夕映に憑依したダレカの物語   作:ポコ

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 なんか展開がすぐに思いついたので、勢いで執筆。side形式じゃないって書きやすいわぁ……いかんいかん。こっちは副業SS! でも書きやすい! やっぱ原作をどんだけ理解してるかっていうのも大きいんだろうなぁ。ネギまはほんともう、何回読んだかだよ。


第1話 おいでませ麻帆良学園

 どうもです。去年11月に6歳になった綾瀬夕映です。

 なんやかんやあって、やって来たです麻帆良学園!

 

 なんやかんやで済ますなと言われても、本当にそんな感じなのです。お爺様に麻帆良に行きたいとお願いしたところ、何故か乗り気になったお爺様はあっという間に引っ越しの手続きをしてしまったです。どうしてそんなに乗り気なのか尋ねたところ、前々から麻帆良に興味はあったけど、まだ幼い私を自分の都合で引っ越させるのは可哀想だと思っていたとか。ですので、私が麻帆良に行きたいと言ったのは渡りに船だったという訳です。私が丁度小学生に上がる年齢だったというのも、要因の1つですね。哲学者のお爺様としては、色々と噂の絶えない麻帆良学園は興味深い場所だったのですね。え、噂の内容ですか? ハイテクノロジーがどうとか、有り得ない大きさの木があるとかですよ。学園の認識阻害結界も、学園の外までは完全にカバー出来ないみたいです。噂で収まってるのは、取材や確認に尋ねても結界で誤魔化されてしまうからと思うです。まぁ、それくらいできないとあんな馬鹿でかい世界樹を秘匿なんて不可能ですし。

 

 なんだか順調すぎて怖いですが。こうして最初の難関である麻帆良学園への引っ越しはあっさり成功したです。現在の暦は3月。4月からは私も麻帆良学園初等部に入学する事が決まってます。

 さて。ここで考えておかなければならないのが、初等部の頃から麻帆良に在住している原作メンバーが誰かという事です。こういう事はちゃんと把握しておかないと、不意打ちで出会ってしまった時に取り乱す可能性があるです。うっかり名前を呼んでしまったりしたら最悪の場合、魔法先生に目を付けられてしまう可能性もあるです。スパイの類と勘違いされたりしてですね。流石に私のような子供に警戒する可能性は低いですが、用心はするにこしたことは無いです。ふふ、私はそこらのオリ主や慢心王のように、油断から取り返しのつかない状況になんて事にはならないです!

 

 それで、今麻帆良にいるであろう原作メンバーの事です。3-Aの生徒に関しては、取り敢えずエヴァンジェリンさんは確定。原作の15年前から麻帆良に居るそうですから、今は……えーと、2003年で中学15年生ですよね。となると、今は原作8年前ですから中学7年生ですね。中学何年生とか言ったら、何だか浪人生みたいで笑っちゃいそうですね。本人の前で言ったら即死ですけど。きっと今頃はエヴァンジェリンさんが一番やさぐれてる頃でしょうし。

 想像ですけど、多分中学3巡目くらいが一番鬱憤が溜まる頃だと思うです。1巡目は今か今かと待ち焦がれ。2巡目はナギさんに何かあったんじゃないかと心配し、そこで悲報が届くわけです。公式でナギさん死亡の報せが流れたのは、原作の10年前の筈です。ネギ先生が産まれる直前に死亡したって、原作で言ってましたから。つまり、エヴァンジェリンさんが中学5年生の頃に悲報が届いた筈です。きっと3巡目の今頃は、ナギさんの死を信じられないエヴァンジェリンさんがどうにかしてナギさんを捜しに行こうと色々やってる頃だと思うです。具体的には吸血で力を集めたり、呪いの術式解呪を試みたり。もしかすると魔法先生の襲撃とかもやってるかもです……絶対に今の時期はエヴァンジェリンさんに近づかないようにするです。触らぬ神に祟りなし。この場合は神は神でも魔神とか戦神と言った類でしょうけど。

 

 エヴァンジェリンさんはそれで良いとして、他にいる事が確定しているのは……明日菜さんといいんちょさんですね。桜子さんと裕奈さんもいた気がするですが、確証はないです。千雨さんは初等部の中途編入だったと思うです。他の人は……刹那さんと超さんは中等部からですね。恐らくハルナとのどかもです。木乃香さんは……どうなんでしょう? 確か修学旅行の時に中等部で刹那さんと再会したと言ってたので、初等部の中途編入と思うのですが。他の方は完全にお手上げですね。原作で語られてたかもですが、私が覚えてる知識ではここまでです。

 

 この中で気をつけないといけないのは、やはり出自からして魔法に深く関わっている明日菜さんと木乃香さんです。特に明日菜さんは、人格が定まるまでは高畑先生が目を光らせてるでしょうから。迂闊に近づこうものなら、居合拳の餌食です。いえ、流石に子供相手に居合拳は無いとは思うですが、念には念をです。少なくとも良い事にはならないでしょうし。

 木乃香さんも似たような理由で危険ですけど、明日菜さんに比べれば大分マシです。ですが、中等部でのどか達が来るまでは必要以上に近づかない方が良いですね。

 

 むぅ。こうして考えを纏めてみると、麻帆良ってかなりの危険地帯ですね。一般の方は関係ありませんけど、モグリの魔法使いにしてみれば死地も同然です……これから私は、そのモグリの魔法使いに教えを乞いに行くんですけど。いえ、学園長は恐らく黙認してるでしょうから、正確にはモグリではないんでしょうけど。

 

 殆どの人が予想出来てると思うですが、私が来ているのは“図書館島”です。そうです。私が教えを乞おうとしているのは、かの【紅き翼】(アラ・ルブラ)の一員でもあった“アルビレオ・イマ”こと“クウネル・サンダース”さんです! あの人なら性癖にさえ目を瞑れば、師匠として申し分なし……の筈です。ネギ先生を弟子にしようとしてた事もありますし、育成能力は問題ないと思うです。下手すれば、エヴァンジェリンさんより長生きでしょうし。

 さて、問題はどうやってコンタクトを取るかですが。普段は封印の監視の為に地下に籠ってるでしょうし……クウネルさんが地下に籠ってるのって回復もあるでしょうけど、それ以上に創造主の封印を見張るという役割が大きいと思うです。学園長の依頼なのか、クウネルさんが自分からそうしてるかは分かりませんが。

 ですから、司書の方に司書長であるクウネルさんを呼んでもらうというのは、恐らく無理です。幽霊部員ならぬ、幽霊司書長なんでしょう。クウネルさんの本体が魔導書らしいという事を考えると、あながち間違いでもないですけど。

 

 さて、あれこれ考えても仕方ないです。周りに人もいないですし、ここはシンプルに大声で名前を呼んでみるです! さぁ、息を大きく吸ってー……せえのっ!

 

「ロリコンのアルビレオ・イマさんいるですか―――――――――ッッ!!」

 

 …………

 ……………… 

 ……………………出てこないです。

 まだクウネルと名乗ってないかもしれないので本名(?)で呼びましたけど、ここはやはりクウネルさんでないと聞いてくれないのでしょう。では名前を訂正してもう一度。すぅー……はぁー……よし、いくです!

 

「ショタもいける生粋のドSのクウネル・サンダースさんいるで「ストップです」すか?」

 

 おお。最後まで言い切る前に来てくれるとは、流石は神出鬼没のクウネルさんです。

 なんだか顔が引きつってる気がしないこともないですが、気のせいですね。フードを被ってるからそう見えるだけです。きっと。

 

「初めましてですクウネルさん」

「これはこれは可愛らしい御嬢さん。どうして私の名前をご存じなのか、お聞きしても宜しいですか?」

「知ってる事を知ってるだけです。そんな事より魔法を教えて下さい」

「ははは。少し落ち着きましょうか御嬢さん……色々と聞きたいことがありますので、宜しければ私の住まいにご招待させて頂いても?」

「良きに計らえ、です」

「ふむ……これは面白いお客様ですね。では私の手を握って下さい」

「変な事しませんか?」

「しても宜しければ」

「謹んで遠慮するです」

「それは残念」

 

 本気で残念そうですね。流石のロリコンです。まさか6歳児まで守備範囲とは、恐れ入ります。

 クウネルさんの興味を引くためにからかってみましたが、程々にしないとクウネルさんも機嫌を損ねるかもしれないので、さっさと連れて行ってもらうです。ニコニコしてるところを見ると大丈夫そうですが。

 ここからはクウネルさんとの交渉という名の真剣勝負です。この人も興味が無い事は絶対にしないタイプだと思うので、上手く興味をひかないと。原作知識を餌にする事も考慮しないといけないですね……いえ、最初から公開する方向でいくです。クウネルさんのアーティファクト【イノチノシヘン】の半生の書がある以上、下手な誤魔化しは逆効果でしょうから。半生の書に前世での知識まで載るのかは分かりませんが、載ると考えた方が良いでしょう。とにかく、弟子にしてもらえるようやってみせるです!




0話より短めですが、キリが良いのでここまで。次回はクウネルとの弟子入り交渉。
夕映がクウネルにあれだけ言ってるのは、半分わざとで半分素です。

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