???「例によって、イタズラにカケラを集めて遊んでみたものよ。
前提として、祟※しの世界と、『Secret code security. 0』のほんの少し前になるのかしら?
登場人物はまた、小此木と入江の二人にしておいてあげたわ。他は人物名が出てくるだけよ。
一部の酔狂な人たちにとっては面白いかもしれないわね。少なくとも私は楽しめたわ」
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皆さんの御協力と御尽力により、今年も綿流し祭が開催出来る事に、大変感謝しております。
今日も暑くなる予想がされています。日射病に注意して適度に休んでくださいね。
皆さま、くれぐれも羽目を外しすぎないよう、楽しく騒ぎましょう!
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ミィーン、ミィーンミィーンミィーと、これから来る夏を予感させるセミの合唱が始まっていますね。今日も暑くなりそうですよ。
私は綿流し祭実行委員の一人なので、テント幕が張られた場所からマイクでアナウンスしておりました。このあとはある程度自由に動けるので、保冷剤を包んだ濡れタオルとよく冷えた〈泡の出る缶ジュース〉を二、三本入れた買い物袋を片手に、露店を覗きながら彼を捜す事にしましょう。
と言っても目指すのは【お好み焼き屋さん】なのですけどね。どうせなら名前の響きが似ている店を出したいとの事を聞きましてね。彼らしいと言いますか。
ジュウジュウと軽快な音とリズミカルなヘラさばきで野菜を炒め始めたところのようです。
「はい、小此木さんの分です。今日は暑くなりますから適度に休んでくださいね」
「へへッ、入江所長のお出ましじゃあねェですかい。おぅよ、ありがたくいただきますんね」
「先日の試食では美味しくいただけましたので期待していますよ」
「あまり期待しねェでくれよ? 味が一定に作れりゃあいいんだがなぁ。目分量じゃあ雑になっちまいますんね。気をつけねェと」
祭という行事は、ここ雛見沢村にとってはだいじなモンだと聞いてっからな。
懐事情を所長にちぃと話したら、祭じゃあ食いモンの露店が良いンだとか店を出せるってンで、色々準備してきましたんね。
Rの監視と雛の監視は雲雀十三たちに任せて、俺はたまの休暇だ。とはいえ、マイクと集音器はオンにしてボリュームを絞ってある。造園会社とは名ばかりみてェだのなんだの言われた事もありましたんねえ‥‥今日ばかりは、いつもの職務を忘れて楽しむか。
ヘハッ、あぶねェ、だいじな食いモン焦がすとこでしたんね。
「焦がさないよう気をつけてくださいね。ははっ、初めて出された時の事を思い出しますよ。ふふふっ」
「所長に見られてっと手元狂いそうになっちまいますんね。あン時は、分量間違えただけだ」
「味はこの私が保証しますので。それに、まだ食べられる味でしたからね」
「おーおぅ、悪かったな。味見は助かった。あンがとよ」
先日、診療所の仮眠室へ一報も入れずに急に来られて相談されたのですよ。彼が出店したいと言い出したので慌ててレシピを調べようとしたところ、私との話をたまたま居合わせ立ち聞きされていたようで。
鷹野さんから教わったレシピに少しだけ手を加えさせていただきました。実はタネにカレー粉末を使っています。これは他の人には秘密ですよ?
「他の露店主にも顔を出さないといけない用事があるので、また後で伺いますね」
「あいよ、所長、また後で頼みますんね」
研究で忙しくしている所長のしかめ面が、今日は無ェ。それくらいにユルユルだったな。
オレニダケミセテクレリャアイイモノヲ
所長と入れ違いに客が数人来ちまったンで、完成したモンを注文分詰めて渡しましたんね。
それからポツポツと人が来はじめてな、大人も子供も、一つから十幾つまで買ってくし、追い付かンなって数分待たせる事になっちまったりして、いやはや、目の前のメシと腹の虫には勝てねェな。
休憩する暇がやっと取れたンは昼の二時を過ぎてからでしたんね。用意していたタネも殆んど無ェなり、あとは店じまいするしかなくなっちまいましたん。所長から貰った袋の中身を確認してたンだが、保冷剤でよく冷えた濡れタオルが火照った体にちょうどえェな。ちぃと露店をブラブラしてくるか。
あっという間に日が傾いてきたな。また来るつってた所長は‥‥まだ来ねェな。どこほつき歩いてンだか。監視のほうも連絡来ねェもンだから、こっちは特に動く必要が無ェしな。
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今日はたくさんの人と顔を合わせる事で雛見沢村の結束と繁栄を‥‥
人波に流されそうになるくらいのたくさんの人出ですね。富竹さんは鷹野さんと一緒のようですし、沙都子さんは他の子達と楽しんでいるようで安心しました。梨花さんの奉納演舞も中々上手く出来たようで何よりですよ。
だいぶ日が落ちてきましたね。私と彼の分の〈綿〉を持って露店の方に急ぎ足で戻らないとなりませんね。夜風は涼しいのに、私は小走りになっている。
私が渡したハズの袋を手に提げた彼が見えてからは、足取りをゆるめながら近づいていく。足元に開けた缶が一つ置いてあるのが見えましたので、飲み始めたのだろうと推察する。
「おこのぎ、さんッ、もうっ、閉められましたかッ」
「あぁ、大盛況でしたんね。ほぉら、このとおり売り切れよ」
「今日の分は、もう、ありませんよね」
「もう無ェかもしらんなぁ?」
ちぃと余所の露店をフラフラと見回っていましたんね。一応、所長を待つのに元の場所に戻って温くなっちまってるかと思った〈泡の出る缶ジュース〉をひとつ開ける。飲んだ限りじゃまだ冷えてて大丈夫そうだな。貰った袋にはあと二缶入ってたが俺と所長の分だろうな。分かってンじゃねーか。
俺を見付けて小走りに駆け寄ってくる所長が、真面目なンだか不真面目なンだか。
ちぃとだけイジワルをしてみたかったが、余り物で作っといた特製のお好み焼きを出してやることにした。特製、だからな?
「あッ、あぁ、ありがとうございます! ですが今は、それどころではなくてですね‥‥」
「〈綿〉、流しに行くンだろ」
「私と一緒に、お願いしても」
「はよう、行きますんね」
ごく自然に私の手を握られてしまい、急に冷静になってしまいました。いや、彼は人混みに流されないようにしたかったようで手を握ったあと、腕を絡ませてきたのですよ。他の人に見られでもしたら冷やかしの対象に‥‥あぁいや、この人波では誰も気づきませんね。少しホッとする私が居るのが、彼に対しての私の気持ちなのだと意識が向いてしまって、〈綿〉を流すという動作がぎこちなくなってしまいました‥‥どうしましょうね‥‥
「所長、このあとどうされますん?」
「社務所に戻って音頭を取った後は、考えておりませんでしたね。片付けがありますし、その時間までなら診療所で仮眠‥‥」
「なら、診療所で決まりだな」
「でしたら合図は、コンコンココンで頼みますよ? ノックせずに入られると色々と困りますので、ね‥‥」
今夜は何も起こらなさそうなンで、マイクと集音器切らンとな。静かに話さンと音拾っちまう。
そういや以前、ノック無しで入っちまったら富竹のヤツが仮眠していたな。あンときゃあ‥‥思い出すのはヤメとくか。ヤツにも雛にも‥‥所長にも悪ィからな。しっかし、ヤツも隅に置けねェなったんね。
下流に流されていく〈綿〉を眺めながら〈泡の出る缶ジュース〉を片手に、所長も持つ缶とで小さく乾杯し、露店で買ったロシアンタコ焼きを一つ摘まむ。こりゃあ、魚肉ソーセージか。案外美味ェもんだな。
フゥー‥‥祭が終わっちまうと今年も夏が来たンだなと実感すンだよな。ヤツも、一時帰っちまうし。また来年、ですんね。所長とはこれからも顔を合わせる事になるが。今までよりももっと逢う機会を増やしてェんだが、雛の機嫌があるからなぁ‥‥
「社務所についてって、俺の恋人だと宣言してやろうかぁ?」
「それは絶対に嫌です! ひょっとして酔ってますぅ? 小此木さんは、ついてこないでくださいね!」
まさかまさかっ。彼とはまだ、そんな仲ではッ。断じて! 決して! ありえない‥‥とも言い切れないのでして。
先程のように手を繋いだりだとか腕を絡ませてきたりだとか、こっちは真剣にグラフとニラメッコしている時に横から顔を近付けられたりだとか、仮眠中の私に‥‥せっ、セッ‥‥接吻したりだとかッ‥‥は、ありましたけど、その先は未だしてきていないのですよね。ナニをどのようにするのかは、医者である私が知らないとでも思われているのかは分かりませんけれども。それもこれも私が拒んでいるからなのですが。心の準備がまだ出来ていませんので、身体を許す事はまだまだ先になりそうですね。
気分で仮眠室に入室されては困るので、こちらでノックの合図を考えておきましたが。他の所員には別の場所を提供しますかね。これで何とかなるかもしれませんね。
落ち着いて考えたら私は、彼の事を何だと思っていたのでしょう。いつかはお話出来ると思いますが、いつになりますかね。
「冗談半分、本気半分ってとこですんね」
「‥‥冗談が過ぎますよ。では私は一旦社務所に戻りますので。小此木さんは?」
「俺は夜風に当たってから診療所に行きますんね。少し頭冷やしてェんでな」
俺も焼きが回ったかねぇ。
所長の嫌がる様子を見てェとなる時もあるが、嫌われンのは、ちぃとな‥‥立場や回りの目というモンもあるからな‥‥さぁて、酔いが覚めてきた頃ですんで診療所に向かいますかね。
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入小此入な気がしなくもない、所長の独白のような部分を後半で、自問自答のような感じで心のなかを言わせたくて出来た代物です。
ビバッ、大人組!
所長らしい振るまいになっていたかは分かりませんし、小此木さん贔屓なので、小此木さんらしからぬ言動になっていたかもしれません。