ハヤテのごとく!~another combat butler~   作:バロックス(駄犬

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缶けり必勝法。例え鬼に見つかっても、見られなかったことにすればいいんです。99%キレられますが。


第38話~第一回白皇学院缶蹴り大会後編~

前回のあらすじ。

 

突如として始まってしまった白皇学院、第一回缶蹴り大会。

主催テルの元、多くの暇人たちが集まってくる昼休み。 たかが昼休み、されど昼休み。遊ばなければもったいない!!

 

しかし彼らは知らなかった。 この缶蹴りが後に血みどろの缶蹴り大会に変わることを・・・

 

 

「ついに始まりましたか・・・ん?」

 

廊下を歩いていたハヤテは自分のポケットに入っている携帯が震えていることに気付いた。

 

「あれ?花菱さん?」

 

『ハヤ太くん、電話したのは情報交換をするためだ。 ここから先はメールなどで鬼の動き、缶の位置をお互いに報告したりしよう』

 

「たしかにそうですね」

 

「うむ。 では私はこれで切るぞ。 あと奈津美さんとテル夫くんには気を付けた方がいいぞ?」

 

それを最後に美希からの通信が切れる。 たしかに、あの二人はいまだ実力が未知数だ。

 

ピピ・・・

 

「ん?」

 

そんなことを考えているとハヤテのセンサーが微弱の反応を見せた。

 

(だ、誰だろう?取り敢えず近場の教室に!!)

 

慌てながらハヤテは近くの教室に入り込んだ。 そして教卓の陰に身を隠す。

 

やがて・・・

 

「見つけたよ~桂ちゃん!!」

 

ハヤテは声だけで反応したが、どうやら泉はここにもともといた雪路を発見したようだった。

 

「くっくっくっ・・・瀬川さん、私を捕まえることはできるかしら?」

 

雪路が不敵な笑みを浮かべて泉と対峙する。 

 

(ここは隠れたままやり過ごすのが得策ッッ)

 

それが一番の判断だと決め、ハヤテはその場からはセンサーの音を頼りにしていた。しかし・・・

 

ピピピ・・・

 

(あれ・・・距離が開いてきているのに・・・)

 

ピピピ・・・

 

(音が小さくならないんだッッ!!?)

 

ハヤテは混乱していた。 雪路と瀬川はだんだんとハヤテからは遠ざかっている。 普通なら音は小さくなるはずだが、近くにいるのと変わらないくらいに音が響いていた。

 

その瞬間。

 

 

「かかったな! ハヤテェェェッッ!!」

 

ばん。

 

突如、ハヤテの入口の近くにあったロッカーが開き、テルが飛び出してきた。

 

「し、しまった! 罠かッッ!!」

 

さすがのハヤテも入口を塞がれ、不意打ちの奇襲を掛けられてはなす術がない。 あっさりと捕まってしまった。

 

「最初から瀬川さんとセットで捜していたんですか?」

 

「おうよ。 こうしてセンサーに頼ることくらいお見通しよ」

 

なんとも裏をかかれた気分だ。 すべては計算のうちだということだというわけか。

 

そして雪路は二人掛かりになるとあっさりと捕まってしまう。

 

「オッノーーーーーーーレェェェ!!!」

 

捕まる瞬間に教室内でそう叫んだのだった。

 

 

 

さてさてハイスペック(化け物超人組)組が捕まったところで場所は変わり、ナギだ。

 

センサー片手にナギは廊下を歩く。 とくに動き回るわけでもなく、缶を蹴りに行く訳ではない。あきらかに職務を放棄していた。

 

「いやぁさすがにハヤテは負けんだろ」

 

そういった安心感からその役目を果たそうとしないナギ。そのハヤテが捕まったとも知らずに。

 

ナギはふところからPSPを取り出し、近くの教室に入る。 そして人目も気にせず、テルがとった作戦、ロッカーに入るという荒業に入る。

 

そうナギはほとぼりが冷めるまでここで過ごすというのだろう。

 

(完璧だ・・・なんという完璧な作戦ッッッ)

 

おそらく彼女の脳内の中では自身の才能の恐ろしさに恐怖しているに違いない。

 

幸いPSPの光があるため、少し暗くても問題ない。

 

「ではさっそくジン○ウガでも狩りに行くとしますか・・・・」

 

電源をつけようとした瞬間だった!

 

ピ・・・・

 

「ん?」

 

ポケットの中に入れていたセンサーが微弱な反応を見せる。

 

しかし、気づかないままここを通り過ぎていくだろうと考えていたナギ。

 

ピピ・・・

 

(まさか・・・)

 

ピピピ・・・

 

(ここに・・・・)

 

ピピピピ・・・

 

(来るというのかッッ)

 

身に迫る危険を感じながらナギの手には次第に汗が浮かんでいた。

 

そして次の瞬間。

 

ーーーブツンッ!!

 

何故か知らないが、充電が満タンだったのにも関わらずPSPの電源が切れてしまった。

 

(な、なにが起きたんだ!?え、電源が入らない!!!)

 

もはやスリルというよりはそれ以上にまずい状態なんではないかと察知したナギ。 そして更に追い打ちが。

 

ドゴッ!!

 

「ひっ・・・!!!」

 

突如としてロッカーを轟音が襲う。 思わず声を出してしまった。

 

ドゴッドゴッ!!

 

さらにロッカーは激しく音を立てながら揺れる。 誰かが殴っているのか、それはナギにはわからない。狭い空間で少しの薄暗さはナギの精神にダメージを与えていた。

 

「だ、誰だこんなことをするのは・・・・」

 

若干涙目になりながらも、ナギはロッカーを開けようとした。 しかし・・・

 

「あ、開かないだと?」

 

片腕から両手まで、さまざまな方法をやってみたが扉はあく様子がない。 

 

ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!ドゴッ!

 

ピピピピピピピピピピピピピピピ!!!!!

 

止むことのないロッカーを鳴らす音とセンサーの音が、狂気的な空間を作り出す。 

 

 

「あ・・・ああ・・・・・・」

 

狂気的な空間に耐えられる力はもはやナギには残っていなかった。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

恐怖のあまりに全身を使って扉に体当たりしようとした瞬間だった。

 

ガチャリ。

 

目をつぶっていたので何が起きたかは分からない。しかし次は

 

ボフン。

 

なにやら二つの柔らかな感触がナギに当たった。

 

「自分から敵の中に飛び込んでくるとは・・・・」

 

顔を上げて確かめてみるとそこには唯子の姿があった。

 

「どうしたんだ泣き顔なんて君にはあまり似合わないぞ?」

 

そう言われてナギは自身が顔がとてもひどい状態だということに気付く。 慌てて顔をもとに戻すと当然の疑問を口にした。

 

「お、おまえぇ! そこまでやる必要なんてあるのか! たかが遊びだぞ!? ロッカー叩いて揺らして、挙句の果てには閉じ込めるかキサマァァァ!!」

 

「ん?」

 

唯子は何が起きたのか全く理解していない。 すこし考える仕草をして答えた。

 

「私はロッカーを叩いたりしてはいない。 あと、押さえつけたりもしていないぞ」

 

「え?」

 

ナギはその瞬間、思考が停止した。 自身は確かにロッカーを揺らされ、閉じ込められるという状況になったのだ。 夢であるはずがない。

 

「ところで・・・そろそろ離れてくれると嬉しいのだが・・・別にイヤなわけではないのだがな」

 

ナギはいまだに自分が唯子の胸に顔をうずめていることが分かった。 

 

「・・・・・・・でかい」

 

「む・・・」

 

少しばかり遺憾が残るような表情になるがすぐにいつもの凛とした表情に戻る。

 

「さてさて、そろそろ戻ろうかナギくん。 君で最後なのだ」

 

「マジでか」

 

まさかといった表情。 自分が最後の一人とは思わなかったのだ。

 

「くそぉぅ・・・・」

 

と悔しそうにしていた時だった。

 

ガタッ。

 

「ふおぉぉぉぉお!!!」

 

その小さな物音にナギは振り返る。 よく見るとただ筆箱が落ちただけだった。

 

「どうした? どこぞの芸人のようなオーバーリアクションをするとは・・・・」

 

唯子は即座にナギの状態と対処を計算した。 何があったかわからないが、からかわないでいた方がいいらしいと判断したのだろう。 右手を差し出してきた。

 

「ほらほらおねーさんと一緒に戻るぞ」

 

「む、むむむ・・・・」

 

ナギも恥ずかしそうだったが、力強く手を握った。

 

 

 

その後、何故か手をつないでみんなの場所に戻ってくる唯子とナギの姿があった。

 

 

 

 

-------

 

結局、残りの昼休みの時間の半分の時間を残し、全員は捕まってしまった。 しかも、それはほとんどテルと唯子の手によるものである。

 

「だらしねぇなテメェら」

 

テルが勝ち誇った笑みを見せつける。 

 

「まだ時間も残ってるし、仕方ないからもう一回くらいやろうじゃねぇか」

 

その言葉にみんなも簡単に同意。 しかしテルは知らなかった。 みんながこの時。

 

((((鬼になったらコイツを地の果てまで追いかけてやる!!!!!))))

 

みんな違う意味でやる気だった。

 

その後はチーム決めとなり鬼は唯子、ハヤテ、花菱、ナギとなった。

 

鬼の数が増えたのは少しばかり時間が押しているのと、さっきのように力が偏らないためだ。

 

 

 

そして第二回戦スタート。

 

 

 

廊下の踊場にて少し作戦会議をするテルたち。

 

「大分実力が別れたね♪」

 

「そうね。 綾崎くんと奈津美ちゃんが相手だけど後はアウトドアのナギちゃんと花菱さんだからね!」

 

 

「いや……」

 

盛り上がる泉と雪路をテルが静かに否定した。

 

「今回マークすべきは……花菱だ」

 

 

「どういうことだ?」

 

「まぁ、始まれば分かることだな。 アイツ、実は五感のト〇ズ使えるからな」

 

 

「んなワケねーだろ」

 

ワタルが冷静に突っ込んだ。

 

それを言い終えるや否や、テルたちは各自分かれていった。 

 

「ったく、なんだってんだよ」

 

残ったワタルは少しばかりかテルの言葉が気になっていたか、少し顔をしかめる。

 

数十分後。 ワタルの携帯電話に一通のメールが入った。 差出人を見ると、泉であった。

 

『桂ちゃんが捕まったよ~~』

 

「早いな・・・・」

 

なんとここで早々に雪路が捕まったという情報だった。 おそらく、一番最初に厄介だと判断され唯子とハヤテが二人掛かりで捕まえに入ったに違いない。

 

そして続けて泉からメール。

 

『一階の階段付近に缶があるよ~缶蹴るからみんなきてね~♪』

 

「なかなかアグレシップだな委員長・・・こんなキャラだったか?」

 

けっこう大胆な作戦だがこういった缶蹴りは我先にと缶を蹴ってしまえばその蹴った人間が英雄になれるのだ。 少しばかり大胆になってもなんら不思議ではない。

 

いつも活躍できない子も東北新幹線並みのスピードと便利さで英雄になる。これぞ缶蹴りマジック。

 

(取り敢えず、一人だと心もとない・・・援護に行くか?)

 

と考えつつも、積極的に缶を蹴りに向かい、英雄の座を狙おうというのが彼の腹だ。

 

 

 

 

ワタルは一階の階段につながる廊下へと足を運んだ。

 

「あれ?」

 

とワタルの後ろで声が。

 

「あれ、先生?」

 

そこには捕まったはずの雪路がいた。

 

「なんでワタルくんがここにいるのよ?」

 

「先生こそ、捕まったんじゃ?」

 

ワタルの言葉に雪路は頭にクエスチョンマークを浮かべる。

 

「あたしはワタルくんが捕まったって聞いたから・・・」

 

お互いに話が噛み合っていない。

 

(なんかおかしいぞ・・・)

 

ワタルが不安の色を濃くしているとき、一通の電話が入った。

 

電話の相手はテルだ。

 

『逃げろ! そいつは罠だ!!』

 

「な、なに!?」

 

ワタルがテルの言葉を聞いたとき、

 

「見つけたぞ!!」

 

なんと雪路の後方から唯子が現れた。

 

「なんだと!?」

 

さらに・・・

 

「逃がしませんよっと・・・」

 

前方からハヤテが登場!!

 

(こ、これは一体・・・)

 

よく見るとハヤテの後方には缶を守るナギの姿が。とワタルが考えている間に一通の着信が。

 

『ふっふっふ・・・ファファファァ・・・やーい、引っかかったな!!』

 

まるでダークサイドに落ちた戦士のように笑うのは美希だった。近くの教室から現れる。

 

「はめられたのか・・・」

 

「そうだ。 メールもものすごく泉っぽかったろ?」

 

高らかに笑う美希とは対照的にワタルは苦虫をつぶすかのような表情。

 

「こんなところで簡単には捕まらないわよッ!!」

 

雪路が素早く間を抜けようとするが・・・

 

「「もちろん通しませんよ?」」

 

ザ○のモノアイのような赤い目をぎらつかせながらハヤテと唯子が立ちふさがる。

 

「くっ!! 最初からこれが狙いだったのね!?」

 

「そうですよ。 まぁ僕は昔よくやられていたのでその作戦内容はすぐ理解できました」

 

「自慢げにいうが、君は昔何をしていたんだ」

 

唯子が尋ねるがハヤテは笑うばかりだ。 あまり追求しない方がよさそうだ。

 

「ほいタッチ」

 

「うぎゃ!! しまったッッ!!」

 

いつの間にか接近していた美希に、ワタルが簡単に捕まってしまった。

 

 

「どうだ。 たとえ缶蹴りといえど世の中情報社会ッッ 情報を制する者が、この缶蹴りを制すのだッッ」

 

最後に高らかに笑う美希をワタルは悔しそうな表情になる。

 

「ちくしょう・・・ここまでかよ」

 

「あきらめるな!!」

 

ワタルがあきらめかけたその時、はるか遠くの廊下に、テルが立っていた。

 

「やはり攻めに転じてきたかッッ」

 

唯子が目を鋭くさせ、臨戦態勢に入る。

 

テルは廊下を走り出した。

 

「いまだ!!」

 

雪路がその間を突いて二人の間を抜けようとするが。

 

「させません!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

そんな小さな油断もするわけもないハヤテは簡単に雪路を捕まえる。

 

「蹴りにきたよ~♪」

 

「いいとこどりと行こうか」

 

集団を遠くから挟むように泉と理沙が現れた。 もはやこの缶蹴りは誰も勝者が分からなくなる混戦状態と化した。

 

「勝負だテル君!!」

 

「オウよッッ」

 

テルは止まることなくむしろスピードを上げて突っ込んできた。

 

(どっちだ・・・右か? と見せかけて左か?)

 

一瞬の判断。 唯子は全身の神経を張り巡らせる。 そして彼の出した答えは。

 

 

ぱしぃん。

 

「くっ!!」

 

一瞬何が起きたか分からなかった。 ただ瞬間的にテルが両手を唯子の目の前で叩いたということ。そして・・・

 

「は~はっはは!!! アバヨォォ!!」

 

そこには唯子を横から抜いたという事実ッッ。

 

「不覚ッッ!! 猫騙しか」

 

拳を握りしめる唯子は頼みの綱をハヤテに託した。

 

「テルさん!!」

 

「勝負だッッ!!」

 

ハヤテには経験がある。 一度はテルに猫騙しを食らっているのだ。 奇襲は奇襲、二度目は通用しないという自信がある。

 

「ハヤテェ!!」

 

しかし、テルのとった行動は・・・

 

「叩いてェ、被ってェ、じゃんけーーーーーん・・・」

 

「え?え?え?」

 

右手を大きく振り上げてきたテルに対して、ハヤテは戸惑いながら右手を差し出す。

 

「ポンッッッ!!」

 

結果、ハヤテがチョキ、テルがグー。

 

「し、しまった!! な、なにか・・・なにか被るものを・・・」

 

ハヤテが辺りをキョロキョロしている間に。

 

「ギャハハッハハハハハァァァ!!! 引っかかってやがんのーーー!!!」

 

無防備になった横を簡単に抜いてしまった。

 

「卑怯クセェェェッッ!!」

 

遠くでワタルが怒声を響かせる。 

 

突っ走るテルの前にはナギが守る缶だけだ。

 

「こ・・・来いッッ!!!」

 

珍しく強気のナギだ。 自分からテルに向かっていく。

 

「終わりだぁぁぁあ!!!!」

 

ナギ勝利を確信したか、テルに思いっきり手を伸ばした。 しかし、次の瞬間。

 

「な・・・ッッ」

 

ナギがつかんだと思ったテルの姿はまるで霧のように霧散した。 あたかもテルがナギの体を突き抜けたように・・・

 

「デビ○バットゴーストッッッ!?」

 

「いや、ただ普通に抜かれただけだろ」

 

遠くで唯子が静かに突っ込んでいた。 遠くからなら普通にテルが伸ばしてきたナギの腕をひょいとかわしてその上でナギを抜いていると分かっているからだ。

 

 

結果的にテルの独壇場。 目の前には無防備な缶が。

 

「貰ったあぁぁぁぁぁ!!! 雷獣シュゥゥゥゥゥゥト!!!」

 

かん。

 

「音はいたって普通だ!!」

 

ハヤテのツッコミをよそに、蹴られた缶はきれいな放物線を描きながら廊下を駆け抜けていく・・・・しかし、これがいけなかった。

 

「ふぅ・・・結局昼休みいっぱい使ってしまったわ・・・」

 

「げっ!!」

 

なんとビックリ。 角を曲がってきた人物はヒナギクである。 そして。

 

ーカツン。

 

見事にクリーンヒット。

 

「・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・」

 

しばしの沈黙。 ヒナギクは無言で落ちていた缶を拾い上げた。

 

「・・・アンタたち、生徒会はどうしたのかしら?」

 

少しばかり顔を俯かせているのでヒナギク以外の人物は表情が伺えない。 だが、それが逆に怖い。

 

「あと・・・いったい何をやっているの?」

 

「か、缶拾いですよヒナギクさん・・・・」

 

額に汗を流し始めたハヤテが笑顔で対処する。

 

「缶蹴り・・・なら、その善意ある行為の中で、人に缶をぶつけたのは誰かしら?」

 

「「「「「「こいつです」」」」」」」

 

全員が一斉にテルを指差した。

 

「オォォォォィ!!! テメェら、簡単にバラすなよ・・・あ、やべ言っちゃった」

 

慌てて口を両手で押さえるが時すでに遅し。

 

「・・・・・」

 

ヒナギクの手にはすでに正宗と竹刀があった。

 

「ヒナギクさん! 二刀流ッスか!!」

 

テルは汗をだらだらと流しながら訳の分からないことを言い出す。 一方のヒナギクは正宗を肩に担ぎ、獣を狩るかのような瞳でテルを睨み付けた。

 

「そこ動くんじゃないわよ!!! 覚悟しなさぁぁぁぁい!!!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

その日、断末魔とともに一つの伝説が生まれた。

 

缶蹴りをして人に缶をぶつけると赤い悪魔が出るという伝説が。

 

 

みなさん、昼休みの遊び方は安全に行いましょう。 あと、缶を人にぶつけてはいけません。

 

 









後書き
これにて短編は終了です。 それにしても缶蹴りなんて十年ぶりに思い出しましたね。 友達の家でやって葉っぱで顔を隠しながら間に迫って鬼からキレられたのはいい思い出です。
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