メッサ-とハルキの模擬戦の日程は翌日にもかかわらず、すでに噂になっているらしくブリッジに人が押し寄せてくる。
アーネスト艦長、アラド隊長、カナメはもちろんの事、ワルキューレのメンバーやブリッジクルー達が集まって来ている。
他にも噂を聞き付けた三名が、見逃すまいとブリッジへ向かっていた。
「メッサー中尉とハルキ教官...以前は凌ぎを削りあったと聞いていますが、ちゃんと戦うところを見るのは初めてです。」
「昔は怖かったぜ~...バケモンが二人居たからなあ...」
ミラージュとチャックは他愛もない話をしながら歩いているが、もう一人ハヤテだけは難しい顔をしていた。
「なあミラージュ?ハルキってミラージュの教官だったんだよな?それならよく知ってるだろ?どんな飛び方するんだ?」
「そうですね...見ていただいたほうが早いと思いますけど、とにかく真っ直ぐ飛ぶのが巧いです。」
ハヤテは考えていたことを質問するも、決して満足の行く答えは返って来なかった。
それを見かねたチャックが補填する。
「ほら普通さ、戦闘機に乗ってる時っていろんな要素が絡んでくるだろ?機体の姿勢だったり風向きだったり、気流だったり。だから当然機体は少なからずブレて、それを誤魔化しながら飛んでるよな。でもさ、ハルキの場合は本当にどんな姿勢でどんな環境でもそもそもほとんどブレがねーんだ。」
「そりゃAIがサポートするからだろ?」
「いえ。ハルキ教官は貴方と同じ。AIサポートを嫌っています。」
「はぁ!?まじかよ?」
驚きを隠せないハヤテは難しい顔から心底楽しみそうな顔に変わり、足早にブリッジに向かった。
そんな彼は、昨日ハルキに言われた言葉を思い出していた。
(「俺、お前の飛びかた好きだぜ!」)
[ブリッジ]
「ハヤテ達も来たんやね!」
「そりゃ来るだろ...それより...」
「まさか美雲さんも来ているとは思いませんでしたが...」
「あら。そうかしら?私は行きたいところに行く。それだけよ。」
ブリッジに付いたハヤテ達は、そこに居たワルキューレメンバーの近くに立ち、モニターを眺めていた美雲に驚いていた。
「そろそろ始まるぞ~。ハヤテ!お前はよく見ておけ。ハルキの飛び方は参考になることがあるかもしれんからな。」
「うす...。」
アラドがスルメを齧りながら目線だけハヤテに移しそう言うとすでに真剣な顔つきをしていたハヤテはモニターを注視していた。
[格納庫]
格納庫ではメカニック達が慌ただしく駆け回り、ハルキとメッサーはそれぞれ自分の機体のコックピットで最終点検を行っていた。
「いいか?昨日の今日だ。まだ完璧に直ってるわけじゃねえ。あまり無理させないでやってくれ!」
ハルキの白銀のVF-31は、昨日までの惨状が嘘のようにピカピカになっている。
これもひとえに、ガイ達メカニックの努力の賜物であろう。
「システム、
「礼なら俺達よりもマキナ姐さんとレイナさんに言え!昨日は徹夜で補修してたんだ。まあなんにしても頑張れよ!ハルキ!」
感動したようにそう告げたハルキはガイの激励を受け、戻ったらマキナとレイナに食事でも奢ろうかと思いつつカタパルトへと向かった。
カタパルトに着くと左側のモニターに、緑の髪を片方で束ねた女性、ミズキ·ユーリが映し出される。
「よ!ミズキ!今日からまたよろしくな!」
「はい!でも一応入隊試験なんですから、ちゃんと合格してくださいね!」
ハルキは笑顔で挨拶するも、窘められてしまう。
「出撃許可が降りました。
それに対してハルキが頭を掻いていると出撃許可が降りる。
そして遂にハルキは出撃体勢を取る。
「サンキューミズキ!
ハルキは飛翔する。
これから行われる模擬戦に心踊らせながら...。
唸りをあげるエンジンのサウンドと機体が風を切り裂く音に耳を澄ませ、心地よいGに身を委ねた。
すみませんメッサーと戦うところまで行けませんでした。
次回にご期待ください。
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