TSオリ主は完璧なチートオリ主になりたいようです【本編完結】 作:GT(EW版)
好き勝手妄想できるのが好きです
とある世界線のお話 劇場版発表のそわそわ感
某掲示板のレイアウトを模した真っ白なバーチャル空間に、一人の
まな板に並んだ魚のような目。饅頭のような頭部。ぷっくりと太ったお腹。ゆるキャラめいたコミカルなその姿は、気まぐれにネットの海を漁れば同系統のキャラクターを一度は目にするであろう有名な
この数ヶ月間、配信者バーチャルデキルオは活動を休止していた。
その理由は実に単純な話で、アニメ「フェアリーセイバーズ∞」の放送が終了したからであった。
旧作「フェアリーセイバーズ」及びアニメ化前の原作漫画連載時から同作品を追っていた彼は、一ファンとして年季の入ったガチ勢であり、それ故に豊富な知識を持つ。
そんな彼が語る「フェアリーセイバーズ∞」の世界観解説や考察は同輩の者や新規視聴者にとって需要があり、彼が投稿した中でもフェアリーセイバーズシリーズの関連動画だけが際立って再生数が多かった。
その事実を客観的に受け止めていた彼は、リスナーたちが自分に求めていることをはっきりと理解していたのだ。
故に彼はこの数ヶ月──あえて黙していた。
アニメ「フェアリーセイバーズ∞」が終了してからも、語り尽くせなかった感想や披露したい考察は山ほどある。
しかし、だからこそ……彼は公式が決定的な情報を出すまであえて沈黙を貫いたのだ。
内心では新作映画の監修を務める原作者が自身のインスタに投稿し始めた意味深な一枚絵にソワソワしながらも、Vチューバーバーチャルデキルオとしてフェアリーセイバーズを語るのを意図的に避けていたのである。今はまだ、自分が動く時ではないと。
そして黙して待ち続けた結果──来るべき時は訪れた。
「こんにちは、デレクジーターです」
【……!】【きた……きた……】【おひさー】【来たのか!?】【おせえんだよ!】【待ちかねた……ってほどではないけど会いたかったぞ中年んん!】【ジップヒット懐かしい……】【野球が上手くなるには練習内容が大切だろ常識的に考えて】【微妙に世代がわかりそうなネタ】【こんでき】
「こんできこんでき。いやー久しぶりですね皆さん。前の配信から結構経ってますけど、皆さんよく集まってくれましたね。ありがたいことです」
【あんな特報を見たら集まるだろ常識的に考えて】【当然だよなぁ!】【なんだかんだFSを語り合うにはここが丁度いい】【例の考察動画から来ました!】【生配信は初見】【同じく】
告知から程なくして当たり前のように始まった数ヶ月ぶりの生配信に、訓練されたリスナーやそうでない者たちが続々と入室してくる。
その事実自体は配信者としてありがたいことだと素直に喜びながら、バーチャルデキルオは感謝の一礼で一同を出迎えた。
リスナーたちが彼の呼びかけに応え、開幕から順調に集まってくれたのは、みんなして「例の件」に浮き足立っているからなのだろうと察し、バーチャルデキルオは共感を抱く。
彼自身、今回唐突に沈黙を破ったのはそれが理由だったのだ。
そう、彼は今──「公式から供給された新情報」に、すこぶる興奮していた。
「皆さんが今回私の呼びかけに応えてくれた理由はわかっていますとも。遂にトレーラーが公開されましたねぇ!」
【YEAH!】【やったぜ】【初報から思ったより長くて驚いたわ】【メアちゃんとアリスちゃんが美人に育ってて嬉しい】【先生のコメント通り新世代中心の話になりそうね】【デッキー、お前と語りたかった……】
「私も語りたかった……情報も集まっていないのに早々に動画を上げるのは情弱のやること! とか前は言っていた気がしますが、すみません。前言を撤回します。あんな映像を視たら率先して取り上げなければいかんでしょ? 古参ファン的に考えて」
【せやな】【寧ろ最近のデッキー大人しすぎて冷めちゃったのかと心配した】【こういうのは熱量が大事よ】【一理ある】【うぬぼれるなよ】【やらない夫みたいなこと言うなよ常考】【実際、デッキーの反応が気になったのはある】【外国人の反応も面白かったぜ】
「私がフェアリーセイバーズのことで冷めるなんて、よっぽどのことが無ければありえませんよ! しかし新作映画の特報とか予告って、なんであんなにワクワクするんでしょうかね?」
【わかる】【そうかな……】【俺は上映前の予告ラッシュはちょっとダレるけどなんだかんだいつも楽しんでるマン】
──そう。
彼らの興奮は兼ねてから発表されていたアニメ「フェアリーセイバーズ∞」の続編映画の情報がつい先日、PV映像付きで公開されたからであった。
公式のチャンネルで公開されたPVの時間は20秒。もちろん、映し出された映像は全て新規のカットであり、元々評価の高かったテレビアニメよりもさらに美麗になった作画がネット上でも話題になっていた。
感情が昂ぶった結果、バーチャルデキルオは数ヶ月間の沈黙を破り、今回の生配信に踏み切ったわけである。
満を持して公式から公開されたPVの内容に焦点を当てつつ、前回の配信で語り尽くせなかった雑談をグダグダと語っていこうというのが、今回のデッキーチャンネルの主旨だった。
それを当然のように受け入れてくれたリスナーたちに感謝しながら、バーチャルデキルオは語り出す。
「……と、言うわけで今回のでっきー雑談は【劇場版フェアリーセイバーズ∞
【承知】【もう見たけど見てくる】【再生数既に凄くてやっぱり新作映画って凄いとおもいました】【既に親の顔より見た】【メアちゃんが主人公って言ってたけど、タイトルからして扱い大きそうだよね】【炎の出番はどうなんやろ】【主人公交代はちょっと不安だけどメアちゃんならやってくれる……】【JKメアのビジュアル好きだから俺得】【いいよね……】
件のPVを思い思いに語りながら、バーチャルデキルオはリスナーたちのコメントに「わかる……わかるよ……」と相槌を打つ。
PVの内容としては初めて公式が出すトレーラーとしては適度に情報が隠されていたが、ファンにとっては期待を膨らませるに足る密度の濃い内容だったのだ。
具体的な内容としては、こうだ。
──パトカーのサイレンで賑わう夜の町の中。高層ビルの屋上で向かい合う暁月炎とT.P.エイト・オリーシュア。
睨み合うように佇む二人の雰囲気は和やかなものではなく、今にも戦いを始めそうな剣呑な雰囲気に包まれていた。
そんな冷たく重い空気の中で、悲しそうな目をしたエイトが、満天の星が煌めく夜空を見上げて静かに呟く。
「……廻り始めてしまったんだよ。終わりも無ければ、名前も無い。この空のように美しくも冷たい、闇の輪廻がね……」
意味深な台詞を引きにして、次々と映し出されていく劇中のカットは、視聴者にとって数か月ぶりに「フェアリーセイバーズ∞」の世界観に引き込まれていく映像だった。
高校の制服のスカートを翻しながらテロリスト集団を相手にアクロバティックな大立ち回りをするメアの姿。
大きくなった闇雲カケル、アリス兄妹の姿。
何者かと対峙する炎、長太の姿。
殺意の籠もった眼差しで銃を構える翼。
──そして地球の世界各地に佇む、フェアリーワールドの世界樹サフィラに似た巨大な木。
エイトの弾くハープの音色をBGMに次々と切り替わっていく劇中のカットの締めとして、最後に指を止めたエイトが暗転した画面の中で言い放った。
『これが終わったら……ボクの時間を、キミにあげるよ』
暗転した画面に映し出されるのは、既にお馴染みである「フェアリーセイバーズ∞」のタイトルロゴ。
その下に本作の副題として「
それは最初に公開された映像としては、語る内容、考察できる要素共に充実した情報量だったと言えるだろう。
そんなPVを手元のスマホで確認した後、バーチャルデキルオは頭の上で指をピコピコさせながら抑えられぬ興奮を表わすと、順を追って自らの感想を語った。
「エイトちゃん、また死亡フラグ立ててる……」
【悲報】【定期】【こうして見るとエイトちゃんの意味深謎ポエム、映画の予告に向いているな】【言ってみればエイトちゃん自体劇場版ヒロインみたいなキャラだし天職と言える】【最後のセリフ誰に言ってるんだろうね?】【最初のPVなんて平気で嘘予告になるもんだからへーきへーき(白目)】【トレーラー第二弾では海から出てきたエイトがセイバーズの前で「命をかけて掛かってこい」と言うんですねわかります】【幻のヒロインエイト爆誕きたな】【炎との決着はやり残してるし、エイトとの対決はどこかでありそうやね】
テレビアニメ本編でも後半は不穏な演出が目立っていたT.P.エイト・オリーシュアであるが、彼女自身の謎は既に本編で概ね回収されている為、彼女が放つ意味深な台詞はもはやファンの間で風物詩と言うか、様式美的なものですらあった。
しかしいざ本当にそんな展開になったとしたら……その時は三日三晩寝込みながら脚本監督に対する呪詛を撒き散らしているであろう自分の姿を、バーチャルデキルオは想像していた。
……ともかく最初に目についたのは特報解禁と共に姿を現したT.P.エイト・オリーシュアの姿であり、月下に輝く彼女の美貌を劇場版特有の超作画で拝めたのはこの上無い収穫だったと言える。
少なくとも作画のレベルの高さが保証された時点で、彼らにとって歓迎すべき映像だった。
そして第二に驚いたのが……新作の映画では、予想以上に大きく扱われそうな新主人公の存在である。
今回初めて明かされた副題は「
リスナーたちの話題も当然のように、彼女に集まっていた。
【それはそれとして派手に飛び回る女子高生メアちゃんが良かった】【ビジュアルは女の子らしくなってるのに動きはアクロバティックになってるのは何かエイトちゃんリスペクトを感じる】【最終回でもしやとは思ったが、今や完全にメア>マルクト>エイトだな】【どこがとは言わないがマルクト様ちゃんよりあっさり大きくなってて草】
「かつては貧乳同盟でしたがメアちゃんと二人では設定的に将来性が段違いですからね。エターナル貧乳と成長期の子で差がつかない筈は無い。それでもまだギリギリ貧寄りなのが私的にはアリですが」
【健全な大きさですき】【大きくなったなぁ……(しみじみ)】【雰囲気がちょっと背伸びしたお姉ちゃん感があってイイネ】【ポニテを結ぶ三色のリボンが、オシャレを覚え始めた感があって感慨深いと言うか微笑ましい】【灯ちゃんとエイト両方に似てきてお兄さん感激だよ】【俺は続編で成長した元ロリを見るとまず最初にお爺ちゃん的な気持ちになって全く性欲が湧かないマン!】【←わかる】【成長したメアちゃんえっちなんだけど太もも見えるのに罪悪感感じる】【俺の孫だからな】【笑止、この私のだから】【俺のDAー!】
「ふむ……最終回でも語りましたが、私も成長したメアちゃんはナイスデザインだと思います。何を隠そう私もロリキャラが成長するの嬉しくないマンだったのですが、最近は「単にそのキャラの成長曲線が解釈違いなだけだったのでは……?」と気づき始めました。順当にいい感じの姿になると、案外あっさりと定着するんですよね」
【そうかな……】【そうかも】【そこに気づくとは天才か】【いや当然だろ常識的に考えて】【ちょっとわかるお】【ルリルリとか桜ちゃんとかはどっちもすき】【つまり……俺はロリコンではなかった……?】【部分的にロリコンである】【何がとは言わないが急にデカくなりすぎたり、髪型がダサくなったり、作画の関係で妙にケバくなったりすると残念感が出るのはある】
ロリキャラの成長というのはアニメ界ではある種ギャンブルと言うか、冒険的な面があるのはアニメオタクとして感じていた彼の経験則であった。必然的にロリという個性が一つ無くなるわけなのだから、良くも悪くもキャラとしての魅力に大きな影響を及ぼすことはどうしても避けられないのである。
それでショックを受けた経験も彼には何度かあったのだが……今のところは自分含め新しいメアのビジュアルは、概ね好評の様子だった。
成長したメアの姿は儚さの中に力強さを秘めた意志の強そうな瞳が印象的であり、大きく印象が変わった点としては長い黒髪をポニーテールに纏めて、青、白、橙の三色のリボンでオシャレに結ばれているところが挙げられる。それぞれケセド、ケテル、ホドを意識してそうな色合いには色々と考察要素が含まれており、幼かった体型も年相応に成長していた。
背も小柄ではあるが150cm台前半程度には伸びており、高校の制服として身に纏う空色のブレザーやスカート、黒いハイソックスもよく似合っており、何なら乙女ゲームの主人公を張っていてもおかしくなさそうな容姿だった。
【そうして考えると今のメアちゃんは流石魔王様デザインと言うか、完璧な成長姿よな】【印象が大分変わったけど、違和感は無いって言うか】【髪型とか色々変わってるけど「あっこの子メアちゃんだ」と認識できるもんね】【俺はメアちゃんをあの綺麗なお目目で認識していたのだと理解した】【気持ちちょっとつり目気味になって、活発度が上がってるんだけど包み隠せない薄幸さというか、ジトっとした面影が残ってるよね】【書き分けが上手いのは流石魔王様である】【寧ろ連載時より画力が上がってるって言う】【FSもだけど最近のアニメは原作者が自ら映画化の指揮を執るパターンが増えて嬉しい】
「脚本やキャラクター造りは原作者としては『え?』って感じはありますが、監督さんや俳優の皆さん、ボクやファンの皆さんは別次元の『新フェアリーセイバーズ』として鑑賞するのが正解かもしれません」
【やめろ】【風化させてはならない】【フェアリーセイバーズevolution!】【まあ、ああいう派手なやらかしがあったから最近は映画界でも原作を尊重する風潮ができたのかなと思ってる】
「もちろん、原作とは違う解釈だからこそ大成功した名作はたくさんあるんですけどね。かのジブリ映画も割とそういう感じのが多かったりしますし。しかし原作ファンとしては、先生自ら指揮を執ってくれるのなら仮に失敗しても、「まああんたほどの監督がやるなら……」とある程度諦めがつきますからね。……いえ、この話題はなんかちょっと荒れそうなのでやめましょうか」
【せやな】【えらい】【でっきーの微妙に高い危機管理能力すきよ】
「よせやい。私はデキる男なのですからそのぐらい当然です」
もちろん、創作に絶対は無い。世の中には人気漫画家が気合を入れて監修を務めたものの、映画には初挑戦ということでノウハウが浅く、それ故に漫画のように上手く行かず悲しい結果に終わってしまった例も溢れているのだ。いかに映画を作るのが難しいかと言う話である。
無論、今回の新作アニメ映画もそうなる可能性はあるのだ。故に、最初に公開されるPVというのはファンにとって作品全体の期待に影響を与える重要な情報だったのだが……その点で言えば先日もたらされたトレーラーは、ファンに対する掴みとして成功だった。
まず、いきなり劇場作画のエイトちゃんを見せてくれたことが視覚的に強かったのはあるだろう。
テレビでも元々良かった作画が映画化でさらに良くなったというだけでも、バーチャルデキルオにとっては期待を膨らませてくれる要素であった。
「テロリストっぽい敵が普通に生えていたり、相変わらず治安が悪そうなフェアリーセイバーズの世界ですが、それは五年間で盛んになった異世界交流を良く思っていない勢力が現れて……とか言う展開だったりすれば、火種はいくらでもありそうですからね。学園テロリストのような相手では劇場版のボスを張るには物足りない気がしますが、悲しいことにあの世界は敵対勢力には困らなそうです」
【それこそPSYエンスの残党とか幾らでもいそうだからな】【やはり人間は愚か……】【劇場版ボスが野蛮な人類を見限ったエイトちゃんだったら困る】【興奮するよね……】【エイトお姉ちゃんに見限られる人類とか逆に何をしたのか気になる】【本編終了後なんだから、敵もそれなりにインフレしていくとは思う】【またアビスが敵ってのも芸無いしなぁ……】
「ふむ……皆さんも考えてることは私と同じですね。しかし、最初のトレーラーというものは真の敵の姿を出さないものです。そちらは続報を待つしか無いでしょうね。私としては「人間に転生したアビス」が今回の敵になるかも、と妄想していますが」
【ほう……】【出た! でっきーの割と当たる考察だ!】【俺もちょっと思っただろ】【根拠は?】
「副題がリィンカーネーション──「転生」ということと、先生が最初の告知で上げてくれた意味深なイラストですね。エイトちゃんとメアちゃんに挟まれている少年は、ただの羨まけしからんショタではなく……アビスが生まれ変わった人間なのではないかと。そうなると、エイトちゃんが敵対する展開もありそうじゃないですか? ほら、アビスの生まれ変わりである危険な子供の処遇をどうするかとかで」
【絶妙にありそうなラインやな】【とりあえずエイトちゃんがアビスショタ(仮)を守る側に立っているのはわかる】【それだと炎たちも一緒に守る側になるだろうから対立するかは微妙な気が……】【ショタコンと言えばエイトちゃんだけど、炎も子供にはめっちゃ優しいからな】
「まあガチ考察ってわけじゃありませんからね。そうなってくれたら俺得だなぁという妄想です。そう、私はただ劇場のスクリーンで新鮮なおねショタが見たいのです! そのネタで二次創作書こうとしてたぐらいに」
【草】【わかるよ……】【今書けよ】【でっきーの小説毎回挿絵にしか目が行かないから絵だけ描いて♡】【おねショタもいいけどたまには優しい誰かに甘やかされてるエイトちゃんも見たいです】【←カロン様がいるだろ常識的に考えて】【アディシェスとか転生フラグ立ててたし、人間に生まれ変わるのはありそう】【聖獣の次はアビスとの和解を目指すって言うのはわかりやすいかもね】
公式から小出しにされた情報を題材に、好き勝手に妄想するのが楽しかったりする。そんなオタク心である。
いずれにせよ、まだ見ぬ新作への期待に彼の胸は膨らんでいた。つくづく好きなコンテンツが続くと言うのは幸せなことだとバーチャルデキルオは思う。
映画の出来がどれほどのものになるのかという期待もそうだが、一番はやはりもう一度あの世界に浸れるという喜びだろう。
既存のキャラクターたちはもちろん、まだ見ぬ新キャラたちも。
「ぶっちゃけると戦闘とかほとんど無くて、映画の尺でじっくり日常回をやっていただいてもいいんですけどね」
それは既に本筋が完結している物語だからこそ抱く、興行を無視した身勝手なファン心理なのかもしれないが……とりあえず彼はよほどのものでなければ新しいフェアリーセイバーズの物語を全力で楽しむ気持ちでいた。
そんな一周回って何か、悟りを開いたような心情で穏やかに語る彼の姿を見て何人かのリスナーは違和感を感じたのか、ふと誰かが呟いた。
【デッキーちょっと変わった?】【前はもっとネチっこかった気がするが……】【一人称私になってるし】
その質問に、バーチャルデキルオの中の人がフッと笑う。
待っていましたとばかりに彼が浮かべた、つい先日三十過ぎてようやくたどり着いた
「フッ、参ったな……わかる? いやあ、実は僕、最近彼女ができまして。オデコがキュートな! 金髪美人の! 彼女が! できましてー! ふふ、その心の余裕が? 身体の端から滲み出ている? みたいな!?」
【は?】【は?】【おめ】【嘘乙】
──その日、バーチャルデキルオは炎上した。
少しばかり調子に乗ってリスナーたちを煽りすぎたのが、彼の敗因だった。
そんな彼の恋人は今は亡き親友を通して学生時代に出会った仲だったりするのだが……ほんのり甘かったり甘くなかったりする初々しいラブコメは彼のチャンネル需要からは大きく外れている為、ここでは割愛する。
そんなとある世界線の一幕。
アンケートへのたくさんのお答えありがとうございました!
皆さんの需要を理解したので、今は劇場版編を裏で書いています。大体プロットはできましたが思ったよりメアちゃんが主人公してるので、エイトの役目はオリ主好みのいぶし銀的な活躍になりそうです(´・ω・`)
今後の参考にしたいので皆さんの需要を教えてください
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その後のエイト(日常)
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その後の世界(劇場版編)
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本筋(おねショタ)
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番外編的なやつ
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しんさく
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そんなことより他のSS完結させようぜ