ハヤテのごとく!~another combat butler~   作:バロックス(駄犬

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前書き 
新年だってのに、色々と忙しすぎて今年の初詣行ってない! こんな時は・・・酒ッ! 飲まずにはいられないッ!


第99話~なぜ山を登りたがるのか。山があるからじゃないの?~

 

『目の前の山に登りたまえ。山は君の全ての疑問に答えてくれるだろう』 ラインポルト=メスナー

 

 

高尾山ハイキングは快晴の下、生徒誰ひとりかけることなく行われた。 二年、三年の生徒が混ざっているせいかグループで行動する生徒の数は多い。

 

この高尾山、説明で補足すると標高は600mほど、さほど危険はなく小学生の遠足などの場所で多く利用されている場所でもある。 つまりは小学生程度でも登りきれてしまうというとても簡単な登山なのだ。

 

「嘘だッ!! こんなにキツいんだぞ!!」

 

山道にてナギは涙目にしながら叫んでいた。 息を肩でしている足の動きはまさに二十四時間テレビの終わり頃、スタジオに歩きながらやってくる疲れ果てたランナーの如し。

 

「それにハヤテはさっきから全然荷物とか持ってくれないし!」

 

「いやだってそれはマリアさんが・・・」

 

と、その場にいたハヤテは思わず自身の頬を掻いた。 それは朝、学校へと出発しようとした時にマリアに言われたことであり、最近ナギを甘やかしているのではないかと問われたことだった。 これ以上の体力の低下や不健康は避けたいところ、だから強硬策としてこの登山は自力でやり遂げてもらいたいと手作り弁当を渡されたのだった。

 

・・・あの手作り弁当は今もお嬢様のリュックの中。これを頂上で食べさせることにマリアさんには何か意味がありそうですけど・・・。

 

「くそぅマリアめ、余計なことを・・・」

 

ナギが肩を落として悪態をつくがこれはマリアからの凪を思ってのことだ。よほどナギのことを心配しているのだろう。

 

彼女にとってはその山登りとは地獄のようなものに思えるのだろう。そんな地獄とは打って変わって。

 

「ウ~ン、やっぱ久しぶりの山は最高だなぁ。 登山は人間が生み出した文化の極みだよ」

 

「本当によぅ、修行あの時代を思い出すぜぇ・・・見ろよテル、俺の全身が酸素不足なこの過酷な環境に適応しようと素晴らしい汗をかいているぜ!」

 

活気に満ちた表情の二人がいた。テルと木原である。

 

「おうおう、やるかぁ?修行時代に先生とやったツーマンセル」

 

「アレ? 先生がつけた鈴を72時間以内に取り上げるって富士の樹海でやったやつだったよなぁ確か。 結局一度も取れなかったっけ」

 

・・・どこの忍者漫画ですか。

 

心の中で突っ込んだハヤテに構うことなく、二人は異常なテンションだ。まるで修学旅行真っ最中の小学生のようだ。

 

「そうか、お前ら二人とも山育ちだったんだよなぁ。 故郷に帰ってきて楽しそうな気分だな。いいゾ、そのまま山の妖精として消えていってもいいんだぞ?」

 

「楽しそうで? オイオイ、馬鹿言っちゃいけねぇよ」

 

心無いナギの言葉を二人は笑って受け止めた。 言葉の意味にナギは首を傾げたがやがて木原が答えた。

 

「72時間中は自給自足、火を起こす道具とかナイフすら持たせてもらえないサバイバルも含めたゲーム。夜はなんか知らないけど金縛りにかかって半透明の女男が闊歩する光景が・・・夜のガッツさんの気持ちが良く分かったぜ」

 

「でもさっきは楽しそうにしてたじゃない」

 

クラスメイトの、同じグループの泉が言うとテルと木原の表情は歪んだ笑みへと変わった。

 

「あの時はこれくらい無理して笑ってないと正気保っていられなかった」

 

「思えばナイフとか刃物とかを持たせなかったのは自殺をさせないためだったかもな。 富士樹海はまじで自殺の名所だから」

 

引きっつた笑みと同時にあの日を思い出す二人の足は確かに震えていた。 それほどまでに刻み込まれたトラウマなのだろう。

 

「お前ら二人のそんな事はどうでもいいのだ。 体力馬鹿の二人は私のことなどまったくわからないではないかこの馬鹿者め!!」

 

「体力云々、まずはお前は何か一つをやりきって見せろよ」

 

「う、五月蝿い! だが体力に関しては絶対にコイツらよりはあると思うぞ!!」

 

・・・コイツら?

と数十メートル後ろの方に目を移すと一人の男が倒れふしていた。 もう一人の少女は膝に手をつけている。

クラスメイトである黒羽と東宮だ。

 

「こ、こいつは! もはやいつ登場したのかも読者に忘れられてしまっていたクラスの東なんとかくん!」

 

「あ、東宮だ・・・」

 

転がっていた骸がムクリと起き上がる。 疲労のためか顔色が悪い。

 

「あ、あの・・・東宮さん、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫なわけないだろ。こんなの・・・の、野々原―――、野々原ぁ」

 

と、東宮が読んでいるのはこの男の執事であった野々原 楓。 ハヤテとは剣道にて死闘を繰り広げた仲であり、執事としての腕も優秀だったがその彼は既に白皇を卒業して執事留学のためにイギリスにて絶賛勉強中。呼んでも来るわけがない。

 

「まったく、これだから金持ちの坊ちゃんは・・・」

 

そんな彼を嘲笑うように執事がまた一人。 瀬川家の執事であり、泉の兄である瀬川 虎徹だ。

以外にも彼もまたテルたちのクラスメイトだったりする。

 

「虎徹さん、なぜあなたがこんな所に?」

 

鋭い視線を向くハヤテにこてつは鼻で笑って答えてみせた。

 

「愚問だな綾崎。同じクラスで、同じ班の仲間じゃないか」

 

「ホモは黙って山を下って帰って、どうぞ」

 

冷たいな。とハヤテの言葉を躱しながら笑う虎徹。 言うべきでもないがこのメンツは異常なまでに濃い。

 

〇

 

「・・・・」

 

一人膝に手を当てていた黒羽は一言も喋らず無言であった。 体調に問題はない。 食事も欠かさず、装備にぬかりはない、だがしかし、圧倒的な体力的問題が彼女に立ちはだかっていたのだ。

 

「おい、大丈夫かよ」

 

呼吸を整えている中、声と共に足元に見慣れた靴があった。見上げなくても声だけでわかる。 テルだ。

 

「・・・まだ三合目も登っていません。 これくらいで根をあげるように見えましたか?」

 

「いや、充分根を上げてるように見えるけど。 すんごい脚動きづらそうだけど」

 

と、テルから見ても足が震えているのが見て取れたのだろう。 こちらは無表情を貫き通していたのだが体は正直のようだ。

 

「まだやれます」

 

「そうか・・・」

 

声の強弱も変えず、いつも通りの言葉でテルは納得したようだった。 しかしすぐに

 

「汗、めっちゃ出てるからよ。 ちゃんと拭いたり、水飲んどけよ」

 

「はい・・・」

 

黒羽は汗を拭くより先にリュックのサイドポケットに差し込んでおいたペットボトルを取り出した。 キャップに手を掛けるがなかなか力が入らずキャップは回らない。

 

「ん・・・」

 

突然と、黒羽の目の前に開けられたペットボトルが差し出された。 キャップも開けられない自分を見たテルが見かねて差し出したのだろう。

 

「・・・・」

 

だが、これを黒羽が受け取ることはなかった。 その前に黒羽が渾身の力を込めてキャップを開けたからだ。

 

「・・・リュックくらいなら持ってやるか?」

 

水を喉に流し込むこちらにテルは聞いてきた。このリュックだけ任せようかと考えてみたが、ふと前の方でナギが自分のリュックを持っているのを見て考えが変わる。

 

・・・私より小さなナギ様もリュックを持っているのに、何を甘えたことを言おうとしていたのでしょうか、私は。

 

「結構です。 ナギ様との勝負は同等の立場で行いたいので・・・」

 

「お、お前・・・まだ勝負のこと言ってんのかよ。 別にいいんじゃねぇか、特に何かをかけているわけでもないのによ」

 

困惑気味のテルに黒羽は歩きだした。 目の前にいるハヤテは苦笑いだ。この苦笑いは恐らく後ろのテルに向けられているものだろう。

 

 

〇

 

 

「いやぁ、残念でしたね~」

 

先程のやり取りを見ていたハヤテはこちらに苦笑いを向けていた。 テルはペットボトルの水を軽く口にふくんで喉へと流し込む。

 

「けっ、まさか俺もここまで頑なに拒まれるとは思わなかったよ。 俺の心にも傷が付いちゃうぜ、ホント」

 

「でも舞夜ちゃんもナギちゃんもやる気出して歩き出したみたいだしいいんじゃないの?」

 

泉は少し先で二人して肩を並べながら歩いているナギと黒羽の姿を見つめて小さく笑を浮かべていた。

 

「いや、多分アイツ絶対このままだとぶっ倒れるぞ。 アイツ自分とナギとの運動レベルが同じだって言ってるけど登校途中に途中休憩挟んでる時点でナギより体力ないから」

 

「え、そうなの?」

 

「ま、所詮は自己申告ですよね」

 

ハヤテもうんうん、と頷いていたその時だった。

 

「ち、近道だ・・・・」

 

一番後ろで突っ立っていた東宮が震え声で呟いた。 そして。

 

「こんな山道登ってられるか!! 僕は近道をゆく!!」

 

意を決した東宮は指定されていた山道から大きく外れて木々の中へと駆け込んでいく。明らかに班行動を乱す動きだ。

 

「お、おい! 今のセリフはどう考えてもフラグだろ!!」

 

「あ、ああ! まるで某探偵漫画で殺人事件が起きたあと『こんな危険なところに一緒にいられるか! 俺は自分の部屋で寝る!』って言うくらいのフラグだぁ!!」

 

「そんなこと言ってる場合ですか!! 早く追いかけないと!!」

 

とハヤテが行っている間に東宮の姿は見えなくなっていた。 いくら高尾山と言っても山は山だ。 どこかには崖みたいに足を踏み外すようなところもあるだろう。 闇雲に突っ込んでいったら危険だ。

 

「いかん!ハヤテ、これでは班行動が乱れる! 早く連れ戻すのだ! 私はここで休んでいるから!」

 

「わ、分かりましたお嬢様!!」

 

「おい、待て!俺も行くぞ!!」

 

「俺も!」

 

「ちょ、ちょっと! 皆勝手に動きすぎ!」

 

虎徹に続いて木原も飛び出していくのを泉が状況が変わっていくのを眺めている中、テルだけが行くことを渋っているのが目に入った。さっきから頭を掻いている仕草を見せている。

 

 

・・・心配なのかな? 舞夜ちゃんのこと。

 

黒羽の諸事情はそれなりにテル達から聞いていた。 体が弱くて、結構な頻度で倒れているのを知っているのだ。その黒羽の面倒などを任されてるのはテルだ。 だからだろうか、行きたくても行くことができない状況にもどかしさを感じているのは。

 

 

・・・テル夫くんだけに苦労かけさせる訳にはいかないかな?

 

いつも誰かに助けられてる自分だからこそ言える。 こういう時は誰かの役に立ちたいのだと。そう思い、テルの肩に泉は手を置いた。

 

 

「舞夜ちゃんのことなら私たちが見てるから。 任せてよ! でもあっちに行ったら次の展開が読める状態だけどそれでもいいんならね~」

 

「・・・だけどよ」

 

「どうした、少年」

 

と踏ん切りがつかないテルのところへひと組の男女の姿があった。後ろの方から現れたのは三年の奈津美 唯子と乙葉 千里だ。

 

「アンタ・・・それにバカ王子。 なんでこんな所に」

 

テルの問いには千里が答えた。

 

「なに、山を制覇する男は将来世界を制すると聞いたものでな。 こうして王である俺は単独で歩いていたわけだが・・・」

 

「安心しろ。 コイツは迷子だ」

 

「貴様ァ! 違うと言っているだろうが!!」

 

拳を握って叫ぶ千里をよそにテルが唯子に聞いた。

 

「そうなのか?」

 

「ああ、いつも通りマイペースで歩いていたら見事このザマらしくてな。 私はこの可哀想な男を少しでも居心地のいい君たちの班に入れてあげようと自分の班を抜けて来た訳だが・・・ま、コイツはそれ以外でも自分のグループでハブられてるから無理もないか」

 

「俺はハブられてはいない!!適当なことを言うなァ!!」

 

今度は顔を真っ赤にして言い張っていた。班行動が苦手なこの男に関しては唯子の言うことが真実なのは確かだろう。上級生が来て急に数が増えたためかそれを見て泉が言う。

 

「テル君、上級生にここは任せて一緒に追いかけてった方がいいんじゃない?」

 

泉に言われ、テルは腕を組む。 

 

・・・確かに、バカ王子はともかく、この唯子先輩ならちゃんと引率を任せても大丈夫だろうけど。

 

「泉、俺はここを動かない。 俺はマリアさんからちゃんと黒羽の面倒を見ろって言われてんだよ。 ここで仕事放棄しようもんなら俺は間違いなく執事失格だ」

 

「素直に心配だからって言えばいいのにな・・・」

 

と唯子は聞こえないように呟いた。 となりではかろうじて聞こえていた千里がわざとらしく鼻を鳴らした。

 

「なんだバカ王子。 妬いているのか? お前もやっぱこっちだったか、やっぱホモと友情って紙一重だよね」

 

「俺は断じてホモではない! それといつから俺とこいつに友情なんて出来た!!」

 

「そうだそうだ!! こんなやつと友情作るくらいなら二週間の命しかないセミとひと夏の友情を作るわ!!」

 

二人が鬼気迫る表情でにらみ合う。 片方が動こうものなら今すぐにでも喧嘩が起こりそうな状態だった。 

「あー、ちょっといいかテル」

 

その二人に水を差すようにナギが手をあげた。 なんだと問う前にナギが口を開いた。

 

「黒羽のことは・・・すまんが手遅れだ」

 

え?とその場にいた全員が目を点にしてつぶやいていた。 テルが慌てて辺りを見渡すと目に見えるだけでも泉、ナギ、唯子、千里と明らかに一人足りない。

 

「アイツも生ける伝説のフラグマスターだったか・・・」

 

「マジかよォォォォォォォォ!!!」

 

テルの絶望に近い叫びが高尾山一帯に響いた。

 

 

 

〇

 

「なんと。あの黒羽嬢が行方不明に・・・」

 

「そうなんですよ唯子先輩。 それでテル君もさっきから結構アレな状態なんですよね」

 

泉が言う先には頭を抱えてうずくまっているてるの姿があった。

 

「ナンテコッタ・・・コレデナニカアッタラマリアサン二コロサレル・・・」

 

呪文のようにカタコトをつぶやくテルは目の焦点があっていない。 完全に我を見失っている。

 

「重症のようだな。 さて、こんな事をしているよりも彼女を探すために何か考えた方が良いのではないのだろうか」

 

腕を組んでいる唯子に泉が苦笑いで答えた。

 

「うーんと、そうなんですけど。 ここで私たちまで探しに行ったらそれでこそ次の展開は読めるフラグですし・・・なんとかしたいんですけど」

 

「アレ? 瀬川さんたちじゃない。 どうしたのこんなところで」

 

策浮かばず状態の一向に声がかけられる。 その声をかけてきた方を向くとそこには担任の雪路の姿があった。 泉はこれまでの事情を説明することにしたのであった。

 

〇

 

「うーん。 ややこしい事になってきたわね・・・」

 

「というと?」

 

テルが言うと雪路は頭を掻きながら答えた。

 

「迷子の連絡はあなたたちだけじゃないのよ。 同じクラスの伊澄さんとかも迷子らしいのよ。まったく高尾山くらいで何迷子になってるんだか・・・山舐めてるからこうなるのよ」

 

一番舐めてるのはお前だけどな。と雪路以外の人間が突っ込んだのは言うまでもない。

 

「でもまぁ彼らなら迷子になって何があっても・・・」

 

「先生」

 

「どうしたの唯子さん、というか三年生のあなたがなんでこんな所にいるの?」

 

「それはさておいて、このままでは先生の立場がまた危うくなるかと・・・例えば、今度は副担任降格どころじゃなくて責任問われて免職とか」

 

「すぐに探しに行かなくちゃ!!」

 

切り替え速ッ。 驚愕の表情の一同とは打って変わって熱意に満ちあふれた教師の顔になっている雪路がそこにいた。

 

「ここは奥の手を使うしかないわね・・・」

 

と、雪路は立ち止まったかと思うと遠くの空に大声を放った。

 

「ヒナの恥ずかしい過去その1―――――!! あれはヒナが10歳の時―――――」

 

そこから先のセリフが語られる事はなかった。 何故なら雪路が台詞を言い終わる前に山を下るように猛ダッシュでこちらで向かってきたヒナギクが雪路の頭にゴールデンパンチを食らわせたからだった。

 

「やまびこに乗せて何言おうとしてたのかしらお姉ちゃん」

 

「まさかやまびこよりも早いとはねヒナ」

 

完璧な身体能力を持つ生徒会長のスペックはやはり計り知れない。

 

「え? 綾崎くんたちが遭難?」

 

「そうなんですよヒナ」

 

「そうなんです」

 

「お前ら緊張感ねぇな。 冗談抜きで、マジで」

 

こちらとら内心は人生かかるほどにプレッシャーを感じてるというのにこいつらと来たら。と能天気な理沙と美希に苛立つテルだったがそうやって苛立っていて状況が変わるわけがない。

 

むしろ、こいつらのペースがある御陰で変に慌てたりしないのだ。ほんの少しだけ感謝はしている。

 

「じゃあ『私たち』は迷子になったみんなを探してくるからヒナ、唯子さん、この子達の面倒は頼んだわよ!」

 

「え?」

 

「なんで俺ら?」

 

雪路の両の手に掴まれていたのはきょとんとした顔のテルと泉だった。雪路はお構いなく二人の生徒の重さを気にすることなく力づくで茂みの中へと進んでいく。

 

「例えこの先が複数のフラグに満ち溢れていようとも・・・私は生徒を守る!! 決して邪な考えなどない!!」

 

「絶対あるだろ! 生徒よりも確実に自分の立場と給料のこと考えてるだろ!!」

 

「うわ~ん! ユキちゃん引っ張らないで~!!」

 

やがて三人の姿が茂みの中に完全に消えるとそれを見送ったヒナギクは唯子と目を合わせた。

 

「どうします?」

 

「どうもするもなにも・・・先生の言うとおりにするしかないんじゃないか? これ以上メンバーが欠けるのは流石に避けたいからな」

 

確かに。と唯子の言う正論にヒナギクは小さく頷いた。今ここにいる集団だけでもいろいろなグループのメンガー集まっている。 美希や理沙、千桜や千里も合わせると七人だ。

自分も行こうかと思ったがヒナギクは直感的に、流れ的に次は自分が迷子になる気がしたのを悟り以降とはしなかった。 

 

今では正しい判断だ。と思っていると山道の看板を見ていた美希と理沙その看板の文字を読み上げて言った。

 

「終わったな・・・」

 

「ここ、熊出るらしいな」

 

『熊出没注意!!』と赤い字で書かれた看板を見てヒナギクは、少しだけ行かなかったのを後悔したのであった。何があっても姉とともに危険な事態に遭遇しても自分なら対処できるからだ。

 

そしてやっぱり。

 

「ミイラ取りがミイラになるって言葉知ってるかしら?」

 

「見事にフラグを回収したなオイ」

 

「ここどこー?」

 

ものの数分、救助隊は迷子になってしまったのでした。

 

 

 

 

 

 

 




後書き

キリのいいところで今回は終わらせました。 あと二、三話くらいでこの話も終わると思います。さて、ようやく名前が出ましたが相変わらずの名前だけ・・・伊澄ェ。

 
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