそうだけど、セイバーもね。」

 

「それは……」

 

「言い訳なんか聞きたくない!

キリツグもセイバーも私に約束した、けど破った。

その上、キリツグは約束も無かった事にしてお兄ちゃんと別の女と一緒に暮らしてたんでしょ!」

 

絶叫

憎しみによる言葉にしか聞こえない様だったが、士郎にはどこまでも悲しみがこもっている様に聞こえた

 

「イリヤ…………何も知らない、知らなかった俺には何も言うことは出来ないんだろう。

けど、切嗣が何かをしていたのだけは知ってる。

切嗣は毎年の様に海外に出かけてた。

帰るたびに憔悴して、命を使って来た様に思えた。

何をしていたのか、どこに行ってたのか。

子供の時には分からなかったけど、今は違う。

イリヤから話を聞いて、舞弥さんからも事情を聞いた。

 

それと……切嗣のパスポートを見たんだ。

切嗣は色んなところに行ったんだって言ってたけど、本当に行っていたのは一国だけだった。

ドイツだ。

イリヤはドイツから来たんだろ?

切嗣は何度も何度も迎えに行ってたんだ。」

 

それを聞いたイリヤは目を大きく見開いた後、大きく激しく首を横に振った

 

「嘘よ!

じゃあ何で私はキリツグと会えなかったの!?

誰も来たなんて言わなかった、お爺様はキリツグは私を見捨てたんだって!」

 

「それは……」

 

「それは、キリツグと私がアインツベルンとの盟約を果たせなかったからでしょう。

アインツベルンの望みは聖杯の完成。

しかし、私とキリツグはその聖杯を破壊しました。

アインツベルンからすればこれ以上ない裏切り行為でしょう。

何も得ないどころか、裏切った男1人が戻って来たところでアインツベルンからすればイリヤを渡す道理も義理も無い。

 

裏切りには罰を。

それがアインツベルンの答えであり、その為にイリヤに間違った情報を伝えた、という事は十分に考えられます。」

 

「っ…………そ、それだって証拠は無いでしょ!?

私は信じないから!

バーサーカー!」

 

イリヤが叫ぶと同時にその声に応えてイリヤのすぐ横に巨躯が現れた

それにセイバーが武器を構えそうになるのを手で制する

 

「シロウ……!」

 

「セイバー、ダメだ。

ここで手を出したらもうイリヤと話せなくなる。

悪かったイリヤ。

今日は帰るけど、また来るよ。

もっと話そう。

じゃあな。」

 

眉間にシワを寄せて、怒ってます、とアピールするイリヤに別れを告げて部屋の外に出る

イリヤに呼ばれて姿を現したバーサーカーは一切動く事なく、ジッとこちらを静かに見つめているだけで、イリヤはそっぽを向いたままだった

 

広い廊下を歩いて、玄関へと戻る

その途中で遠坂とすれ違うところで足を止めて話し掛けた

 

「遠坂はこれから桜に用事か?

俺たちは一応済んだんだけど、待ってようか?」

 

「なんで桜に用事って分かるのよ。」

 

話しかけてみれば返ってきたのはそんな言葉

その答えに一瞬、セイバーと顔を見合わせてしまう

 

「いやだって遠坂、ずっと桜のこと気にしてるみたいだし。」

 

「姉妹なのですよね?

この前も何やらあった様ですし。」

 

思ったよりも自分と桜の関係について知られていた事に顔をひくつかせ、そして追撃の様にアーチャーからも念話でつっこまれる

 

『リン、あれで隠してるというのは中々無理があるぞ。』

 

後でアーチャーはシメると心に決めつつ、それを表情に出さないままに士郎とセイバーへと返答する

 

「ええ、そうよその通りよ。

けど姉妹の話だし口出し無用だから。

待つ必要もないわ、先に帰ってて。」

 

「そうか?

ならそうさせて貰うけど、相談くらいにはのるからな。」

 

「ええ、必要だったらね。

けど、そっちはそっちで面倒そうだから自分の事に集中しておきなさい。」

 

ヒラヒラと手を振りながら遠坂は歩き始める

その後ろ姿を少し見送ってから2人はもう一度歩き始めた




真名 ヴォーティガーン
クラス アヴェンジャー 
ステータス
人型時
筋力C
耐久B+
俊敏B
魔力A
幸運C
宝具B

本作のヴォーティガーンのステータス一部開示します
クラスとステ値くらいなら先に開示してもええやろ

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