長かったなぁ……(遠い目)
次回から新作になります。
修正ではないので時間はかかると思いますが、必ず出します。
アニside
「はぁ………」
私はまたため息を吐いた
ーー次の壁外調査でエレンを奪取する……でも
その方法が見つからない。アニはため息を吐く。
あれからエレンはやはり拘束された。
エレンが殺されるようなら最悪無理やりエレンを捕まえようと思っていたが、どうやら調査兵団に入ったらしい。
ーー死ななかったのは良かったが…調査兵団か。
アニは陰鬱な気持ちになった。
それからしばらくして私は憲兵団に入団した。
今日も一応仕事だが、新兵の私たちに官給品やら賄賂やらで美味しい思いをする仕事が回されることも無く。
日々の雑務や見回りをする毎日。
ーーそれに最悪なことに
「どうしたの?アニ?」
こいつと持ち場が一緒なんて……
マルコ・ポッド。私と同じ104期訓練兵卒。
二人ともトロスト区での戦闘経験があるということで、何かと一緒にされることが多い。
「…………別に」
「あはは…そっか。」
あの悪魔みたいなやつを見て、あの日の私は取り乱し過ぎた。
それこそこいつから今でも心配される程度には。
今はこいつと一緒に見張りの最中だ。
しばらく黙っていたマルコだったが、また口を開く。
「ここは平和だね……まるでトロスト区のことが嘘みたいだ」
「…………」
私は答えない。
「ねぇ……気になってたんだけどさ、
あの日からアニは何故か人を避けているよね」
マルコは私にそんなことを言ってくる。
私はそれを否定する。
「…………避けてない」
そう、避けていないはずだ。
「そう?」
「そう」
もし私が人を避けてるとしたら、まるで私が未だに奴の幻影に怯えているみたいじゃないか。
そんなことは絶対にない。
マルコは少し考え込み私に話し始める。
「ならいいんだけど……」
マルコは少し迷って話し始める。
「もしかしてアニも警戒してるのかなって」
「は?」
ーーなんの話だ?
「壁の中にいるはずの………巨人化出来る人間を」
ーーッ!!??
マルコは黙っている私を無視して話を続ける。
「こんなこと、他の人に言わないでくれよ?僕だってまだ半信半疑なんだから。気付いてそうなアニだから言ったんだ」
「…………どういうこと?」
私は慎重に情報を探る。もしかすると既に私たちの情報は出回っているのかもしれない。それを探るために。
「アニも気がついてると思うけど、今回のトロスト区の襲撃は5年前のシガンシナ区の襲撃とは明らかに違う。」
マルコはそう言う
「多分、襲撃した巨人の目的は壁を壊して巨人を壁内に入れることだと思うんだ……でもそうすると今回の襲撃で内門を壊さなかったのは明らかにおかしい。」
マルコは自身の推理を私に語る。
「前回と今回で明確に違うこと」
マルコは私を見つめる。
まるで全てを知っていて話してるかのような、透き通った目
「エレンの存在だと思わない?」
そうマルコは言う。
「僕はこう仮定したんだ。きっとエレンの存在は襲撃者からしてもイレギュラーだった。そして、エレンの存在は壁の破壊よりも優先することだった。だから内門を壊すことを途中で中止した」
「でもそうなると疑問になるのがいつエレンの存在に気がついたか」
「あの場だと思うんだ」
「トロスト区でエレンを見た数百人、下手したら数千人の内の誰かが巨人じゃないかと僕は考えている」
「まぁ、その内の何人かは分からないけどね。もしかしたら巨人になれる人間っていうのは結構沢山いるかもしれないから」
そこまで言ったマルコは私の顔を見て話をやめる。
「あははっ……アニもそう考えてるんだと思ったけど違ったみたいだね」
「ごめん!今のはほとんど僕の妄想だから忘れて!」
マルコはそう言い私に手を合わせて謝ってくる
でも私は聞かなきゃいけない。
「あんたはさ……私が巨人だとか、思わなかったわけ?」
「え?」
マルコはバカみたいな顔をする。
私は続ける。
「もし今の話が本当だとしたら」
「私もあの場にいたんだ、私が巨人の可能性もある」
「それなのに、なんでそんな話を私にするの?」
「なんで私を疑わないの?」
「どうして…」
ーー私を仲間だと信じているの?
問い詰める私にマルコは頬を掻きながら、まるで何ともない事のように言ってくる。
「だってアニは僕らの仲間だろう?」
私は絶句する。そんなことで…
「あははっ…でももしアニが巨人なら、僕は相当ツイてないことになるね」
「でも僕はアニが巨人じゃないと思ってるよ」
明確に宣言する。
「……それはなんで?」
私は聞く。
「だって、もし本当にアニが超大型や鎧の巨人なら5年前の君はまだ10歳だ、僕は実際見たわけじゃないけどトロスト区は凄惨な光景だったに違いない。」
「そんな地獄を10歳の子供が作ったなんてとてもじゃないけど考えられないよ」
マルコはそう言ってのける。
「そう……でもマルコ、あんた自身が言ってたじゃないか。鎧や超大型以外にも巨人はいるかもしれないって。
そしたら私が巨人じゃない証拠にはならないと思うんだけど」
私は疑問を返す。
それでもマルコは自分の意見を変えない。
「うん、そうだね……でも一番はそんな理屈っぽいことじゃないんだ」
マルコは朗らかに私に笑いかけながら言う。
「ほら、アニって意外と優しいから。」
「もし壁内人類を絶滅させようとしてるならそんなに優しく出来ないと思ったんだ」
マルコは笑ってそう言う。
ーーバカじゃないか……そんなんで私を信じて。
私は…………巨人なのに。
「……バカじゃないの?………それに私は優しくなんてないよ」
「………そっか」
それからまた数日後、私たちはいつもの見張りをしている。
またマルコが話しかけてくる。
ーーこいつはなんなんだ…
私は呆れたようにマルコを見る。
「ねぇ、アニ。今度の壁外調査、変だと思わないかい?」
マルコが一人でベラベラ喋る、私は偶に相槌をうつ。
これが私たちのここ最近の日常だ。
「新兵を連れての壁外調査。あまりにもことが早すぎるし、今回はエレンだっている。なのにも関わらずエルヴィン団長は1ヶ月後の壁外調査に行く。」
「エレンの戦術価値を見せたいと言えばそうだけど、僕には違う考えもあると思うんだ」
「もし本当に何者かがエレンを狙っているとしたら、どこかしらで仕掛けてくると思う。」
「僕は立体機動装置が十分に活用できない壁外に仕掛けてくる。そう思うんだ。」
「アニはどう思う?」
マルコは私に聞いてくる。
ーーよりにもよって私に聞くな…!でもその通りだよ…!
私は動揺する内心を隠し、冷静に返答する。
「………分からない、けどそれが本当ならエルヴィン団長は本当に無能だね、人類の希望をそんな危険なところに送るんだから」
マルコは少し考え込み、私の考えを肯定する。
「うん、そうなんだよ……でもエルヴィン団長は多分すごく賢い人だ。
エルヴィン団長が残した実績を見ればその凄さが分かる」
「だから僕はエルヴィン団長には何か考えがあるんだと思ってる、それが何かは分からないけどね。」
「………ふーん」
私は興味無さげにしながらマルコの話をしっかり聞く。
なるほど。
「ねぇ、マルコ。あんただったらそんな危険な場所でエレンをどこに配置すると思う?」
私は試しに聞いてみる。
これで何かしら有用な情報が得られれば良し、得られなくても別に失うものはない。
「う〜んそうだなぁ……難しいけど僕なら……」
マルコはそう言って近くの石を拾い地面に何かを描き出す。
「これは調査兵団で使われている長距離索敵陣形なんだけど、ここを見ると……」
そう言って何事もなくマルコは解説を始めようとする。
ーーまてまて
「あんたなんで描けるんだよこんなもの」
私はマルコを呆れた目で見る。
「あはは……まぁ趣味みたいなものだよ。それでエレンの位置だよね」
そう言って解説を再開する。
「エレンほどの重要人物がまず前線にいることは考え辛い」
そう言って前方に斜線を引く。
なるほど確かに。
「なら後方かと言えばそうじゃない、巨人が人間を追ってきて後方全線になるから。」
後方にも斜線を引く。
ふ〜ん……なるほど。
「そうなると中心付近にいるはず…けど多分それよりも少し後方じゃないかな。」
「前方より後方の方が安全に感じるし……まぁここら辺は人間心理みたいなものだからあんまり根拠はないけどね」
私はそれを聞いて得心がいく。
ーーなるほど、中央後方か……理屈で説明されるとそんな気もする。
するとマルコが顔を上げて私を見る。
「もしかしてアニはエレンが気になるのかい?」
「なら安心してもいいと思うよ、エレンはきっと人類で王の次に安全な
場所にいるから」
マルコが自信を持ってそういう。
「これは先輩に聞いた話で眉唾なんだけどね、なんでもケイン兵士長補佐官には不思議な力があるらしいんだ」
「不思議な力…?」
私は聞き返す。
「そう、一説だと「巨人の位置が分かる」とか、「人の死に際が分かる」とかなんだけど最有力なのは、「人の不幸が分かる力」なんだって。
なんでもケイン兵士長補佐官は巨人に襲われそうになった人の元にいつも駆けつけるらしい。
まぁ、本当かどうかは知らないけどね。」
マルコはそういう。
「でもケイン兵士長補佐官はこの力で何人もの兵士を今までも救っているらしい。
前回のトロスト区奪還作戦でも救われた人は大勢いた。僕らだってジャンが助けられたところを見たはずだ。」
ーーへぇ、そんなことが。
というよりこいつ本当になんなんだ。ライナー達よりもよほど有能じゃないか…
私はもっと核心に迫ったことを聞く。
最近の一番の悩み。
マルコの話が本当だとすれば、いずれ直面するであろう課題
「ねぇ、もし、本当にもしもあんたが巨人だったとしたら、ケイン兵士長補佐官ににどうやって勝つ…?」
私が聞くと級の急にマルコが顔を上げる。
その顔はどこか言うのを躊躇っているようにも感じる。
「もしかしてアニって……」
ーーさすがに気がついたか…?
クソッ…そうだとしたらさすがに気が抜けてた。でもここでバレるのはマズい。
最悪ここで殺すか?
「エレンのことが好きなの?」
「は、はぁ??何言ってんのあんた?」
私は予想外の質問に焦る。
ーーバカなのか?本当にバカなだけなのか?それとも私を騙すためのブラフなのか?
「だってさっきからエレンのことを心配してるみたいな口ぶりだし、ケイン兵士長補佐官が知性を持った巨人に勝てるか心配してるみたいだったから…」
そこまで気付いていて私の正体に気が付かないのはどうなんだ。
ーーでも……それだけ信用されているってことだよね…
私はなんとも言えない気分になる。
「……そんなんじゃない、ただ……気になっただけ」
「……そっか」
マルコはそこから追求してこない。こういうのが引き際を弁えた人間というのだろうか。
するとマルコは私の質問に対して唸る
「うーんそうだなぁ……ケイン兵士長補佐官に勝てる方法かぁ」
さすがのマルコでもこれには悩むようだ。
「超大型巨人や鎧の巨人みたいに特殊な能力があったら不意打ちで勝てるかもしれないけど……それがないとしたら……」
「それがないとしたら?」
私が聞くとマルコが即答する。
「うん、無理だね。逃げるしかない」
その結論に私は肩を落とす。
しかしマルコは重ねて言う。
「あの人の強さは普通じゃないし、まず勝てない」
「でも」
ーーーー負けないことならできるかもしれない
あの日から数週間。
私は今、壁外で巨人を引き連れて走っている。
ーーライナーはああ言ってたけど……
私はこの作戦を実行する前に事前にライナーからエレンの場所を報告してもらっていた。
右翼側にエレンがいる。
その情報を聞いた時、マルコの言葉が脳裏を過ぎった。
余程のバカでなければそこにはエレンを置かない。
一応ライナーの言葉通り右翼側から攻めるがきっとエレンはいないだろう
エルヴィンはどうやらバカじゃないようだし
ーーマルコが言うには確か……中央後方
私が恐らくブラフだろう右翼側から攻めるのは単にライナー達を信頼しているとかそんな考えではない。
ーーマルコの話が本当だとするなら…きっと釣れるはず。
私、マルコを頼りすぎか…?いや、あいつが有能なのが悪い。
私は遂に右翼側の陣形を見つける、すると一頭の騎馬が突貫してきた。
それは1ヶ月前に見た、忘れもしないあの悪魔だ。
奴は危機に瀕した状況に現れるらしい。
なら巨人を引き連れていけば必ずあの悪魔は現れるだろうと思っていた。
ーー来た……あの悪魔だ……!!
私は奴が見えた瞬間に迂回する。
やつには勝てない、勝てたとしてもできるだけ戦いたくはない。
だからこそ、この巨人30体で足止めする。
私の速度なら奴がここで足止めを食らっている間にエレンを捕まえて脱出できる。
そう考えた私は陣形の中心に急ぐ。
道中に調査兵団と何回か戦ったが、急いでいたのでさっさと殺す。
逃げる奴は無視した。
ーー急げ、早く、早く。
陣形の中央部隊が巨大樹の森に入ったようだ。何故?私は疑問に思ったがしかし考えている時間はない。
私も後を追う。
道中に何度も何度も調査兵団が邪魔に入る。
極力手早く殺す。
そして。
ーーいた……!!
エレンを見つける。これでエレンを奪い、逃げれば私の勝ちだ…!
私は勝利を確信し、速度を上げる。
ーーあと少し、あと少し…!
エレンに手が届く。
そう思われたその瞬間だった。
「打てぇえええええ!!!」
ドババババババババ!!!!
膨大な破裂音が響き渡り私に何かが突き刺さる。咄嗟にうなじは守ったが私は身動きが取れなくなった。
ーー何が起きている?
私は考える。
まさかこれがマルコの言っていた「何か」か?
「リヴァイ、イザベル、ファーラン。よくやってくれた」
「あぁ、後列の犠牲がなければ成し遂げられなかった……だがそのおかげで、こいつの中の奴と会える……中で小便チビってねぇといいがな」
会話が聞こえてくる、どうやらここに来たのは私を捉えるための罠だったようだ。
ーーどうする?どうする?
うなじを切ろうとする調査兵団に硬質化で何とかうなじを守っているとエルヴィンとか言うやつが号令を出す
「発破用意!!!」
ーーまずい……!
私の手を吹き飛ばすつもりだ…!
それはまずい…いくら硬質化でもそれは防げない…!
ーーなら一か八か…!
「アアアアアアア!!!」
賭けになるが私は巨人を呼ぶ。
これで運が良ければ逃げ切れるだろう。
何とか脱出した私は再びエレンを探す。
事前に用意した緑の信煙弾を発射することでエレン達を呼び寄せることに成功した。
緑は作戦成功の信煙弾だ。
ーー来た…!
1人を不意打ちで殺し、直ぐに巨人化する。
しかし。
エレンを守る護衛部隊は予想以上に強敵だった。
目を抉り取られる。
何も見えない。うなじを隠す。
腕の筋肉を削がれる。このままだとうなじを削がれるだろう
けど、こいつらは知らない。
私は普通の巨人とは違う、そこを突けば不意打ちで何人か殺し、この連携を破壊することも不可能ではない。
私は片目に再生力を集中し、片目のみ早く直す。
しかし、片目を治した私が見た光景は急に方向転換し、私の目を狙うあの悪魔だった。
ーー時間を掛けすぎた…!
私は自身の失敗を悟る。
せっかく再生させた目を奴に潰される。
再生力の集中はバレた。でもこいつは私が硬質化するところはまだ見ていない。
恐らく次はうなじを狙う。
硬質化して無防備になった所ところを潰す。それしかない。
私はうなじを硬質化させる。
しかし、いつになっても攻撃が来ない。
ーー避けられた…!?
まさかの回避に頭が混乱する。奥の手を二つ出しても潰された。
逃げようとしてもこの森林だ。ぶつかって足を止めたところで殺される。
ーー私が………死ぬ……?
その時、私の頭の中に走馬灯のように今までの記憶が流れる。
走馬灯というやつだろうか?
ーーお父さん……ごめんなさい。
もう、こうするしか。
私はせめて敵に私の能力が奪われないよう自身を結晶化しようとする
「でも負けないことならできるかもしれない」
ーーこれは、あの時のマルコとの記憶だ
「はぁ?勝てないのに負けない??」
どういうことだ?
「うん」
私が訝し気に尋ねる、もしかすると有用なことかもしれない
「どうやって?」
すると待ってましたと言わんばかりのマルコが得意げに自分の案を言う。
「こう、クルクル〜て回るんだ」
マルコがそう言って片足で回り始めた
私は心底がっかりする。
「はぁ………遂にお勉強のしすぎで頭が壊れたのか…ごめん、マルコ、今まで強く当たって。私、結構アンタを有能な奴だって評価してたよ」
私はマルコに今までのことを謝る。まぁもう手遅れだろうけど
するとマルコは慌てたように言う。
「ま、待ってよ!僕は至って真面目だよ!」
マルコが自身の案を説明をし始める
「エレンが大岩を持ち上げたのはアニも見たよね?」
「あの時僕は思ったんだ。巨人って意外にも力があるんだって」
確かにそうだ。巨人は人間の比率にするととんでもない力を持っていることになる。
「それに加えて調査兵団のハンジ分隊長の報告書によると、巨人の身体はその見た目に反して軽いらしい」
「それを踏まえてもう一度考えてくれ」
「巨人が回るんだ、多分それはとてつもないスピードになると思う」
「その状態の巨人を君はどうやって倒すの?」
マルコが私に聞いてくる
「どうって……」
私は答えに詰まる。
「恐らく立体機動装置のアンカーは刺さらない。うなじを削ごうとしても狙いは定まらない。そもそも回転する力でブレードが通るのかすら分からない」
マルコが得意げな顔をして言う
「ほら、負けない」
「ァアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
ーーマルコ。嘘だったら許さないからね
マルコが有能になり、主人公とのパワーバランスを取ります。
これから他視点でどんどん書いていきます。